志望動機を言わずに内定する方法を知っていますか?慶應義塾大学商学部4年の奥尾泰平さんは、志望動機を語れずことごとくインターンや本選考に落ち、本気で自分の就活を見直すことに。時には録音までして面接を振り返りPDCAを回した結果、「行動」のみを語っていたことに気がつきます。その後、「行動」以外のある思いを伝えたことで見事ドコモに内定。彼が気づいた、志望動機を言わなくても内定できる就活必勝法とは?

ゼミに落ちコミュ力の危機

伊藤
これまでの経歴を話していただいてもいいですか?

奥尾
現在、商学部の4年生で2年生までは経済新人会というマーケティングをグループで学ぶサークルと塾講師バイトだけでしたが、3年生から長期インターンとNPOで活動してました。
NTTドコモ内定者の奥尾泰平さん
奥尾泰平
慶応義塾大学商学部4年。株式会社NTTドコモ内定。

伊藤
2年生までとそれからで全然違うんですね!きっかけは何だったんですか?

奥尾

大学のゼミ試験に落ちたことですね。2年生の3月に、1次(14人中12人通過)も2次(定員割れ)も落ちて。それで危機感が生まれたんです。面接の時に教授の質問に全然答えられなくて、目上の人とのコミュニケーションを取る能力を鍛えなければと考えました。

インターンで磨いた会話力

伊藤
ゼミに落ちたんですね・・・長期インターンはどんな感じだったんですか?

奥尾
人材ベンチャーで営業に関わりました。7ヶ月間インターンをして、週3~4日くらいは働いていましたね。
インターン仲間との一枚

インターン仲間との一枚

伊藤
それで営業力は鍛えられましたか?

奥尾

例えば50代の人事の方と話を合わせられるようになったり、向こうがどのような回答を求めているのかを理解する力は伸びましたね。そもそもの目的が目上の人とのコミュニケーションを取る能力を鍛えることだったので、それは達成できました。

数字で語らない長期インターン経験

伊藤
そこで身につけた会話力を生かして、面接では何を語っていましたか?

奥尾
やはり長期インターンのことですね。営業職を務める上で目標などの数字面をかなり気にして働いていたということなどを話しました。実務的な内容を主軸にしつつ、自分が営業職をどのような思いでやっているのかという思いを伝えていました。

伊藤
「思い」を伝えたんですね!

奥尾
ただインターンで「売上をこれだけ達成しました」という話は見栄えがいい一方で、中身がないとは感じていて。だから数字だけでなくなぜインターンを始めたのか、なぜ営業なのか、営業メンバーにどのような働きかけをしたのかということも伝えていました。
インターン仲間との一枚

インターン仲間との一枚

伊藤
確かに!インターンをやっている人は多いので差別化が必要ですよね。

営業にかける思いで勝負

奥尾
だからこそあえて営業への思いに重点を置きましたね。人間性の部分はどの企業でも変わらないと思うから。もちろん数字を上げた話もした上で、気持ちの部分はできるだけ大事にするようにしていました。

伊藤
営業職のインターンについてのエピソードで具体例はありますか?

奥尾
そうですね。最初は営業であまり成約が取れなくて30~40%ぐらいの成約率だったんです。でも工夫して60%に上げた話はしましたね。そしたら「どうやって数字を上げたの?」と聞かれるので、営業チームの社員さんから毎日レクチャーを受けに行ったことを伝えました。

伊藤
ストイックに努力したんですね。

奥尾

自分の場合は営業で成約が取れない時に「チームに貢献したい」という気持ちがあったのでそれも併せて伝えていました。

NPO活動は自分のためになった

伊藤
インターン以外で面接で話したエピソードはあるんでしょうか。

奥尾
2年生の秋からNPOの活動をしていたのでその話もしていましたね。NPOで何をやっているかって相手には伝わりづらいものなので、どのような活動なのか、自分はどのようなポジションだったのかを最初に話すことを意識していました。

伊藤
具体的にはどのようなNPO活動をしていたんですか?

奥尾
野外音楽フェスでゴミと資源の分別を促す活動です。フジロックフェスティバルやサマーソニックのような野外音楽フェスもやっていましたね。僕はボランティアの方のマネジメントをするポジションで、時間や体調管理などをしていました。
NPOの仲間との一枚

NPOの仲間との一枚

イベント企画と人脈作りにもってこい

伊藤
面白いですね。NPO活動を始めたきっかけは何だったんですか?

奥尾
2つあって、1つはサークル活動が丁度区切りの時期だったので学外に繋がりが欲しいと感じて。もう1つは経済新人会でもイベント企画をしていたので、企画を外部でやりたいと考えたことでした。NPO活動は外部イベントの企画に携われると聞いて参加したんです。

伊藤
学外の人と関われて、企画ができるNPOなら正直なところなんでもよかった?

奥尾
そうですね(笑)。でも就活のためにやるのはやめようという意識はありましたね。あくまで自分のためになること、という意識でNPO活動はしていました。

伊藤
なるほど。

奥尾
営業職の長期インターンもゼミ試験に落ちた危機感からだったので、就活のためというよりは弱点克服のためや、自分を高める目的がありました。ゼミに参加できない分、学内との繋がりが薄くなるので、インターンで社会人と繋がり、NPO活動で学外の学生と繋がるイメージでした。

「勝てない」から始まった就活

伊藤
エピソードとしては長期インターンやNPO活動が評価されたんですよね。他に就活で勝つことができた要因はありますか?

奥尾
最初から就活に強かったわけではないんですよ。基本的には大手企業しか受けていなかったのですが。
NTTドコモ内定者の奥尾泰平さん

伊藤
就活スタートはいつからですか?

奥尾
3年生の6月からですね。サマーインターンをきっかけにマイナビに登録しとこう、くらいの気持ちでした。

伊藤
マイナビだったんですね。

奥尾
そうですね。マイナビES締め切りの2週間前にアソートをかけて、知っている企業があったらESを書くといったような感じでスタートして。そうしたらサマーインターンでは15社受けて1社しか受からなかったですね。

伊藤
それはかなり危機感を煽られますね。

奥尾
そうですね。かなりヤバいと思ったのですがたいして何もしなくて、長期インターンに打ちこんでいました。冬は合同説明会に行き始めて、そこで不動産デベロッパーが面白そうだな、と感じたんです。それでデベロッパー系を10社受けてまた1社だけ受かりました…

伊藤
1社だけですか!

奥尾

だから就活スタートはほんとにボロボロだったんです。夏のインターンから冬のインターンで受かる企業数も増えないし、「何とかなるでしょ」っていう気持ちが捨てきれなくて改善しなかったというところがありましたね。

「PDCAサイクルの鬼」へ

伊藤
そこから変われたきっかけがあったんでしょうか。

奥尾
さすがに本選考もこの調子ではまずいと思ったんです。まず12~1月のインターン面接やグループディスカッションをPDCAサイクルで回していくことにしました。

伊藤
すごいですね、これ。

奥尾

1回1回の面接やグループディスカッションを流し流しにしてしまうのはよくないと思って。目的意識を持って、毎回の面接などで自分に足りていないものを分析して、目標を3つくらい作って向かっていましたね。

伊藤
その目標は選考前に立てるのですか?

奥尾

そうですね。面接が終わった後に振り返って、PDCAの「Do」を見ながら「これができた」「これができなかった」ということを考えたり、できた理由、できなかった理由をチェックしたり。そのサイクルを毎回行うことで面接に通るようになりましたね。

思いを伝えた面接

伊藤
PDCAを回す中で一番自分が改善していったポイントはどこでしょうか。

奥尾
「思いを伝える」ことですね。具体的な行動よりも、その行動から見える人間性を言語化して伝えるのを意識しました。それが最初はできなくて、行動ばかりを伝える面接になっていたんです。だから自分なりに人間性を伝えられるように工夫をしていました。

伊藤
具体的にどういう「思い」を伝えたら受かるようになっていきましたか?

奥尾
思いを伝えるというのは自分の個性を伝えることと重なっていると思うんです。僕の個性は色々なことに主体的に取り組むことと周囲を巻き込みがちということだったので、これを具体例をもとに伝えていました。

伊藤
なるほど。個性を伝えるためのエピソードを聞かせてもらえますか?

奥尾
例えばインターンの時に毎日、営業職チームの社員さんに面談練習をしてもらっていたのですが、それだけ伝えても行動を伝えたことにしかならないんです。だから自分の個性を伝えるために「自分から先輩に声をかけて」や「一人で抱え込まずに相談して」ということも言葉で伝えていましたね。

就活終わって「やりたいこと」が見つかった

伊藤
就活で志望動機を聞かれますよね。その時はどんなことを聞かれたんですか?

奥尾
実は志望動機を考えるのがかなり苦手で。というか志望動機を考えなきゃって時点でだいぶ苦しいですが(笑)。正直、あんまりやりたいことの見通しがなかったんです。
NTTドコモ内定者の奥尾泰平さん

伊藤
なるほど。今はどうですか?

奥尾
就活が終わった今の方がむしろ明確にありますね。

伊藤
やりたいことが見つかったんですね!

奥尾
世の中の人々がもっと納得感を持って行動できるようになったらいいな、と思っていて。例えば受験や就活も「やらされている」「やらなければならない」という意識の人が多いので、自分から「やりたい」という意識を持っている人を増やしたいんです。そういう人が多くいる社会はとても楽しそうだな!と思って。

伊藤
面白そう!そう感じた理由を教えてください。

奥尾
喜多恒介さんという人が主催する合宿があるんです。自分でやりたいことを見つけるための3日間合宿。それの8月に参加したのがきっかけでしたね。

喜多恒介さん主催のNARRATIVE CAREER SCHOOL喜多恒介さん主催のNARRATIVE CAREER SCHOOL

伊藤
そうなんですね。

奥尾
その合宿の中でメンターと話をしていくうちに自分は人とのコミュニケーションや、チームで一緒に物事を進めていく、目標に向かっていくというのが好きなのだと感じて。みんなが各々のことをやりながらも一緒の方向を向いている時が1番幸せだなと思ったんです。そんな社会を作れたら面白そうだと。
NARRATIVE CAREER SCHOOLで作ったアウトプット

合宿で作ったアウトプット。無数にある雑誌から自分の興味を惹かれたものを切り取って自分なりにデザインしたもの。その人の特徴がとても出るのでオススメ。

就活中に「やりたいこと」はなかった

伊藤
これまでのお話を聞くと就活中にやりたいことはなかったんですよね。それは大丈夫だったんでしょうか。

奥尾
ダメでしたね(笑)。だから「うちの会社で何をしたい」と詳しく聞かれる企業は落ちて、受かった企業は志望動機をあまり聞かれないところだったんです。

伊藤
そういう企業も少なからずありますよね。

奥尾
でも志望動機の代わりに、自分自身がどういう人間なのかについてを深く聞いてくれたんです。そこでさっき話した「思いを伝える」という点をしっかり伝えられたので企業ともマッチングしたな、と。

伊藤
なるほど。

奥尾
ほとんどの企業が志望動機を聞いてくるんですよ。「弊社を志望した理由があるでしょ?」と。でも本当にぼんやりとしかなかったんです。
NTTドコモ内定者の奥尾泰平さん

「やりたいこと」の見つけ方

伊藤
就活で自己分析をしても見つからなかった「やりたいこと」が、合宿で見つかったわけですよね?

奥尾
まずそれまでの自己分析のやり方が悪かったんです。本を使って自己分析したりもしたのですが、全く自分の「やりたいこと」が見えなくて。結局、他の人との深い対話をしてこなかったから自分の知っている範囲でしか自己分析ができなかったんです。

伊藤
新しい刺激がなかったということなんですね。

奥尾
そう。ただ合宿ではインタビュー形式で自己分析をしたり、メンターと1日中話したりしていたので、本当に自分がしたいことが見つかって。だから自己分析は自分の中で完結するのではなく、人との対話の中で見つけていくということですね。

伊藤
対話の中でやりたいことを引き出したんですね。

奥尾
人からの視点が入るからこそ、自分が見ている視点との共通項を探すことができて。メンターが俯瞰して見てくれたことが大きかったと思います。

「ガクチカ」のない就活生が勝つ秘訣

伊藤
大手企業からも内定を勝ち取っているわけですが、勝因はどこにありましたか?

奥尾
1回1回の面接を無駄にしないということに尽きますね。

伊藤
PDCAサイクルですね。就活で内定を得るために学生時代のエピソードに力を入れるという人もいますが、それよりも1回1回の面接への取り組み方の方が大事だと。

奥尾
そうですね。面接やグループディスカッションの練習でもその1回に目標設定をして意識しながら取り組むことで伸びていくはずです。
NTTドコモ内定者の奥尾泰平さん

伊藤
1回1回の機会を丁寧にこなすことで、強い学生時代のエピソードがある就活生にも勝てる?

奥尾
あんまりエピソードの強さは関係ないと思っています。それよりもエピソードにしっかりと自分の思いを乗せることが大事で。例えば国外で事業を営みましたっていう学生はエピソードとして強いのですが、それが企業で求められるかというとまた違う問題で。

伊藤
なるほど。では学生時代のエピソードがない就活生でも自信を持てるアドバイスはありますか?

奥尾
自分が起こした行動の結果に関わらず、今までの行動を全部振り返って見ることが大事なんですよね。些細な結果でもいいので、それを振り返る中で「自分が何気なく大事にしているもの」「無意識のうちに行動していること」が見つかるはずで。それが自分の個性だからそれを押し出していけばいいと思うんです。

伊藤
自分の個性をアピールするということですね。

奥尾
そうですね。だから内定をもらった企業はエピソードの強さじゃなくて思いを評価してくれたということだと思っています。

多くの人に「納得感」を持って生きてほしい

伊藤
では最後に社会に出てやりたいことを改めて聞かせてください。

奥尾
さっきも言いましたが、多くの人に「納得感」を持って生きてほしいと思っています。これから働く企業でもワークライフバランスのところでイノベーションを起こすことや、ICT教育を通じてやらされる教育ではなくて学びたい教育を実現するのはとても面白そう。
株式会社NTTドコモ

伊藤
個人の夢を応援する風土がドコモにはありますもんね。データを使って人の何かを変えていきたい、みたいな気持ちはありますか?

奥尾
人の内面を変えていきたいですね。表面的に変えるのではなくて、気持ちの面で変化を与えられたらいいな、と考えています。働き方改革なんかも、表面上の勤務時間だけではなくて、その人が本当にしたいことなど内面にアプローチしたいなと考えています。

伊藤
人の内面を、ドコモで変えていけるよう応援しています!本日はありがとうございました。
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インタビューはいかがでしたか?

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