就活をはじめると業界研究をしっかりした方が良いと言われることが多いと思います。でもどうやって業界研究をしたら良いのかわからないという就活生も多いと思います。実際に内定を獲得する為には業界研究は必須です。理由は業界ごとに評価基準が違うからです。例えば面接で同じ質問をされて同じように答えたのに評価される業界と評価されない業界があります。今回は業界研究の方法とポイントについて解説していきたいと思います。
業界研究を手軽に始める2つの方法
興味のある業界から調べてみる
業界研究をはじめてやるという方は、まず興味のある業界から調べてみると取り掛かりやすいです。皆さんが日常生活で利用している業界はたくさんあります。例えば飲み会で居酒屋に行ったとします。まず店舗を運営している会社は飲食業界です。またメニュー表を作っているのは印刷業界、トイレなどは住設メーカー、タッチパネル式の注文方法を取っていればIT業界など・・・普段皆さんさんが何気なく利用している居酒屋を例にとっても細分化すれば10以上の業界が関わっています。
では業界の何を調べたら良いのか?と疑問に思う方も多いと思います。就活を始めた初期の段階では、
- 売上はどのくらいか
- 将来性はあるか
- 自分のやりたいことができるか
- その業界の特徴はなにか
以上の4項目を調べると良いでしょう。
幅広い業界について調べてみる
前述したように興味のある業界を調べたら、次は色々な業界を調べてみましょう。つまり「広く浅く」調べるということです。もちろん実際にこのやり方だけでは業界研究をやったというにはほど遠いのですが、就活において一番大切なのは目的を持つことと、行動に移すことなのです。行動に移すにはなるべくハードルは低い方が良いので「興味のある業界」から業界研究をはじめて、その後に「色々な業界を広く浅く」調べていきましょう。そして数多くの業界を研究したらそこから自分のやりたいことが出来る企業を絞っていくという方法で取り組んでみましょう。
業界研究でライバルに差をつける方法
自己分析と業界研究の関係
業界研究をすると自分がやりたい仕事と、全く興味を持てない業界に分かれてくることがあります。これを自己分析に応用するという方法もあります。就活生の多くが自己分析をしてから業界研究をする傾向があるのですが、まず業界研究をして興味のある業界の共通点を見つけることで自己分析もできてしまうのです。実際には業界研究だけでは足りない部分もありますが、業界研究、企業研究や職種を調べることで自己分析はほぼ出来ます。
このように業界研究をまず最初にやる事で効率よく就活対策ができる場合もありますので参考にしてみて下さい。
自己分析には業界研究だけでなく企業研究も必要です。以下の記事に企業研究のやり方と自己分析の方法について詳しく書かれていますので参考にしてみてください。
職種についても調べると良い
業界研究と並行して職種についても調べるようにしましょう。例えば営業職に興味があるという場合に、不動産営業とコンサル営業では営業の対象が全く異なります。例えば不動産業界の営業で主に賃貸物件や新築物件を扱っている業界では営業する相手は一般のお客様であることが多いです。一方でコンサル業界の営業は主に中小企業の経営者に対して経営課題を解決する為の営業がメインになってきます。「お客様の喜ぶ姿にやりがいを感じる」という方でも一般のお客様なのか法人のお客様なのかで「やりがい」が大きく変わってきます。あなたがやりたいことを職種から絞って、それが出来る業界を探すという方法もアリです。
業界×企業×職種で評価は決まる
このように業界研究は色々なやり方があります。しかし内定獲得という視点で言うと「業界研究×企業研究×職種研究」の3つをセットで考えることが一番大切です。
業界、企業、職種によって採用基準が違います。前述したコンサル業界では経営課題を解決することがミッションです。つまり論理的思考力や独自性などが評価軸としてウエイトが高くなります。一方で銀行の一般職(窓口)には独自性は求められません。例えば「1,000円のお釣りを100円玉10枚で返す・・・私の独自性です」と言われても評価されるはずがありません。このように企業の評価基準に沿って選考を受けていくには3つをセットで考えるべきなのです。内定を獲得する為には企業がどんな回答を求めているのかという点を考えなければいけません。そのうえで欠かせないのが業界研究であり、企業研究や職種となるわけです。ここを深く追及出来れば志望動機が強力になります。ライバルと大きく差をつけられる部分がここなのです。
業界研究は就職四季報や業界地図でやる方法もアリ
就職四季報でわかること
就職四季報は企業が発信する情報をもとに経済記者などが編集した情報が載っているため客観的な視点で見る事ができるのがメリットです。
主に福利厚生面など見る就活生が多いです。例えば、「入社3年後の離職率」、「有給消化率」、「平均残業時間」、「組合の有無」「給与」などです。
入社3年後の離職率は働きやすさの目安があります。特徴として飲食などのサービス業界は離職率が高い傾向にあります。長時間労働などが影響しているのだと思います。
また「残業」「有給消化率」も過労で健康を害しては意味がありませんので確認して置くと良いでしょう。「給与」に関しては初任給よりも昇給率に注目すると良いでしょう。例えば30歳で年収いくらなのかの目安がわかるので人生プランを立てやすいです。昇給率は120%が平均です。130%以上なら高い方だと言えるでしょう。ただ最近は年功序列が廃止され、業績連動型の企業も多いので就職四季報だけではわかりづらい場合はメモしておいて内定を獲得したあとに人事に確認するようにしましょう。
また残業が多い業界で際立って少ない企業やその逆の企業はなぜそうなっているのかというところまで突き詰めて調べると良いでしょう。なお、会社四季報は志望理由を作成するときにも役立ちます。会社四季報を使った志望理由書の作り方については以下の記事を参考にしてください。
業界の構造を知る事で深みが出る
企業のプロフィールが書かれている就職四季報に対して「業界地図」は日本の主要な産業に対して、「業界の規模」「主にどんな企業があり、その企業の売上など」「グループや系列会社」「業界全体の今後の流れ」などについて、図や表などで分かりやすく紹介してある本です。この業界地図と会社四季報を活用することで業界の構造が理解でき、業界内にどんな企業があるのかを構造的に理解することができます。これは志望動機と密接に結び付きますので「業界地図」を活用することで効率よく業界研究が可能となります。
より詳しく業界研究の本について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
業界研究を極める方法とは
業界研究のゴールはどこか
業界研究ばかりしていても先に進みません。他にも対策することはたくさんあります。ではどこまで業界研究をやったら良いのかいう疑問が出てきます。
答えはその業界の強みや将来性とあなたがその業界を志望する理由との親和性が高まり第三者が聞いて納得できる志望動機が出来上がったらゴールです。
もう少しわかりやすくいうと「なぜその業界を志望するのか」「自分のこんな能力がその業界に役立ちそうだ」「志望業界の現状と将来性」の3つをしっかりと理解し説明出来るようになればOKです。つまり業界研究を行う目的は志望動機を作る為だという視点を持つことがポイントです。
業界研究と企業研究で強力な志望動機を作る
業界研究をする際には必ず自分の志望する業界と近い業界の業界研究もするようにしましょう。難関企業での面接では「あなたのやりたいことはわかったけど、それは他の業界でも出来るんじゃないですか」といった質問をされます。例えばテレビ局で志望動機を回答したら面接官から「それってテレビじゃないと出来ないの?」とか「新聞社でもできるよね」みたいに言われてしまう事があります。つまり「私のやりたいことはテレビ局でしかできない」という一番重要な部分が抜けてしまっているのです。テレビ局を志望しているとしたら、新聞社、ネットメディアや広告業界くらいまで業界の幅を広げてしっかりと業界研究をしないと一番大切な部分が抜けてしまうのです。企業研究も同じです。フジテレビを受けているときに「それって日本テレビでもいいよね」と言われないように対策をしておく必要があります。
このように面接では「なぜその業界なのか」「なぜその企業なのか」「なぜその職種なのか」を聞かれた時に面接官が納得する回答が出来ないと内定獲得は遠のきます。そのためにも選考でも重要な役割を果たす業界研究はしっかり行つうようにしましょう。
おわりに
業界研究は志望動機を作るうえでとても重要です。志望する業界だけではなく、その業界に近い業界についても調べて必要があります。就活を始めたばかりの人は「広く浅く」たくさんの業界を知る事からはじめて、その中から自分の興味のある業界に絞っていくというやり方で業界研究を進めて行くと良いでしょう。
業界研究を単独でやるよりも企業研究と職種研究とセットで行う事で時間効率のよい就活対策が出来ますので是非参考にしてみて下さい。
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