就職活動の面接では、様々な質問を面接官が投げかけてきます。答えにくい質問もあり、その一つが「あなたの就活の軸は何ですか?」です。しっかり準備をしていないと、答えに窮してしまったり「休みが多いので…」のような的外れな答え方をしてしまいます。
本記事では「就活の軸はなんですか?」という質問で企業側が確認したいこと、評価が下がるNGワード、効果的な回答を行う方法を解説します。面接でどのように答えるのか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
1.就活の軸とは?
「就活の軸」とは、「就職して働くにあたって最も重視したいポイント」です。労働によって何を得たいのか、と言い換えることもできます。就職活動の初期は「給料が多いから」「家から近いから」など表面的なことを考える学生も多いですが、自己分析を繰り返していくと少しずつ変わっていくものです。お客様の笑顔が見たい、スキルや知識を吸収したい、成長したいなど自分だけの「就活の軸」を持つようになります。
「就活の軸」を持つことによって、学生は選考を受ける企業を絞りやすくなります。面接で質問された場合にもはっきり答えることができるので、就職活動の合間に考えるようにしましょう。
2.就活の軸を面接官が聞いてくる理由
「就活の軸」の質問は、選考の後半~終盤にかけて面接官が投げかけることが多いです。これは偶然ではなく、自己PRや長所・短所を聞いて学生の能力や素質を確認した後「この学生が本当にわが社に入るべき人材なのか」を見極めたいために行う質問だからです。
「就活の軸はなんですか?」に隠された意図を解説しますので、学生はそれを踏まえて「就活の軸」を作りましょう。
2-1ミスマッチを防ぎたい
「就活の軸」に関する質問で、企業は学生とのミスマッチを防ぎたいと考えています。ミスマッチによる早期離職は企業にとって悩みの種で、「この学生はわが社の社風になじめるのか、長く働いてくれるのか」を重視しているからです。
学生に軸があるように、企業にも軸があります。とにもかくにも利益を挙げたい、サービスを通して社会に貢献したい、人々の安全を守りたいなど「企業が事業を展開することで成し遂げたいこと」が」企業の軸です。これが学生の「就活の軸」と相性がいいかがポイントです。
利益ではなくサービスの質に最もこだわる企業のもとに、「ともかく利益最優先でがつがつ行動したい」という学生が来ても長続きはしないでしょう。社会貢献したい学生が、ともかく利益を挙げたい会社に入社しても同様です。しかし、「会社と学生の軸の相性がいいか」は自己PRなどの定番の質問では見えてきません。そのため、「あなたの就活の軸はなんですか?」という質問がされるのです。逆に言えば、会社の志向にマッチする「就活の軸」を面接で話せれば内定の可能性がぐっと上がります。
2-2学生の熱意や興味を調べたい
学生が熱意を燃やしたり興味を持っていることを純粋に知りたい、という企業もいます。この場合、企業は今の社員とは一味違う人材を求めている場合が多いです。
企業は利益を追求する組織ですが、そのためには従順なイエスマンだけではダメだと考える社長もいます。「これまでとは一風違った社員を取りたい」「組織に新たな風を吹かせたい」このような場合にも「就活の軸」に関する質問は活用されます。
この場合、企業の軸とあえて一致しない「就活の軸」を話せば面接官を満足させられるでしょう。ただし、難易度は高いので場の空気をうまく読む必要があります。
2-3知識や勉強量のテスト
「そもそもわが社のことをちゃんと知っているのか」という場合にも「就活の軸」は使われます。学生の中には企業のことをしっかり調べていない者も多いので、「選考を受けるにあたってしっかり会社のことを調べてきたのか」を質問を通して確認したいのです。志望動機はなんとか取り繕っても、「就活の軸」の話になると勉強不足を露呈する学生は数多くいます。
この場合、「社会に貢献したい」「成長したい」などありきたりで企業研究の不足がうかがえる質問では心象は悪化するでしょう。この質問が投げかけられるのは面接の後半なので、ここ一番で躓かないように対策を怠らないようにしましょう。
3.これだけはやめよう!就活の軸でのNGワード
自己PRや志望動機ほどではありませんが、「就活の軸」に関する話でもNGワードはあります。確実に面接官の心象が下がるNGワード3つを紹介しますので、作成する際に注意しましょう。
NGワードを話してしまうのは、極度に緊張していたか準備不足だったかの2パターンです。前者は対策の取りようがありませんが、後者ならある程度対策できるので準備は怠らないようにしましょう。
3-1待遇面に関する話
長年NGワードに指定されつつも、なかなか減らないのは待遇面に関する話です。「休みを多くとってプライベートと仕事を両立したいです」「ともかく給料が高いとこに行きたいです」のような回答は、「じゃあ別にうちじゃなくてもいいよね…」という悪印象を抱かせる原因となるので絶対に控えましょう。
もし、まだ自己分析が不十分で「就活の軸」がまだ定まっていない場合は、内面の本心ではなく建前を作って面接で話すのが無難です。ベストよりもベターを目指しましょう。
3-2ありきたりな話
「社会貢献がしたいです」「成長したいです」など、準備不足でも簡単に言えるようなありきたりな答えはできれば避けましょう。面接官に「この学生はしっかりうちの企業を調べていないな…」と思われてしまいます。
「就活の軸」がまだ定まっておらず、準備も不足している場合は「まだ軸が定まっていません」など正直に言うのも一つの手です。「正直な人間だ」と思われ、評価される場合もあります。
3-3ファン目線での話
「御社の製品のファンなんで、御社の製品と関わることが軸です」「御社のサービスを世に広めたいです」という返答は、就職活動が始まったばかりの初心者にはありがちです。しかし、このような返答は的を得ているとは言えません。
理由の一つとしては、ビジネスパーソンではなく消費者の目線で語ってしまっているからです。商品のファンならばその商品を愛用すればいいだけで、わざわざ会社に入社する必要はありません。
もう一つの理由としては、すぐにぶれてしまう軸だからです。商品のファンの場合、「その商品が販売終了になってしまったらどうするの?会社辞めるの?」と答えられると返事に窮してしまいます。「就活の軸」は、消費者ではなくビジネスパーソンの目線から考えましょう。
4.これで完璧!面接官をうならせる就活の軸の作り方
最後に、効果的な「就活の軸」の作り方を挙げていきます。「就活の軸」は一朝一夕にできるものではありません。
急ごしらえで作っても、面接官に準備不足がばれてしまいます。準備を重ね、入念に作っていきましょう。
4-1自己分析を行う
「就活の軸」を完成させるには、自己分析が欠かせません。ぶれない軸を作るためには、まず自分のことをしっかり知る必要があるからです。まずは自己分析をしっかりと行い、自分だけの軸を作りましょう。企業で働くことによって何を得たいのか、そのために生かせる自分のスキルは何か、会社に求めるものは何か…など様々な視点から考えると効果的です。
4-2企業研究は徹底的に
無難な「就活の軸」の作り方として、「企業側が求めている答えを回答する」ことが挙げられます。企業は様々な媒体を通して、求める人材の人物像を発信しています。企業研究でそれらの情報を収集し、それをもとに「就活の軸」を作り面接で話せるようにしましょう。
ただし、企業の説明会やホームページなど通り一辺倒な企業研究では「就活の軸」の完成度は低くなります。OBOG訪問などを駆使してディープな情報を収集しましょう。
4-3迷った時の3つの基準
「就活の軸」に迷ったときは、興味・能力・やりがいの3つの軸から考えてみましょう。
どんな仕事に興味があるのか、どんな能力を発揮できるのか、どんなことにやりがいを感じるのかを考えればおのずと「就活の軸」は出来上がります。3つの軸の中で何を最も重視するかも重要です。
5.まとめ
いかがでしたか?「就活の軸」の質問が出たときは、企業側があなたを採用するにあたっての素質を見極めたいと考えている時です。効果的な答えができれば、内定にぐっと近づけるのでチャンスを逃さないようにしましょう。
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