内定取り消しをされたときはどうしたらいいの?対処法を徹底解説

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例年、就活に関する相談に乗っていると「内定を取り消したい」という就活生や、逆に「内定の取り消しをされてしまった」という就活生に会います。内定の取り消しなんて関係がないと考えている就活生は多いですが、それほど遠い世界のものではありません。もしかすると明日、あなたが内定取り消しに会うかもしれませんし、もしかすると内定を取り消したいと考えるかもしれないのです。

そこで今回の記事では内定の取り消しをされたときの対処法内定の取り消しに関するよくある質問などについてまとめていきます。この記事を読むことによって内定取り消しをされたときに取るべき行動がはっきりと分かるはず。

内定取り消しは身近に潜んでいる!

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「自分が内定取り消しなんてするはずがない」「内定取り消しをするような会社には就活はしない」と強気の方もいらっしゃるでしょうが、内定取り消しは意外にも身近なところにあるということをご存知でしょうか。

例年、内定取り消しをしたいという相談や内定取り消しをされてしまったという相談は多く、「内定取り消し」というキーワードで検索をすると1,120,000件ものページがヒットします。また厚生労働省「平成29年度新卒者内定取消し 状況」という文書によると内定取り消しとなった学生は73名とあり、前年度は86名にものぼっています。

内定取り消しになった就活生のニュースは例年1件あるかないかですが、意外にもこれだけ多くの就活生が内定取り消しにあっているのです。また自主的な内定取り消しを行なった就活生の数を入れるとさらに内定取り消しに関わる就活生の数は膨らむはずです。

内定取り消しをされたときのよくある質問

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それでは内定取り消しをされたときのよくある質問についてまとめていきましょう。もしあなたが内定取り消しにあった際には以下のような疑問が湧いてくるはず。そのときに即座に対応できるように以下のQ&Aにじっくりと目を通していってください。

労働契約はいつ結ばれているの?

内定を取り消ししたり、内定を取り消しされたりするというのは労働契約の違反に当たらないのか?」という疑問を持つ就活生も多いはず。新規採用までの流れを今一度確認してみましょう。

  1. 企業が求人募集を発表する
  2. 企業説明会などが開催される
  3. 選考が行われる
  4. 採用内定通知が発行される
  5. 内定に関する誓約書を取り交す

この流れの中で「いつ会社と就活生の間に労働契約は結ばれるのか」というところが、内定取り消しが違反とならないのかどうかの大きな分岐点となります。

実は過去の判例をみてみると労働契約が結ばれるタイミングは「採用内定通知を行なった時点」「入社日時点」の2つに分かれているのです。

例えば1979年に起きた大日本印刷事件の判例では「採用内定通知を出した時点で労働契約は成立する」という判決になっています。一方で翌年1980年の電電公社近畿電通曲事件の判例では「採用通知を出した時点で労働契約は成立するが、効力自体は入社日から発生する」とされているのです。

内定取り消しは無効になるものと有効になるものがある

上記の判例を見て分かる通り、内定取り消しには無効となるものと有効となるものがあります。もしあなたが内定取り消しにあった場合には、そのシチュエーションによって内定取り消しを無効となる可能性もありますし、一方で有効となる可能性も。それでは内定取り消しが無効とされるケースと内定取り消しが有効とされるケースを実際に見ていきましょう。

内定取り消しが無効とされるケース

内定取り消しをされたシチュエーションが以下の場合には、内定取り消しを無効とできる可能性があります。

  • 企業の決算赤字が採用時期から予想できないほど膨らんでしまった場合
  • 内定者を選出したものの、様々な事情から内定者を採用することができなくなった場合
  • 内定者の人格如何から、内定を出した企業の求める人物像ではなかった場合

就活生側の問題で内定取り消しが行われるのではなく、企業側の事情から内定取り消しを行おうとした場合には内定取り消しが無効となる場合があります。上記の3点のような事情で内定取り消しが行われてしまうと就活生は企業に振り回されてしまいますよね。そのようなことはありませんので安心してください。

内定取り消しが有効とされるケース

内定取り消しをされたシチュエーションが以下の場合には、内定取り消しが有効とされる可能性があります。

  • 会社が経営難に陥ってしまい、もしこれ以上社員を増やすと翌年度以降の経営が確実に回らない場合
  • 就活生が内定後に思いもよらぬ病気や怪我などを負い、入社予定日からの勤務ができなくなった場合
  • 内定者が就活時に申告していた学歴・経歴などが嘘であったということがわかった場合
  • 内定者が所属する大学、高校などを卒業できなかった場合(申告していた見込みの学歴を実現できなかった場合)
  • 内定者が入社日までに社会犯罪や社会風紀を乱すようなトラブルを起こした場合

企業が内定を取り消す場合には社会的に納得できる理由の提示が求められるため、企業の都合で勝手に内定取り消しをされてしまうということは少ないです。多くの場合は就活生側に内定取り消しをされる理由があるからこそ内定取り消しが行われます。

近年目立つのが「内定者が入社日までに社会犯罪や社会風紀を乱すようなトラブルを起こした場合」という項目で、SNS上で内定者が何らかのトラブルを起こし内定取り消しとなるということがありました。SNSを使用することは構いませんが社会に反する内容ではないかをよく考えて投稿をするべきです。

内定取り消しをされたときにできること

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次に内定取り消しをされたときにできる対処法について見ていきましょう。内定取り消しをされたときにできる対処法は以下の3点です。

  • 内定取り消しが無効であるということを主張
  • 「従業員の地位確認」訴訟
  • 内定取り消しに対して損害賠償請求

もし上記の「内定取り消しが無効の場合」のケースと自分の内定取り消しのシチュエーションが合致しているのであれば内定取り消しが無効であるということを主張すべきでしょう。

また他にも手段として「従業員の地位確認」訴訟内定取り消しに対して損害賠償請求などを弁護士との相談の元に手続きしていくということも考えなければなりません。

内定取り消しをされる前にできること

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最後に内定取り消しをされる前にできることについても紹介していきます。内定取り消しをされる前にできることは以下の2点です。

  • 会社から勧められる内定辞退を許諾しない
  • 内定獲得したことについての証拠を残す

1点目は「会社から勧められる内定辞退を許諾しない」ということ。会社は内定取り消しをしたいと考えている就活生に第1段階として「内定を取り消しませんか?」という内定辞退に関する合意書を出す場合が多いです。これを承諾しないということが大事です。

2点目は「内定獲得したことについての証拠を残す」ということで。もし内定取り消しにあった際には先ほど紹介した「従業員の地位確認」訴訟や内定取り消しに対して損害賠償請求などを行なっていくはず。その際には内定を獲得した証拠となる誓約書や内定通知に関する文書などが必要となります。内定取り消しにあう可能性も考え、内定獲得したことについての証拠を残すことは重要です。

まとめ

今回の記事では内定の取り消しをされたときの対処法や内定の取り消しに関するよくある質問などについてまとめていきました。

内定取り消しをしない方がいいということは明らかなことですが、内定の取り消しにあう可能性があるということも頭に入れておくと良いでしょう。

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