バンドもガクチカに!良品計画内定者の語る等身大の就活術とは??

内定者インタビュー

星野智史(ほしのさとし)

法政大学社会学部メディア社会学科在学中。大学時代、社会学を専門とするゼミに所属し、ヤクザの研究をしていたという。一方、インディーズバンド、HOGO地球として活動し、ドラム、ボーカル、作詞作曲をもこなすマルチな才能の持ち主。現在はTHE BUMというバンドのドラムボーカルとして活動中。内定先は株式会社良品計画。

今回インタビューに答えてくれるのは、良品計画内定者の星野さん。彼独自の経験や視点から導き出された就活観を皮切りに、就活中のモチベーションの保ち方や、自己分析のおすすめの本まで、無印良品やMUJIブランドを展開する株式会社良品計画に決めた背景と理由について根掘り葉掘り聞いてきました。

私の志望業界の絞り方

田原
今日はよろしくお願いいたします!早速ですが、就活始めた時期はいつくらいでしたか?

星野
インターンや応募などを真剣に見出したのは、大学3年生の5月くらいです。

田原
最初はどんな業界を考えていたんですか?

星野
就活始めてから興味持ったのは百貨店。就活始める前は、バンドをやっていたから、音楽関係の仕事や、テレビ制作でSEを入れる仕事も面白そうだなと思いました。

田原
それはどうやって変わって行ったんですか?

星野
自分がこうしたいっていうのが、今の音楽業界では違うっていうのを大雑把だけど気づいてしまったからです。自分のやりたいことがまだよく分からなかったから、自分の理念、考えが最低限会社と共有出来ていないと仕事が続けられないなと思いました。なので、百貨店に(志望が)向いていきました。

田原
なるほど〜。百貨店のどういう点がそうさせたんですか?

星野
共感出来ると思ったのが、百貨店は文化保護を大事にしているところ。色んなイベントを開いたりしていて、やりたいことはこっちの業界なんじゃないかなと思いました。そこから百貨店から小売りにどんどん視野を広げて行ったっていう感じです。

等身大の就活

企業選びの軸

田原
そんな感じで就活をはじめた星野さんですが、企業選びの軸はなんだったんですか?

星野
一つは理念に共感出来ること。もう一つは、自分はできるのかなっていう不安がある仕事をなるべく避けるようにしていました。

星野
自分は、やったことないことをやるのに不安があって。接客はバイトで経験してきたし、百貨店は自分が好きでけっこう行っていたこともある。親しみがある所で働きたかったっていうのがあるのかもしれないです。

田原
なるほど。これは嫌だったっていうことありますか?例えば、絶対転勤があるとか。

星野
あまりないですね。そこら辺を考えすぎてしまうと、どこにも行けなくなると思ったから。絞らずに行ってみてから考えたほうが良いと思ってました。

田原
自分のやりたくないことや、出来ないことを潰していった結果やりたいことに残る人もいれば、星野くんみたいに、やりたいことだけ最優先に考えて、あとはいいやって考える人もいて面白いな。

星野
今は嫌だなと思うことも、1年後の自分がそう思っているかは分からないですからね。

自己分析におすすめの本

田原
自己分析についてはどうやっていたんですか?

星野
割と自分で自分のことを常日頃考える癖があるので、なんとなくベースは出来ていたと思うんすけど、性格診断の本を買って読んで、同じ部分があったら共感していました。

田原
ほ〜。それはなんていう本ですか?

星野
『さあ才能に目覚めようストレングスファインダー』っていう本です。

田原
どんな結果だったんですか??

星野
自分は、最上志向という結果でした。これは、全然駄目なものを伸ばす気になれないっていう性格でうまくいきそうだなということを突き詰めていく。自分が当てはまっていると思ったのは、叱られるよりか褒められたほうがテンション上がるってことで全く駄目だからこうしなさいって言われても、今の自分駄目だったら練習しても平凡くらいにしかならないじゃんと思ってしまうんですよね。

田原
軸であげてた自分ができるのかなっていう不安な仕事をなるべく避けるっていうのにも現れてますね。

星野
駄目なものを伸ばす気にはならないんですよね。自分の中の良い所や伸ばせば良くなる所を自分で高めていく、そこでトップを目指すという考えがありました。

田原
これで考える企業や業界は変わったりしなかったんですか?

星野
それはあまりなかったです。この性格だったら自分が省いていた所とかやっぱり向いてないなと逆に納得しました。

田原
自分が定まったっていう感じなんですね。

星野さんおすすめの本。

インターンをきっかけに…

田原
インターンはやっていましたか?

星野
はい。でも正直、何か身に付けたいという意図はなくて、先輩から行った方が良いと言われてなんとなく夏のインターンに行ったのですが、結果的にそのインターンで物凄く就活に対して意識が変わりました。

田原
どんな感じで変わったんですか?

星野
就活は受験くらいのめんどくさいものだと思っていたのですが、その5日間のインターンで色んな人に会って、就活生や社員の方も親切にしてくれて。グループワークした時には、一人ずつフィードバックをしてくれたんです。

星野
あとこういう能力があるので、こういうアプローチをすると良くなるとか、社会で役に立つなどアドバイスをくれて、就活は、ただ来年の自分の居場所を決めるだけではないんだなと感じました。

就活は長期戦

田原
そんな星野さんですが、就活を通して意識していたポイントはありますか?

星野
一番大切にしていたのは、絶対自分に無理はしないことです。

田原
なるほど、それはなぜですか?

星野
就活は持久戦じゃないですか。6月まで内定全て出て終わるまで、耐えきれるだけの体力を自分で保っておかかないといけないなと思ったんです。スケジュールに関して、自分の精神面は絶対無理をしないようにしていました。

田原
なるほど。早く内定が欲しい!っていう人も多い中でその考えにいたるのも面白いな。就活のモチベーションは何だったんですか?

星野
僕は正直そこまで(就活に)前向きではなかったんです。でも、1年後の未来を、今すぐ考えて下さいっていうことではなく、ちゃんと考える期間があって、自分が行きたいとこに行けるチャンスがある訳じゃないですか。

田原
可能性が開けてますよね。

星野
せっかくだから、自分の1年後をじっくりと考えてみても良いのでないかなと思ったのが就活のモチベーションでした。

田原
なるほど。だから短いスパンでぱっと決めて早めに内定もらうよりかは、じっくり考えてメンタルが落ち込まないようにってことで長期戦として意識していたんですね。

就活観を身振り手振りを踏まえ説明してくれる星野さん

バンド時代の苦労がガクチカに

田原
ガクチカ(学生時代一番頑張ったこと)は何を話していたんですか?

星野
バンドのことです。自分がやっていたバンドは全員が曲を作れるので、方向性としてはコンセプトを皆で決めるバンドでした。なので、自分がやりことが100%出来るわけではなかった。その中でどう3人と揉めながら、仲たがいせず、3人でまとまってバンドを転がしていくのか。インプットとアウトプットを同時に考えないといけない場所でした。

田原
バンドというのはHOGO地球?

星野
そうです。

田原
就活では、どういうこと言っていたんですか?

星野
僕は(バンドの中で)まとめ役ですと言ってました。自分のやりたいことや他の人のやりたいこともある。全員が主張しすぎると、曲も出来ないし、ライブも出来ない。バンドをやっている意味がないとなる。だから、皆がやりたいことを一回吸収し、どう皆が良いとこ取り出来るか考えてました。

星野
例えば、曲作るにしても、最近オザケン(小沢健二)にはまっているとギターの人が言い始めた時に、ベースの人が全くオザケンに、はまっていなかったりする。一回オザケンをちゃんと聴いてみようとまとめたんです。そうするとオザケンって渋谷系だと思っていたけど、突き詰めてみると曲の良さや面白みがあるよねと。こんな感じで色んなバンドの曲を聴いたりして、提案していた。

田原
凄いですね…結構大変じゃないですか?

星野
物凄く大変。内定もらってから新しいバンドを作ってやっているけど、やっぱり大変。もっと色んなバンドを経験しとけば良かったなと思う。その時組んでいたバンド(HOGO地球)が、皆考えていたことが似ていたから。

星野
皆高校からの仲だったので、他の人の考えていることも分かるし、こういう落としどころにすれば納得するだろうというのも分かる。だから乗り越えられた気がする。今メンバーが変わって、活動している。物凄く曲作りの面で苦労している。

田原
さっきのオザケンの話。聞いてみたらこういうアプローチが出来よねって気付けるの、凄いと思うんだけど、メンバーはそういうことが出来るような人だったんですか?それとも頑なな人は居たけども変えられたっていう感じ?

星野
みんな頑なな時は、頑なでした。でも、よく皆に訴えていたことは、1回忘れてくれと皆に言ってました。今日のもめごとを1回忘れてくれと言って、忘れてもう一度聞いてみてくれと。煮詰まると、自分の意思が確固たるものになってしまうから。

星野
もちろん、自分の中で譲れない所は曲げる気はなかったんですが、嫌いにも色々あって、ロジック的に、自分のロジックに合わない嫌いと、実はそんな理由のない嫌いがあることに気づいたんです。だから、意外と自分の頭をリセットしてみると良いのかなと。

星野
就活でもフラットな気持ちで会社を見ると良い会社が見つかったり、面白そうなことがやれそうだったり、好きだと思えたりするんです。

田原
なるほど〜。あまり好きでない音楽も受け入れて、バンドを良くして行こうと思えるのは、バンドを続けてライブがしたいというモチベーションがあったからですか?

星野
ライブがしたいっていうのは目標よりか手段でしたね。目標は解散しないで、メンバーを欠けずに続けること。そのメンバーとして組んだし、そのメンバーの曲として作ったから。合わないから辞めさせてしまうっていうのは、負けだなと。

田原
対人調整力というか、チームマネジメント能力が高いと思うんだけど、星野くんの能力は、長期的な関係の中で出来ることだよね。会社に入ってからもすごく役立ちそう。

HOGO地球でドラムを演奏する星野さん

良品計画の理念に強い共感

田原
良品計画を選んだ理由は何だったんですか?

星野
理念に共感したことが一番大きいですね。大学の授業で良品計画は反消費主義や反ブランド主義というのを掲げているのを知って、その時点で興味を持っていました。でも実際に、説明会に行った時に、私たちは反消費主義、反ブランド主義をやっていくという確固たる意志を感じて良いなと。

星野
もし不安定な時代になった時に、確固たる商品の意思があって、ちゃんと出来も良く、社会から信頼を得られるものに関わって行かないと、長く持たないと思うんですね。これがこれからの社会に受け入れられて行くのであったらこんなに強いことないなと思いました。

田原
いいですね。競合他社、例えばアパレルとかエントリーはしなかったんですか?

星野
全く見ていませんでした。

田原
それは何で?

星野
自分の思考と合わなかったので。ある企業なんかは、要らなくなった服を途上国に輸入するような活動をしているけど、本質的にはブランド主義で、結局はファストファッションのようなスタンスをとっていたからです。

田原
なるほど。非常に理由が強いですね。納得できるな。

後輩へアドバイス

就活対策することだけが就活ではない

田原
最後、失敗したこと、後悔したことがあれば後輩にアドバイスを。

星野
大きく分けて3つあるんですが、一番痛感したことは、自分が思っているほど、自分は社会的に経験していないなということです。

星野
自分の強みや挫折について聞かれるけど、自分がした経験って思ったより薄い。だから、今の持ち駒で勝負するのではなくて、就活している間で色々経験を積んだほうが良いなと思いました。会える人に会ったり、色んな会社に訪問したり。バンドを続けている人がいたら、なるべく中断しないで続けたほうが良いと思います。

田原
就活中はそれだけになるのではなくて、就活の合間で色々経験できるから、インターンしたり、バンドしたり、バイトしたりして、自分の経験を高めていくってことですね。

星野
二つ目は、不安という気持ちをどう受け止めるかですね。持久戦とは言っても駄目だってなってしまうと、引きずってしまう。落ちることは自分が否定されている訳ではないとわかりつつも、へこんでしまう。その管理をちゃんとしないといけないと思うんです。特に5月後半はぐだぐだでした。自分に無理をしない。第一の目標が最後のほうは果たせてなかったんです。

田原
焦りですかね…

星野
焦りがありました。他の人たちが内定もらって終わったことには素直に喜べたけど、やっぱり不安はある。でも、不安になっている自分でさえも肯定的に捉えられたらと思います。

田原
なるほどね。

星野
今日は不安な自分なんだと。

田原
なるほど。それ考えれたら大きいな。

星野
あとは、やるべきことをやることですね。

星野
SPIとか、エントリーシートの書くことを決めたり、内定先を絞ることを直前になってやると、余計分からなくなるし不安が増大する気がするんです。

星野
不安になる自分を客観的に見るのも、ちゃんとやっている前提があってこそだと思います。やってなかったら間違いなく不安だよって。笑

星野
就活は最初は得体の知れないもの。SPIで自己分析をするだけでも、輪郭ぐらいは見えてくると思うんです。見えるだけでも違うから。

田原
ほんとですね。就活にしても、バンドにしてもその物事に真剣に向き合ってきた様が想像できました。

田原
今日は、ありがとうございました!

星野
ありがとうございました!

場所は二子玉川のcafeMUJIでした!

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