業界研究や自己分析と同じくらい大切なのが、企業研究です。企業研究なしに就活は始まらないといっていいくらい、きちんと手を付けておく必要があります。でも、企業研究と急に言われてもやり方が分からない…という人もいるのではないでしょうか。企業研究は、やり方をしっかり学んでおけば、ルーティンワークを繰り返すだけでスキルが身につくものです。ということで今回は、企業研究の効果ややり方などを徹底的にレクチャーしていきます!初めての人も、これで安心して企業研究に打ち込めますよ。
そもそも、企業研究の目的とは?
適切な自己PRを作るため
まず、企業研究を行う理由について考えてみましょう。企業のポイントについて事前に抑えておくと、その企業が学生に求めているものが分かってきます。履歴書やES、面接でアピールする部分は業界や企業によって変更しなければならないのは常識ですが、その部分分けのやり方が分からない!という人が多いのも事実です。
そんな時に役立つのが、この企業研究。ベースとなる自己PRをその企業が求めているイメージ像に寄せるようにマイナーチェンジすれば、選考に通る自己PRの完成です。「リーダーシップ」を求めている企業ならサークル長やバイトリーダーの経験について。「強調性」を大切にする企業なら、家族のトラブルをまとめる家庭内での役割などについて執筆すればいいでしょう。
的外れな自己PRを書いて即落ちしないように、綿密な計画を立てて調査していきましょう!
本当に自分に合った企業か見極めるため
せっかく大変な思いをして就職したのに、企業とのミスマッチを感じてすぐに退職してしまう学生が多いです。企業研究をしっかりしていれば、そんな無駄足をも防ぐことができます。自分の就活の軸が業種でも職種でも、きちんとその企業の仕事を事前に学んでおけば、「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔することはなくなるはずです。
毎日違う刺激が味わえる仕事を夢見ていたのに、いざ入社してみるとルーティンワークのエンドレスだったり…なかなかまとまった休暇が取れなかったり…。抱える不満は人それぞれ。その不満を感じずに済む職場なのかどうかを選考前にしっかり予習しておいてくださいね。
モチベーションを高めるため
就活は長く続く旅のようなもの。長旅の間、ずっとハイテンションをキープしようと思ってもなかなか難しいです。ほどほどのモチベーションを維持して頑張り続けられるかどうかが、就活の成功率に大きく関わってきます。
企業研究を続けていくと、自分が心から「入りたい!」と思えるような魅力的な企業がいくつか見えてきます。そんな企業について調べていると、否が応でもキラキラな社会人として頑張る自分をイメージしてしまうはず。そんなポジティブな気持ちが、就活のモチベーションを上手く高めてくれるものです。
自分の将来イメージを作り出すため
企業には、必ずと言っていいほど「共通した理想的な社員像」があります。その理想像に自分の当てはめてみてアピールポイントを見つけるのが就活ですが、それを繰り返しているうちに、いつの間にか自分が働いている1年後のイメージ像がスムーズに出てくるようになります。
就活中、面接などで「どんな社会人になりたいか?」を問われることが多いですが、なかなか返答に困ってしまうものです。でも企業研究をしっかり済ませていれば、そんな質問にもわざとらしくない対応ができるようになります。
将来を見通せる力がある学生は、未来の幹部候補として採用したいと人事から思われやすくなります。「ぜひウチに!」と言ってもらえるくらいの、ハイレベル就活生になりましょう!
企業をジャッジする力を付けるため
就活は企業が学生をジャッジする場ですが、学生が企業をジャッジする場でもあります。「本当にこの企業は、自分に合っているだろうか?」と考える癖を付けることで、いざ決断を迫られた時も適切な判断ができるようになります。
このジャッジ力は、いずれ転職する際も絶対に役に立つ長持ちなスキルです。企業を信じ込み過ぎないことで冷静に物事が考えられるようになりますし、いいことばかりです。社会人として身に付けておくべきな思考力を、企業研究でゲットしてください。
オススメする企業研究の方法とは?
会社説明会に行く
では次に、具体的な企業研究のやり方についてまとめていきます。まずやっておかなければならないのが、会社説明会への参加です。これはもちろん合同企業説明会ではなく、単独で行われる会社説明会のことです。
会社説明会で聞ける内容は、いわば「テストで絶対に出るところ」です。経営理念や求める学生像など、抑えておくべきポイントがギュッとひとまとめになっているので、あとで見返してESを書く時などにもよく使えます。
逆に言えば、会社説明会に行かないでその企業の選考を受けようとしてもかなり大変、だということです。たとえスケジュールがなかなか合わなくても、志望度が高い企業の会社説明会にだけは絶対に参加できるようにしましょう。
ネットで関連記事を読む
現在、インターネットから切り離された状態で生きるのは難しいです。そのぶん、上手く使えば企業研究が一気にやりやすくなるという一面もあります。すぐに挑戦しやすいやり方は、企業に関する記事をスマホや携帯で常にチェックすることです。
大手企業はもちろん、駆け出しのベンチャー企業も、業績によってはネットの記事で名前が挙げられることも少なくありません。だいたいの場合企業の関連記事は同業種の人などが読むものなので、業界内での企業の立ち位置や意向が見えてくるのがポイントです。
書籍などを読むよりもお金の節約になりますし、スキマ時間に片手でスルスルと行える手軽さも魅力です。まだ調べていない他の企業に関する基礎知識も気軽に手に入れられるので、暇がある時にニュースサイトの経済蘭をチェックするのをおすすめします。
OB・OG訪問へ行く
より濃く、より深い情報を手にしたいなら、OB・OG訪問がオーソドックスでしょう。その企業で働く社員さんの生の声が聞けるので、一人で黙々と情報を集めるだけではつかめないリアルな意見をゲットできます。
仕事のどんな部分にやりがいを感じているか?というメンタル的なものから、社員さんが選考を合格するためにどんな準備をしたのか?という実践的な質問までカバーできるのがポイントです。
同じ時間を使って企業研究するなら、複合的な学びができるこのOB・OG訪問がおすすめです。これだけやっていればいい!というわけではありませんが、一度はきちんと手順を踏んで訪問し、質問することが後々に自分の糧になります。モチベーションも上がりますし、行く価値はありますよ。「OB・OG訪問をしてみたいけどどうすればいいかわからない」と悩む就活生も多いでしょう。以下の記事ではOB・OG訪問の必要性や、やり方についてご紹介しています。ぜひこちらの記事も参考にしてみてください!
インターンシップへ参加する
文章上や説明会上の業務説明だとなにも想像できない!という人は、いっそインターンシップに参加して実際にその企業で働いてみるのもおすすめです。どんなに口では上手いことを言っていても、仕事をしてみたら期待外れ…なんてことも防げますし、何より自分の中での迷いが消えます。
「ほんとにこの企業を受けてみて大丈夫だろうか?」というもやもやした不安も、実際に体験してみればすぐに答えが出るはずです。休憩時間などに社員さんと話すきっかけも増えますし、同業界を目指している就活生の友人も増えるので、いいことづくめ。企業研究に行き詰まってしまった人にもおすすめの方法です。
ただ、行きたいと考えていた企業がインターンシップを開催しない場合も十分考えられます。事前にすみずみまで情報を集めておいてください。また、インターンシップに参加するか迷っている就活生も大勢いるかと思います。そういった方は以下の記事を参考にしてみてください!インターンシップに参加するメリットがまとめられています!
座談会へ行く
社員さんや他の就活生とコミュニケーションを取って情報を集めたいけれど、きちんとしたかしこまった場が苦手!という人も多いかと思います。そんな人におすすめなのが、座談会です。座談会は、少人数の就活生と社員で会話しながらコミュニケーションをとる会のことです。友達と話す時のようにあまり緊張しないで話せるので、シャイな人にはぜひ参加して頂きたいです。
ザ・就活!のような堅い雰囲気はないので、聞きたい質問もどんどん口から出るはず。また、「自分らしさ」を社員にアピール出来るので、もし人事が自分の担当者だった場合は選考にもいい影響が出せます。
「座談会形式の説明会」として表記されていることが多いので、各企業のページをよく読み込んだうえで応募しましょう。人気企業の場合すぐに定員が埋まってしまうので、気付いた時にすぐに予約を入れてしまいましょう。
新聞や雑誌を読む
新聞は、就活生にとって必須グッズです。特におすすめなのが日本経済新聞。自分が目指している業界の現状を良い部分・悪い部分の両面で見ることができるので、より人事が納得しやすい志望動機や自己PRを書けるようになるはずです。経済の知識も付くので筆記試験の勉強にもなりますし、面接で業界知識について問われた時も役立ちます。
また、企業について書かれた雑誌を読むこともおすすめします。書籍と比べて値段が安いので、気になる企業が多い場合もそこまで経済状況を圧迫せずに情報を集めることができます。
普段から活字を追う癖をつければ、いざ社会人になってからも仕事がスムーズに進められるはずです。本屋などに入ったら、まず新聞や雑誌をチェックする習慣をつけることから始めましょう!
IR情報を参考にする
IR情報とは、Investor Relationsの略。より多くの投資家を集めるために、企業の財務状況を公開している情報のことです。具体的に行う業務内容ややりがいに関する情報も大事ですが、お金を稼いで生活することを考えると、安定性は出来るだけ高い方がいいものです。その「安定性」は、やはり財務状況を知らないと伺い知ることが出来ません。
投資家のために公開されているといっても、企業のホームページから飛んで行けば誰でもアクセスすることができます。誰が読んでも理解できる分かりやすい表記になっているので、業界研究としても使えます。物は試しに、一度はアクセスしてほしいデータのひとつです。
他の人と差をつける!企業研究データのまとめ方とは?
ノートで個性的に
いろんな調べ方で企業研究が終わったら、最後にその情報をわかりやすくまとめておかなければなりません。やっている人が一番多いのは、企業研究ノートを作ってデータを手書きでまとめる方法です。
1ページを1企業に使い、基礎知識・将来イメージ・社員の雰囲気などを自分が一番わかりやすくなるようにまとめるのがキホンです。手書きだからできるイラストやカラーペンなどを使って、カラフルにまとめる人も多いようです。
企業研究はとにかく、何社何社と数を重ねていくことが求められるので、毎日のように読み返したくなるノート作りが必須条件です。シールや切り抜きなども使って、見ていて楽しいノート作りを心がけましょう。
エクセルでわかりやすく
数値データだけをわかりやすくまとめ、表記する方法もあります。エクセルを使えば、別基準で企業比較したい時も非常にスムーズ。クラウドに保存しておけばスマホでも見ることができますし、いつでもどんな場所でも企業研究をすることが可能です。
普段あまりエクセルを使わない人は、これをきっかけにしてエクセルの練習を始めてみるのもいいかもしれません。社会人になったら使う機会が増える場合もあるので、なるべく早めに練習を始めてください。
企業研究シートでスムーズに
現在、多くの就活サイトが企業研究シートをデータ配布しています。そのシートの通りに記入していけば、気軽に企業研究ができる使い勝手の良さが魅力です。まだ初心者で、どんな風に企業研究を進めていけばいいのか分からない人も、シートのデータさえ手に入れば誰でも企業研究ができます。
サイトによって仕様がまったく違うので、自分に合ったシートを見つけるためにいろんなサイトを見て回るのもおすすめです!
おわりに
さて、いかがったでしょうか。企業研究を今までやったことがない人も、これを読めばきっとすぐにマスター出来るはずです。企業研究をしっかりやっておけば、選考の日の不安が見違えるほど少なくなります。そういった心の余裕が、選考に直接関わってくるといっても過言ではありません。この記事をきっかけにして、納得のいく企業研究ができるようになったら幸いです。
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