近年は、OBOG訪問の予約をメールで依頼するのは普通のことですが、いまでも電話を使ったアポイントをとる場合も多くあります。しかし、学生生活の間、電話でなにかを依頼する機会がなかった人にとっては、どのように電話でOBOG訪問の依頼をすれば良いのか戸惑いがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、OBOG訪問のアポイントを電話出する方法を詳しくご説明していきます。
OBOG訪問を電話で依頼する際の注意点
親しい間柄にあるわけではない人へ電話を掛ける際には、先方の迷惑にならないように細心の注意が必要になります。
電話をかける時間帯
企業へ電話をかける時間帯は、一般的に午前10時過ぎか午後13時過ぎが良いとされています。これは、始業開始直後または昼休憩直後の時間帯は、業務開始の準備で落ち着かない状況だからです。そこまで厳密に気にかける必要はありませんが、あまりにも早い時間帯や休憩時間中などに連絡するのは避けましょう。
また、現在は働き方も多様になってきているため、必ずしも一般的に言われている時間帯が業務の立て込む時間帯とは限りません。連絡をする企業の職種などを勘案して適切な時間帯に連絡しましょう。
土日祝日の電話は避ける
営業日ではない休日の連絡はNGです。平日は業務多忙のため、なかなか連絡がとりにくいからといって、休日に連絡をしてプライベートな時間を妨げてはいけません。
もちろん、変則勤務によって土日祝日以外が休日の場合には、その日に連絡するのは失礼にあたります。
携帯への電話はOK。自宅はNG
事前に名刺などを頂戴していて業務用の携帯電話の連絡先が分かる場合には、直接、携帯電話に連絡しても失礼にはあたりません。しかし、自宅への電話はNGです。
業務時間外の電話がNGであるのと同様に、自宅もプライベートな場所です。
電話をかける環境にも注意
こちらが電話をかける際の状況にも注意が必要です。周囲が騒がしい環境で電話をかけるのは、できるだけ避けましょう。こちらの声も電話の相手方の声も、いずれも聞き取りにくくなっては都合がよくありません。まったくの無音環境である必要はありませんが、通話に支障が出ない環境を確保してから連絡しましょう。
また、通話内容を記録するために簡単なメモがとれることも重要です。たとえば、自宅以外にも、停車した車の中などは落ち着いて電話ができる場所のひとつです。
OBOG訪問の電話依頼の流れ
電話でなにかを依頼する流れは、慣れるまで戸惑うかもしれません。ある程度の回数までは事前に話す内容をまとめたスクリプトを用意しておきましょう。
1挨拶と自己紹介
対面と同じく電話でも、まず初めに自己紹介が必要です。まれに焦って自己紹介もなしに用件に入る人がいますが、電話の相手方にとってみればそれだけで常識のなさを疑われてしまいます。
自己紹介は、所属と名前で十分です。〇〇大学の△△という情報だけで、電話の相手方はある程度、用件の予想ができます。
会社へ電話する場合
企業の代表電話に連絡する場合には、電話口の方がOBOG訪問の担当である可能性は極めて低いはずです。自己紹介の後に、電話の相手に向けて「簡単な用件」を伝えて、適切な担当者に取り次いでもらいましょう。微に入り細を穿つような説明は不要です。
「OBOG訪問のご依頼の件でご連絡差し上げました。ご担当者様をお願いできますでしょうか」といった簡単なもので十分です。
直接、携帯電話へかける場合
OBへ直接連絡がとれる携帯電話番号が分かっている場合には、取り次ぎはありません。しかし、携帯電話はいつでも連絡が取れる代わりに相手の状況が読めません。OBは客先への訪問中かもしれませんし、あるいは車で移動している最中の可能性もあります。電話がつながって自己紹介した後に、かならず「いま、少々お時間をいただいてよろしいでしょうか」と確認しましょう。
時間の余裕がなければ、OBの方から後ほど折り返すと回答があるか、あるいは都合の良い時間を指定してくれます。くれぐれも、相手の都合を確認せず一方的に話を続けるようなことがないようにしましょう。
2用件を述べる
OBへ取り次ぎをしてもらえ、相手の都合も確認できたところで、あらためて簡単に用件を切り出します。取り次いでいただいた方へ話した内容と同じことを繰り返すことになりますが、問題ありません。詳細な内容を話す前に、簡単な概要を示すのは大切です。
概要を把握すると、相手方は会話に必要な情報を準備することができます。たとえば、自身のスケジュール帳や、あなたが来訪した際に使える会議室の空き状況などです。
3日程調整
日程調整の仕方はケースバイケースです。こちらからいくつかの日程案を先に出すべきという向きもありますし、先方の都合に合わせるべきという意見も多くあります。これは難しいところですが、「基本的にいつでも大丈夫ですが~」という前置きを添えてからいくつかの日程案をこちらから示すという手順が良いでしょう。
なにも日程案を出さないのは相手方に日程案を出させるという負担があるのはたしかですから、こちらで案は出しつつも相手の都合を最優先させるというスタンスを取るのが無難です。
4確認
順調にOBOG訪問の日程や場所などが決まれば、最後に要点を復唱しておきましょう。口頭でのやり取りでは、思わぬところで意思疎通に齟齬が乗じている可能性もあります。最後に復唱することで、お互いの認識にずれがないかの確認ができます。
「念の為、復唱させていただきます」と添えて、内容の確認をしておきましょう。万が一、互いの意識にずれがあったとしても、復唱した事実を互いが覚えていればどちらかの責任ということにはなりません。
この「決定事項を復唱する」という習慣は社会に出た後も必要になるものです。意識して確認の癖をつけましょう。
OBが不在の場合の電話対応はどうする?
直接の電話番号が分からずに連絡する場合、OBが不在である可能性も十分にあります。その際に無作法にならない対応を覚えておきましょう。
あらためて連絡するのが原則
こちらからなにかを依頼する場合には、あらためてこちらから連絡するのが原則です。お願い事をする立場にありながら、わざわざ相手に連絡をするように依頼するのが二重のお願いになっていることは分かると思います。
なお、あらためて連絡しても再び不在のことも十分にありえることです。「差し支えなければ、ご連絡の取りやすいお時間を伺ってもよろしいでしょうか」と電話口の方に確認しておきましょう。
折り返しの電話を待つ
先方が非常に多忙な方の場合には、電話口の方が「折り返し連絡するように言付けておきましょうか」とご配慮されることがあります。その場合は、謹んでご好意を賜って問題ありません。
お願い事はこちらから連絡するのが礼儀だとこだわって、断固として折り返しの申し出を断わるのはかえって迷惑にもなりかねません。なんども同じ電話を受ける方の身になれば、折り返しの申し出をあえて断るのは失礼です。
「お願いごとなのでこちらからあらためて、と申し上げたいところですが、かえってご迷惑になってもいけませんので、恐れ入りますがお願いいたします」と、礼を述べて折り返しの電話を待ちましょう。
言付けをお願いする
あまりにも連絡がつきにくい相手方の場合には電話での依頼にこだわらず、メールで依頼をするのも良い手段です。
その場合には、しっかりとメールを確認してもらえるように、電話口の方に「ご担当者様へメールを送付いたしますので、ご確認していただけるようお伝え願えませんでしょうか」と言付けをお願いいたしましょう。
非常に簡単な言付けなので、電話口の方にもそれほど負担にはなりません。
OBOG訪問の依頼は電話にこだわる必要はない
不在時のメール確認の言付けに限らず、無理にOBOG訪問の依頼を電話で済ませる必要はありません。複雑な日程調整などは口頭では決めづらいこともあります。
電話ではOBOG訪問の依頼のみにとどめておいて、詳細な日程調整などはメールでやり取りするという方法も検討しましょう。メールは記録も残りますし、誤解なくやり取りできますので効率的でもあります。
電話でOBOG訪問の日程調整を詰めるのが難しそうであれば「お電話ではなかなか調整が大変かと思いますので、詳しい日程については後ほどメールにてご相談させていただきます」と結んで一旦、電話を終わらせましょう。
OBOG訪問でのメール術は別途以下の記事でご紹介しています。こちらも合わせて参考にしてみてください。
OBOG訪問の電話依頼で最低限確認しておきたい2つのポイント
OBOG訪問の調整を一度の連絡だけで終わらせるのは難しい場合もあると思います。その場合にも以下の2点だけを最低限確認しておけば、問題ありません。
1OBの連絡先
携帯電話番号またはメールアドレスのいずれかの連絡先を確認できれば、一度にすべてを決める必要はありません。時間をおいて再度連絡できれば問題ありません。逆に、この連絡先の把握を忘れてしまうと、後々大変面倒なことになるので必ず連絡先は確認しておきましょう。
2OBのスケジュール
携帯電話やメールアドレスを把握しても、OBが出張に出たり長期休暇を取得していては連絡がとれません。詳細なスケジュールまでは不要ですが、ある程度、OBに連絡がとりやすい時間帯や日程などは確認しておきましょう。
まとめ
OBOG訪問の電話依頼は場合によって適切なやり方が変わってきます。はじめは難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばスムーズにことが運ぶようになります。臆せずに電話をして、状況によってはメールも併用しながら効率的にOBOG訪問のアポイントを取り付けましょう。
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