OBOG訪問のお礼は電話ではなくメールですることが一般的です。
しかし、ビジネスメールは送り慣れていない方が多いのではないでしょうか。慣れていないからといって不作法なメールを送っては、せっかくのお礼メールがかえって悪印象を与える結果にもなりかねません。
本記事では、OBOG訪問のお礼メールを送るタイミングや本文の内容、ビジネスメール特有の結びの言い回しなどを解説していきます。
OBOG訪問のお礼メールは誰に送る?
OB
対応してくださったOBご本人にお礼のメールを送るのは当然です。過度な感謝を述べる必要はありませんが、しっかりとお礼をしておきましょう。
内容は、忙しいところ時間を作っていただいたこと、非常に有益な時間となったことなどが述べられていれば十分です。もし、尋ね忘れていた質問があれば、お礼も兼ねて追加で質問しても失礼には当たらないでしょう。
人事担当者
OBOG訪問のアポイントの際に、面識のあるOBへ直接依頼をしたのではなく、会社をとおして依頼した場合には、OBと引き合わせてくださった人事担当者へもお礼のメールを送りましょう。
これは実際に社会に出て働いてからも重要なマナーです。なにか仕事に関する依頼をしたのにフィードバックがないというのは、依頼された側からしてもその後どうなったのかということが分からないままでは不安です。簡単な報告で良いのでお礼も兼ねて結果を知らせておきましょう。
OBOG訪問のお礼メールを送るタイミングと時間帯
OBOG訪問後すぐに送る
お礼のメールはその日のうち、遅くとも翌日には送っておきましょう。メール本文の内容にこだわりすぎて数日経ってからメールを送ってしまう人もいますが、どれほど丁寧な内容であっても、あまり時間をおいてのお礼はかえって印象が悪くなります。
社会に出て働くうえでも、レスポンスの速さは重要なポイントです。お礼を兼ねて別の質問をしたかったりと、どうしてもメール作成に時間がかかる場合には、後日別途質問がしたい旨を追記しておいた簡単なお礼メールを送っておきましょう。
深夜早朝はNG
メールは一方向の伝達手段ゆえに、それをいつ開封するかは相手次第です。そのため、メールの送信時間帯はいつでも良いと考えられがちです。
たしかに、業界によっては昼夜を問わずメールのやり取りがあったりもします。しかし、就活においてはそのような考えで深夜早朝にメールを送るのはやめておいたほうが無難でしょう。
リモートワークや携帯端末の持ち出しなどが普及した現在では、メールといえども24時間いつでも確認できる態勢で働いている人も多くいます。OBの方の生活に配慮して、できれば先方の営業時間内に送信しておきましょう。
日中も時間帯に配慮する
OBが働く会社の営業時間内であっても、メールを送る時間帯には一応の配慮をしておきましょう。電話で連絡をする場合には一般的に業務開始直後や昼休みを避けた時間帯がもっとも失礼にあたらないとされています。メールについてもその時間帯にあわせて送っておくと良いでしょう。
しかし、本来は営業時間内であればいつ連絡しても失礼ではないのでそこまで気にする必要はありません。余裕があれば少し配慮しておくという程度で構いません。
業界によってはいつでもOK
マスコミや製造業など、営業時間が不規則でシフト制をしいている業界においては一般的なマナーが当てはまりません。業界によって異なる適切なタイミングでメールを送りましょう。
業界研究だけでは実態が分からないということであれば、OBOG訪問の際にあらかじめ連絡が負担にならない時間帯などを聞いておいても良いでしょう。
OBOG訪問のお礼メールは簡潔に
OBの方の業界にもよりますが、多忙な社会人は一日に数十通から数百通のメールを受信することも珍しくありません。不用意に長い、読むことが負担になるようなメールを送らないように気を付けましょう。
件名
メールの件名も簡潔にしておきましょう。たとえば「OBOG訪問の御礼」や「【御礼】(氏名)」などのような件名が考えられます。
OBの方はメールアドレスを登録していないことが予想されるので、件名に自分の名前を入れておくのも親切です。あるいは件名でおおよその予測がつくので、本文で名乗っておいても良いでしょう。
いずれにしろ、件名だけで本文の内容が判断できることが重要です。
本文
本文も簡潔であることが大切です。ビジネスメール本文の形式は定型の挨拶文、本文、結びの形になっています。
まず「お世話になっております。」という定型の挨拶から始めて、自分の氏名を名乗り、い忙しい中お時間を頂いたことへのお礼を述べ、OBOG訪問時の感想を伝え、結びで終えれば十分です。
OBOG訪問のお礼メールの結び方
結びについても、ある程度の定型がありますが、慣れていないとどう結んで良いか戸惑うかもしれません。
「返信不要」は不要
一般的には「よろしくお願いいたします」で終了しますが、結び方が適切でない場合、メールを受け取ったOBがお礼について返信が必要と考えることもあります。
もし、返信が必要ないということであれば「なお、本メールに返信は不要です」などと一言付け加えることが一般的ですが、就活にこの表現は不適切です。それとなく返信は不要と察してもらえる結びで代えましょう。
たとえば、「本来は拝顔の上、お礼申し上げるところ、取り急ぎメールにて失礼いたします」などと結んでおけば「取り急ぎ」の文言から返信不要と判断してもらえるでしょう。
お礼のお礼は不要
OBが丁寧にお礼メールに対して返信してくることもあるでしょう。しかし、お礼に対してお礼をする必要はありません。ビジネスでのメールは要件を伝えることがその本来の目的のため、SNSのように不必要な会話のキャッチボールは必要ありません。
相手に伝わったということだけが確認できれば良いのであれば、あらかじめお礼メールに開封確認をつけておくのも良い選択です。開封確認はメール受信者がメールを開封すると、自動で送信者に開封されたことが通知される機能です。開封確認がついたメールを受信した側にもその通知が送られることは認識できるので、開封確認の通知が送信者へ送られたことで、返信に代えたということになります。
【例文】OBOG訪問のお礼メール
〇〇商事株式会社
✖✖様
お世話になっております。
△△大学の●●です。
本日はご多忙の中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
実際の御社業務内容や雰囲気などを伺い、疑問を解決することができました。
おかげさまで不安なく今後の就職活動に励んでいけると思います。
また何かございましたら、ご質問させていただくこともあろうかと思います。
ご迷惑をおかけして恐縮ですが、その際は何卒よろしくお願い申し上げます。
△△大学 △△学部 △△学科
●(名前)
TEL:090-0000-0000
MAIL:◯◯@ ◯◯.ac.jp
メールでは冒頭に相手の所属と氏名を書き、本文に移ります。本文は定型の挨拶と本文、結びの順番で書いていきます。また、改行の際に頭にスペース入れず、読みやすように文章の塊ごとに一行空けます。最後に自分の氏名と連絡先を記して終了です。
ただし、企業によってはメールではなくslackやchatwokなどのSNSを用いることもありますが、その場合には相手方の宛名と自分の氏名を省略することもあります。なお、この例文では追加の質問があれば再び連絡させていただきます、ということで相手からの返信は不要ということを仄めかしています。
OBOG訪問でのお礼メールQ&A
ここまで基本的なお礼メールのポイントをご説明してきました。ここからは、その他に気をつけておくべきポイントをQ&A形式でご紹介します。
お礼メールを送る相手の所属部署が正確に分からないときは?
訪問したときにOBから名刺を頂いている場合は正確にOBの所属部署が分かるので問題ないでしょう。しかし、OBへ取り次いでいただいた人事担当者の方などは名刺交換まで至ってらず、お礼メールを送りたい方の所属部署も名前も分からないという状況になります。連絡先が分からない場合には無理にお礼のメールを送る必要はありません。
それでも、お礼のメールを送りたいという場合は、会社の代表メールに「人事ご担当者様」とおおまかな宛先を示す方法もあります。企業にもよりますが、代表メールから社内の関連部署へ転送してもらえることもあります。
フリーメールからお礼メールを送っても失礼にはならない?
yahooメールやgmailなどのフリーメールを使ってお礼メールを送っても失礼にはあたりません。ただし、会社のセキュリティ事情によってはフリーメールからのメール受信を制限していることもあります。
確実にメールを送信したいのであれば、大学から付与されている、アドレスが「ac.jp」で終わるもので送信しましょう。
なお、就活で使うメールアドレスの決め方については以下の記事で詳しくご紹介しています。まだ就活で使うメールアドレスが決まっていないという方は、こちらの記事を参考にメールアドレスを決定してみてください。
CCやBCCでお礼メールを送ってはいけない?
CCとBCCはそれぞれ「カーボンコピー」と「ブラインドカーボンコピー」の略称です。CCもBCCも複数の宛先に同じ内容のメールを送信する機能です。CCは宛先が受信者に公開されますが、BCCは受信者は他の受信者のアドレスを見ることができません。
お礼メールを送る際は、同じ内容を複数人に送るとしてもCCやBCCは使わないほうが良いでしょう。受信者の立場になれば、同じ内容だからといって一括でメール送信されているのはあまり気分の良いものではありません。
画像や写真の添付をしても良い?
よほどの事情がないかぎり、本文以外にファイルを添付するのはやめておきましょう。とくに、複数枚の写真の添付はご法度です。昨今のスマートフォンで撮影された写真は非常に高画質なため、データ容量が重くなりがちです。
自社でメールシステムを構築している企業の場合は、各従業員あたりの受信メールボックスに制限を儲けているケースもあります。万が一でも、お礼メールのようなOBにとって重要ではない要件で迷惑をかける可能性は避けておきましょう。
まとめ
OBOG訪問のお礼メールでもっとも重要なポイントは、時間をおかずに送ることと、簡潔な内容にとどめることです。実際に多大な感謝をしていたとしても、長文で礼を述べることは相手の負担になるだけです。感謝の念は、すぐにお礼メールをするという行動で示しましょう。
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