教育を変えたい!そんな私が、文科省でも教師でもなく、人材大手パーソルキャリアを選んだ理由

内定者インタビュー

「東大生だからすごい」そんな日本の教育・就活を変えたい。就活を意識せず、知的好奇心の赴くままに学生時代を過ごしたと語る東京大学の肱岡佑さん。最も熱中したことは、NPO法人カタリバでの長期インターン。高校生と真剣に対話をし、共に感じて共に考える大切さに気づいた。教育への様々なアプローチ方法を論理的に分析し、自らの進路を決定した彼が語る、納得する企業選びの方法をご紹介します。

アクションは裏切らない

斉藤
本日はよろしくお願いします。

肱岡
よろしくお願いします。

斉藤
人材大手のパーソルキャリアの内定が決まっていますが、最初から人材系志望でしたか?

肱岡
いや、最初からは思ってなくて、教育はもともと好きだったけど、大学時代に他にも色んな業種を検討しました。

斉藤
教育という軸を元に活かす「手段」をお考えになってたんですね。教育のどのような部分に惹かれるんでしょうか?

肱岡
惹かれるとは逆で、教育はもうちょっとよくならないかなって考えてます。自分自身凄く教育に支えられてきたなって感じています。幼稚園の頃からずっと公文式をやっていて、勉強をやってよかったなと思っています。一方で、多くの人は勉強つまらないとかできないというのが多くて、凄く勿体ないなと感じています。

斉藤
勉強の楽しさを伝えたいということですか?

肱岡
伝えたいもあるし、そもそも今つまらないからそれを変えたいです。

斉藤
先生になろうとは思わなかったんですか?教育=先生ってイメージは少なからず誰でも持っている気がして

肱岡
思いました!教師だけじゃなく、広い視野で色んな事を見たいと思って、1年生のときに結構幅広く見てました。

斉藤
どんなものを見ていたんですか?

肱岡
平和構築の授業で国際協力が気になって、JICAを見ていました。あと、文科省で働こうかとも考えました。

斉藤
いつ頃の話ですか?

肱岡
大学2年の冬。文科省に漠然と行きたいと思っていた時期があり大学2年の3月くらいから公務員予備校に入って勉強したい。と母に言ってお金出して貰いました。

斉藤

しっかりアクションまで起こしたんですね。

 

真剣な語り合い=自己分析

斉藤
結局、予備校には通われたんですか?

肱岡
それが、ちょうど長期インターンにコミットしたいなと思い始めたタイミングと重なってしまって。

斉藤
やりたいことが2つ、でも時間には限りがあるから1つに絞らなきゃならんと。

肱岡
そうそう。大学2年の秋に既に長期インターン先には出入りをしていたんだけど、最初はボランティアとして参加していたから深く関わってはいなかったんです。でも段々と企画作りなどをしていくうちに楽しくて、しかも忙しくなりだして。

斉藤
タイミングが悪かったですね。ボランティアに参加したきっかけからお聞きししたいです。

肱岡
認定NPO法人カタリバと文部省が探求学習のプログラムを一緒にやっているのを知ったので。探求学習には以前から興味があって。

斉藤
偶然なんですね。結局どちらを選んだんですか?

肱岡
長期インターンです。

斉藤
理由を教えて下さい。

肱岡
場にグッと入ったらまぁ楽しくて、そこに大事なものがあるなと感じたからです。というのも、インターン先(認定NPO法人カタリバ)の主な活動は、高校生に120分の出張授業「カタリバ」を提供することで、実際に進路に悩んでる高校生と真剣に対話をして、現場経験に魅せられました。

斉藤
高校時代って結構悩みますよね。出張授業はどのような雰囲気なんですか?

肱岡
カジュアルな雰囲気でした。教室じゃなくて、体育館で高校生6人くらいつかまえて、じゃあやろうぜみたいな感じで座って、「どうすれば幸せに生きられるんだろうね」みたいな話をしました。

斉藤
年の近いお兄さん・お姉さんが心の整理を手伝ってくれるんですね。

肱岡
そうですね!「どう生きていきたいんだろうね」とか、「君はどういうことを今まで感じてきたからどうやって生きていきたいと思うんだろうね」とか結構深い対話をしました。それが進路選択にも結果的に繋がるだろうし。

斉藤
自己分析の1つの形ですね。アドバイスしてあげることが目的ですか?

肱岡
アドバイスって言葉は好きではないです。助言じゃなくて共に感じて共に考えることを大事にしてます。

斉藤
なるほど。

肱岡
「あなたにとっての正解ってなんだろう」を必死に考えるから、対話相手を知らないことには前に進めません。だから最初の時間はその子のことを知って、その上で一緒に考えるし、別に答えを渡しに行っているわけではないです。

斉藤
心理カウンセラーのようですね。

肱岡
不安で動けなくなっちゃったりとか、自分ダメだなみたいに思っちゃうのは勿体ないことですよ。

斉藤
たしかに高校生時代って悩みがあっても学校の先生にはちょっと恥ずかしくて話せなかったです。そういう場をつくってもらうだけで心が軽くなりそうですね。

肱岡
そこがすごいポイントで、カタリ場キャストって1回きりの関係だし、なんの利害関係もないんです。

斉藤
だからこそ話せるってありますね。

肱岡
斜めの関係で、今日だけだからこそ本音を言えると思います。

斉藤
たしかに!

肱岡
友達には恥ずかしくて言えない、親にも言えないけどこの人になら言ってもいいかなっていう先輩。

斉藤
1回きりの特権。

肱岡
結構現場中で先輩の話っていうことをする時間があって、スケッチブックに自分の人生の話を書きます。自分も失敗談とかを赤裸々に話したりすることで自己開示、高校生も実は…みたいな話をしやすい場をつくっていくっていう。

斉藤

相手の視点に立って、色々工夫されてるんですね。

 

認定NPO法人カタリバで高校生に120分の出張授業する肱岡佑さん(高校生に120分の出張授業「カタリバ」を提供)

 

ガクチカはこれまでの「気づき」を心の赴くままに話すべし

斉藤
就活では主に長期インターンでの「気づき」を話していましたか?

肱岡
もともと就活のために始めたわけではないけど、カタリ場の経験が自分の進路選択に大きな影響を及ぼしていたから、よく話してはいました。

斉藤
カタリ場に出会わなかったら今の自分はないと思いますか?

肱岡
ないない絶対ない。カタリ場には苦労させられっぱなしですけどね。毎日カタリ場のこと考えてても、やれることはいっぱいあるんだよね、やれちゃうし、やりたいと思っちゃうから。正解はないんですけど。

斉藤
それに2年間どっぷり浸かったから、利益優先の会社には行けなくなったんですね。

肱岡
いや無理無理。それに素直で単純だから交渉事でギリギリを攻めるなんてずる賢いこと絶対できません。

斉藤

想い重視の企業選びだったんですね。

パーソルキャリア内定者の肱岡佑さん

 

企業選びの基準は自分の信念にストレートか否か

斉藤
いつぐらいから人材系に興味を持ち始めましたか?

肱岡
3年の夏頃くらいからです。「世の中が平和になったらいいな」という考えが根本にあって、人材とコンサルにも興味を持ってました。

斉藤
仏のような考え方ですね.

肱岡
最近良く言われます笑。悲しいやつがいるのも基本嫌だからなんか世の中が上手く回ればいいなって。どっちかというとプラスよりもマイナスがありすぎるのは改善したいです。

斉藤
マイナスをプラスにできて、ちょっとでもみんながハッピーって感じられたら最高ですね。

肱岡
まさに。もっと自分のために働けばいいし稼げばいいけど、苦しんでいる人がいるのにそこから目を背けるのに耐えられない性格なんです。

斉藤
まさにNPO魂。コンサルを志望していた理由を教えて下さい。

肱岡
コンサルは、影響力が大きいと思っていて、私がせっかく今まで勉強してきた頭とか経験したこととかを活かして仕組みを変えることに注力したらもっとたくさんの人にプラスを提供できるのではないかと考えてました。

斉藤
企業とか組織とかもっと大きなものを変えていくみたいな。

肱岡
そうそう、業務改善とか頭を使えるし、頭を使うのが好きだから。でもそんなにやりたくなかったなって気付きました。

斉藤
え、今、肱岡さんに凄い合ってるって思ってました。

肱岡
でもコンサルは現場から遠いから手触り感を感じられません。カタリバの活動で、現場にずっといて、目の前で人が変わる瞬間とか誰かの涙に触れる瞬間とか、それに立ち会えることが凄く好きなんですよ。それがないとモチベーションが続くかわからないという考えに至って。

斉藤
考える時間が長いですもんね。

肱岡
だからもっとこう、ウェットな関係。人と話したいです。

斉藤
人と密に接したいという自分の真の想いを発見したんですね。

肱岡
人材の仕事って人の大事な岐路に接することができると思っていて、それこそ就職や転職っていう大事なタイミングに一緒に悩むことができます。

斉藤
カタリ場と活動内容が被っていますね。

肱岡
進路選択のお手伝いね。あと単純に自分目線で言うと世の中を知りたかったっていうのもあります。社会を知って、自分の引き出しを増やしたいです。将来絶対活かせるでしょうし。

斉藤
知的好奇心が旺盛ですね!

肱岡
常に新しいことを知りたいし変化も好きです。教育の世界って停滞していると思ってますし。

斉藤
変化のスピード、早くはないですよね。

肱岡
それはそれで大事にしているものがあるんだと思う一方で、自分はその遅さに耐えられないなって。

斉藤
それが文科省行くのをやめようと決断したんですね。

肱岡
例えば、お金がすごく貰える案件で理念に合わない仕事をとるか、それともお金はもらえないけど理念にがっちり合う仕事があったら間違いなく後者を取りますっていう会社が私は好きです。

斉藤
社会貢献に着眼点があったんですね。

肱岡
あと、自分なりの納得感も感じられるし。これを世の中に対して自分は発信しているんだみたいな感覚が欲しかったです。

斉藤
自分の性格に合ってるかってことですよね。

肱岡
うん。自分の信念にストレートでいられる企業で働きたい、それを判断材料にしようって考えてました。そういう会社って多くないから勝手に絞れました。
パーソルキャリア内定者の肱岡佑さん

たまには面接で「わかりません」

斉藤
ここまで聞くと、いわゆる順風満帆な就活であったような印象を抱いているんですが、苦労したことはありましたか?

肱岡
あなた余裕でしょみたいに見えますよね。めちゃめちゃ苦労しました。

斉藤
ほんとですか?!!!

肱岡
はい。私の苦労はほんとうにこれがやりたい事なのかとか、企業がいっぱいあるからどれが今1番自分の最適な選択なのかわからないとか、ほんとうにこれでいいんだろうかって悩んでました。

斉藤
自分のビジョンと企業のビジョンの100%一致が難しいからってことですか?

肱岡
それもたしかにありますね。ビジョンがなんとなく一致しても、仕事内容がやりたくないなって感じることもありました。

斉藤
自分がやりたいことがはっきりしてるからこその悩みですね。

肱岡
私も結構こういう世の中になったらいいなとか漠然としてますよ。それに自分のビジョンって簡単に言葉にできるものでもないですよ。

斉藤
大学生でまだ社会にも出ていないのに、何も社会のことも知らないで語りたくないということですか?

肱岡
暫定的な自分の中での解みたいな、こういうのがいいなみたいなのはあるけどそれがずっと続くわけでもないし、時代に合わせてどんどんそれって変化していくものですし。

斉藤
特に教育とかって正解もないですもんね。

肱岡
そうそう!決めることに意味ある?みたいな。変わり続けていくこととか、その時代やそのときに最適なものを打っていくことが1番大切だと思います。

斉藤

意見の固めすぎも、柔軟性がないと判断される恐れもありますね。

 

対策をしたら受かりすぎる?フィーリングで突き進め

斉藤
就活の時信用した情報源があったら教えてください。

肱岡
信頼している人の口コミですね。自分が憧れている人が言っているかどうかとか、憧れている人が口にしている会社かどうかチェックしてました。

斉藤
その人たちとは何繋がりですか?

肱岡
カタリ場です。

斉藤
自分と同じ志を持った人が沢山いる長期インターン先は情報の宝庫なんですね。

肱岡
しかも、NPOだから部活とかと違ってカタリバって理念があって、みんなお金を貰っていないのに関わってるんですよ。

斉藤
素晴らしい同志ですよね。とはいっても、星の数ほどある企業をどのように絞っていったんですか?

肱岡
業界分析とか企業研究はあまりしていなくて、ピンと来たところに行こうというのは凄く思ってました。

斉藤
なにがその、ピンと来るなーだったんでしょうか。

肱岡
自分の感覚的なものと、ビジョンに共感するところを選ぶようにしてました。ビジョンについては「そうだよね」と思えるところを目指そうと思っていたから、合同説明会などに行ってつまらないなと思ったら検討リストから外してました。

斉藤
感覚的なのは何を重視されていたんですか?

肱岡
社員さんの雰囲気と説明会をしてる感じの雰囲気です。

斉藤
活気の有無ですか?

肱岡

活気も。あと、自分自身が人を大事にしているから、この人は凄い熱がちゃんとあるなとか、ちゃんとやってるなみたいなところは見てたかもしれないです。

パーソルキャリア内定者の肱岡佑さん

面接はかっこいい大人を探すチャンス

斉藤
「内定先の本選考が良かった」と先程おしゃってましたけど、どのような特徴があったんですか?

肱岡
1時間1対1の面談でした。真面目に色んな話をしました。

斉藤
君はどうやって生きてきたの?みたいなことですか?

肱岡
こういうインタビューみたいなら本心を全然話せるじゃないですか。

斉藤
そうですね。

肱岡
けど並べられて1人1人聞かれても言えないですよね?!

斉藤
しかも凄いありきたりな質問とかありますもんね.

肱岡
つまんないですよね。そんなの聞いて何したいの?って。

斉藤
面接に満足できたんですね。他に印象に残っていることはありますか?

肱岡
三次面接で会った人がめちゃめちゃかっこいい大人だったんです。凄い仕事の話を楽しそうにする人でした。

斉藤
求めてた人って感じですか?

肱岡
こういう大人になれたらなって思わせてくれる人がいて、その人といっぱい話して、「今の就活とかどうなんですか、なんかつまらなくないですか」って言えることができて。

斉藤
言ったんですか?

肱岡
普通に言いました。変えたいんですよねって。

斉藤
じゃあやっぱり人材系を目指す人って教育を変えたいとか就活を変えたいっていう想いがあるべきだと思いますか?

肱岡
人材系の会社にもたぶん色々あるから一口には言えなくて、それこそいい子ちゃんで育ちすぎている子は人材に来てもまた同じようにいい子ちゃんを繰り返すと思います。変に就活本とか読み込んでスキルを磨いて面接に受かるのは良くないですよ。

斉藤
それを入社してから大学生に教えちゃったらまた悪循環ですよね。
パーソルキャリア内定者の肱岡佑さん
(インタビュー風景)

可哀相な就活生を減らしたい

斉藤
突然ですが、今の就活についてどうお考えですか?

肱岡
悲しいです。

斉藤
悲しいですね。

肱岡
私もみんなと同じようにスーツで企業に行ったんですけど、「この場はなんだ。意味わかんない。みんな同じ顔してみんな同じ事言ってみたいな。すごくつまらない。可哀想だな。」って思いました。みんなそれぞれ色んな人生があって語るべきストーリーがいっぱいあるのになんで求められるつまらない答えを言わなきゃいけないって風潮があるんだろうって本当に悲しかったです。

斉藤
素直が報われる就職活動・社会にしたいと。

肱岡
就活市場に対してまず自分が何かをしたいというのが人材を最初のキャリアに選んだ理由の1つです。世の中の仕組みなどにも絶対に原因があると思ってます。

もっと楽しく生きられる社会を

斉藤
これまで伺った長いスパンでの目標ではなく、5年後の自分像を教えていただきたいです!

肱岡
その質問に答えるのあんまり好きじゃなくて、就活中も凄く聞かれたんだけど、5年後とか本当に分からないと思います。

斉藤
すごく分かります。まず入社して何をする予定ですか?

肱岡
それもまだ決めてない。2つくらいで凄く悩んでます。

斉藤
詳しく教えて下さい!

肱岡
1つは学生や転職希望者向けのキャリアアドバイザー。2つ目は企業向けのリクルーティングアドバイザー。1つ目はカタリバでの経験をそのまま活かせます。2つ目は、企業側ともっと接して、企業が求める人材を拾ってくる、企業との仕事だから企業を知ることができる。今の所、会社のことや世の中のことを全然知らないから企業向けをやりたいですね。

斉藤
企業を知って、世の中を変える準備をしたいんですね。

肱岡
知らないとなにもはじめられないから。

斉藤
変えるためにどうするか解を導き出そうと…

肱岡
まず材料がないからどんな現状なのかわからないし、でも良くない状況だろうなというのは分かるんです。みんな仕事つまらないって言ってるし、残業がどうこうとか、つまらないことばかりだなって。もっと気楽に生きればいいのに、楽しく生きればいいのにって凄く思うけど、まずはそうなっている理由が知りたいです。

斉藤
個々人が探求心を持てる社会が将来実現されることを切に願いますね。

肱岡
まずは就活市場をもっと面白くしたいです、絶対。

斉藤
どういう風に変化を加えたいですか?

肱岡
逆求人っていう団体があって、そこは就活生が自分の人生のプレゼンをして企業が個人のブースを回ります。そんな形で企業が待って個人が選ばれるんじゃなくて、学生の方が企業を選ぶんです。そういう目線にいけるといいなと考えてます。

斉藤
入社後のミスマッチもその方法だったら削減できそうですね。

肱岡
今は企業の人に認めて貰えるように自分をつくっていって、それを大人がさせている時点で違うよっていうのをちゃんと気付いて欲しいですよ。

斉藤
ぜひ就活や社会の仕組みを変えて下さい!楽しみにしてます!貴重なお話ありがとうございました。

肱岡
いえいえ。ありがとうございました。

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