新卒採用の面接をパスするためには、魅力的な志望動機が必要です。志望動機とは、自分がその企業に入りたい理由を説明したラブレターのようなもの。自分の気持ちを伝えるためには、入念な準備が必要ですよね。適当に書いたラブレターを読んで、心が動く人はいません。
ということで今回は、面接で評価されやすい志望動機を書くためのポイントをまとめてみました。まだ就活を始めたばかりの人も、これを読めば志望動機のコツが何となくつかめてくるはずです。入りたい企業から無事に内定がもらえるような、非の打ち所がない志望動機を書けるように頑張りましょう!騙されたと思って、見てみてくださいね。
・面接パスする!新卒が志望動機で大切にするべきこと
まず、どんなポイントに気を付ければいいのか知る必要があります。ただ思いつくままに文章を書き連ねても、意味はありませんよね。採用担当者の心を動かすためには、きちんと計算して文章構成を考えなければなりません。
–実体験を入れる
「相手の心を動かす」ためには、志望動機に説得力を持たせなければなりません。つまり、志望するまでの経緯をわかりやすく・鮮明に説明する必要があります。ここで役立つのが、実体験です。自分が今まで経験した事柄を結び付ければ、聞いている側も「なるほどなあ」と思ってくれること間違いなし。
また、実体験を志望動機に含みこむと、面接で質問された時に回答しやすいというメリットもあります。自分が実際に経験したことなのですから、回答に困ることはありませんよね。ポンポンと言葉が口から出てくるので、快活な人間だと思ってくれるかもしれません。根暗な人間よりも明るい人間を採用したいのが企業側の本音ですから、良いアピールになります。
–なぜ入社したいかを具体的に
志望動機に一番大事なのは、「具体的に書くこと」です。面接に進む前の書類選考だと、採用担当者はあなたに関する情報を文字と一部の写真からしか得られません。そんな状況であいまいな文章表現を使っても、相手の想像力をかきたてることは出来ません。
志望動機は、就活の軸となる部分です。自分は何故就職したいのか?それを説明する部分ですし、自分のパーソナリティを表す名刺のようなものでもあります。実体験を説明する時も、5W1Hを意識しながら事細やかに述べられるようにするとさらにGOODです。
また、志望動機を具体的に説明できるということは、そのまま自分の入社意欲の熱さアピールにも繋がります。「書けない!」とぼやく前に、書くための材料探しをしてみましょう。
–その企業にしか使えない理由にする
毎年たくさんの就活生が志望動機でミスをしていますが、その代表格が「どの企業でも使い回せそうな、ぼんやりした志望動機になっている」です。確かに、就活中は何十社の企業に履歴書やエントリーシートを送らなければなりません。どこの企業でも使えそうなふわっとした志望動機を書いておけば、楽ですよね。でも、そんな志望動機ではどの企業も書類選考通過できないでしょう。
採用担当者からしてみれば、「この企業だから、入りたい!」という強い思いを持った就活生に入社してほしいもの。きちんと企業研究をしておいて、その企業独自の事業や活動をまとめておきましょう。
–入社熱意
なんだかんだいっても、これがなければ始まりません。どんなに頭が良くて、外国語が話せて、コミュニケーションスキルが高くて、気が使えて、魅力的な人物だったとしても、入社意欲や熱意が感じられない人間に内定は出しません。
なぜなら今の時代、早期退職が叫ばれているからです。入社意欲がない新入社員がマッチングミスを感じ、早くに会社を辞めてしまう…。そんな例が続出しています。高い経費をかけて新卒採用をしている企業からしてみれば、なるべく熱意がある就活生を採用したいのは当然のこと!あふれでる熱意を、志望動機の時点でアピールしなければなりません。
–常識力
どんなに他のスキルが高くて有能な人物だったとしても、常識力がなければ社会人としてやっていけません。基本的なルールやマナーが出来ていないと、入社後に改めて教育する必要があります。せっかくなら、もともと常識があってマナーを理解している人を採用した方が、手間がかかりませんよね。
きちんと敬語を使えること、正しい日本語を話せること、相手を敬えること…。あたりまえのことができる、ということはとても大事です。非常識な印象を志望動機で感じさせないように、気を使ってくださいね。
・面接で評価される新卒の志望動機おすすめ例文
ここからは、そのままエントリーシートや履歴書で使うこともできる例文集です。面接での評価を最大限に上げるためにも、お手本となる例文はたくさん見ておいた方がいいです。どんな書き方をすれば評価されやすいのか、チェックしてみましょう!
私が御社を志望した理由は、「技術は生活を助ける」という言葉に詰まっております。私は幼少期家庭の事情で、質素な生活を続けていました。そんな時に母が格安で譲り受けてきた御社の◯◯製品が家庭に登場し、母の家事が一気に楽になりました。毎日のように立ち仕事をしなければならなかった母の健康状態も良くなり、家庭に笑顔が戻ってきました。
私はこの経験を通して、「素晴らしい製品を開発して、誰かの生活を楽にしたい」という気持ちを持つようになりました。そして、そんな気持ちが芽生えるきっかけとなった御社に入社し、◯◯分野の技術をより世界水準に伸ばしたいと考えました。御社の一員として、日本中・世界中の人々の生活をもっと楽にする仕事に尽力していきます。
幼少期の実体験を詳しく書いているので、どうして入社したいと考えるようになったのかが非常に分かりやすいです。企業に助けられたエピソードは、採用担当者が聞いたらとても嬉しいはずですし、他の就活生との差別化にもなります。
また、「その経験を通してどんなことを考え、これからどんな社会人になりたいか?」まで考えを深めているのもポイントです。自分の未来予想図をきちんと立てられている就活生は、とても魅力的。これなら、面接に進んでも好感触を得られるはずです。
私が御社を志望した理由は、東南アジア方面の◯◯分野の輸出に携われることに魅力を感じたからです。私は大学で◯◯について学んできたのですが、御社の該当する事業ならそこで得た◯◯の知識を活かせると考えました。
また、御社は他社と違って△△への進出が非常にスピーディーだったので、スピード感を感じながら仕事ができそうと考えたのも理由の一つです。
きちんと企業研究・業界研究を重ねてきたのがよく分かる文章です。自分が大学時代に学んできた内容と関連させながら、企業に魅力を感じた部分をストレートに述べているので非常に読みやすいです。ダラダラと書いても意味がないので、これくらいがちょうどいいです。
面接に進んだら、「もっと具体的にどんな仕事がしてみたいか?」についての質問で話が盛り上がることが予想できます。企業からの印象はバツグンにいいでしょうね!
・これはダメ!面接で落とされる新卒の志望動機例文
ここからは、逆に「絶対に真似してはいけない!」という恐ろしいダメ例文をご紹介します。反面教師として、これらの例文から気を付けるべきポイントを見つけていってくださいね。書く内容に迷ったとしても、こんな文章は書いたらダメですよ!
私が御社を志望した理由は、御社の◯◯という商品の大ファンだからです。他社製品と比べて非常に使いやすいですし、長年使い続けてもまったく劣化しない品質の良さが特徴です。もはや、今更他社製品に浮気することは考えられないくらいです。
家族全員で昔から使っているため、私にとっては家族団らんの象徴とも言える商品です。そんな◯◯の魅力をもっと世界に広げるために、御社の一員として働きたいと考えました。そしていつか、世界中の人たちが◯◯を使う日が来ればいいなと考えています。
これは志望動機でよくやってしまいがちなミスなのですが、「商品やサービスを褒めるだけで終わってしまう」のは良くありません。なぜなら、消費者目線から抜け出せていないからです。企業は、「商品のファン」ではなく「その商品を更により良く出来る人材」を求めています。こんな風にファンレターのような志望動機を書いても、「それでは、引き続きよいお客様でいてくださいね」と思われておしまいです。
消費者目線から抜け出し、社会人目線を獲得すること。これが、内定をゲットする第一歩です。
私が御社を志望した理由は、お客様を元気にするサービスがしたいからです。私は今まで、結婚式場でアルバイトをしていました。そこで、自分のサービスのおかげで笑顔になってくれる人を何人も見てきました。そして、社会人になってからもそういう気持ちを経験したいと考えるようになりました。
私は御社に入社して、一人でも多くのお客様を自分のサービスで元気にしたいです。そして、世界中の人が元気になってくれるようなサービスの追及を目指したいです。
これは、まさに「あいまいで、どんな企業でも使えそうな志望動機」の代表ですね。当たり障りのないことしか言っていないのでパッと見はちゃんとしていますが、内容がまるでありません。実体験を入れればそれでいいというわけではないのです。
その企業にしかないサービスや社員教育を調べあげて、「他の企業じゃなくて、この企業に入りたい」という気持ちをアピールしてください。そうしないと、面接に進むこともできないかもしれません。
・面接で内定ゲットできる新卒志望動機Q&A
それでは最後に、志望動機を書く上で毎年就活生が抱きがちな質問に答えていきます。分からないことは、なるべく早いうちに解決する!これが就活の鉄則です。気になる質問があるか、チェックしてみてください。
–ちょうどいい長さに書けない
志望動機は、短すぎても長すぎても良くありません。指定の文字数があるなら、それに収まるように。特に指定がない場合も、与えられたスペースの8~9割で書けるように意識するといいでしょう。毎日数え切れないほどのエントリーシートや履歴書に目を通さなければならない採用担当者の気持ちを考えましょうね。
でも、普段あまり文章を書き慣れていない人は文章がなかなか続けられなかったり、ダラダラ長い文章を書いてしまったり…上手くいきませんよね。そういう場合は、最初から意気込んで文章を書こうとせずに、まず骨組みとなる文章構成を先に書いておくと楽です。その方が時短になりますし、文章力も上昇するはずです!
–そもそも志望動機がない
なんとなくエントリーしたから、特に志望動機がない…そんな時は、やっぱり企業研究と業界研究をおすすめします。イヤイヤでも手を付けてみて、興味が持てるならそのまま企業研究を続けて材料集めをしてください。
でも、少しも興味が出ないならその企業の選考を受けるのはやめた方がいいでしょう。入社したら、その企業の仕事を毎日のように行うのです。今の時点で興味が持てない企業を受けても、いいことはありません。冷静な視点を持って、自分が一番やるべきことを考えてみてくださいね。
–この志望動機でいいか不安
今回紹介したポイントを参考にして志望動機を一通り書いてみたけれど、本当にこれでいいのか不安!それで当たり前です。そこで頼ってほしいのが、学校のキャリアセンターの先生です。執筆した志望動機を見てもらって、添削してもらってください。
いいところは褒めてくれますし、逆にダメな部分は優しく指摘してくれます。企業に提出する前に仕上げができるので、心の余裕にも繋がります。親や友人に見てもらうのもいいですが、やはり専門家の意見が一番役に立ちます。最初は少し恥ずかしいかもしれませんが、勇気を出して相談しに行ってください!
–いい実体験がない
特に使える実体験がないなら、無理にひねり出す必要もありません。ようは「入社したい!」という気持ちが伝わればいいのです。その代わりに、どうして入社したいと考えたかを自分なりの理由で説明できれば大丈夫です。
間違っても、嘘をついて創作の実体験を作ったりしないでくださいね。いざばれた時が大変ですし、そこまでリスキーなことをしなくても受かる人は受かりますし落ちる人は落ちます。アドバイスやレクチャーに惑わされ過ぎずに、本質を見失わないことも大切です。
–自分らしさを出せない
何社も志望動機を書いても、金太郎飴を切ったようにオーソドックスな内容しか書けない…。そんな人も多いですよね。でも、あまり考えすぎない方がいいです。「自分らしさ」とは、「奇抜さ」のことではありません。自分がその企業に入社したい気持ちを素直に書ければ、それは立派な「自分らしさ」なのです。
何か特別な経験をしなくていいですし、ひねりの利いた文章も必要ありません。自己分析や企業研究を経て考えた自分の気持ちを、指定文字数内で表現できればそれで大丈夫です。
・おわりに
さて、いかがだったでしょうか。新卒採用は、どの企業も激戦です。完璧な志望動機を書いたって、内定がもらえるとは限りません。でも、志望動機が書けなければほとんどの企業を受けることが出来ないのも確か。やるしかないのです。
コツを掴むまでは大変でしょうが、一度掴んだコツは一生忘れないものです。自分の希望が叶うように、ひとつひとつ作業をこなして、理想的な志望動機が書けるように頑張ってくださいね。努力したぶんだけ自信が付きますし、その自信は就活中最強の武器になります。就活が終わった時に「やりきった!」と心から言えるように、今は自分にできることを地道に進めていってください!皆さんの健闘をお祈りしています。
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