まだまだ就活序盤の学生にとっては、エントリーシートの住所の書き方に戸惑ってしまうという人もいるのではないでしょうか。
たとえば、番地の表記方法、あるいはふりがなの使い方など、基本的と思われるかもしれませんが、意外と細かいルールがあるものです。
この記事では、エントリーシートの住所の書き方の注意点のほか、よくある疑問点についてもそれぞれ解説していきます。
文書作成に絶対的ルールはありませんが、ひとつの原則としておさえておきましょう。
エントリーシートの住所表記は正確に
エントリーシートの住所の書き方の前提として、書くべき住所は通常、現住所です。
現住所とは「現在住んでいるところ」です。
実家から出て一人暮らしをしている方はアパートが現住所です。
これは、住民票をどこにおいているのかにかかわりません。
あくまで、郵便物をどこに送ればよいのか、どこへ出向けば連絡がとれるのかを知らせることが重要です。
自分が住んでいないところを書いては意味がありません。
そのため、エントリーシートに住所を書く際にもっとも大切なのは、なによりも正確に書くことです。
誤字脱字がないことはもちろんですが、下記の項目にも注意が必要です。
住所は省略しない
エントリーシートに書く住所の重要な役割は、採用にかかわる書類が間違いなく郵送できるようにすることです。
当然、住所を省略して書くことは避けなければなりません。
住んでいる地域と同じところに企業が立地しているからといって、県名を省いてもいけません。
すべて漏らさずに記載しましょう。
また、地名によっては非常に長い住所となることもあるでしょう。
その場合には、2行に分けて記入しても構いません。
1行に詰め込もうと、あまりに小さい字で住所を書くのは読み手の負担に配慮していないと低評価になる可能性もあります。
ハイフンは使わない
一般的な横書きのアドレス帳などでは番地をハイフンでつなぐ書き方がされます。
たとえば、1丁目2番3号ならば1-2-3などと書く方法です。
エントリーシートではこのような書き方はしないほうがよいでしょう。
多少面倒であっても1丁目2番3号としっかり記入しましょう。
また、その後につづくアパート名なども部屋番号のみの記載ではなく、建物の名称まで明記しておくように注意しましょう。
パソコンで書類をつくる際には通常、数字は半角で作成するのがルールです。
しかし、住所にかぎっては1丁目2番3号と全角で記入することも珍しくありません。
企業から指示があれば従い、なければ半角としておくのが無難です。
横書きは英数字、縦書きは漢数字
前項で数字について触れましたが、横書きの書類では住所であっても数字は英数字で表記します。
一丁目二番三号という表記も間違いではありませんが、一般的には1丁目2番3号と英数字で表記するのが慣例です。
縦書きのエントリーシートというのはほとんど使われていませんが、万が一縦書きの場合には漢数字を使って問題ないでしょう。
郵送する場合の封筒は縦書きのケースも多くあると思いますが、英数字と漢数字のどちらを使うべきかは状況によります。
漢数字では、一と二をつづけて書くと三と誤読されることもあるため、実務上は英数字で書くことも珍しくありません。
不安が残るようであれば英数字で表記しておいても問題ないでしょう。
ふりがなは記入例にならう
ほとんどの履歴書やエントリーシートにはふりがなを記入する欄があります。
このふりがなの記入は例にならっておきましょう。
たとえば、「ふりがな」と書かれた欄にはひらがなで、「フリガナ」と書かれた欄にはカタカナでふりがなを書きましょう。
また、住所などのふりがなについては、漢字とひらがなの部分にかなをつける必要はありますが、番地などの数字部分のかなは不要です。
帰省先の住所などの欄に「同上」と記載する場合にもふりがなは不要です。
エントリーシートの住所のよくある疑問
ここからは、エントリーシートの住所欄に関するよくある疑問と回答例をご紹介していきます。
いずれも基本的なものに思われるかもしれませんが、重要なポイントです。
しっかりと把握しておきましょう。
同上は使っても良い?
帰省先の住所などが現住所と同じ場合に「同上」と表記するのは問題ありません。
これはエントリーシートを読む立場に立ってみれば分かります。
帰省先の住所がしっかりと書かれているため確認したところ、結局現住所と同じことが書いてあったとしたら、その手間はまったくの徒労です。
あるいは、注意深い担当者であれば、どこかが違うのだろうかと再び読み直すことでしょう。
ただ「同上」とだけ書くのが忍びないという場合には「現住所と同じ」と書いておきましょう。
もっとも良くないのは「同上」とも書かずに空欄のままにしておくことです。
「現住所と違うときのみ記入」という具体的な指示があれば問題ありませんが、なんの指示もなしに空欄のままにしておくのは、記入忘れととらえられても仕方ありません。
これは住所欄にかぎりません。
記入する事項がない項目についても、「なし」と記載するようにしましょう。
住所を間違えたときはどうする?
住所欄に間違えた住所を書いてしまうミスは、ありえないミスというほかありません。
しかし、万が一にでも間違えてしまった場合にはすぐに担当者へ連絡を入れましょう。
連絡の要件は住所を間違えて書いてしまったことを謝罪することになりますが、ほとんどの場合、その電話で住所の訂正はできないことでしょう。
非常に重要な書類であるエントリーシートの第三者による改ざんの可能性を避けるためです。
電話では来訪可能な時間を確認し、直接に伺って住所を訂正したい旨をお伝えしましょう。
来訪の際には訂正印を持参するのを忘れてはなりません。
訂正印とは、公的な文書を訂正する際に慣例上必要となる印鑑です。
使い方は、訂正したい箇所に二重線を引いたあと、その部分にかぶさるように自分の名前の印鑑を押すだけです。
これで印鑑を持っている本人による訂正であるということを証明するというわけです。
使う印鑑は、通常自分が使っている印鑑でも問題ありません。
ただ、通常に印鑑では非常に細かい部分の訂正には使えません。
訂正印専用の版面が小さいものも販売されているので、できれば購入しておきましょう。
下宿しているときは?
現在では少なくなりましたが、親戚の家などに下宿しているときは住所欄にその旨を追記しておく必要があります。
これは、エントリーシートに記載されている名前と表札の名前が一致せずに郵便物が配達されないという事態を避けるためです。
追記方法は、下宿先の住所を記載したあとに「〇〇様方」と下宿先の表札の名字を表記するだけです。
まとめ
なんらかの書類に住所を書く機会は今まで誰でも数多くあったことと思います。
しかし、エントリーシートに住所を書く際にはいくつか注意する必要があります。
注意点の意味はすべて郵便物がしっかりと配達されることを担保するためにあります。
住所を省略せずにしっかりと書いたり、誤読されやすい表記を避けたりと、これらはいずれもエントリーシートの作成にとどまらない、文書作成の基本となる部分と共通するものです。
些細なことに思われるかもしれませんが、その意味をしっかりと意識してエントリーシートを作っていきましょう。
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