エントリーシート(ES)で聞かれる機会が多いのが「特技」です。一見他愛もない質問に見えますが、「書き方がわからない…」と悩んだ方も多いと思います。特技というのは20数年の人生を生きてきた結果培われる特性ですが、エントリーシート(ES)でアピールできる特技を皆が持っているわけではありません。とはいえ、「特技はありません」と書いてしまうと、貴重なアピールポイントを一つ潰してしまう結果で終わるでしょう。
本記事ではエントリーシート(ES)内で特技を企業側が聞いてくる理由、効果的な特技の書き方、「自分には特技がない…」という悩みへの対処法を書いていきます。特技でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
エントリーシートで企業が特技を聞いてくる理由
エントリシート内で特技を書く欄は大きくはありませんが、かといって手を抜いてはいけません。企業が学生に特技を聞いてくるのは、はっきりとした思惑があるからです。まずは企業の思惑を知り、それに沿った特技をかけるよう目指しましょう。
1特技から学生の人となりや性格を見たい
企業は、学生に特技を聞くことで人となりや性格を詳しく知りたいと思っています。学生に対して社内風土に順応できそうな性格や人柄を求めているからです。学生を知る要素としては学歴や自己PRがありますが、これらは格式ばった文章になりがちで学生の素の性格は見えてきません。なので、特技を聞いて学生の人格を詳しく知りたいと思っているのです。
企業にはこのような思惑があるので、特技を書く場合は自分の人柄と密接に関連している方がいいでしょう。無理して誇張する必要はありません。
2会社で働く上での適性を確かめたい
優秀な学生を求めている大企業の場合、働く上での適性を特技から確認したいと考えている場合があります。大企業のもとには数百~数千のエントリーシート(ES)が届くので、自己PRや学歴だと候補を絞り切れません。そこで、特技欄もチェックして優秀な学生を見極めようとしているのです。
大企業の選考を受ける場合は、特技も自己PRの一部であることを意識しましょう。「趣味はありません」やありきたりな書き方は控え、数字も交えながら自分をアピールしましょう。
3会話のきっかけを作りたい
面接時の会話のネタとして特技を聞いてくる企業もいます。面接では、学生に素の状態で話してもらいたいと考えているからです。自己PRや志望動機の話はどうしても緊張してしまうので、まずは場の空気を和ませるような話題として特技を聞きたいと考えています。
それを逆手に取り、「魚の踊り食い」や「電車の時刻表を覚える」のような面接で採用担当者が突っ込んでくれそうな特技を書くのも戦略の一つです。その場合、突っ込まれた際にどう答えて自己PRに繋げるのかを事前に考えておきましょう。
エントリーシートの特技欄で書いてはいけない項目5選
意外とNGワード・避けるべき話題が多いのがエントリーシート(ES)の特技の特徴です。自分では面白い!と思って書いても、採用担当者からはまったく評価されず落とされるきっかけになった…という学生もいます。
特技では自分の素をある程度見せる必要はありますが、全てをさらけ出す必要はありません。特技欄に書いてはいけない項目を紹介するので、自分の特技が該当していないか確認してください。
1ギャンブル・犯罪に繋がりそうな特技
「パチンコでお金を稼ぐのが得意です」「喧嘩が得意です」のようなギャンブル・犯罪がらみの特技は絶対に避けましょう。
社員の不祥事によって大きな損害を被る大企業では、事前にそのような社員は雇わないように通達されている場合がほとんどです。日本企業は従順な社員を求めているので、アウトローな部分を見せてもまったくの逆効果に終わるでしょう。
2政治・宗教に関する特技
「特定の政党を支持しています」「宗教の勧誘が得意です」のような政治・宗教に関する特技も避けましょう。
日本では政治・宗教・出身・民族で社員を選別するのは法律で禁じられているので、学生側からそのような話を持ち掛けられても困ってしまいます。特定の政党・宗教を信奉するのに拒否感を覚える方も多いので、エントリシートに書くのはやめましょう。個人的に信仰するのは問題ありませんので、就活では内に秘めるのが無難です。
3無回答や「特にありません」
悩んだ末に「特にありませんと正直に書きました!」という学生もいますが、あまりにもったいない行為です。場合によっては特技欄を自己PRと同じぐらい重視している企業もいるので、空欄ではマイナスイメージを抱かれてしまいます。
どうしても思い浮かばない場合は、趣味レベルの話を書くのも一つの手段です。エントリーシート(ES)でも「趣味・特技を教えてください」となっている場合が多くあります。自分の人となりを知ってもらうためにも、無回答は避けましょう。
4コアな趣味に関する特技
「アニメを見るのが得意です」「コスプレが趣味です」のようなサブカル関係のコアな趣味も、残念ながら避けるべきでしょう。一時期に比べ偏見は解消されつつありますが、いまだにマイナスイメージを抱く人が多くいます。
「特技なのに隠さないといけないなんて…」と嘆く方もいますが、就活の目的は内定の獲得です。不確定要素は排除し、活動が終わった後で趣味を思いっきり楽しみましょう。
5嘘の特技
就活用に嘘の特技を用意する学生もいますが、あまり効果的とは言えません。面接官は大量の学生を見てきており、大抵の嘘なら見破ってしまうからです。バレないためには入念な準備を重ねて嘘のエピソードを作る必要がありますが、そこまでするなら自分の本当の趣味や特技を語ったほうが良いのではないでしょうか。
嘘というのは社会人がもっとも嫌うものであり、基本的には忌避される悪徳です。嘘はつかず、正直に話しましょう。
エントリーシートの特技欄の書き方は3プロセス
それでは、実際にエントリーシート(ES)に自分の特技を書いてみましょう。難しいプロセスはなく、①自分の行動を書き出す②企業に評価されそうな特技を探す③数字を入れて具体的にしてみるの3つで完成します。自分の素をある程度出しつつ、採用担当者に評価されるように作るのがポイントです。何度も作り直して、面接官の前で堂々と話せるような内容にしましょう。
1自分の行動をひたすら書き出して見る
まずは、自分の行動をひたすら書き出して特技を見つけてみましょう。人間誰しも一つや二つ特技があるもの、それを見つけてひたすら書き出しネタを探すのです。「どうしても特技が見つからない…」という方は休日の行動をチェックしてみるのがおすすめです。休みの日に何をしているかを見てみると、自分の趣味や特技が見えてきます。
柔軟に考え、逆転の発想で特技を探すのもアリです。「休日寝ているだけだった…」という方もいますが、「寝るのが得意です。どんな所でも寝て体力を回復できます」も特技になりえます。自分には何もないと卑下せず、辛抱強く探してみましょう。他にも、自分史の作成なども特技を見つける手立てかもしれません。
2企業に評価されそうな特技を探してみる
特技を何個か書き出した後は、企業に評価されそうな特技を探してみましょう。企業の事業内容や求める人物像と照らし合わせると、エントリーシート(ES)に書くべき特技が見えてきます。出張や転勤が多い企業なら、「寝るのが得意で、どんな環境でもすぐ寝れます。出張の御社の環境にも対応できます」のように一見役に立たない睡眠もアピール材料になります。
企業研究やOBOG訪問をすることで、次第に企業に評価されそうな特技が見つかっていくでしょう。
3数字を入れて具体的な特技にする
どんな特技でも、数字を入れてより具体的にすると伝わりやすくなります。
・旅行が得意です→旅行が得意で世界100か国を回りました
・寝るのが得意です→どんな環境でも5分で寝れます
・読書が得意です→毎月10冊本を読みます
一見ありきたりな特技でも、数字を入れるだけで具体的になり他の学生と差別化できる内容になります。特技をエントリーシート(ES)に書くときは、必ず数字を盛り込みましょう。
エントリーシートに書く特技がない時の対策
特技の探し方を書きましたが、それでも「どうしても特技が見つからない…」という方がいると思います。最後に、そのような時の対策方法を3つ紹介します。特技はどのような人にも備わっており、視点を変えたり深く考えてると必ず見つかるものです。最後まであきらめず、自分だけの特技を探しましょう。
1特技になりそうな趣味を始めてみる
本格的な就活開始まで時間があるのなら、特技になりそうな趣味を初めて見るのもいいです。「就職について真剣に考えた結果、新たな趣味を初めて特技レベルまでなった」とアピールすればチャレンジ精神に富むとして採用担当からも評価されるでしょう。
すでに就職活動で時間がない場合は、短い時間で可能な趣味でも問題ありません。運動好きをアピールしたいなら朝のウォーキング、勤勉さをアピールしたいなら毎日欠かさず読書のように1日30分でも出来る趣味はたくさんあります。
2内定者の趣味・特技欄を観察する
やや邪道ですが、内定者の趣味・特技欄をのぞいてみるのもおすすめです。「OPENES」、「就活会議」のように内定者のエントリーシート(ES)が公開されているサイトはネット上に豊富にあります。それを覗き、参考にしてみましょう。
内定者のエントリーシート(ES)を見てみると、以外に素朴な特技の学生も多いのが分かります。資格勉強やインターハイ優勝のような華やかな経歴に目を奪われがちですが、背伸びせず自分の素を出せるような特技を考えてみましょう。
3友人や家族に聞いてみる
どうしても思いつかない場合は、家族や友人に聞いてみるのもおすすめです。自分の良さは自分よりも他人がよく知っています。個人で考えるだけでは得られなかった発見ができるかもしれません。特技に留まらず、自分の性格や適性も聞き自己分析につなげると無駄がないです。
まとめ
エントリーシート(ES)の特技欄は小さいものですが、学生の人となりを知るには自己PRや経歴に負けず劣らず重要な箇所です。自分の素が分かり、企業へのアピールポイントになるような特技を書いて内定へ繋げましょう!
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