就活とは切っても切れない関係にあるのが、エントリーシート(ES)の「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」。
ただでさえ大切なエントリーシート(ES)、その中でも、特に企業が重視する項目の1つです。いわゆる「ガクチカ」と呼ばれているものですね。ここをどう書くかによって、企業からの評価が180度変わってきてしまいます。もちろん、内定ゲット率も変わります。
ということで今回は、エントリーシート(ES)の「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」のすべてがわかる記事内容をまとめてみました。どうして企業はそこを評価するのか?どんなポイントに気を付けるべきなのか?具体的に、どんな内容を書けばいいのか…。最後には総まとめとしてQ&Aも付け、どんな人でも分かる記事に仕上げました。ぜひ見ていってください!
エントリーシートの「学生時代に力を入れたこと」、なぜ大事?
まずは、どうして「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」が評価されるのか考えていきましょう。
以下では「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」が評価される理由を5つご紹介します。
1人間性を見るため
企業側は、学生を「どんな人間なのか?」という観点でチェックします。学歴やテストの結果では測れない人間性を選考で見て、魅力的な人間であるかを考えていくのが就職活動です。
つまり、自分の人間性を見せるのは就活の基本だということ。相手の関心を持ってもらうためにも、必要な項目なのです。これから続く面接選考で自分自身に興味を持ってもらうためにも、絶対に手は抜けませんよね。
2適正をチェックするため
就活が抱える問題として、入社後企業との適性が合わず、学生が早期退職してしまうことが挙げられます。金銭面・スケジュール面でも被害が出るため、企業側としてもこれはなるべく避けたいものです。だから企業は就活の選考の時点で、自分たちが求める人物像に学生は適しているのかを確認します。
貴重な学生時代に捧げたものを見れば、その人が大切にしている価値観も見えてきます。価値観が合致しなければ、適性も合わないはず。入社後に起きてしまうかもしれない問題を事前に対処するために、企業側も真剣にチェックするということです。
3ストレス耐性を確認するため
現代は、ストレス社会と言われています。社会人になってからストレスに負けてしまい引きこもりになったり、会社にいけなくなってしまうケースが多発しているようです。企業側からしてみると、できるだけストレスに強い学生を選びたいのが本音。
学生時代に頑張ったことを聞けば、自動的にどんな時につらいと感じたのかも分かるはず。ストレス耐性を確認しないと入社後のトラブルも避けられませんから、大事なセクションなのがよく分かりますよね。
4個性を見るため
企業は短期間に何百人もの学生と会い、選考を進めていきます。だいたいの学生は一般的な学校で学習を積んでこの選考に進んでいるわけですから、そこまで経歴に大きな差はつきません。だからこそ、学生時代に何に力を入れたのかで個性やオリジナリティをアピールする必要があるのです。
自分の存在を企業側に刻み付けるために、より選考担当者の心に響くエピソードを選んで披露しましょう。
5説明する能力のチェックするため
学生時代はとにかく長いです。そんな長い期間のエピソードの中から不必要な部分を割愛し、インパクトが残せるポイントだけを上手に繋げて文面を作るにはそれなりのスキルが必要になってきます。
社会人は、業種に関わらず、「適切な説明能力」は必須。自分が一番伝えたいことは何なのか考えて適切な文章が書けることは、確実に評価されるポイントになります。エントリーシート(ES)でも、存分にアピールしましょう。
エントリーシート(ES)での説明する能力も必要ですが、面接時に説明する能力も大切です。以下の記事では面接で説明する際のポイントをご紹介しています。就活を間近に控えている皆さんはこちらも併せて参考にしてみてください。
エントリーシートの「学生時代に力を入れたこと」で気をつけるべきポイント5選
次は、どんなポイントに気を付けて「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ」)を書けばいいのかをまとめていきます。
1企業の求める人物像に合わせる
一番大切なのは、企業側が求めている人物像に自分のアピールポイントを合わせていくことです。就活は適性がすべて。「この子は、何か合わないな」と思われたらそれで終わりです。
「もっと話を聞いてみたい」「面接まで進んでほしい」と思わせるような内容を書くことが、エントリーシート(ES)では必要になってきます。コミュニケーション能力、行動力、計画性…。企業側が求めてくる能力はそれぞれ違います。説明会やセミナーに参加して感じたことをしっかり記録しておき、どんなポイントをアピールすれば心を動かすことが出来るか考えましょう。
また説明会やセミナーに参加するだけでなく、企業研究も行うことで明確な企業の求める人物像が見えてくるでしょう。企業研究のやり方については以下の記事をチェックしてみてください。
2多少の過剰表現は大事
就活では嘘をついていけない、とガチガチになってしまう人も多いはず。
でも、同じ内容をアピールするのなら多少は過剰に表現しても大丈夫です。むしろ、インパクトを残したい部分はあえておおげさに表現した方がいいでしょう。(ただ部活に力を入れた、というだけではなく「後輩たちから尊敬されるような先輩になれるよう力を入れた」…と表現するなど)
なぜなら、他の多くの学生は過剰表現をしているからです。力を入れた内容自体に嘘をついていないなら、過剰表現して印象に残りやすい文面にした方が選考に有利です。
3具体的に説明する
エントリーシート(ES)でよくやってしまいがちな間違いが、「あいまいな表現で書いてしまう」ということでしょう。
採用担当者は、あなたに関する情報を全く知りません。励んでいた勉強も、力を入れていたサークルやスポーツも、エントリーシート(ES)を読むまではまったく知識がありません。それなのに「文学に関する勉強をしていた」「サッカーのサークルで友人と力を合わせた」などのふわっとした説明だと想像力がまったく働きません。
「大正期のプロレタリア文学から見える当時の労働環境について学んだ」「サッカーサークルに入り、週に4回学校近くのグラウンドを回って友人らと練習に励んだ」など、数字やわかりやすい言葉で具体的に説明すれば、より分かりやすいですよね。
4追加エピソードも用意する
エントリーシート(ES)を通過したら、その後はほぼ確実に面接選考があります。そこでは、エントリーシート(ES)に書いた内容を丸ごと話してはいけません。追加エピソードを別個に用意しておき、「実はこんなこともあったんです!」といった感じで話せばさらに強いインパクトを残せるでしょう。
そのためには、話したい内容を全部エントリーシート(ES)に書いてはいけないのです。軸となる基本事項はもちろん外せませんが、「これは面接で話した方が面白いかな?」と感じたエピソードはあえて書かずに残しておきましょう。
5乗り越えた困難を軸に書く
普段からあまり文章を書く習慣がない人は、なかなか筆が進まないことも多いですよね。そういう時は、「実際に学生時代乗り越えた困難」を説明するスタンスで文章を書いていくと、とても書きやすくなります。
企業側は出来る限り、すごい困難を乗り越えたことがあるような視野の広い人材を獲得したがっています。文章も書きやすくなりますし、企業側の求める人物像に沿わせることもできる。一石二鳥ですよね。筆が進まなくて困った時は、ぜひ試してみてください。
エントリーシートの「学生時代に力を入れたこと」オススメ5選
ここからは、具体的にどんな内容を書けばいいのかまとめていきます。
1学業
やはり大学生の本分は勉強ですから、学業は外せません。特に理系の人は、学生時代の研究内容が評価に直結してきます。企業の業種と自分の研究内容が合致している場合は、学業を前面に押し出してみましょう。
もちろん文系の人や、仕事内容と研究内容が合致しない場合も、学業はほぼ確実に企業は評価してくれるので安心してください。なぜなら、「真面目な人間性」「目標に向かって頑張り続けられる根性」を否が応でも見せつけることが出来るからです。
勉強は遊びではありませんから、だいたいの人はしんどかったり辛い思いをしてきたことでしょう。そんな困難を乗り越えて学生時代の日々を捧げてきたなら、企業の目にあなたは魅力的な存在にうつるはずです。
学業をガクチカに書く際にはいくつかのポイントがあります。そのポイントについて、以下の記事で詳しくご紹介しています。例文を踏まえてご紹介しているので要チェックです!
2サークル
スポーツ・音楽・創作活動…。その具体的な内容を問わず、サークルも同じように企業から安定して評価されます。その理由は、集団行動をスムーズに遂行できることの証明だからです。
友人関係で構成されているとはいっても、サークルは大人数の人間を上手にまとめていかないと活動できません。これは、会社でも同じこと。一つの目標に向かって頑張る人間たちと適切なコミュニケーションを取らないと、うまくやっていけません。
つまり、業種・職種に問わず、サークルで得た経験はそのまま社会人になってからも生かせる部分が多いということなのです。バンバンアピールしましょう。
3アルバイト
アルバイトは、学生にとって一番身近な社会人経験ではないでしょうか。社会経験が少しでもあった方が採用担当者としても安心でしょうから、もちろん有効なアピールポイントになります。
接客・事務作業・力作業…アルバイトの内容はそれぞれ違いますが、その種類に優劣はありません。仕事のどんな内容に魅力を感じ、どんな目標を立てて頑張ったのか。それをスムーズに説明できれば問題ありません。
もしも企業の業務内容とアルバイト内容に合致するポイントがあれば、面接で突っ込んでもらえるかもしれないので遠慮せずに書きましょう。でも、だからといって採用してもらえる決め手にはならないので気を抜かないでくださいね。
アルバイトをアピールしようと考えている方は以下の記事も併せてチェックしてみてください。
4課外活動
勉強やサークルなどの学校以外のアクティビティに精を出していた人も多いですよね。留学をしていた人もいれば、社会人らとスポーツをしていた人も多いでしょう。それもサークルやボランティア活動と同じように評価してもらえるので、書いても問題ありません。
ただ、一般的なサークル活動と違って説明がわかりにくい部分も多いのも事実。誰と、いつ、どんな活動を、どうして続けてきたのか?誰が聞いてもわかるような説明文になるよう心がけるといいでしょう。
5インターン
就活のためにインターンを1、2年生の頃から頑張ってきた人なら、それを自己PRとして書いてみるのも一つの手です。どうせ採用するなら、就活にやる気がない人よりある人を採りたいものですから、もちろん有効なアピールポイントになります。
ここで気を付けたいのが、「今までやってきたインターンを羅列してはいけない」ということです。インターンで大切なのはこなした数の多さではなく、そこから得た内容です。インターンを頑張ったことで、自分に何が芽生えたのか?その内容をスピーチするように文章を綴らなければ、響くエントリーシート(ES)は書けません。勘違いはなるべく早めに直しておきましょう!
エントリーシートの「学生時代に力を入れたこと」Q&A
1嘘をついても大丈夫?
最後に、ついつい悩んでしまいがちな質問事項に答えていきます。
まずは、やっぱり悩んでしまうこの質問。単刀直入に言うと、嘘だけはやめましょう。その場はしのげても、ウソがばれると最悪の場合内定取り消しも考えられます。
それに、嘘をついて派手な経歴を詐称しても、そこまで意味はありません。企業は「スゴイことをした学生」が欲しいのではなく、「魅力的な人間性を持った学生」が欲しいのです。自分がリアルに経験した体験を上手に話して、嘘のないエピソードを評価してもらった方がのちのち気持ちが楽ですよ。
2頑張ったことが何も無い
もしガクチカに書けるような経験が何もないなら、自分史やモチベーショングラフを書くことから始めてみるといいでしょう。大学4年間の中で、何も頑張ってこなかった人はそうそういません。今までの自分の生活を書き出してみると、自分でも忘れていたアピールポイントが出てくるかもしれません。
就活は、自分の演出次第で結果が変わってくるものです。ネタさえ見つかれば、あとはキャリアセンターの先生などの力を借りて見栄えの良い文章に変えていけばいいのです。まずは基本のネタ出しができるように、自分の学生生活を振り返ってみるところから始めてみましょう。
以下の記事では、ガクチカがない学生に向けたアドバイスをご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
3専門用語を上手く言い換えられない
エントリーシート(ES)は、どんな人が読んでも意味が分かる内容にしなければいけません。そのためには専門用語も分かりやすい言葉に入れ替えなければなりませんが…うまくいかないなら、「単語ベースでの言い換え」を試してみてください。
外来語なら単語ごとに分けて翻訳してみたり、漢字表記なら漢字ごとに区切って意味を書き加えてみたり。一気に言い換えると失敗する場合でも、いくつかに分けて言い換えるとうまく表現できることが多いです。
4企業によってエピソードは変えるべき?
基本的なエピソードを丸ごと入れ替える必要はありませんが、企業ごとにアピールポイントのニュアンスを変えることはしてみてもいいでしょう。同じエピソードを使ってもいいですが、文末でアピールする自分の能力は適宜変更してみてください。
もちろん他のエピソードの方が自分の魅力を伝えられると感じたなら、そちらを新しく書いてもいいですが、なんといっても時間が足りないのが就活です。特別時間に余裕があるわけでないなら、アピールポイントの変更だけにとどめた方が時間を有効に使えるでしょう。
5高校の事を書いてもいい?
学生時代は、大学時代のことしか書いちゃいけないの?と考えがち。迷うところですが、問われているのは学生時代の内容ですから、もちろん高校時代の経験を書いても問題はありません。高校の方が印象的な出来事が多いなら、そのエピソードを書いても大丈夫です。
ただ、高校時代のことを書くにしても、大学時代のことを書くにしても、「現在の自分との共通点」を書かないと意味はありません。無関係のエピソードを書いても、採用には繋がりません。「ここで披露するエピソードが、企業はどう評価するのか?」を意識することを忘れないでくださいね。
おわりに
さて、いかがだったでしょうか。ほとんどの企業はエントリーシート(ES)で「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」を聞いてきます。民間企業での就職を考えているなら、対策は避けられないということです。でも、最初にある程度のテンプレートを考えておけば、あとはそれを随時言い換えたり使い分けたりするだけなので、実は簡単なのも事実です。
最初はなかなかどう書けばいいのか分からなくて苦戦するかもしれませんが、慣れてくればなんてことはない作業です。何を書けばいいのか、何が正解なのか…。それはあまり考えすぎないほうがいいです。今回紹介したポイントだけ押さえておけば、きっと問題はありません。グッとくるようなエントリーシート(ES)が書けるように、頑張ってみてくださいね。
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