不動産業界の仕事の内容は多種多様。求められる資格や知識を徹底解説!

業界研究

不動産の仕事内容は街の不動産仲介業者だけではありません。規模の大きな仕事から、より顧客に密着した業務など多種多様に及びます。不動産業界の仕事を画一的に考えていては自分の適性にあった仕事を見逃すことにもなりかねません。

本記事では、不動産業界の仕事の種類と、それぞれの仕事で身につけられる資格や知識を詳しく解説していきます。

不動産の仕事の内容は業態によって千差万別

不動産開発

いわゆるデベロッパーという言葉を聞いたことがあると思います。不動産開発の仕事内容は、そのようなデベロッパーと呼ばれる大規模なショッピングモールやマンションなど、都市開発に関わるものです。

自治体の都市計画の調査から用地買収、建築業者との打ち合わせなど、非常に大きなビジネスに関わることができますプレッシャーも大きな仕事ですが、自分の働きが建築部として目に見えるうえにひとつの生活圏を作るようになるのを目にするのは大変にやりがいを感じることでしょう。

不動産賃貸

すでに所有している不動産を中心に賃貸業で収益を上げるビジネスモデルです。法人として不動産賃貸を事業の中心とするケースよりは、資産家が自己所有の不動産を投資として行って場合が多くあります。事業として法人が不動産賃貸業を行う場合には、所有する不動産以外の他人の不動産管理を請負うこともあります。

賃貸で利益を上げるには長期的な利益を計算するために将来利益を現在価値に割り戻すなどの財務会計も必要になるため、ときには会計的な能力も要求されます

不動産管理

マンションなどの集合住宅の管理を一手に引き受ける不動産管理事業は、今後より一層需要が高まっていく仕事と考えられています。マンションの住民による管理組合が不動産管理をすることも多いですが、多くの住民が居住する集合住宅は権利の調整などが複雑になってきます。

そのような権利調整から、大規模な修繕計画、日々の設備メンテナンスまでを居住者から委託されて管理するのが主な業務になります。

集合団地がこぞって作られた昭和時代の建築物は、施工されてからすでに数十年経過しており、速やかな建て替えや修繕が求められています。また、現在も新たな不動産建築は続いています。したがって、不動産管理の仕事への需要は今後も引き続き高くなっていくと考えられています。

不動産流通(仲介)

一般的な街の不動産屋さんが不動産流通業です。一人暮らしのアパートから事業用不動産まで、さまざまな不動産を扱いますが、基本的には自己所有の不動産を売買するのではなく、独自の物件、または不動産流通機構が提供する不動産流通標準情報システム(REINS)と呼ばれるシステムを通して業界で共有される不動産情報をもとに物件を仲介をします。

アパートの仲介などではあまり意識されることはありませんが、不動産の紹介を依頼する顧客は不動産流通業者に対して

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

と種類の異なる不動産仲介を依頼する契約を結んでいます。

実際に不動産仲介業で仕事をする際には、実務でこれらの違いを学ぶことが必要になります。

営業力は不動産の仕事内容に必須

不動産業での仕事には営業力が必須です。事務的な作業はもちろん必要になりますが、不動産は高い買い物になりますので、顧客は丁寧な物件説明と詳細な情報提供を求めます。つまり、就活で履歴書や面接など自己PRをする際には、「営業力がある」ということをアピールできると評価につながります。営業力をアピールするには、例えば忍耐力やコミュニケーション能力などがあるでしょう。自分の強みは何かをしっかりと理解しておくことが必須です。

販売促進業務

不動産業における販売促進は様々な種類で行われています。単純なテレビCMから、モデルハウスを使った住宅説明会、場合によっては電話を使ったアポイント営業も行われます。不動産は家電製品のように気軽に買えるものではありませんから、販売促進の結果はすぐには出ません。根気のいる仕事になりますが成約一件あたりの利益の大きい大切な仕事です。

住民説明会

デベロッパーなどの大規模開発はもとより、マンション建築などでも周囲の住民に対して建築計画の説明などを行わなければなりません。多くの場合、大規模建築工事は、騒音や建築による日当たりの変化など、周辺住民にとって不利益なものです。ひとりひとりにしっかりと計画を説明して納得してもらうことがかかせません。

丁寧に説明をして、会社と周辺住民の利害を調整していく大変ハードな仕事になります。

コンサルティング業務

多くの人にとって不動産を購入する経験はそう多くありません。不動産の適正価格や法律上の制限、各種登記方法や資金計画など分からないことばかりです。非常に専門性の高い仕事だと言えます。

そのような人を対象に総合的にアドバイスをするのがコンサルティング業務です。専門にコンサルティングをする企業は多くありません。個人や小規模な事務所として営業していることが多い仕事です。ただ、この場合誰でもこのような業務を行えるわけではなく、不動産に関する知識を備えていると証明できる資格を持っていることが必要とされます。

将来的に不動産コンサルティングの仕事をしたいと考えていたとしても、はじめは企業に所属して知識と実務経験を積むことが必要です。

不動産の仕事内容を理解して志望動機に活かす

不動産業界への就職を目指す就活生は、これらの仕事内容を把握した上で志望動機を作成していかなければなりません。以下の記事で不動産業界の志望動機の作り方について詳しくご紹介しています。こちらも併せて参考にしてみてください。

不動産業界の仕事内容に役立つ資格3選

1宅地建物取引士

不動産に関わる資格といえば、宅地建物取引士が代表格です。以前は宅地建物取引主任者という名称でしたが、「取引士」として士業のと同じ名前になりました。民法や都市計画、建築基準法など不動産の仕事に内容に広く役立つ資格です宅地建物取引士の平均合格率は例年15%前後で不動産に関わる資格としては取得しやすいものです。

また、不動産仲介業の業務では法律で一定数の宅地建物取引士取得者を置くことが定められています。

2マンション管理士

マンション管理士は不動産の管理に関する国家資格です。他の不動産関係の資格と同じ民法と建築基準法の知識の他に、区分所有法とマンション適正化法が試験区分に加わります。合格率は例年8%前後です。

この資格は宅地建物取引士のように資格による具体的なメリットがあるわけではありません。そのため、受験者数はそれほど多くはなく、業務に関わる勉強の一環として資格取得する方が多くなっています。

3不動産鑑定士

不動産鑑定士は不動産に関わる難関資格です。試験は記述式で二次試験として論文も課されるため、司法書士や税理士、公認会計士と同程度の難易度と言えるため、しばしば三大国家資格と称されます。近年、試験内容が易しくなってきていますが、それでも平均合格率は5%と狭き門です。

しかし、合格後に実務研修を通過して不動産鑑定士として登録した後は、鑑定事務所で鑑定業務を行うほか、大企業で企業会計のために不動産に関わる資産価値を評価したり、M&Aに際して買収物件の資産価値評価をしたりと活躍の場は一気に広がります

相続税の計算に使われる公示地価・路線価なども不動産鑑定士によって作られています。

法律の知識は不動産業界の仕事に必要?

不動産の仕事内容は販促や開発、仲介など営業の側面を持つ仕事が多くなっています。しかし、そのすべての基礎に法律の知識が必要です。不動産の販売では所有権の移転や登記の効果などの民法の知識が必要ですし、開発業務では対象地域の調査のために都市計画法の知識が必須です。

不動産業界の仕事は大変だけどやりがいもある

不動産業界の仕事は営業力だけではなく民法を中心とした法律の知識も必要となる大変な仕事です。しかし、不動産という大きな資産を動かすダイナミックな仕事のためやりがいは非常に大きいものになります。関連する資格も多く、不動産取引の経験は他の業界へも活かしやすいためキャリアアップもしやすく、自分の能力を鍛えていきたいという意欲のある人にはうってつけの仕事と言えるでしょう。

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