理系学生必見!文武両道を体現した早大生の学生生活と就活

ガクチカ

赤羽智紀(あかはねともき)
早稲田大学先進理工研究科応用化学専攻修士2年。研究テーマは「高分子」。その中でも高分子を使って、柔らかさや薄さなど付加価値のある電池を作る研究に従事。学部3年次まで早稲田大学アルティメット部SONICSに所属。内定先は花王株式会社。

 

今回インタビューに答えてくれるのは花王内定者の赤羽智紀さんです!アルティメット(フリスビーで行うスポーツ)と研究を両立していた学生生活や文系学部生の僕には想像しにくい理系院生の就活について詳しく聞いてきました!!

 

※アルティメットの紹介動画です!7人対7人でフリスビーを使って行います。バスケとアメフトを足して2で割ったスポーツ、なんて説明されたりもします。分かりにくい!でも熱いスポーツだ!! https://www.youtube.com/watch?v=lyMmoU4QS1c

「アルティメット」というスポーツ

出会いとその魅力

野崎
お久しぶりです!よろしくお願いします!※筆者と赤羽さんはアルティメットチームのチームメイトでした。

赤羽
久しぶり!今日はよろしくー。

お久しぶりです!顔がカッコいいです!

野崎
早速ですが、アルティメットとの出会いについて教えてください!

赤羽
最初にアルティメットに出会ったのが小学生のときにやったレクなんだけど、そのときに感じたフリスビー独特の浮遊感とバッと飛び込んでキャッチする爽快感はなんとなく覚えてたね。

野崎
小学生のときから知ってたんですね!じゃあ大学では迷わずアルティメットを始めたんですか?

赤羽
いや、高校では陸上をやっていたので陸上同好会と迷った。大学生活をかけてヒリヒリやるような温度感に惹かれてアルティメットを選んだかな。

野崎
実際小学生のときに感じていたような魅力あるスポーツでしたか?

赤羽
そうだね!でもそれだけじゃなくて色んな要素が絡み合ってプレーが成り立つところも魅力的に感じた。身体能力はもちろん、スローの技術、天候、メンタル、思考力。その中で自分の得意な部分を探していけるのもいいところだよね。

野崎
たしかにそうですね!赤羽さんが探していった得意な部分ってどういうところだったんですか?

赤羽
いかに頭を使ってディフェンスできるかを追及した。動画を見て勉強したり、マッチアップした相手ごとに動き方をサンプリングして次のディフェンスに応用したり。それがだんだん出来るようになっていくのがすごく楽しかった。

野崎
(理系感あるなぁ)

ユニフォーム姿の赤羽さん!後ろに恥ずかしい髪型の僕が写ってるんですが、、

野崎
自分の成長を実感できるのって楽しいですよね!逆にチームに所属するなかで感じたことってありますか?

赤羽
先輩方が全力を尽くして試合に臨んでいる姿を見て感化されたし、努力することで自分が当事者としてその輪に加わっていけるようになるのは充実感あったな。でも一つ後悔してることがあって、、。

野崎
え、そうなんですか?

チームへの後悔

赤羽
3年生の幹部代のときにチームがバラバラになってしまった感覚があって。その雰囲気がインカレで負けたことの一因になったと思っているんだよね。

野崎
なんでバラバラになってしまったんでしょうか?

赤羽
今考えると、チームにとって必要なことをやってくれている人への労りと敬意が足りなかった。例えばキャプテンってチームを統率するのが役割だと思うけどやってくれることは当たり前じゃない。

赤羽
横からやれよ、やれよ、と言っている人間と実際にやる人間の間にはすごく距離がある。自分がその当時どちら側の人間だったかを考えると当事者意識が足りなかった、と反省せざるを得ないかな。

野崎
そうなんですね、、。僕も自分のことに注力すると周りがみえなくなるときがあるので勉強になります。

赤羽
研究室での活動でも同じなんだけど、やりたくないことでも組織にとって必要だからやっている、という人が一番立派だと思う。そういう人にスポットライトが当たるような仕組み作りが必要だと思うようになったね。

野崎
たしかにそうかもしれません!ここまでアルティメットチームでの活動についてお聞きしてきましたが、研究室での活動についてもお聞きしたいです。

「高分子」研究

高分子って何?

赤羽
高分子って知ってる?

野崎
知らないです!(即答)

赤羽
高分子というのは、数千個以上の原子から出来ている分子のことで、化学的な構造によって発揮される効果が違うんだよね。その中でも僕は樹脂を使って曲がったり、伸びたり、数十秒で充電できたりする電池の素材を研究しています。

野崎
そうなんですね!研究って面白いんですか?(小学生並みの疑問)

赤羽
面白いよ!うちの研究室はやれる範囲が広くて、フラスコを使うような合成からボタン電池やリチウム電池を自分で作るみたいなところまでできる。その中で自分が面白そうだと思う切り口で切っていってそこを深めていく感じ。

野崎
ほぇー。

赤羽
柔らかい曲げられる電池を作りたいっていう目的に対して理論を実践したり、実践から得た結果を化学的にはどう説明できるか考えたり。考えること自体も面白いし、その結果まだ世の中にないものを作っていけたらもっと面白いよね。

野崎
おぉ!面白さが伝わってきました!

赤羽
良かった(笑)

野崎
研究室もチームという感じなんですか?

赤羽
その側面もあるっていう感じかな。僕らの研究室は基本一人で研究するけど、皆で割り振ってやらないといけない雑事も結構ある。そうするとやっぱり色んな人がいるよね。

野崎
というと?

赤羽
プロセスと結果っていう2軸とそれぞれが出来ているかで4つのタイプに分類できると思っていて。例えば結果だけ〇にすればいいと考える人は雑事を他の人に押し付けたりするんだね。そうすると雑事が1人に偏ったりしてしまったりする。

研究室での活動について話しているところ。やはり苦労もあるようです。

野崎
うぅ。それはつらい。

赤羽
そうなんだよね。でも研究室も一枚岩ではないので自分が影響を及ぼせない範囲も大きい。

野崎
その中で赤羽さんはどう折り合いをつけたんですか?

あるべき姿

赤羽
自分としてはこうあるべきっていう姿を頑張って貫くという感じだね。全部を変えていくのは無理だけどせめて自分は他のメンバーのロールモデルになっていようっていう。

野崎
そういう人がいることはメンバーにとってもプラスになりそうですね!

赤羽
そうだといいね。

野崎
研究とアルティメットを両立して良かったことはありますか?

赤羽
「自分の中の当たり前のレベルを上げる」っていう言葉が好きなんだけど、初期段階で立てる目標を人よりもワンランクもツーランクも上に設定できるようにしたい。その習慣をつける上で研究とアルティメットを両立して良かったと思っています。

野崎
「自分の中の当たり前のレベルを上げる」。カッコいいです!

野崎
ここから就活についてお聞きしたいんですが文系学部生とはやり方が全然違うんですか?

理系院生の就活

文系学部生との違いって?

赤羽
基本的にはそんなに変わらないと思うよ。僕の場合は夏に1つ短期のインターンに行ったのと研究室の先輩が多いんだけどOB訪問を何人かして、あとは選考、という感じ。

赤羽
短期のインターンはAGCだったんだけど、工場見学と会社説明と就活セミナーだったね。

野崎
理系の学生だからといってインターンで専門的なことをするわけではないんですね。

赤羽
企業で働くインターンももちろんあるよ。でもそういうのには参加しなかった。

野崎
なんで参加しなかったんですか?

赤羽
例えば花王でも社員さんがいる環境で一緒に働いてみるっていうインターンがある。でもそういうインターンは2週間かかるんだよね。AGCは3日間だから行ったけど2週間も自分の研究を放っておけないなと思った。

野崎
なるほど。でもインターンに行かないのって不安じゃないんですか?

赤羽
就活は念頭にはあったよ。でも僕の場合は研究に集中してそこを評価してもらいたいと思った。インターンに参加したとしても内定をもらえるとは限らないしね。

野崎
研究へのこだわりがあったんですね。企業はどういう風に選んでいったんですか?

赤羽
大学院に行く時点でメーカーかなと考えていたのでその中で絞っていった感じだね。まだ世になかった自分が作った製品をお客さんに選んでもらうっていうのに憧れがあったからBtoCのメーカーを中心に見ていたね。

野崎
BtoCメーカーのなかでの違いってどう判断しましたか?

赤羽
説明会とかOB訪問、先輩方からの知見である程度分かるかなって思うよ。ほんわかしているイメージの会社と仲間でありつつお互いが競い合ってるっていうイメージの会社があって、ライオンとか味の素は前者、東レ、花王とかは後者っていうふうに感じた。

野崎
各社でイメージにも違いがあるんですね!理系学生は文系学生と違って実際に製品を開発できる可能性があることが魅力的だなと思うのですが、何かを新しいモノを生み出したいという願望ってありますか?

赤羽
僕は皮膚が弱いし暑がりなのでおしゃれしようと思ってもあんまりできなかったコンプレックスがあるんだよね。そういうコンプレックスのある人達でも自分を表現できるような製品を作ってみたい、という願望はずっとあったね。

野崎
なるほど!自己分析をしたことでそういう原体験に気付いたんですか?

赤羽
自己分析はあんまりやらなかったかな。というのもどんな仕事でも自分の興味のある切り口を見つけて楽しさを見出せると思ったんだよね。研究でもアルティメットでもそうしてきたから仕事でもそれができる自信がある。

野崎
過去の頑張りが自信に繋がっているんですね!企業の本選考についてお聞きしたいんですが、研究の発表とかもあるんですか?

就活で話す研究は「アメトーーク!」

赤羽
あるよー。5分間で研究について発表してくださいっていうところだったり、パワポで資料作ってきて発表してくださいっていうところだったり。でも研究を全く見ない企業もあるので企業によるって感じ。

野崎
やっぱりあるんですね。研究に対する知識や成果によって評価が変わるんですか?

赤羽
んー、知識や成果よりはプロセスが重視されるかな。研究にどうアプローチしてそのためにどんな囲い込み方をしたかっていう考え方や発想を聞いてくる。研究に対する考え方や発想は研究室柄も出るけど性格を反映したものでもあるからね。

実際に就活で使っていた研究概要。僕の脳が読むのを拒んでいます、、。

野崎
なるほどー、研究にも性格が影響するんですね。そういった発表の際のコツってありますか?

赤羽
伝える力は必要だと思うな。好きなことの話をしている人間は面白いってことを「アメトーーク!」を見て思っていたからそれを意識してたかも。

野崎
まさかの「アメトーーク!」!?

赤羽
「アメトーーク!」だったらMCが話を振ってくれたのに対して芸人さんが話し始める。でも気付いたらトークしている芸人さんの趣味とか好きな話に引き込まれてるじゃない。

野崎
ふむふむ。

赤羽
その感じで質問に対して間を置かずに話し始める。その質問待ってました!って感じでイキイキしゃべる。そういう状態で会話ができると研究が好きなのが伝わるし面接官も質問して良かったなって思ってくれて話が弾むんだよね。

羽トーーク!

野崎
あー、たしかに!相手が楽しそうに話してくれると話が弾みますよね。でも相手の質問に間を置かずに話すのって難しくないですか?

赤羽
たしかにそうね。正直にぱっと思ったことから話し始めるってことと話しながら次の展開を考えることが必要だったかも。

野崎
難しい(笑)

赤羽
好きなことを話すのってオフェンスだと思っていて、その時間を増やすことで自分の苦手な話題を話すディフェンスの時間が短くなる。だから難しいことをしてるというよりは得意なことをしてるって感じかな。

赤羽
そういうふうに面接をコントロールするようにしてからは成功率が高くなったかもしれない。

野崎
面接をコントロールするっていうイメージは面白いです!最終的に花王を選んだ理由を教えてください!

なぜ花王なのか?

選んだ理由

赤羽
自分がこだわって力を入れてきた研究の面を評価してもらえたのは大きいね。

赤羽
あと企業文化の部分で良いと思ったことが2つあって、1つ目は研究に対して真摯でストイックに接していると思ったところ。

野崎
ふむふむ。

赤羽
もう1つが社員の約3割が研究員で、営業やその他の部署にも理系出身、研究出身の人が多いんだよね。そういう専門的な知識が社内に根付いている感じが良いと思った。

野崎
今まで所属していた組織に通じるものがあったんですね。入社後にやりたいことはありますか?

入社後にやりたいこと

赤羽
化粧品とか肌や皮膚に携わるような研究をしたい、というのが昔からの憧れだね。

赤羽
必ずしも万人に手に取ってもらえなくても、この製品のおかげで苦しんでたことから解放されたよ!と一部の人達にでも喜んでもらえるような製品を作っていけたら技術者冥利に尽きますね。

野崎
赤羽さんなら作れそうです!最後に後輩に一言アドバイスをお願いします!

後輩へアドバイス

赤羽
やっておいて良かったと思うのは、本気で研究に取り組んでいたことですね。研究に限らず何かに本気で取り組むことは就活のコアになると思います。

赤羽
逆にやっておけば良かったかなと思うのは、広い視野を持つことです。僕は研究に夢中だったのでメーカーに絞ったけど、1番合う企業はメーカーではなかったかもしれない。

赤羽
当たり前になっている前提を疑ってみると案外道が見えてくることがあるかもしれません。

野崎
確かにそうかもしれません。本日は貴重なお話ありがとうございました!!

本日はありがとうございました!顔と性格がカッコいいです!

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