後藤一樹(ごとうかずき)
法政大学国際文化学部所属。ヒッチハイク、バックパッカー、バルセロナ留学、11ヵ国渡航、学生イベント主催など精力的に活動を行なっている。コロナ禍では#zoomdreamという学生団体を立ち上げた。内定先は博報堂グループの総合制作事業会社である博報堂プロダクツ。
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「ガクチカで話すことがない…」
「何か始めたいけど、何から始めればいいんだろう…」
「本選考のESどうしよう…」
そんな悩みを持つ就活生に向けた記事です。
精力的に活動されている後藤さんの話から、今から間に合う「行動力の秘訣」に迫ります!
「次は君が誰かに何かをしてあげる番だよ」
山下
本日はよろしくお願いします。後藤さんが書かれている記事など読ませていただいたんですけど、大学生活で色々なことされていたんですね!
後藤
そうですね!まずヒッチハイクを始めて、そこから海外のバックパッカーをやったり、カンボジアに1週間ぐらいインターンに行ったりとか…あと自分でイベント開いたり、靴磨きのサービスを始めたりもしましたね。
山下
すごいですね…積極的に行動をしようと思ったきっかけはありますか?
後藤
実は1浪したけど、大学受験で行きたい大学に行けなくて…半年ぐらい本当に腐っていたんです。やばいなと思ったタイミングで、ヒッチハイクをしました。そしたら運転手さんに、「次は君が誰かに何かをしてあげる番だよ」という風に言われて。そこで自分の中でハッと気づいたんです。「誰かのためになることを、何かやらなきゃいけないな!」って。
山下
なるほど。運転手さんからの一言で後藤さんの心が大きく動いたんですね。
なぜ、広告業界?会社選びの軸は?
山下
様々な経験をした中で、後藤さんはなぜ広告業界を志望されたんですか?
後藤
ある大学のサッカー部の大会で、選手が入場する前に流すスタメン紹介の動画をつくるのをお手伝いをする機会があったんです。それが実際にスタジアムに流れた時、観客の人たちの反応がとても良くて。
山下
すごく貴重な経験をされたんですね。
後藤
そうなんです。その瞬間、「自分が関わったもので笑顔がつくれる仕事、俺、好きかもしれない!」と思いました。こういうのどういう会社がやってるんだろうって調べたら、広告会社が制作しているという話を聞いて。それなら広告会社に行こうってその時思いました。
山下
その経験から広告業界に興味を持ったんですね!では次に会社選びで大事にしていたことはありますか?
後藤
研修体制をはじめとした、教育制度が整ってるところが良いなと思っていましたね。
山下
教育制度に着目した理由を教えてください。
後藤
自分がコワーキングスペースでバイトをしていた時、従業員が10人にも満たないようなベンチャー企業の社長さんの働き方を見て、「自分にはまだ無理だ。ついていけないかもしれない。」と思ったんですね。なので、まずは社会人としてのマナーや、ビジネスマンとしてのいろはを勉強しなきゃと思って。
山下
なるほど…これもまた、自身の経験から感じたことなんですね。
後藤
そうですね。周りからは「ベンチャーじゃなかったの?」と言われたけど、ベンチャー企業でバイトしていたからこそ、今じゃないなと気付けました。なので会社選びで説明会に行ったときは、研修制度なども聞くようにしていました。
面接は言葉のキャッチボール!
山下
面接で話す時工夫していたことや、気をつけていたことを教えてください。
後藤
話すことを、一言一句覚えないようにしてました。正直な話を言うと、「志望動機は何ですか?」と聞かれたときに、いかにも用意してきました!という完成したものを言うことに違和感があって…。
山下
確かにテンプレートかな?と思ってしまいますね。
後藤
それもそれで選択肢の一つだと思うんだけど…。覚えるというよりは、ポイントポイントで何を話すかを頭に入れて喋るようにしていました。
山下
そのポイントというのは、どのように選んでいたのですか?
後藤
キーワードで「これは伝えたい」というところを頭に入れておきます。例えばガクチカで話していたイベントに関するエピソードでは、イベントのタイトルが『休学したってええじゃないか』で。強烈すぎて、就活の場で休学を進めるみたいに見えますよね(笑)。 ですが続けざまに「休学を勧める会ではないんです。休学をしてまで自分の好きなことを突き詰めてる学生の話を聞いてもらうイベントなんですよ」と言うと、納得してもらえました。
山下
なるほど!わかりやすい。
後藤
あと、数字はとても大事です!例えば50人集客しましたとか、スポンサーが1社ついてくれましたとか。ポイントを数字で伝えるようにはしていましたね。
山下
数字があると、説得力が増しますね。
後藤
あと、あくまで面接は言葉のキャッチボールだと思うんです。言葉のキャッチボールとして、不自然な誤差が出ないように話していました。
山下
確かに、「学生時代頑張ったこと」とかも面接官によって聞き方違ったりしますよね。「苦労したこと」と聞かれるのか、「乗り越えたこと」と聞かれるのか。同じテンプレートだと、ちょっとつじつまが合わないみたいなことありますね。
後藤
それもありますね。
山下
「この子質問聞いてないな」と思われちゃうと、ちょっと損ですよね。
やってみて、駄目なら駄目でいい
山下
「ガクチカで書くことがない…」など実際に行動に移すことが苦手で悩んでいる人も多いと思いますが、コツを教えてください。
後藤
色んな人から聞かれるんですが、“悩まないこと“ですかね。
山下
どういうことですか!?
後藤
考えたら何も行動できなくなってしまうと思うんです。イベントも場所代がかかるとか、お客さんが集まらなかったらどうしようとか、登壇者を自分の人脈じゃ集められない…とか。
山下
あれこれと悩む前に、行動!ということですか?
後藤
とりあえずやるって決めたら、やる。やり始めて問題が出てきたら、その都度解消すればいいと思います。やってみて駄目なら駄目でいいと思いますし。
山下
確かに、そうですね。今はオンラインでも出来ることが沢山ありますよね。
後藤
そうですね。自分も3月31日コロナ真っ只中に、#zoomdreamっていう学生団体を立ち上げて。
山下
面白い!詳しく教えてください!
後藤
自分の周りにいた行動してる人や、行動したいけどまだ何もできてない人たちを集めた団体です。現在70名を突破していて、そこで面白い学生に登壇してもらいZoomセミナーを無料で開いたり、社会人を呼んで就活セミナーを開いたりしましたね。
山下
すごいですね。それもまた就活真っ只中の時期に…!
後藤
いやいや…!色々かじってみた上で、好きだと思ったことを掘り下げていった時、それがたまたま就活のネタになった、という感じです。「いろいろやってるけど、結局全部駄目じゃん」とか言われることもあったけど、そんなことを気にしていたら始まらないと思います。
山下
かっこいい…
後藤
就活も含め、自分の人生をどうデザインしていくかが大事だと思います。やりたいと思ったことはとりあえずやってみて、駄目だったら駄目でいいし、これは自分の肌に合わないんだなって。それが分かるだけでもいいことだと思います!
山下
なるほど、そう考えると少し楽になりますね。
後藤
何か自分にハマったことがあったら、それをどんどん突き詰めてけばいいと思います。「とりあえずまずやってみる。駄目なら駄目で。」…というのは本田圭佑さんから教わって、大事にしている考え方です。
夏のインターンが終わった今からでも、大丈夫。
後藤
実は、夏のインターンではESを30社ほどに出したんです。でも、途中で「駄目だ。書けることない!」と気付いてしまって。
山下
その段階で気付いたんですね…
後藤
ですが冬のインターンの間に、イベントを開いたり靴磨きのサービスを始めたりして、それがすごく有意義な時間になりました。就活に関係なく、まずは自分の好きなことの深掘りをしたほうが、大学生活が豊かになると気付きました。
山下
インターン行けば内定貰える、というものでもないですしね。
後藤
そうですね。インターンは結局、練習ですからね。
メンタルの保ち方
山下
それでも上手くいかない時、後藤さんは「自分の肌に合ってなかった」と思って乗り越えてこられたんですか?
後藤
もうめちゃめちゃ落ちたし、就活浪人まで考えた時期もありました。でも焦ったところで、それが面接では裏目に出ることが多いことも理解していて。もちろん何で落ちたのかは反省するべきですが、最終面接まで進めていたら、ある程度評価してもらえているんだって考えていました。最後はもう相性のチェックだと思うので、落ちてしまったら「合わなかったんだ、逆に落としてくれてありがとう」ぐらいのメンタルでいた方が楽だと思いますね。
山下
そうですね。
後藤
自分でどうやって腑に落とすか。落とし前つけて次に切り替えるか。が大事だと思います。もしくはそう考えるのが苦手であれば、自分の趣味とかで一旦忘れる時間をつくるとかですかね。
山下
「自分をどうやって腑に落とすか」という考え方とても良いなと思いました!あと趣味の時間、大事ですね。
夢が叶う場所は必ずしも大企業ではない。
山下
就活生の皆さんは今、コロナウイルスの影響などたくさんの理不尽の中で頑張っています。そんな彼・彼女らは今、何をすべきだと思いますか?
後藤
これからの半年間は自分探しに費やすべきだと思います。やりたいこと、就きたい仕事はそう簡単には見つかりません。でも、だからこそ、できることを少しずつやってみることが大事です。1人OB訪問をしてみる、普段読まない本を1冊読んでみる。ハードルは低いところからでいいんです。
山下
そうですね、毎日少しずつでも考えて行動してみること、大事ですね。
後藤
あと、夢が叶う場所は必ずしも大企業ではないということも伝えたいです。就活の話を聞くと、大企業に入ることが美化されがちですが、ミスマッチによる退社は毎年必ずあります。本当に自分が叶えたい夢はなんなのか、半年間無我夢中で探してみて欲しいです。
山下
本当にそれは痛感します。自分の夢についてこんなにも考えること、ないですもんね。
後藤
こんな時代だからこそ、一度きりの人生を楽しまないと!と思います。少しずつでも楽しんで、行動に移してきたことは結果的に面接で話すネタになる。アンテナを高く張って、生活の些細なことにも目を向けてみてください。きっと面白いものが見えてくるはず。それをとことん突き詰めてほしいです。
山下
貴重なお話、ありがとうございました!
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