就活の軸がない人のための見つけ方・決め方ポイント

自己分析

「就活の軸がない」。この悩みを抱えている就活生は多いのではないでしょうか。先輩や就活経験者からは、「軸を決めるのが大事だよ」と言われるけど、「軸って何・・・?」という人も多いでしょう。それに、初めは軸なんていらないと思っていたけど、選考が進むにつれて自分のポリシーがなんだかわからなくなってしまった・・・。でも今更急に「就活の軸」を考えようとしても一人では難しい!そんな就活生も多いはずです。今回は、就活の軸がない、企業選びの軸がわからない、そんな悩みを抱えている就活生のために、「軸選び」について見ていきます。

・【「軸がない」と悩む前に】そもそも就活の軸とは?

Free-Photos / Pixabay

 そもそも、「就活の軸」とはなんでしょうか?「就活の軸」といってしまうとわかりにくいですが、就活の軸には二種類あります。「自分の軸」と「選ぶ企業の軸」です。ただ「就活の軸」というと後者を指すことが多いですが、前者の自分の軸を決めることも就活を進める上ではとても重要です。そして、この二つは根源では繋がっています。片方がきっちり定まっていれば、もう片方も自然と固まってくるのです。

 「軸なんて決めなくてもいいんじゃない?」と思う人もいると思います。実際に軸を持たず就活している人、終えた人もいるでしょう。しかし、軸を持たずとも就活を納得のいく形で終わらせている人は、「軸」とはっきり言葉にはしていなくても、その人の中には譲れないポリシーがあるはずです。実際、軸が定まらずなぁなぁで就活が終わってしまった・・・という人は、内定先が本当に自分が働きたい企業なのか、就活が終わってからもモヤモヤすることになってしまいます。「就活の軸」は、就活をスムーズに進めるためだけでなく、最終的に自分が納得できる結果を得るために必要不可欠なのです。

・就活の軸はなぜ必要か?ないことのデメリットとあることのメリット

kalhh / Pixabay

就活の軸はなぜ必要なのでしょうか?必要性がわからず、なんとなく軸が無いまま就活を進めている就活生、それで良いと思っている就活生はとても多いです。ここで、軸がないことのデメリット、あることのメリットを詳しく見ていくことで軸の重要性を考えて見ましょう。

①自分の軸がないことのデメリット

 「自分の軸」は、いわば自分のアピールポイントです。軸と意識しなくても、誰でも面接対策やエントリーシートの記入の際に少なからず自分が社会にアピールできるポイントは考えますよね。このアピールしたいポイントを、自己分析をおろそかにして突き詰めて考えられていない人のデメリットは確固としたものがなく、自分のアピールポイントを簡単に変えてしまえることです。

 企業の雰囲気に合わせて若干アレンジする必要はもちろんありますが、自分が「強み」だと思っていることはブレずに絞られている方が絶対にうまくいきます。企業側も、空気を読んで内容をコロコロ変える人よりも、「自分を持っている人」を評価します。

②企業軸がないことのデメリット

 企業選びの軸がないことのデメリットはずばり、内定がもらいにくいこと、そして内定を複数もらえた場合決め手に悩むこと、決め手がないため決心した後も本当に良かったのか、モヤモヤしてしまうことです。軸がなく、ふわふわ就活をしている人は内定をもらいにくいです。そもそも受けている企業に一貫性がなくなってしまうので、1次面接、2次面接くらいまでは問題なく進めても、面接が終盤になるにつれて苦しくなってきます。「なぜ」その企業を志望しているのか、志望理由の根源は「軸」にあるためです。企業を褒めるだけの表面的な志望理由ではなく、深みのある、自身の経験やポリシーと企業の理念や特徴とが結びついた志望理由を答えられることは必ず採用に繋がります。

 また、面接は終盤になると、「ほかにどんな業界、企業を受けていますか?」という質問をされます。多数の業界を受けているとき、何か考えて、軸に沿った企業選びをしているのか、なんとなくたくさん受けた中で何社か残っているだけのかは、面接官になんとなく伝わってしまいます。またその中で弊社の志望度はどのくらいですか?と聞かれたとき、ただ「1番です」と答えるのと、軸に沿った理由を添えて志望順を答えるのとでは説得力がまったく異なります。

①自分の軸があることのメリット

 自分軸がしっかりしていると、かなり就活をスムーズに進められます。自己PRポイントを企業によってコロコロ変えたりせず、少しのアレンジをするだけで自分の言葉で話せるためです。毎回同じ内容を話せるので、段々と洗練されていきますし、緊張して真っ白になっても言いたいことまで忘れることがありません。特に3次面接、最終面接などと選考が進んでくると、緊張しないと思っていた企業ですら急に緊張してきてしまうことがあります。志望度の高い企業だとなおさらです。

 自分軸が定まっていると、「自分の考え」に関する質問が来たとき、準備していなかった質問でも臨機応変に対応できるため、無理して想定した質問の答えを暗記したりする必要がないのが大きなメリットです。

②企業軸があることのメリット

 企業軸が定まっていることの一番のメリットは、何万もある企業から自分が受けたい企業を絞り込むことが出来る点です。当たり前に聞こえるかもしれませんが、このメリットはとても大きいです。企業軸が定まらないまま就活を始めてしまうと、そもそも自分はどんな企業を受けたいのかがはっきりしていないので、知らない企業を知ることが出来ないのです。

 企業軸がない人は結果的に、名前を聞いたことのある会社や、合同説明会でなんとなく気になった会社などを幅広く受けることになります。デメリットでちらっと触れたように、業種を絞らず幅広く受けるのは決して悪いことではありませんが、そこになんの一貫性もないのは最終的に弱点になります。軸がないと、必ず一貫性のないふわふわした選び方になります。つまり企業軸が定まっている人は、たとえ業種がばらばらでも、自分の受けている企業群の共通する魅力を語ることが出来るのです。これは選考の上でも必ずプラスにはたらきます。

・就活の軸がない人のための見つけ方ポイント

Free-Photos / Pixabay

ここまで、軸がない人のデメリット、ある人のメリットを見てきました。軸の重要性がわかったところで、次は見つけ方を見ていきましょう。大事なのはわかっていても、なかなか軸が定まらなくて悩んでいる就活生は多いです。冒頭で自分軸と企業軸の二種類あると書きましたが、自分軸も企業軸も、結局は同じところ(=自分の経験やポリシー)に起因します。

①これまでの人生の印象に残っている経験を思い出す

 これまでの人生で、忘れることが出来ない、今でも度々思い出すような経験や思い出を振り返って見ましょう。小さなことでも何かあるはずです。経験を思い出したら、その経験をした「きっかけ」がなんだったか思い出して見てください。

 たとえば思い出した経験が「自分で思い立ってやってみたこと」ばかりなら、自分のアイディアを活かせたり発想力が必要な仕事が好きなのでしょうし、「人のためというよりは好奇心でやったこと」が多いなら、社会貢献などを謳っている仕事よりも「おもしろいことをやってやろう」という社風の会社が合っているのでしょう。

 このように、これまで自分が「楽しかった」「充実していた」と思える経験からヒントを得て、自分がどんな仕事で輝けるのかを考えてみましょう

②自分の強みだと「自分で」思っていることは何か考える

 就活で自己分析をする上でよく言われるのが、客観的な意見も大切だということです。実際、自己PRなどを考えるとき客観的な意見はとても大切ですし、エントリーシートや面接対策で考えた文章は一度他人に読んでもらった方が良いです。しかし、客観性だけでは「自分が思う自分」が消えてしまいます。就活には主観も必要です。

 この主観が一番必要なのが、軸を決める場面、つまり企業選びよりも前、まだエントリーも始まっていないような時期です。ここで客観的な意見を取り入れ過ぎてしまうと、結局これから探すのが自分が「働きたい」会社なのか、「働くべき」会社なのかわからなくなってしまいます。この2つの違いがわかった上で「働くべき」会社の方を選ぶのならばそれはそれがあなたの軸ということになりますが、人に言われるまま「働きたい」会社を考える前に「働くべき」会社ばかり受けるのは後々の後悔に繋がりかねません。

 軸を決める場面で大切なのは、自分の「本当の強み」を突き詰めて考えることよりも、自分が自分で強みだと思っていることはなんなのか、自分が自分で企業で活かして働きたいと思っていることはなんなのかを考えることです。

③働く上でどうしても譲れないことを考える

 軸を決める上で考えなければならないのが、自分が働く上で譲れないことを考えることです。たとえば、絶対にお客さまと接することが出来る仕事が良い、とか、絶対に海外展開している企業が良い、若手が活躍できる企業が良い、など、ざっくりしたことで良いです。小さなことでも、「絶対に譲れない」と思うことをどんどん書き出してみましょう。

 ここでの「譲れないことを考える」というのは、「業種を絞る」という意味ではありません。結果的にここで業種が絞られたらそれはそれで良いですが、絞るまでいかなくてもまったく気にする必要はありません。譲れないことを全部出し切ってから、自分軸と組み合わせて考えたときになんとなく絞れてくればOKです。ここであまり狭く絞ってしまうことはむしろ多くの企業との出会いを見落としてしまうことになるので、「業種を絞る」ことにはこだわる必要はありません。業種はさまざまでも、あなたにとって共通する魅力があればそれは企業軸が定まっているということです。

・・印象が良くないNGな就活の軸

Pexels / Pixabay

言葉に出さなくても、軸がしっかり定まっていると面接の中でなんとなく面接官に伝わっていきます。印象の良い軸をもって就活に臨んでいる就活生は、面接での印象もそのまま良いものとなります。しかしその逆に、印象が良くない軸があることも事実です。そこで、面接官にとって印象が良くないNGな軸を見ていきます。

①自分本位な軸

 さきほど、就活には主観も必要だと言いましたが、「自分を主観的に評価する」ことと「自分本位な軸を設定すること」はまったく異なります。自分本位な軸とは、極端に言えば「福利厚生がいい」「有休消化率が良い」などの入社後の環境に関するものです。このような基準はもちろん、心の中では持っていて良いですし、最終的に内定をもらった複数社から1社に絞るときにこのような労働環境で決めるのは全然悪いことではありません。ほとんどの就活生が、そういう方面の基準でも企業をみているはずです。しかし、内定をもらえるまではその気持ちは心の中にしまっておきましょう。

 たとえば「弊社のどんなところに魅力を感じましたか?」という質問は、自分の就活軸を主張するのにぴったりな質問ですが、ここで上記のような休みの多さや福利厚生をアピールしてはせっかくのアピールの機会を逃してしまうことになります。

②保守的・ネガティブな軸

 保守的でネガティブな軸は印象がよくありません。「自分は内向的で人と接するのが苦手だから、人間関係が良い意味で淡白なところに惹かれた」のようなことです。このようなネガティブな軸は、言い方を変えれば自分の軸にすることができます。先ほどの例も、「馴れ合いの延長ではなく、仕事仲間としてのけじめを持って働ける社風に惹かれた」といえば嫌な印象はあまり受けません。自分の軸がネガティブかな、と感じたら、それをポジティブに言い換えることが出来ないか考えてみましょう。

 また、自分ではネガティブだと思っていなくても他人が聞くとネガティブに聞こえることもあるので、最終的に定まった軸は誰かに聞いてもらって印象が悪くないか確かめましょう。軸は、言葉通り「軸」なので人の意見であまり大幅に変えることはよくありませんので、まずは一人で最後まで考えて、それから人のアドバイスを受けると、そのアドバイスによってアレンジされたとしても根源に自分の本当の意見を残すことができます。

・【まとめ】軸がない自分とお別れして就活を乗り切ろう

いかがでしたか?「軸」なんて、言葉にしなくてもなんとなく自分の中にあるし・・・そう思って深く考える前に就活が始まってしまうと、選考を重ねるうちに自分でもなんだかよくわからなくなってきてしまいます。最終的に本当に働きたいと思える企業の内定をゲットして、内定後にモヤモヤを残さないためにも、エントリーが始まる前の時間があるうちに自分の就活の軸をよく考えてみつけておくことが大切です。エントリーが始まっていても、就活の途中でも間に合います。軸がない自分と一刻も早くお別れして、納得のいく内定を勝ち取りましょう!

コメント

Copied title and URL