ES作成や面接の準備において、ガクチカや志望動機に力を入れている人も多いかと思います。しかし、就職活動において最も重要であるのは、「仕事選びの軸」だと言われています。仕事選びの軸は、自分がどんな仕事をしたいか、どのように働きたいかを考える上での基礎となり、業界や企業を選ぶ際の基準にもなります。これが定まっていれば、企業を絞るのも楽になり、就活の良いスタートダッシュを切ることができるはずです。今回は、仕事選びの軸がなぜ必要か、それを決めるときのポイントなどを解説していきます!
①仕事選びの軸はなぜ必要?
mohamed_hassan / Pixabay
まず、仕事選びの軸は、自分の能力を発揮出る環境・自分の思い描いたキャリアを実現できる環境を、自分自身で理解するための基準です。これは人それぞれ異なりますが、自分の中で明らかにしておかなければ、企業選びに迷い、就職しても仕事が合わずやりがいを持って働くことができません。よって、仕事選びの軸は、自分が長く生き生きと働くために必要な指標であると言えるでしょう。
・仕事選びの軸が面接で聞かれる理由
更に、この仕事選びの軸は面接でもしばしば聞かれます。その理由は主に2つあります。まず1つ目に、はっきりと「働く」ということのイメージを確認するためです。例えば、全く異なる業界の大手企業ばかりを受けている学生がいるとします。そこで仕事選びの軸をきちんと答えることができないと、この学生は「働くことを現実的・具体的にイメージできていない」「ただ名前を見て受けている」と思われてしまうでしょう。しかしここで、自分の価値観に基づいた仕事選びの軸を、きちんと伝えることができれば、例え全く違う業界の企業を受けていたとしても、「働く」ことに対して自分なりの考えやモチベーションの保ち方をわかっている学生であると理解してもらえるのです。そして2つ目に、その仕事選びの軸が自社にマッチしているかを確認するという意図があります。就活の軸が「海外で活躍できる機会がある環境で頑張りたい」というものであったとします。しかしながら、企業の方針が「海外進出よりも今は国内でのシェアを伸ばしていきたい」というものであれば、学生の臨む働き方はできず、ミスマッチになってしまうでしょう。入社する前に、その価値観を共有することで、ミスマッチを防ぐことができます。
・軸がブレそうになったらどうするか?
基本的に、仕事選びの軸は自己分析をもとに自分の中で決めます。自分の過去の経験や特徴を把握し、これから社会人としてどのような働き方をしたいのか?どのような仕事をしたいのか?ということを、就活の1番初めに定めなければなりません。しかしながら、就職活動をしていくうちに、その軸が変わってくることも少なくはありません。そのような時はどう対応すればよいのでしょうか。多くの人は、最初に決めた軸に固執しがちですが、仕事選びの軸に迷った時は、新たに自己分析しなおし、そこから新たに得た価値観から市区を導き出しましょう。自己分析に加えて、OBOG訪問や会社説明会を利用し、社会人の先輩に仕事や働き方について話を聞いてみると、新たな発見が生まれるかもしれません。また、仕事選びの軸を明確にするためには、様々な企業の仕事を見ていくことも大切です。短期インターンシップに数多く参加したり、合同企業説明会を利用すれば、少ない時間でも多くの仕事・企業について知ることができます。世の中にあるたくさんの仕事を学び、その中で自分に1番合ったものを見つけ、軸とすり合わせていくと良いと思います。
②仕事選びの軸を考えるときの基準
自己分析や企業研究などをして、自分なりの軸を見つけられる人も多いかと思います。そんな人たちにも、まだ自分の軸をどうするか迷っている人にも是非参考にしてほしい仕事選びの軸を考えるときの基準があります。自分の軸を決める前に、まずは以下の基準を気にしてみてはいかがでしょうか。
1.一生の仕事にできるかどうか
一生続けられるような安定性を基準として軸を見つければ、後悔するような仕事選びにはならないでしょう。途中で投げ出してしまわないか、ずっと続けられそうな仕事であるかというのは非常に大切なことです。また、安定を価値観の軸に置いている人は、就活においても受けが良かったりします、
2.その仕事が好きかどうか
1.の続けられる仕事かどうか、という点にもつながってきますが、仕事を好きかどうかという基準も仕事選びの上で重要な基準とされることが多いです。好きなことを仕事にできれば、自発的に努力ができますし、自分のモチベーションにもつながります。また、今はその仕事をそこまで好きではなくとも、「今後好きになれそうかどうか」という見方をして考えてみることができます。
3.社会に貢献できているか
社会に貢献できているか、と書きましたが世の中にある仕事の多くは何らかの形で社会に貢献しています。ですので、どのような形で貢献しているのか、どれくらい貢献しているのかといった点に注目してみてください。社会をよりよくできる仕事であれば、よりやりがいをもって働けるでしょう。
4.適性があるかどうか
就職活動の際、Webテストを受けますよね。その時大抵適性診断もあると思いますが、あれはその人の性格や特性が会社にあっているのかを確認するものなのです。これは、自分で見極めることも必要で、「やりたい」だけでなく「自分の能力が生かせる」仕事を選ぶことも大切です。例えば、「自分1人でコツコツ物事を進めるのが得意な人」が「チームで協力しながら物事を進める仕事」につくのは正しい適性とは言えませんね。これも自己分析をして自分の特性を見出しましょう。
③仕事選びの軸の具体例
では、仕事選びの軸にはどういったものがあるか、例を挙げてみます。同意できるならば、あなたの仕事選びの軸に加えてみてもよいかもしれません。例を見ているうちに自分なりの判断基準が浮かぶかもしれないので、是非参考にしてみてください。
【企業の社風と関係するもの】
・教育制度が充実している企業で経験を積みたい。
・社会貢献に力を入れている企業で働きたい。
・評価制度がわかりやすくて働きやすい企業で仕事がしたい。
・安定している企業、将来性のある企業で働きたい。
・名の知れた大きい規模の企業で働きたい。
【企業の業務内容と関連するもの】
・専門性、自分の強みが活かせる仕事がしたい。
・海外で働きたい。
・成長市場で働きたい。
・面白い仕事がしたい、刺激的な仕事がしたい。
・若いうちから裁量のある仕事を任せてくれる企業で仕事がしたい。
【自分の人生設計と関連するもの】
・独立支援制度があり、将来起業する足掛かりとなる企業で働きたい。
・福利厚生の厚い企業で働きたい。
・年収の目標があり、それを達成したい。
・産休、育休などの制度が整っているところで働きたい。
【人と関連するもの】
・風通しの良い社風の企業で働きたい。
・居心地の良い会社で働きたい。
・多くの人と会いたい、多くの企業と知り合いたい。
・仕事を楽しむ人が多く、切磋琢磨できる環境で働きたい。
・自分が成長できる環境で働きたい。
④まとめ
仕事選びにおいてあなたが軸を持つことは、面接のためだけでなく、活躍できる・納得して働ける企業を見つけるためにも重要な基準となります。上記の基準を意識して、自己分析しながら具体的な経験やエピソードと関連する軸を考えてみてください。そうすれば、自然と自分に合った業界選び・企業選びにもつながるでしょう。
コメント