町田峻(まちだしゅん)
早稲田大学人間科学部文化学専攻。ゼミでは日本の文化について研究しており、卒論のテーマは「落語」。中学生で剣道を始め、高校、大学と部活動で剣道に取り組んでいる。早大剣道部では選手として活動しつつ、関東学生剣道連盟の財務を担当し、120校以上の大学剣道部の諸経費をまとめ上げた。内定先はADK。
今回インタビューに答えてくれるのはADK内定者の町田峻さんです!早大剣道部所属で大手広告代理店から内定を貰っている学生と聞いて、筋肉隆々のいわゆる体育会系の恐い人が来たらどうしよう、、とビビりながらインタビューに行ってきました(失礼)。しかし、実際に現れたのはスーツ姿の好青年!とても話しやすい方であっという間にインタビューの時間が過ぎました。自らをいじられキャラだと語る町田さんの学生生活や就活について根掘り葉掘り聞いてみました!!
関東学生剣道連盟と早大剣道部
使途不明金200万円!
野崎
よろしくです!早速ですが、今日はなんでスーツなんですか?
スーツ姿でカフェに登場した町田さん
町田
よろしくお願いします!この後連盟の財務ミーティングがあるので!
野崎
その連盟って何ですか?
町田
正式名称が「関東学生剣道連盟」という組織で、関東に120校くらいある大学剣道部を全部まとめてる感じです。
町田
部員から大会参加費や部員登録費などをもらって、そのお金を使って大会運営のために、会場を抑えて、抽選会をやって、審判を呼んで、会場の設営して開会式をやって、ていう。2000~3000万円くらいの資金を10個の口座に分けて、各行事ごとに運用しています。
野崎
10個の口座、、3000万円、、。その中で町田さんは財務に関わっているんですか?
町田
はい、「お前早稲田だしやってみろ」って感じで財務を担当することになりました(笑)。で、実際入ってみるとすでに使途不明金が200万円あってそれを解決しなくてはなりませんでした。財務とか全く興味なかったんですが、一度引き受けたからには責任を持ってやろう、という気持ちで2,3,4年と今日までやってきました。
爽やかに語っているけど相当大変なのでは、、?
野崎
200万!?いきなり背負わされるには重すぎる額ですね、、。どうやって解決したんですか?
町田
使途不明金の一番大きな原因として外部組織とのお金のやり取りがありました。例えば、私が所属しているのは関東の連盟なのですが、全日本の連盟に対していくら立て替えていていくら返ってきているのか、などが不透明になっていました。
町田
他にも支払った経費のレシートをとりあえず保存しておくだけで記録していなかったり。全体的に業務の内容が雑だったんですね。そこでExcelを使って一つの数値を入力すると全体に反映されるシートを作りました。
野崎
凄い!Excelは元から使えたんですか?
町田
お金のやり取りって足し算と引き算だけなので。それだけを駆使してやりました。まずは先輩方のやり方を学んで、そこから自分が不満に思ったことを解消していこうとしていったらだんだん上手く出来るようになりました。
町田
最初は下調べ期間があって、あとは自分が思う通りに頑張って試行錯誤。だからその分、時間は取られたんですけど。電車の中でwi-fi繋いでスマホとPCでカチャカチャやったりしてました。
実際のシートの一部分。表と数字が苦手な僕としてはあんまり見たくない代物
野崎
凄い労力ですね。財務の仕事に加えて稽古にも出ていたんですか?というか授業もありますよね?
稽古と財務と授業と
町田
連盟の仕事って忙しすぎるので他の大学の子は稽古は2週に1回とか月に4回でいいよって感じでしたね。早稲田だけはそういうの無しなので週に6回、週に7回の稽古は絶対に出ないといけない上で単位も落とさず連盟の仕事をやらないといけない。
町田
正直相当厳しかったです。一時期は精神的にもきつくて稽古に行こうとしてもなかなか足が動かないこともありました。
野崎
(おい、早稲田!)
町田
その中で工夫していたのは、スケジュールとタスクの管理です。やらなきゃいけない事を手帳に書き出して、移動中にやることまで細かく決めていました。キャンパス、連盟、道場とそれぞれ違う場所にあって移動に時間がかかるのでその分スケジュールの管理が重要でしたね。
野崎
社会人に負けず劣らずの忙しさですね。就活でも連盟での活動をアピールしていたんですか?
自己PRの軸と気付いたこと
名前の由来と冷凍パンツ
町田
そうですね。でも、それだけだと如何にも体育会系という印象になってしまうので自己PRは2つの軸で行っていました。1つ目の軸は「峻」という名前です。
町田
「しゅん」って人偏とか馬偏を使う漢字の人が多いけど、私の名前は山偏なんですね。そこには両親の「人生という険しい山を死ぬまで登り切って欲しい」という願いが込められています。それを踏まえて自己PRでは「私は名前の如く生きている人間です!」から始めて、剣道部や連盟でのエピソードを話しました。
野崎
(カッコいい!)
試合中の町田さん。躍動感!
町田
2つ目の軸は剣道部の同期内でのキャラクターです。日本一を目指している剣道部において試合に出るような選手ではない私がどのように価値を発揮していたのか。
町田
その答えが「いじられキャラ」です。パンツをお風呂に沈められたり、冷凍庫の中に入れられてカッチカチになってたり、っていうエピソードを話していました。同期に面接でパンツの話したよ、って言うと、マジかお前!とよく言われました。
野崎
(カッコ悪い!)パンツを凍らされるのって価値を発揮してるんですか?
町田
それ自体が価値な訳ではないです(笑)ただ、組織の中で全員がギラギラしてNO.1を目指すという感じだと上手く回らないと思っていて。だからいろんな役割 が必要で。
町田
その中で私はいじられキャラとして常に輪の中心で話題を提供する素材になることで価値を発揮していました。私自身も同期の剣道に対する意識の高さに助けられたことも多いですし、それぞれに役割がありました。
パンツの話を聞いた後だといじられキャラに見えてくるから不思議だ、、
野崎
いいチームだったんですね。
かけがえのない同期
町田
本当にそう思います。就活で1番有難かったのは辛いときに何でも話せる同期がいたことでした。剣道部には一般入試組とスポーツ推薦組がいて、私は一般入試組です。
町田
部の暗黙のルールとして、成績に貢献しているスポーツ推薦組は雑務をしない、というものがあったのですが、私の同期は当たり前のように雑務を手伝ってくれました。その上で、日々きつい稽古を乗り越えて切磋琢磨していることもあって最終的には一人一人の役割がピースとなって1枚のパズルを完成させるようなチームを作ることができました。
野崎
凄い!役割を意識したきっかけとかってありますか?
町田
高校の剣道部での活動を通して役割を意識するようになりました。高校剣道部での私はキャプテンとしてチームを引っ張っていました。引退時に「マッチーが引っ張ってくれたからここまで続けられた。」と同期から言ってもらえました。
町田
でもその気持ちは私も全く同じだったんです。同期がサポートしてくれたからキャプテンを全うできた。その経験を通じて良いチームを作るためには様々な役割が必要であることを学びました。
野崎
高校での経験が大学の剣道部、そして就活へと繋がっているんですね!ここまで学生生活について伺ってきましたが、就活では広告業界を志望されたんですよね。
広告業界に抱いた理想と現実
広告と文化
町田
はい、私は元々日本の文化や芸術に興味があって、ゼミでもアイドル文化や落語について研究しています。その観点から見たときに文化、芸術への接点として広告があると思ったんですよね。
野崎
(言われてみれば確かに!)
町田
でも現実は全然違っていて。お客様からすれば広告が文化だ、芸術だとかはあんまり関係なくて、いかに売上を伸ばしてくれるのかが重要なんです。
町田
やっぱりマーケティングの側面が大きいんですね。私としてもマーケティングに興味はあったのですが、そこを上手く言語化できなくて。それくらい漠然としたところから徐々に解像度を上げていきました。
野崎
(言われてみれば確かに!)具体的にはどうやって解像度を上げていったんですか?
ダメ出しされたOB訪問と渋々参加した合同会社説明会
町田
一般的ですが、会社説明会、OB訪問、インターンを通じて徐々に、という感じです。まずは、OB訪問でESを見て頂いたんですが全然響かなくて。「これ商社とかメーカーでもできるよね。何で広告なの?」と言われたときに上手く答えられませんでした。「もっと色んな業界を見てきなさい。」と言われてしぶしぶ合同会社説明会に行きました。
野崎
(厳しい、、。)
町田
説明会では自分が興味のない業界を中心に回りました。なぜ興味がないのかを明確にすることで何に興味があるかも分かってきました。
町田
印象的だったのがある飲料メーカーの説明会です。今まで中年男性層がメインの顧客でった酎ハイを若い女性にも買ってもらいたい。そのときにメーカーが行ったのがパッケージデザインや名称の変更でした。そして施策後には女性が買ってくれるようになった。この話を聞いて自分がやりたいことは「人の価値観を変える仕事」なんだ、と気づきました。
野崎
マーケティングへの興味が言語化されたんですね!人の価値観を変えたいと思ったきっかけってありますか?
町田
あります。個別指導の塾講師のアルバイトをしていたときの話です。中学生の国語を教えていたんですけど、全然やる気なくて。「国語なんて何が面白いのー」みたいな。そう言われてみると私自身も国語を面白いと思ったタイミングがあることに気が付きました。それが受験勉強中に林修先生の授業を聞いたときでした。
野崎
林先生って今でしょ?の、あの人?
町田
そうです(笑)オンラインの授業ですけど。あの先生の解き方って面白くて国語を推理ゲームに例えるんですよね。傍線部がヒントで指示語とか接続詞とかを順々に追っていくと答えにたどり着く、みたいな。
町田
その考え方を私が教えていた生徒にも伝えていくようにしました。その結果、段々その子が国語に興味を持ってくれるようになったんです。同じ国語の勉強でも伝え方で全然印象が変わるんだな、っていう。そのときに、人の価値観を変えて人に良い影響を与えるって自分のやりがいになると感じましたね。
野崎
なるほど!酎ハイの話ともリンクしていますね!インターンはどのような会社に行ったんですか?
印象的だったインターン
町田
広告業界が中心ですね。ADKのインターンは夏と冬の両方行きましたし、他の広告代理店やPR業界の会社のインターンにも行きました。
野崎
その中で印象的だったインターンはありますか?
町田
やっぱりADKのインターンですかね。課題の内容が具体的で実際の仕事を想像しやすかったですし、周りの学生のレベルも高かったので勉強になりました。
町田
事前に〇〇(具体的なお菓子の商品名)の売上を上げる施策を考えなさいっていう課題と考え方のフレームワークの資料が送られてきて3分間の個人発表からグループワークが始まるという形式でした。マーケティングを学んでいる学生はデータに基づいた施策を考えてきたりしていて流石だなぁ、と。グループワークの最中に実務についている社員の方からお話やアドバイスを聞けたのも良かったです!!
フレームワークについて説明してくれる町田さん。もしや自社インターンの宣伝!?
野崎
周りの学生のレベルも高い中どのようにグループワークで価値を発揮したんですか?
町田
夏のインターンでは、説得力のある話し方をする学生の意見に引っ張られてアイディアが上手くまとまらず悔しい思いをしました。冬のインターンではその反省を活かしてプレゼンではなく、内容自体を吟味し全体の流れを修正するように意識していました。
町田
とはいえ、1日で終わるようなグループワークは苦手です。剣道部においても長い時間をかけて信頼関係や役割を築いてきたので。
野崎
なるほどー。他にも大手広告代理店がある中でADKを選んだ理由を教えて欲しいです!
なぜADKなのか?
選んだ理由
町田
ADKは、若手の裁量権が大きいことはもちろんですが、部署の垣根を超えた仕事ができるんですね。そこにやりがいがある。
町田
例えば今やってるスタメン採用も、人事の方がADKのクリエイティブの方に依頼して一緒に作った採用方式なんです。職種内の裁量権以上の仕事ができる環境があるんです。職種に縛られずチーム一体となって他の大手広告代理店を越える施策を作っていく。熱い会社だと思いました。
野崎
確かに熱い!逆に内定を貰えた理由って何だと思いますか?
選ばれた理由
町田
一次選考を通過したときにメンターの方から、「全く興味のなかった財務の仕事に対して責任感を持ってやり切ったところを評価した。入社しても希望の配属先に行けるとは限らない。その場合でも力を発揮できるかは重要なポイント。」と言われたので、1つはそこかなぁ。二次選考でもそこを詳しくアピールしました。
実際に使っていた資料の一部分。うーん、すごい
町田
もう1つ自分で感じるのは、選考において背伸びもしなかったし縮こまりもしなかったところですかね。インターンや選考を通して自分のことを時間をかけて評価してもらえたので内定を頂いたときにもしっくりきましたね。自分に合った会社だな、と。
野崎
内定がしっくりくるって羨ましい感覚です。最後に後輩に向けて一言アドバイスをお願いします!
後輩へアドバイス
町田
選考で嘘をつくかつかないかって就活生が凄く悩む部分だと思うんですね。私は、自分のスタンスをしっかり決めて覚悟を持って貫くことが重要だと思っています。そうすることで後悔のない就職活動ができるんじゃないかなと思います。皆さん頑張ってください!!
野崎
確かにそうだと思います!本日は貴重なお話ありがとうございました!
インタビューを終え、会議に向かう町田さん。お忙しいところありがとうございました!
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