阪大理系院生が王道レールから踏み出し、マネーフォワードに就職する理由とは

インタビュー

親は公務員で大学受験は大阪大学に現役合格し、そのまま当たり前のように院に進学したという、大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻の中居さん。もちろん将来はそのまま学者か公務員か、はたまた日系大手企業かと思いきや、彼がファーストキャリアに選んだのはなんとフィンテックベンチャーのマネーフォワード。 彼が初めて敷かれたレールから一歩踏み出す決意に至った思考とは。

当たり前を突き進んできた23年間

芳本
中居さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが院ではどんな勉強してるんですか?

中居
授業では特に技術シーズからいかにビジネスに繋げていくかを学ぶっていうのが多いですね。技術の組み合わせで新たな市場が作れないかだったり。

芳本
エンジニアリングってつきますけど、経済・経営学ですね。

中居
理系就職するにしてもビジネス知ってた方がいいだろうなってことで。一応工学部の専攻なんで、 僕の場合は飛行機の研究してますね。

芳本
それは、もしかして鳥人間コンテストですか?

中居
違いますね(笑)

芳本
じゃあ!話題のドローンとかですか??

中居
それもちょっと違いますね。飛行機に使う材料の研究なんですけど、プラスチックの方が軽いんで、強度を落とさず金属に変わって比率を高める素材の研究ですね。

芳本
それはもしかしてカーボン素材ですか?

中居
そうですそうです。CFRPっていうカーボンファイバーを織り込んだプラスチックの研究なんですが、 作るのが難しいんですよ。特に複雑な形状のところとか。いかにそれを作れるようにするかの研究をやってます。

芳本
ホリエモンとかも民間ロケットだーって言ってますが需要は高そうですねー 。

中居
そうですね。
マネーフォワード内定者の中居知大さん

研究室での中居さん

芳本
マネーフォワードにもCFRP素材応用できそうですか??

中居
いや、無理ですね(笑)

芳本
ちなみになぜ院に行こうと思ったんですか?

中居
高校の時なんとなく将来いいところに就職したいってのがあって、 阪大の工学部に入ったら95%が院に進むのでそのまま当たり前のように、、、

芳本
なるほど。お手本のようなレールに乗りましたね。

中居
でもそれが当たり前だと思ってました。他の選択肢持ってなかったですね。

芳本
結構周りの見え方とか気にするタイプですか?

中居
気にしてたと思います。

芳本
昔からそうですか??

中居
そうかもですね。親が僕が中学のときに、民間企業から公務員に転職したんですよね。「これからの時代何が起こるかわからへんし」って。ちょうどリーマンショックの翌年ですね。

芳本
なるほど。

中居
だからなのかちゃんと勉強して、良いとこ就職しなきゃなみたいな感じの思考になって。

周りの人間が教えてくれた仕事観

芳本
就活も大手目指してスタートしたんですか?どういうスタート切りましたか?

中居
実は大手は一切見てなくて、M1の5月とかからスタートしました。

芳本
じゃもう入学したてじゃないですか。

初めて出会った、180度違う生き方をする先輩

中居
その当時の研究室の先輩のM1,M2の方々が、楽しそうにベンチャーのインターンをしていて、「あ、そういう選択もあったんや」みたいなことに気付いて、 すぐ就活し始めたって感じですね。

芳本
先輩の影響ですね。

中居
僕が特に影響受けた先輩が1人いるんですけど、その人はゴリゴリベンチャーばっかり受けてて、もう12月くらいには内定をもらってて。

芳本
M1の12月ですか?

中居
はい、そこからはもうそこの内定先で社員並みに働いている人でしたね。
研究室の先輩・仲間との集合写真

研究室の先輩・仲間との集合写真

芳本
阪大の院でもそういう選択肢もありなんだなってわかったと。

中居
ほんと、ほんとにそんな感じです。その先輩の生き生きしてる姿がカッコよかったんですよね。 今までレールに乗ったようなところに進んできて、こういうタイプの人が学部時代にはいなかったなって。

芳本

とは言うものの、9割はみんな大手行くわけじゃないですか。実は大手行きたい気持ちは少しはあったんじゃないですか?

当時の彼女が気付かせてくれた原体験

中居
当時はないわけではなかったんですが、人生の中で1番充実してたのっていつだろうって考えたときに、高3のときの部活のときだなって。

芳本
高校のときなんですね。

中居
当時の彼女に「何でも中途半端だよね。」って言われてハッと気づきました。今まで勉強も部活もそれなりにしかやってなくて。見返すために同学年が引退する中9月の選手権まで学年で1人だけ残って、部活に打ち込みました。

芳本
ということは2年生の後輩とってことですよね。

中居
そうです。 引退した同期はどんどん成績上げてるし、自分はサッカーもやりつつでしんどかったんですけど、すごく充実してたなって思ってその時。人とは違っても自分で決断して、高い目標に向かって全力でがむしゃらにやってました。その体験からベンチャーも、それに近い感覚があるんじゃないかなって思いました。

芳本
同じレールに乗らなくても自分らしさを出せる環境が一番自分が生き生きしてるっていう原体験を経験したってことですよね。

中居
そうですね。自分のどっちつかずの不甲斐なさを一回払拭したいっていうので、一回振り切ってみようみたいな感じですね。
マネーフォワード内定者の中居知大さん

芳本
でベンチャーだなと! どういうことから始めたんですか。

就活の軸はまずは数を打つこと

中居
ワンキャリアとか、エンカレッジとか、グッドファインドとかに登録して先輩から聞いたことを実践してイベントとかも積極的に参加するような感じでしたね、最初は。

芳本
じゃまず最初は説明会とか企業の人に話を聞いてってことですよね。

中居
そうですね。ベンチャー以外の会社も結構ありましたね。

芳本
そこからどういうふうに就活は進んでいったんですか?

中居
夏は、結構いろんなインターンを受けて、ベンチャーだったらFringe81、フロムスクラッチ、サイバーエージェント、ネットプロテクションズ、コンサルはシグマクシス、アビームに参加しました。計6社ですね。

芳本
ベンチャーとコンサルっていう軸で動いてたんですかね。

中居
そうですね。

芳本
参加してみてどうでしたか。

中居
ざっくり言うと、コンサルよりはベンチャーだなって思いました。それはもう結構定性的な判断になるんですけど。

芳本
でもコンサルとベンチャーって一般的な判断軸としてはちょっと違いませんか?コンサルってあくまでも業界・業種じゃないですか。

未来のなりたい姿を想像する

中居
ベンチャーとコンサルを受けていた理由が、将来実力つけて自分のやりたいことを出来るような人材になりたいと思っていたので。

芳本
事業経験を積むベンチャーか、俯瞰的に幅広く事業に関わるコンサルティングか、その切り方ですかね。

中居
まさにそういうことですね!

芳本
その結果、ベンチャーだってなったんですね。

中居
はい、感覚的なところなんですけど、人の部分でしたね。 カッコいいなって思う人って、共通して人の心を動かせるところだとか熱さをしっかり伝えられる人とか、そういう人が多かったんですよね、ベンチャーの方が。

芳本
そういう人たちのそばで働きたいと思ったんですね。でもインターン先にマネーフォワードないですよ?

中居
多分インターンやってなかったんですよね、、、

芳本
なるほど。ちなみにインターンで一番面白かった会社のプログラムって何ですか。

中居
ネットプロテクションズですね。5日間で新規事業を立案するってワークだったんですけど。
インターンの同じチームの仲間との記念写真

インターンの同じチームの仲間と

芳本
新規事業立案ってインターンあるあるじゃないですか?

中居
ネットプロテクションズの場合は、5日目に最終発表なんですが、2日目にボコボコにされました。それがビジネス案がどうとかではなく「お前らほんまにそのプロダクトに想いにのってるのか」と。そのあとはビジョン構築とか組織開発みたいなことに力を入れました。

芳本
組織開発みたいなところとか、そもそもどんなプロダクトでも全社員がプロダクト愛がないと うまくいかないってことを体現化したかったんでしょうね。

中居

そうでしょうね。

経験からぶれない軸を決める

芳本
さらにベンチャーに意識が向いたんですね!それ以外にここは絶対揺るがない軸はありましたか?

中居
それはだいたい3つくらいあって、1個目はいかに会社のビジョンに共感できるかというところ、2個目がどれだけ若いうちからチャンスを与えられるかっていうところ、3つ目は尊敬できる人が多いかで見ていましたね!

芳本
なるほど、じゃあ3つ目の熱い思いがある人みたいなところでいうと、選考企業の社員さんに結構会ったりしたんですか。

中居
本選考だったら5人以上には会って意思決定するようにはしてましたね。

芳本
それは紹介してもらってってことですか?

中居
選考も含めだったので、マネーフォワードの場合は自然と5人以上と選考でお会いしていて、他の会社とかだったら紹介してもらったり、あとは内定者の人と話したりとか若手の人と話したりとかで会うようにはしてましたね。

芳本
でも選考って正直、いい人しか当ててこないじゃないですか。その辺どう思いますか。

中居
そうですね。会社の愚痴は確かに言わないだろうなとかは思ってたんですけど、 発言内容よりもこの人の雰囲気と合うかどうかって感覚で選びましたね。一定数超えれば大丈夫だろうなっていうのは思ってました。

芳本
ここで働いている人ってこういう雰囲気なんだろうなって、Nがだいたい5くらいになればわかるっていう考え方ですね。

遠慮せず年上を上手く活用できるかが肝

芳本
この軸って自己分析をして浮き上がってきたわけじゃないですか。どういう自己分析の仕方をしましたか。

中居
自己分析は、とにかくいろんな社会人の人とか、 先輩とかに壁打ちしてもらってた感じですね。何回かフィードバックしてもらって、最終的に出てきたのが今の3つって感じです。

芳本
なるほどです、やっぱり人に聞くっていうのがいいんですね。

中居
壁打ちの回数は大事かなと思いますね、マジで。

芳本
なるほど、誰に相談するかも結構大事ですよね。

中居

自分と似た指向性の人とか、自分のことをいかに理解してくれるかとか大事だと思居ます。でもそれはなかなか見極めきれないと思うんで、Nを増やして絞っていく感じですね。

マネーフォワード内定者の中居知大さん

選考も受けながら判断する

芳本
なるほど。最終的に本選考どこ受けましたか?

中居
マネーフォワード、ネットプロテクションズ、ECマーケティング、サイバーエージェントを受けました。

芳本
事業領域バラバラですね。

中居
そうですね、あまり事業に関しては重視してなかったかもしれないです。

芳本
どういう基準で選んだんですか?

中居
いかに若いうちから成長の経験積めるかっていうところですね。 社員数が多くないけども伸びてるところって、人が優秀で領域も最適でチャンスあるんじゃないかなって思っていました。最初はサイバーエージェントも考えていたんですけど、社員数はあまり多すぎない会社にしとこうと思って。

芳本
従業員の数って、正直見ればわかるじゃないですか。事業の成長度合いとか成長スピードってどういうので判断してたんですか。

中居
一応IRとかは見るようにしてたんですけど、メンターにこの会社どうですかねっていう感じの相談はしてましたね。

芳本
決算報告書とかも見てたってことですよね。

中居
はい、ただ上場してない会社もあるんで。

芳本
10人の会社とか絶対公開してないですもんね。だから現場の大人の意見も聞いていたと。

企業の目指す姿と自分を照らし合わせる

芳本
就活の中で、 一番これ自分の中でストロングポイントとして話してたエピソードってあります?

中居
結構エピソードは弱かったんですよ、僕。一番多く使ってたのは大学のときのサッカーサークルの話で、全国レベルの結構強いサークルでした。
サッカーサークルでの写真

所属していたサッカーサークルでの1枚

芳本
へー、サークルで?

中居
2年生のときにめっちゃうまい後輩達が入ってきて、レギュラーじゃなくなっちゃった時期があるんですよ。で、自分が出来ることってなんだろうって考えたときに、全国で勝つために必要な、相手を追い回せる体力とかディフェンス力ってところもちゃんとつけようと、サークルではやらないようなこともやりました。

芳本
それで結局レギュラーになって全国大会に出た?

中居
レギュラーにはなりました。全国大会にも出ました。

芳本
ポジションはどこですか?

中居
フォワードです。

芳本
それはマネーフォワードと関係してますか?

中居
、、、、笑

芳本
正直サークルで頑張りましたみたいな話って、超ありふれてるじゃないですか。5人中6人くらい言ってますよね(笑)それ以外で評価されていると思うんですけど、どこが評価されたと思ってますか。

中居
それでいうとビジョンにすごい共感したことを評価されたのかなって思います。

芳本
ビジョン言えますか?3秒以内にどうぞ!

中居
「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」です。 僕のお父さんってお金のためにやりたいことを犠牲にしてるんですよね。もちろん尊敬はしていますが。将来 、お金に困って自由な選択肢取れない人をなくしたいっていうような思いがありました。

芳本
それは素晴らしいですね!

中居
自分の思いと会社のビジョンが一致しているのは強いですね!

マネーフォワードで実現したいこと

芳本
てか話飛びますがマネフォアプリ使ってました?

中居
、、、実は使ってなかったです。

芳本
選考受けだしてからですか?

中居
いえ、最近使い始めました。(笑)
マネーフォワード内定者の中居知大さん

芳本
どうですか、使ってみて。

中居
使いやすいですね!

芳本

すみません、この質問そう言うしかないですよね(笑)

若年層にフィンテックを広めるには

芳本
でも正直大学生でマネーフォワード使ってる人って少ないじゃないですか。

中居
少ないですよね。

芳本
そういう人たちに使ってもらうためには、どうすればいいか社長に提案しましょうよ!(笑)どうすれば使ってもらえると思います? 少ないお金の中で好きな服買ったり、携帯代払ってる人もいると思いますが、その辺の管理ってずさんになりがちじゃないですか。クレジットカード使いすぎて払えないとか。

中居
他の家計簿アプリとかよりは使いやすいとは思ってるんですが、最初のカードと連携とかのめんどくさいっていうのをいかに取り除けるかが大事なんだろうなとは思いますね。

芳本
なるほど。カメラで画像認識でカード登録してくれたらいいですね。できるかは知らないですが(笑)

中居
適当ですね(笑)

芳本
でもそもそもUXの問題の前に知ってもらうためにはどうしましょうか?

中居
インフルエンサーみたいな存在がめっちゃマネフォいいよみたいなすごい拡散してくれたら、大学生、「あ、そうなんや」ってなるかもしれないですね。

芳本
よくあるあるですよね。フィンテック領域で言うと、割り勘アプリとかあるじゃないですか。終了しちゃうpaymoとかLINEPayとか。ああいうのも正直あまり流行ってないじゃないですか。

中居
確かに。

芳本
使ってる人います?

中居
いや、周りにはいないですね。確かにいいサービスだと思いますが。

芳本
でもpaypayはキャンペーンやばいですよね!あそこから一気に広まりそうですね!

中居
忘年会や年末年始に合わせたキャンペーンだし、100憶も投入しているから広まる気がします。

芳本
でもやっぱりお金に関する知識、大学生はまだ乏しいんですかね。

中居
カードとか口座とかを登録すること精神的な障壁があるかもしれないですね。

芳本
海外だったら結構お金の勉強とかするじゃないですか。もう本当に小学校、中学校の時から投資したりとか。

中居
それはマネーフォワードでも実現したいところなんじゃないかと感じています。入社したら、お金の使い方の最適化というか、資産運用とか自分のあるお金を有効に活用できるようにアドバイスするようなことにも関わっていけると嬉しいです。

芳本
なるほどです。

中居
将来的には、組織づくりみたいなことも興味あって、そういうマネジメントも学んでみたい気持ちはあります。

芳本
なるほど、従業員もこれから500名や1,000名規模になっていく組織作りにも携わってみたいと。

中居

はい。

後輩へのアドバイス

芳本
なるほどです。最後の質問なんですけど、 やり残したこととか後輩にアドバイスするなら何かあります?やり切ったなって感じですか?

中居
やっぱり夏の段階ではいろんなところ見るのも大事だと思うんで、ちゃんと逆算して最終的にどういう風な判断材料が必要なのかっていうのもちゃんと考えて、インターンにも行くべきですね。後はメンターにもっと頼るべきだったなっていうのは思ってますね。今エンカレのメンターの立場になったからこそ思うことかもしれないんですけど、少し遠慮してました。

芳本
頼られるのって結構嬉しいですもんね。

中居
だからそこはマジで頼れる人は頼った方がいいというか、頼りにできる人を頼った方がいいなっていうのは思いますね。

芳本
いい先輩ですね。ってことは中居さんも会社に入ったらいろんな先輩にうまく頼るんでしょうね!!

中居
そうしたいですね!

芳本
ご活躍期待しています!今日は面白い話有難うございました!

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