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就活の自己PRに「向上心」をテーマに書きたいと思っている学生は少なくありません。しかしながら、自己PRに「向上心」を使ってもいいのか、あるいは「向上心」をどのように強みとして書けばいいのか、わからないというケースが多いようです。ここでは、「向上心」をテーマとした自己PRを例文に書き方を指南しながら、その際に気を付けたいところなどもあわせて解説していきます。

夏目漱石の「こころ」に有名な名セリフがあります。「精神的に向上心のない者は馬鹿だ」

表現は辛らつですが、なぜか心に響いてきませんか?響いたのなら、きっとあなたが向上心を持っているからだと思います。

1.「向上心」は自己PRで武器になる?

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果たして、自己PRに「向上心」は使えるのか?就活でアピールの材料になりうるのか心配な学生もいるでしょう。結論から言えば、武器になります。ただし、「向上心」は誰もが大なり小なり持っているものです。しかも、働く上で欠かせない要素にもなります。当たり前のことを、当たり前に伝えてもあまり効果はありません。伝え方がポイントになってきます。

ここでは、まず「向上心」の定義について、理解しましょう。理解が深まれば、どのように「向上心」を自己PRに昇華できるか、輪郭がはっきりとしてきます。

①そもそも「向上心」とは何か?

「向上心」を辞書で引いたり、インターネットで調べると「現在の状態に満足せず、よりすぐれたもの、より高いものを目指して努力する心」とあります。(デジタル大辞泉より)あなたが何かに取り組んでいることがあれば、きっとこの「向上心」があるはずです。人間は成長する生き物だからです。意識的か無意識なのかということは、あっても「向上心」が全くないということはありえません。

②「向上心」を自己PRへ

取り組んでいることがあれば、誰しも備えている「向上心」を自己PRにつなげなければ意味がありません。どのような方法で自己PRへと変換させるのが良いのでしょうか?「向上心」は万能感があるので、伝え方次第でプラスにもなれば、マイナスにもなりうる「諸刃の剣」です。「向上心」に限ったことではないかもしれませんが、自己PRの最適な伝え方をマスターして、あなたの魅力を損なわないようなアピールをしてください。

2.失敗しない「向上心」を自己PRとして伝えるコツ

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就活の場面においては、自己PR一つとっても、伝え方にコツがあります。面接官も人間です。自己PRの「向上心」がどうしたら伝わりやすいのかを意識することが肝心です。「向上心」という自己PRのタネがあるならば、それをいかに文章表現の世界に落とすかも重要なことでしょう。

面接官が就活の自己PRで知りたいことは「向上心」などの抽象的な概念ではありません。具体的かつあなた自身の言葉で伝えてほしいと思っているはずです。ここでは、失敗しない「向上心」の伝え方のコツを知ってください。効果的な伝え方のポイントを下記の6点にまとめてみました。参考にしてみましょう。

①取り組み方法

一つ目のポイントは、「取り組み方法」です。スポーツを例にとってみます。大学での部活でもサークルでも、学外のサークルでも構いません。スポーツをどのように取り組んでいるか考えてみましょう。5W1H法やPREP法(Point、Reason、Example、Point)などのフレームワークを使って考えても良いでしょう。ここでは、後ほど例文を使って解説します。

(取り組み方法で押さえるべきポイント)

  • 目的→なぜそれに取り組んでいるのか?
  • 目標→明確なビジョンを持っているのか?
  • 具体性→数字やイメージしやすい表現

②仕事への活かし方

二つ目のポイントは、「仕事への活かし方」です。採用担当者は、スポーツに取り組んだことやゼミで頑張ったことを、ただ知りたいわけではありません。向上心の中から、それがどのように仕事へ活かせるかをイメージしたいのです。あなたが取り組んだことから、自社での社員としてどのように活躍しそうかイメージを想起させましょう。イメージさせればいいだけです。実際に、どう活躍するかは誰にもわかりません。少なくとも、現状の段階であなたが活躍している姿を採用担当者の頭に抱かせることができればいいわけです。

③言葉の言い換え(キャッチフレーズ、キーフレーズも有効)

三つ目のポイントは、「言葉の言い換え」です。「向上心」をアピールするためには、言葉通り「向上心」と使うよりも、自分の言葉に言い換えた方が効果的です。キャッチフレーズなどを使用することで印象に残りやすくもなります。キャッチフレーズなどを使う際は、「言い得て妙」でなければ意味がありません。採用担当者、すなわち読み手や聞き手が、イメージできないような表現は避けてください。

④向上心の理由(なぜ頑張れるのか?)

四つ目は、「向上心の理由」です。なぜ、その取り組みに頑張れるかは、非常に大切なポイントです。原動力と言ってもいいでしょう。人間誰しも、理由・原動力があって、頑張れるものです。やる気を支えるのは報酬です。報酬と効果の関連、動機付けは、心理学の世界などでも研究されています。興味のある方は、「内発的動機づけ」「外発的動機づけ」などについて調べてみましょう。簡単に言えば、「内発的動機づけ」とは、自分の知的好奇心など心の満足感、「外発的動機づけ」とは、金銭や名誉などの報酬に基づく動機付けのことです。

「なぜ頑張れるのか?」という問いに対して、あなたの人間性や人柄が出ます。つまり、その向上心の理由を明確にしておくことが大事です。この動機付けは、企業とのミスマッチにも役立ちます。成果が報酬に明確に反映される仕事なのか、やりがいを得られる仕事なのかなど、業界や企業によって、カラーは様々だからです。企業と合う合わないといったミスマッチの予防にもなります。自分がやった分だけ成果として報酬を得たいのに、公務員になってしまうと、ストレスが溜まってしまいます。成果主義の現場で報酬を得た方が、満足感は高まることでしょう。

⑤具体的な根拠(どんな努力をしたのか?)

五つ目のポイントは、「具体的な根拠」です。人は見た目で、「向上心」がどれほどあるか、あるいはどんな人間性なのかは判然としません。就活において、共通することですが、重要なことは、どんな努力をしたのかという具体的な根拠です。裏付けエピソードと言い換えてもいいでしょう。採用担当者は、経験則で抽象的な表現では、学生のことがイメージできないことを知っています。具体的な根拠を明示して、効果的にアピールしてください。熱意だけで、押し切れるほど採用は甘くありません。

⑥実績や成果

六つ目のポイントは、「実績や成果」です。実績や成果はそれ自体は立派なことですが、ここでの本質ではありません。試合で優勝したこと、試合に勝ったことは素晴らしいことですが、それ以上に得たものがあるはずです。そもそも、実績や成果を上げるためには、壁にぶち当たって、何度も何度も挑戦しなければなりません。ここにこそ、重要な要素が隠されています。困難を克服して登った高い山は、あなただけが見えた(得た)ものがあるはずです。そこから得たものを実績や成果として表現するとより効果的です。

3.自己PR「向上心」を例文からイメージする

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さて、ここまで自己PRにおける「向上心」をテーマにした場合のポイントなどを解説してきました。実際に例文に沿って、自分だったらこのように書く(話す)とイメージしてみましょう。

(例文)

 

私の強みは高ければ高い壁の方が頑張れることです。(言い換え)大学のゼミでは、現代経済を研究しています。元々は証券について、研究をしたかったのですが、まずは現代経済を把握することが重要だと考え、今のゼミを選択しました。経済学は急速に多様化が進んでいます。経済を知るには、ミクロ経済やマクロ経済の基本はもとより、ゲーム理論やトレンドである行動経済学の潮流を捉えることが欠かせません。(目的)

所属しているゼミでは、週1回のゼミの他にサブゼミが用意されていて、自主性が要求されます。年に一度の討論会で優勝することが目標だからです。(目標)正直、ゼミは厳しく主体性無きものはされ、といったスタンスです。そのため、当初20人いたゼミ生は1年後には半分に減ってしまいました。(数値化)しかし私は必死になって食らいついています。月に一度、個人とグループでの発表があります。そこでは、足を引っ張りたくありません。そのため、事前に与えられたテーマに関する書籍を必ず三冊読むことを自らに課しています。発表直前には、質問内容を想定して模擬発表を行ってきました。グループ発表では、チームワークが欠かせません。普段からのコミュニケーションが重要だと考え、情報交換を兼ねた勉強会と懇親会の幹事を務めています。(具体的な根拠)

ここまで、ゼミを頑張ってきたのは、将来、金融機関で働きたいからです。経済学を学び、市場のメカニズムを知り、社会変化に対応した人間に成りたいと思っています。(向上心の理由)経済学は今や実験的方法を取り入れた分野まで立ち上がり、発展しています。私も変化を恐れずに、これから厳しいと言われている金融世界に飛び込みたいです。特に証券会社に興味があります。形のない商品の売買にはリスクが伴いますが、大学で習得した数理モデルやゼミでの粘り強い取り組みを活かしていきたいです。(仕事への活かし方)年に一度の討論会では、昨年初めて決勝まで進出することができました。結果が出てきた一因としては、今までは、点で考えてきたことが、ようやく線につながったことが大きかったようです。従来の経済学の枠組みから、より広い視野を持つことができました。それにより、チームワークがさらに向上して、相互作用が働きました。このゼミを通して、複眼的な考え方が身に付きました。(実績や成果)今後は、ノーベル賞で話題になった行動経済学の分野に力を入れて、最終学年での討論会優勝を目指します。

 

例文は、約1,000字で構成されています。就活の自己PR作りには、王道はありませんが、個人的には最初はやや多めに作成することをおすすめします。大は小を兼ねます。エントリーシートや履歴書で1,000字を超えるものはほとんどありません。つまり、元が長ければ、カスタマイズしやすいのです。文章は、減らす作業は簡単ですが、増やす作業は難しいものです。また、あらかじめ細部まで考えておくと面接でも、「あのとき、あれを文章化した」ということが、どこかで生きてくることがあります。

4.こんな自己PRの「向上心」は避けたい

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万能感の強い「向上心」という言葉だからこそ、自己PRとして使う際に、避けたいことがあります。以下、三点にまとめてみましたので、注意してください。

①他者と差別化できていない

絶対にダメとは言いませんが、自己PRで「向上心」をそのまま「私は向上心が高い人間です」というのはおすすめしません。採用担当者にとって、既視感が強過ぎますし、インパクトもなく、何よりあなた自身の言葉としては弱いでしょう。他者と差別化するには、それ相応のインプットをして、自分なりの言葉を磨くことです。

②ことさら強調

いくら「向上心」があったとしても、言い過ぎは逆効果です。採用担当者は、ほぼ100%あなたよりも年上です。「向上心」をことさら強調されたところで、相手には響きません。年齢も上なら、人生経験も違うからです。強弱をつけたバランス感覚のある文章を目指しましょう。人が共感する部分には、物語性が求められます。ナラティブアプローチとも言いますが、個々の紆余曲折した物語に、人は興味を抱くものです。

③自己満足で終わっている

今まで見てきたように、何かに取り組んでいれば大小の違いはあれど、誰しも「向上心」は持っているものです。その際に、自己満足で終わっていないかという点には注意してください。一人で達成することもありますが、仕事に置き換えた場合、チームワークは欠かせません。自己満足や自己完結ではない「向上心」をアピールしましょう。いくらスマホやプレステのゲームを極めても、自己満足の域を越えず、それを通常の就活でアピールするのは困難です。

【例文からイメージ】自己PRで「向上心」を伝えたいあなたへのまとめ

自己PRで「向上心」は武器になります。ただし、ここまで見てきたように伝え方のポイントを押さえて、作成することです。例文からイメージでして、自分自身でも書きてみましょう。「自分でも書ける」という自信がつけば、就活への意欲も湧き上がります。

就活の土台は、あなた自身に他なりません。コツを掴み、自信を持って、就活延いてはキャリアへの下地作りを進めましょう。

「ただの石で終わるのか、立派な玉になるか」の分かれ目です。

「向上心」という自己PRにとって、有効な武器の有用性を高め、あなた自身の言葉で自己PRという「向上心」を磨き上げてください。

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