「リファーラル採用って何?」
と疑問を持つ方も少なくないはずです。最近は「リファーラル採用」というとピンとくる人も増えてきましたが、まだまだ馴染みがない言葉でもあります。
そこで今回の記事では、リファーラル採用の意味や実施状況、また実施する上でのコツなどについて詳しく解説をしていきます!
リファーラル採用の意味
リファーラル採用とは、社員が社員自身の知り合いを自社に紹介することで、新入社員を探し、採用にまで繋げることを目的に行われる活動です。
どうしても採用活動となると、採用する企業は受身となってしまうため優秀な人材を確保しにいくことは従来の採用活動では難しいと言われてきました。その点をカバーするために行われるのがリファーラル採用。社員が優秀な人材を企業に紹介するという形で、優秀な人材を確保することができます。
また「縁故採用」などと同じだと考える人がいますが、これは間違った認識です。「縁故採用」の場合には、基本的に「採用前提」の採用活動となってきますが、リファーラル採用の場合には紹介された時点で採用が確定しているわけではありません。
リファーラル採用の実施状況
まだまだ日本では馴染みが浅いのがリファーラル採用ですが、実際にどの程度の企業がリファーラル採用を実施しているのか見てみましょう。
リファーラル採用がメジャーに行われているアメリカでは、ある調査の中で約200社に対してリファーラル採用を行なっているかどうかのアンケートを行いました。その際に200社中、約180社程度がリファーラル採用を行なっているということが判明しました。
またリファーラル採用を行なっている約180社では新入社員の約28%程度がリファーラル採用による採用であるということが分かっています。
リファーラル採用を精力的に実施しているのは主にグローバルに活躍する外資系企業であり、優秀な人材確保が常に命題にある企業にとってはリファーラル採用が優秀な採用活動の手法であると捉えられていることが分かります。
リファーラル採用のメリットとデメリット
次にリファーラル採用のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
リファーラル採用のメリット
まずはリファーラル採用のメリットからです。以下の項目について見ていきましょう。
採用活動のコストを減らすことができる
リファーラル採用を行うことによって採用活動に関するコストを大幅に減らすことができます。
一般的な採用活動を行うとすると以下のようなコストが掛かってきます。
- 企業説明会・懇親会の人件費・会場費
- 選考の際の人件費・会場費
- 新入社員の育成費
もちろんリファーラル採用であっても面接などを行いますので、全くコストがかからないということはありません。しかし必要以上に大々的な説明会や選考を行う必要がないため、リファーラル採用の方がコストが抑えられることは明らかです。
また新入社員の場合には一から教育を行なっていかなければなりません。そういう観点からも費用面・時間面で大きくコストを企業側が支払わなければならなくなります。
リファーラル採用にかかる報酬については以下の記事でご紹介しています。リファーラル採用について興味を持っている方はこちらも参考にしてみてください。
採用市場で得ることができない人材を確保できる
通常の採用活動では、転職や就職の意思がある求職者としか出会うことができません。しかしリファーラル採用の場合には、他社で働いている人材を勧誘することができるため、通常の採用活動では接点を持つことができない人材を確保できるというメリットがあるのです。
またリファーラル採用では知人からの声かけによって自社まで足を運ぶため、基本的には転職意思を持って選考に来ているということとなります。そのため優秀な人材であると企業側が判断すれば、通常の採用活動で出会えない人材をすぐに確保することができるのです。
企業が求める人材を確保することができる
リファーラル採用では、企業が求める人材に見合った知り合いに自社社員が声をかけるというシステムのため、企業側が求める人材が選考の場に足を運んでくれるということとなります。
そのため企業側としては初めから選考での振い落としをする必要がそこまでなく、求める人物像を持った社員を確保することができるのです。
リファーラル採用によって確保した社員は定着率が高い
リファーラル採用では「企業が求める人材を確保することができる」と書きましたが、これは社員と企業がマッチしているということです。そのため社員と企業のミスマッチが最小限に抑えることができ、リファーラル採用後の定着率が高いというメリットがあります。
リファーラル採用のデメリット
次にリファーラル採用のデメリットについて見ていきましょう。
同じ質の社員が集まり、雰囲気が硬直化してしまう場合がある
リファーラル採用では基本的に企業が求める人物像に適う自社社員の知り合いを採用するということになりますが、どうしても人は性格などが似た人と繋がりやすいため、リファーラル採用率が高まれば高まるほど同質の社員が集まってしまう可能性もあります。
企業は様々なタイプの社員が集まって多角的な視点で支え合うことが理想のため、あまりにリファーラル採用率が高いと、仕事にイノベーションが起きにくくなる場合があります。
人間関係がうまくいかない場合がある
リファーラル採用の紹介社員と被紹介社員同士で繋がり出すと、職場間の人間関係がうまくいかなくなる場合もあります。
また紹介社員と被紹介社員が同じ職場で働くことによって、しがらみから関係性が悪くなることもあります。
リファーラル採用を行う際には「紹介社員と被紹介社員が一緒に働いた場合」についてもしっかりと見ておくことをおすすめします。
以下の記事では、新卒採用に向けたリファーラル採用のメリット・デメリットをご紹介しています。学生から見たメリット・デメリットもご紹介していますので、新卒採用にリファーラルを検討している方はこちらの記事も参考にしてみてください。
リファーラル採用を成功させるための事前準備
次にリファーラル採用を成功させるためにするべき事前準備について見ていきましょう。リファーラル採用は単純に自社社員が知り合いを紹介すればうまくいくといった簡単なものではありません。事前の仕掛け方によって成功するか失敗するか二分するので、しっかりと事前準備をしておきましょう。
紹介するリファーラル採用の事前準備は以下の通りです。
- リファーラル採用の重要性を自社社員に伝える
- 求める人物像を自社社員に伝えミスマッチを減らす
- リファーラル採用の報酬設定については企業の状況に合わせる
1リファーラル採用の重要性を自社社員に伝える
リファーラル採用には紹介社員への報酬が必要ですが、それだけではリファーラル採用をうまく活用することはできません。
- なぜリファーラル採用をするのか
- リファーラル採用で求める人物像
- リファーラル採用によって得られる社員のメリット
などについてしっかりと社員に話をすることで、リファーラル採用に対して熱心に取り組んでくれる社員が増えるでしょう。
2求める人物像を自社社員に伝えミスマッチを減らす
上記でもあげましたが、リファーラル採用で求めている人物像をしっかりと社員に伝えましょう。
そもそもリファーラル採用は、採用した社員と企業とのミスマッチをなくす目的で行われるもののため、「とりあえず紹介したらいいのか」という捉えにならないように注意しましょう。
3リファーラル採用の報酬設定については企業の状況に合わせる
リファーラル採用で報酬を設定する際には、単純に「紹介した人に〇〇万円」という設定方法をすればいいわけではありません。個人にリファーラル採用の報酬を与える場合には、紹介できる人とできない人でリファーラル採用へのモチベーション格差が生まれてしまいます。
またチーム全体にリファーラル採用を与えることでチーム全体でリファーラル採用に取り組まなければならないという責任感が生まれ、全体がリファーラル採用に向けてモチベーションをあげやすいと言えます。
社員の質や企業の状況に合わせて報酬設定を考えていきましょう。
まとめ
今回の記事では、リファーラル採用の意味や実施状況、また実施する上でのコツなどについて詳しく解説をしていきました。まだまだ馴染みの浅いリファーラル採用ですが、今後実施する企業は増えていくでしょう。
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