留学経験者や体育会所属生といった学生でないと国内トップのメガバンクには受からない、と考える方もいるかもしれません。しかし、広島大学法学部4年の五反田大地さんは、勉強や新歓活動やアルバイトのエピソードを強みに、三菱UFJ銀行の内定を勝ち取りました。AIやFintechが台頭した時代だからこそ、彼が金融を選んだ理由とは?
金融業界を中心に見ていた就活
伊藤
五反田
そうです。「自分も頑張らなきゃ」と思わせてくれる大切な存在です。
伊藤
五反田さんも広島大学ですよね。地方でどのような就活をしていましたか?
五反田
メガバンクや地方銀行などの金融機関を中心に見ていました。その中でも特に三菱UFJ銀行に惹かれていたというのが本音です。
【五反田大地】広島大学法学部4年。三菱UFJ銀行内定。
伊藤
金融業界中心の就活だったんですね。就活中は東京に行ったりもしたんでしょうか?
五反田
実は東京には1回も行かなかったです。
伊藤
では、どこで就活をしていたんですか?
地方学生こそ早めの業界・企業研究
五反田
大学内の説明会や、大阪でのセミナーに参加していました。大阪に1回行くだけでも往復2万円ほどかかりましたので、地方学生にとって金銭面は大変なのかなと思います。私の場合は交通費だけで約30万円使いました。
伊藤
30万円は高いですね・・・!
五反田
自分の納得いく就職活動をしようとすると、それくらい必要だと思います。面接がスタートする6月が近づくにつれ、企業の選考スケジュールが重なることも多く、調整が難しくなります。ですので、それまでに自分のやりたい仕事を見つけ、面接を受ける優先順位を決めることが重要だと思います。
伊藤
どの時期までに業界や企業を絞ったほうがいいんでしょうか?
五反田
4年生の4月までには絞った方がいいと思います。
伊藤
つまり面接解禁までに、ですよね。ところで、五反田さんはいつから就活を始めましたか?
五反田
私の場合は3年生の10月です。最初は自己分析から始めました。新聞を読んでの情報収集は1年生の頃からしていました。
伊藤
1年生の頃から情報収集していたのは早いですね。五反田さんが金融業界を選んだのはどうしてなんでしょうか?
金融業界、特に銀行業に惹かれたきっかけ
五反田
金融業界の中でも私は銀行業に惹かれました。銀行は企業に貸出をすることで、その企業の成長をサポートできることが素晴らしいなと思ったので、志望動機が固まりました。
伊藤
企業の成長をサポートする手段は他にもありますが、なぜ金融だったんですか?
五反田
入学当初は「大学生活を謳歌したい!」という気持ちが強かったのですが、ある先生の授業が転機となりました。それは金融商品取引法など金融関係の法律を学ぶ専門教養ゼミでした。そこで金融機関の存在意義を学び、漠然と惹かれ始めたのです。
伊藤
大学生になり法律を学び、そして金融のことに初めて触れて惹かれたんですね。
五反田
はい。親が公務員ですので最初は県庁に就職する選択肢も考えていましたが、この授業がきっかけで、自分の進路のことを真剣に考えないとダメだと思いましたし、社会人になっても学び続けることで教養のある大人になりたいと考えるようになりました。
伊藤
1年生の時に真剣に進路を考えようと決意したんですね。
五反田
それ以降、日本経済新聞を毎日読むようにしまして、今も継続しています。その他にも図書館で情報収集をして知識を増やし続けることを心がけていました。
裏側で支えることの責任
伊藤
日本経済新聞を読み始めて、どんなことを感じたんでしょうか?
五反田
例えば、メーカーが何か新しい事業をする時に、銀行が裏側から支えていることが分かりました。金銭面での支援である貸出(=融資)以外にも、経営戦略の立案、M&Aのアドバイス、取引先紹介など様々な形でサポートができる仕事だと思いました。
伊藤
日本の産業や世界経済を支えているのが銀行ですもんね。裏側から支えるというところにも興味を持ったんですか?
五反田
はい。新歓活動での学びが大きいです。私は新入生歓迎の運営委員として「どうすれば1年生が楽しめるか。どうすれば友達作りのきっかけになるか。」を常に考え、サポート役に徹する経験ができたことで、裏側から支える責任の重さを体感しました。
伊藤
主役に楽しんでもらうために尽力した経験が、裏側で支えたいという思いに繋がったんですね。
自信を持って話したエピソード
伊藤
就活では、新歓の話をどう伝えたのか、詳しく教えてください。
五反田
1泊2日のキャンプを実施した際に、私が進行役とスケジュール等の運営管理を任された話をしました。
伊藤
進行役を取り仕切っていたんですか?
五反田
そうです。約300人の新入生の前で司会をしました。
新歓の時の五反田さん(左)
初のリーダー経験は ”大変” だった
五反田
このエピソードは面接では自信を持って話していました。ただ、当時の私は人前に立って話をすることはすごく苦手だったというのが本音です。
伊藤
そうなんですね。苦手なのにどうして司会をやろうと思ったんですか?
五反田
大学生になり「新しいことに挑戦したい!」とは思っていたのですが、なかなか行動に移せない自分にやきもきしていました。そんな時、先輩から「司会をやってみないか?」と誘われました。とても迷ったのですが、人前に立って話をする経験は自分にとって絶対必要なものだと考え、思い切ってチャレンジしました。
伊藤
他にもスケジュール管理をしていたということですが、大変だったことは何ですか?
五反田
1つめは、報・連・相すらままならなかったことです。運営委員に連絡事項を伝えても返信すら来ないことがしばしば。2つめは、予算をどのように効率的に使ったらいいのかを考えるのがとても大変でした。
伊藤
2つとも本当に大変そうですね・・・。
五反田
根気強く、一人ひとりに連絡し、運営委員みんなの気持ちを同じ方向に向けることが大変でした。メンバーは友人以外にもたくさんいましたので気を遣うことも多かったです。
伊藤
でも、大変だからこそ学べることもありますよね。
悩むくらいなら、どんどん挑戦しよう
五反田
1人で解決できないことはたくさんあります。そんな時は今まで以上に仲間を頼るようにしました。また、仲間の動きを客観的に見ることで、スケジュールの進捗を随時確認したり、動き方をアドバイスしたりできるようになりました。
仲間との一枚
伊藤
リーダーをやって成長したんですね。思い切って行動してみるのは後輩におすすめできますか?
五反田
もちろん、おすすめできます。就活が終わって強く実感していますが、面接で話すためのエピソードを考える時間はもったいないと思います。大学時代に、色んなことに果敢にチャレンジし続ければ、悩むことなくエピソードが自然に浮かんできます。
伊藤
どんなエピソードでも興味を持ってもらえるんでしょうか?
五反田
どんなエピソードでも、自分が自信を持って伝えられる内容であれば、その気持ちは面接官に伝わると思います。熱い思いを自分の言葉で語ることができるくらい、何かに打ち込めばいいのだと感じました。
伊藤
自信を持って話せるくらいの挑戦をすることが大切なんですね。
金融業界で求められる資質
伊藤
自信を持って語れるエピソードがアルバイトという学生も多いようですが、アルバイトの話は面接でしていましたか?
五反田
はい。私はアパレルショップでアルバイトをしていますので、後輩への教育や指導の方法を話しました。特に、目標を定めて達成に向けて逆算して進めていくことの大切さを伝えました。
伊藤
後輩の育成を通して、一人ひとりの特性を知り、信頼関係を築くことに力を注いでいたということですね。
五反田
たしかにそうですね。
少しの変化に気づく力
伊藤
お客さまとの信頼関係の構築は、金融業界では重要なんですよね?
五反田
そうですね。営業をする際、お客さまから本当に悩んでいることを相談いただけるかが重要だと聞きますので、例え少しの変化であっても気がつくことが大事だと思っています。
伊藤
そうなんですね。お客さまの悩みを聞いて、スピーディーに解決提案をできるとスマートですね。
五反田
社員さんとの座談会でもその話は出ました。自ら悩みを打ち明けてくださるお客さまばかりではないようですので、お客さまのことを確り理解して潜在的な課題を一緒に見つけていくことが大事とのことでした。
学び続ける姿勢
伊藤
そのほか社員の方に聞いた、銀行で働く上で重要なことはありますか?
五反田
常に学び続ける姿勢は銀行員になるにあたって大切だと言われました。銀行では仕事をするために必要な資格や知識がたくさんあるとのことです。
伊藤
社会に出てからも勉強を続けることは必要ですよね。
五反田
多方面にアンテナを張って情報収集する必要があるので、勉強が好きな人が仕事を楽しむことができる人だと言っている社員の方もいました。
伊藤
五反田さんも、日本経済新聞を読んで情報収集していたって言ってましたもんね。
五反田
もともと知らないことを聞かれた時に答えられないと不安に思う性格なので。興味のある企業のHPからIRを見たりもして、企業分析をしていました。
経営ビジョンに共感し、三菱UFJ銀行に
伊藤
銀行各社の違いを勉強できてないんですけど…。三菱UFJ銀行が他の銀行と違う点はどこですか?
五反田
1番は顧客ネットワークの広さです。保有口座数、メインバンク企業数など圧倒的な顧客数が挙げられます。また、北米や東南アジアの銀行を買収するなど、海外進出に対しても他の銀行と比べ力を入れていることがわかりました。
伊藤
三菱UFJ銀行に決めた理由は他にありますか?
五反田
長きに亘って日本経済の成長を支えてきた銀行であり、考え方や経営ビジョンに一貫性があるところが決め手でした。
伊藤
「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」を中長期的にめざす姿として掲げられていますよね。
五反田
そうですね。他にも共有すべき価値観として「信頼・信用」、「プロフェッショナリズムとチームワーク」、「成長と挑戦」があり、私もこの価値観を体現したいと思っています。
出典:https://www.saiyo.bk.mufg.jp/company/vision_ideal.html
就活を楽しむ
伊藤
では最後に、地方学生の皆さんにアドバイスをお願いします。
五反田
東京の学生と比較して引け目を感じている人も多いと思います。ただ、根拠のないネガティブシンキングは自分の可能性を潰すことに繋がってしまいます。自分を弱く見せないでほしいと思います。
伊藤
地方だから、という理由だけで自分を下げるのは勿体無いですよね。
五反田
大学生活も楽しんで、就職活動も楽しんで、自分から主体的に動いてほしいです。人生のターニングポイントの1つだからこそポジティブに考えて行動することが大事だと思います。
伊藤
五反田さんは就活を楽しめたんでしょうか?
五反田
はい、楽しめましたし、結果に大満足しています。
伊藤
そうなんですね。わかりました、本日はありがとうございました!
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