業界・業種を絞らず多角的視点から企業を分析した東洋大学4年の横地陸さん。注目したのは「社員の経験値」と「事業、組織フェーズ」。いち早く頭でっかち『思想家就活生』を脱却し、長期インターンを通して『行動結果型』の就活生として成功を収めた。1,2年生ではマルチ商法に騙され、借金を抱えながらの就活スタートをした苦い過去も打ち明けてくれた。「逆境や失敗談はその時の努力で成功談に変えることができる」と語る彼が、成長意欲がある学生が実践すべき就活法をご紹介します。

「やりたいことがない」でも大丈夫

 

斉藤
ベンチャー企業数社から内定を頂いて、イントループ株式会社に入社を決めたんですよね?

横地
はい。内定先以外にも、ギブリー株式会社、エージェント、ホットリンクの4社から内定を頂きました。

斉藤
4社の中から今の内定先選んだ理由を教えてください。

横地
第二創業期というこれから大きくなっていくタイミングと、いい意味で社員の平均年齢が高く、様々なものを学べるところに惹かれました。

斉藤
それが横地さんの就活の軸だったんですか?

横地
軸はやっていく中で定まっていきました。最初は「何かやりたいことがないとだめだな」って思って色々彷徨ったのですが、自分に嘘をついてまで夢や目標を作ることに価値を感じず、「無いなら無いなりに今目の前の仕事に全力で向き合おう」という結論になりました。

斉藤
業界も職種も絞らなかったんですか?

横地
時代が時代であるので、AIやブロックチェーンをはじめとしたテクノロジーに携わりたいという気持ちはありましたが、それ以上に「どこの業界でも一生懸命やる」という気持ちの方が強かったです。そしてフラットな目線で企業研究をしようと意識しました。学生は自分が消費者の経験があり、志望動機を語りやすいBtoCのサービスに目がいってしまいがちなので、偏見なしに研究しました。そこで、BtoBの世界も広いことに気づき、どうせならあえて自分の知らないBtoBの世界に身を置きたいと思いました。

斉藤
働いてないのに好きな業界とか好きな業種って分からないですよね。「やりたいことがまだ見つかってない」という事も正直に言いましたか?

横地
はい。でも何も考えずにキャリアを歩もうとしてるのとは話は別ですよ。「何かやりたい事が見つかった時にすぐ動けるような知識と経験をまずは蓄えたいです」と言ってましたね。

斉藤
しっかり考えた上での「ない」と伝えるべきなんですね。
INTLOOP内定者の横地陸さん

企業研究は内・外部2つの視点から

 

横地
また、「ベンチャーだから成長」「ソーシャルグッドの事業であるから人を大切にしている」などと企業を勝手にカテゴライズして偏見で決めつけないようにしてました。一社一社ちゃんと見て、ひとつひとつの違うストーリーを理解しようとしました。

斉藤
企業ごとの特徴を知るにはどうしたらいいんですか?

横地
内部と外部という2つの視点があると思います。外部はHPなどに記載されているような事業やIRの情報です。内部はもう一歩掘り下げて内部構造(ピアボーナスの有無/360°評価など)、社内でのアイデアの出方、オフィスのデザイン、創業メンバーの前職などです。

斉藤
内部構造はどこで情報を得るんですか?

横地
社員さんや座談会で話を聞くのが良いと思います。大切なのは「裁量権」や「成長」などという安易かつ抽象的な言葉に逃げず、「A社の成長とは」「B社の裁量権とは」と掘り下げて考えることかと。

斉藤
理解しようとする姿勢で熱意も伝わりますもんね。

横地
普段、表に出てこない情報も交えて志望動機などを語れば、他学生との差別化も図れます。そこにビジネス書での情報も足すと、さらに言葉の重みが増すと思います。

斉藤
就活生におすすめの本があれば教えて下さい!

横地
これは人によると思います。読書が習慣づいていない方であれば、まずは「日本再興戦略」、「お金2.0」、「ポスト平成のキャリア戦略」、「ブランド人になれ」、「死ぬこと以外かすり傷」、「破壊者」、「ダークサイドスキル」「転職の思考法」、「コンサル一年目が学ぶこと」などがいいのではないでしょうか。非常に読みやすく、抵抗なくビジネスの世界やキャリアについて触れられるので。

斉藤
なるほど。そういった本には少し抵抗があるけど、ビジネスについて学びたいという方にオススメの小説などはありますか?

横地
小説であれば、「下町ロケット」で有名な池井戸潤さんの銀行にまつわる物語(花咲舞/半沢直樹シリーズ、果つる底なき、七つの会議など)、朝井リョウさんの「何者」、百田直樹さんの「海賊と呼ばれた男」などでしょうか。起承転結のストーリにもなってますし、ビジネスについて軽く触れているので楽しく学べるのでおすすめです。

斉藤
確かに、いきなり難しい本を読むのではなく、読みやすい本から『習慣づけていく』ことは大切ですね。

横地
ただここでの注意点としては、あくまでも「知っているだけの自分」と自覚することだと思います。ここで増えた知識量から「仕事ができる」と勘違いしてしまうと、人事から「井の中の蛙」と思われてしまうリスクはあるので、、、

斉藤
なるほど。 下手したら天狗になりかねないですもんね。

横地
そこから実務として使える本などに入っていくといいかもしれないですね。「考える技術・書く技術」、「問題解決プロフェッショナル」、「ロジカルシンキング」、「BCGの仮説思考」、国貞克則さんの財務シリーズ、などですかね(コンサル系に偏りがあるのは悪しからず)。

斉藤
実務系の本には何か特徴などがあるんですか?あまり読んだことがなくて…

横地
実務系の本の良いところは、章末に演習問題が記載されていることが多く、「教科書」としての機能があるところです。この演習と長期インターンでのアウトプットをかけ合わせることができたら非常に良いと思います。

斉藤
アウトプットのためのインプットですよね!

横地
おっしゃる通りです。これから本選考が始まると、インターン選考よりさらに厳しい環境になっていくと思います。大切なのは読書だけした学生が多くいる『思想家レッドオーシャン』の市場ではなく、実務での経験談をミックスさせた『実行者ブルーオーシャン』の市場に入ることだと思います。説得力が全然違います。

斉藤
実務での経験を通して、横地さんは就活でどこに注目しましたか?

横地
注目したのは『フェーズ』です。僕の場合は、大体新卒が30人未満、社員さんが100人未満の企業が魅力的に思えました。スタートアップだと、放置されても自ら顧客を作り、着金できるくらい高度なスキルが求められると思いました。恥ずかしながらそれが無かったので、ある程度のスキルでその後の成長も見込める『創業』から『成長』へと向かうフェーズが良いだろうという結論に至りました。

斉藤
事業も安定して伸びて組織拡大のフェーズですね。横地さんは新卒採用人数と社員さんの数で見るんですね。

横地

新卒を『質』か『量』として見ているのかの指標にはなると思います。自分は学歴も無いので、「横地陸」という名前で覚えてもらえる企業が良かったですね。

 

 

INTLOOP内定者の横地陸さん

 

行動次第で失敗も成功に

 

斉藤
自分の強みと弱みを理解した上で企業選びをされてたんですね。就活対策は早くから行っていたんですか?

横地
始めたのは2年生の2月からです。実は大学1、2年生の時にマルチ商法にひっかかって借金を抱えて、返済のために2年生の2月から長期インターンをやりだして、それが就活のスタートでした。

斉藤
マルチ商法?借金返済地獄ですか!?

横地
大人に騙されてたんですけど、それに気づいていなくて、偶然の出会いでマルチ商法にひっかかっていると気づかせてもらったんです。その人が紹介してくれたのが長期インターンでした。

斉藤
社会勉強も兼ねたインターンだったんですね…

横地
最後には総額80万の借金を抱えていました。大学受験に失敗したので、1年生の頃からビジネスを始めてその悔しさを払拭したいという思いがあって、そこを大人に付け込まれました。

斉藤
悪い大人を信頼してしまったんですね….完済しましたか?

横地
はい。社会人からしたら大した額ではないかもしれないんですけど、学生からしたら辛かったです。ただ意外にこの自虐ネタでインターン選考通ったりしたので、今はネタだと思えています(笑)学生時代頑張ったことを聞かれた時に「マルチの借金返済」なんて言う人間は稀有だろうなと自分でも思っていました(笑)

斉藤
「逆境をチャンスに」ってことですよね!

横地
そうですね。80万の勉強代でした(泣)良い経験になりました。

斉藤
高すぎますね(笑) 長期インターン1つで借金返済できたんですか?

横地
一気にやったわけではないんですけど、4つやって返済しました。まずスタートアップで2年生の2月から3年生の9月まで、次は農業ベンチャーの営業で10月から12月まで、エイベックスの長期インターンで1月から3月で、年明け4月に内定先を、7月に内定先と同時進行で最初のスタートアップに出戻りしました。
INTLOOP内定者の横地陸さん

成長欲が試される長期インターン

 

斉藤
色々試されたんですね。長期インターンは企業を知る上で有効な手段ですか?

横地
結構おすすめしています。アルバイトやサークルとは責任感が全然違いますからね。「みんな圧倒的に成長したい」、「20代で裁量権任されたい」などと口では言えるんですけど、実際に動ける人はなかなかいないんです。口先だけの人から抜け出せるチャンスがそこにはあります。

斉藤
4つの長期インターンの中でどれが一番印象的でしたか?

横地
結構しんどかったのは農業ベンチャーですね。出勤初日に沢山のお客さんの営業リストが渡され、実際に電話するもののクライアントさんにはガチャ切りされ、成約率は0。企業が僕を雇うことで動くお金は「売上高」ではなく「人件費」だけ。「成長したい」と思っていたのに、企業のお荷物になっていたのは辛かったですね。

斉藤
辛さから逃げ出したいとは思わなかったんですか?

横地
思いませんでした。 本当に打ちのめされて、「成長」「裁量権」という言葉を咀嚼し何度も「ベンチャーでいいか」と考えた結果、やはり「成長したい」と思ったんです。そこから次第に成約率も上がり、微々たるものですが「経験」をセットにした自己PRを語れるようになりました。貴重な経験です。

斉藤
実際の業務を体験できるのは、長期インターンの利点ですよね。なおかつ自分がどこまで努力できるかも分かりますし。

横地
社会人を体験しながらも、学生でもあり、いいとこ取りができます。苦しいこともちょっとずつやり続けると意外に耐えられますよ(笑)

斉藤
それは借金の経験から得た知恵ですね(笑)ベンチャーでのインターン経験から、ベンチャーに絞って就活をしたんですか?

横地

ベンチャーを目指してたというよりは、早めに就活を考え出すとベンチャーくらいしか知れないんですよ。大手企業は3年生にはアプローチして無いので、結果論として知ってた企業がベンチャーばかりでした。

 

 

INTLOOP内定者の横地陸さん

 

社内でロールモデルを見つける

 

斉藤
さっきほどおっしゃってたように、企業選びの際は、社員さんの平均年齢も重視していましたか?

横地
はい。内定先は平均年齢が40代後半なんです。社員は本当に色んな経験をされていて、多彩な才能を持ち合わせています。新卒二期生でそういった人たちと至近距離で仕事をできる機会がいいなと思いました。

斉藤
横地さんは二期生なんですね!通常ベンチャー企業は平均年齢が若いことをアピールポイントにしますよね。経験豊富な方から学べる環境は恵まれていますね。

横地
ロールモデルとなる尊敬できる人に5年10年かけて追いつき、いずれは越したいとも思っているので、長期的な目標を持って働けるのも魅力的ですね。会社に対してロイヤリティを持ちつつも、会社の名刺がなくなっても市場価値を発揮できる人になりたいですね。

他学生との差別化を

 

斉藤
先輩の経験を吸収したいってことですもんね。就活時に、自分の価値を高めるためには何が必要だと思いますか?

横地
これは事業戦略と本質的には同じだと思っており、自分という商品の「ポジショニング」と「差別化」が大切であると思い、『3C分析』を使いました。市場は志望している企業、競合は他の就活生、自社はこの場合自分しかない価値、という感じでしょうか。
3C分析

横地
こんな感じでフレームワークを使って、自分にしか無い価値を人事に伝えてました。

斉藤
端的に逆境に強いイメージが伝わりますもんね。

横地
良いか分かりませんが、グループディスカッションでもまずしゃしゃり出てみって結構後輩に伝えてます。

斉藤
でも就活記事によく、「口数が少なくても通る」 なんて書いてありますよね。

横地
極論ですけど、タイムキーパーを欲しいっていう企業はあんまりいないと思います。選考でインパクトも何も残せずに終わってしまうことは避けるべきです。お笑い芸人がそもそもテレビに出ないと「面白い」「つまらない」と評価されないのと同じで、まず人事の目に止まらないと採用/不採用の対象にもならないと思います。

斉藤
誰かの波に飲み込まれるよりは、自分で流れを作るのもありですね。

横地
他人の意見も尊重しながらってところがポイントです。仮説とロジックを積み重ねて、客観的なデータ、ファクトベースで語ればクラッシャーにならないですよ。思いやりのあるでしゃばりになりましょう(笑)

斉藤
はい!『3C分析』外の自己分析はしましたか?

横地
典型的な自己分析はモチベーショングラフで過去をほじくり返すじゃないですか。でもまだ20代なんで、過去をほじくり返しても知らない自分ってまだあるだろうと思ったんです。

斉藤
たしかに、分からないことだらけだと思います。分からないことが分からないという残念な状況ですね。

横地
なので、『ジョハリの窓』を使用しました。『自分が知ってて他人も知ってる自分』、『自分が知ってて他人が知らない自分』、『自分が知らなくて他人が知ってる自分』、『自分が知らなくて他人が知らない自分』を書き出しました。

斉藤
多角的に自分を見つめ直すってことですね。

横地
自己分析で大切なのは、自分が知らないゾーンをいかに自分が知っているところに持っていくかだと思います。

斉藤
どうやって持ってったんですか?
ジョハリの窓

横地

こんな感じで、新しいコミュニティに入って、気づいたことをすぐメモしました。例えば、インターンでは誰も知らない環境にいきなり入ってるじゃないですか。いざ営業をやってみると、感情的な訴えに弱かったりしました(笑)普段はロジックを意識しているのに。

 

 

 

一刻も早く『実行者ブルーオーシャン』に

 

斉藤
やったことなかったことに挑戦すると、自分の新たな一面が垣間見えますよね。就活成功の秘訣があれば教えて下さい!

横地
僕が思うコツは、やはり一刻も早く『実行の世界』に移ることですね。

斉藤
横地さんでも遅かったと思います?

横地
まず『思想家レッドオーシャン』から脱却、環境に捕らわれずに自分で考えて『実行者ブルーオーシャン』に、日常の細かい部分から変えていくんです。僕もまだまだですが、自分に妥協せず、謙虚であり続ければ本物の強者になれると思います。

斉藤
なるほど。頭で考える人間はたくさんいるけど、行動で示せている人は少ないからそこにポジショニングしようってことですね。入社後もコンサルを続けますか?

横地
まだ未定ですが、当面はコンサルを続けたいと思ってます。そして何かやりたいってなった時にそれまでの知識や経験、人脈を結集させて、ビジネスとして成立させたいですね。

斉藤
自分で事業を立ち上げたいってことですか?

横地
現時点ではビジネスかもしれないですけど、高校時代は軽音楽部の部長だったので、歌を生業にする時もあるかもしれませんね(笑)いずれにしても、いい意味であまり細かく決めずに、環境や自分のスキルに応じて、柔軟にキャリアを歩んでいきたいと思っています。

斉藤
未来が無限大に広がっていますね!思考と行動が連動している横地さんのお話素敵でした!アーティストとして武道館ライブやるときはチケットください!今日はありがとうございました。

横地
夢が見つかったその時のために頑張るしかないですね。チケット楽しみにしていてください(笑)ありがとうございました。
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