就活を始めると、面接やエントリーシートで必ずと言って良いほど聞かれる「志望動機」。どう答えたら良いのか、どう答えたらうまく伝わるのか、悩んでいる人は多いのではないでしょうか。本心で思っていることだとしても、ありきたりなのではないかと思えたり、何社も受けているうちに自分でもなんだかよくわからなくなってしまったり・・・。そんな、志望動機で詰まってしまった就活生、そもそも志望動機ってどんなことを書けば良いんだろう?という方のために、志望動機のあれこれについてまとめてみたいと思います!
【就活に必須!志望動機のポイント①】「志望動機」で面接官が知りたいこと
「志望動機って、きっと受ける人みんなが似たようなことを答えるだろうに、面接官は何を見たくて聞くのだろう?」
そう思ったことはありませんか?実際、集団面接では、自分の前に答えた人の志望動機が自分の志望動機と被っていて、どうしよう・・・という展開になることもしばしばです。しかし、面接官はなにも、聞かなくてはならないお決まりの質問だから志望動機を尋ねるのではありません。
志望動機を聞くことで企業側が一番知りたいと思っていることは、その企業への本気度です。たとえ前の人と意見が被ってしまったとしても、あなたが本気で考えて、本気で伝えたいと思っている志望動機ならば自分の言葉でそのまま伝えて良いのです。自分の考えを自分の言葉で伝えれば、たとえ内容が他の人と似ていたとしても、あなたの言葉として面接官に伝わります。なぜなら、後で詳しくお話しますが、志望動機は企業研究がしっかりされていないと薄っぺらい内容になるからです。上辺だけ取り繕って、同業他社すべてに使い回せてしまうような志望動機では、面接官に本当の意味で自分の言葉を「伝える」ことはできません。
面接官が志望動機の質問で知りたいもう一つのことは、その人が描く企業のイメージが、実際の企業の姿とどれだけマッチしているか、ということです。そのギャップが大きければ採用してもすぐに辞めてしまうかもしれません。また、ここのマッチングが出来ている人は、企業研究が出来ている人です。企業としても、自分の企業を一生懸命研究して、正しく認識してくれている就活生を採用したいと思うのは当然ですよね。
上記の2つはほとんどの企業で見られていると考えられますが、もちろん、企業ごとに志望動機の質問で求めるものは変わってきます。それを見極めるためにも、志望する企業のことはしっかり研究してから面接に臨みましょう。
【就活に必須!志望動機のポイント②】面接官に「伝わらない」志望動機の例
面接官も人間ですから、就活時期は毎日何人もの面接をして、その中から自社に合った人材を見つけ出すという、大変な時期です。そんな面接官が聞いてうんざりするような志望動機はなんとしても避けたいですよね。面接官の立場になってこんな回答は聞きたくないなと思う発言は避けたいものです。
企業研究出来ていない、薄っぺらい内容の志望動機
志望動機は、企業研究をしなければ考えられません。企業の方針やあり方が、自分の考えややりたいこととマッチしているかどうか、考える必要があるからです。
たとえば、誰もが知っているようなBtoC(Business to Consumerの略。消費者向けの商品やサービスを提供する会社)の大企業でも、スローガンや理念を知っている人はかなり少ないですよね。その会社が作っている商品が自分の作りたい商品に近かったとしても、その商品を作っている「目的」の部分がマッチしていなければ、本当の意味で共感することは難しいです。
ですから、就活は忙しくて時間も限られますが、調べなくてもわかるような内容を並べた、同じ商品を作っている他社にも使い回せるような志望動機は面接官をがっかりさせてしまいます。理念を丸暗記しなければ落ちるとかそういう意味ではなく、企業が示している考え方のどの部分に、どのように共感したのかが伝わるように意識してみてください。企業研究の大切さについては、後ほど詳しく書いていきます。
就活サイトから丸パクリ、自分の言葉で話していない志望動機
就活や面接準備で、就活サイトや就活本を活用している人も多いのではないでしょうか。とても参考になりますし、例文が載っているものは頼りになりますよね。しかし、たとえ非の打ち所がない完璧な内容だったとしても、どこかで目にしたものを丸暗記したような志望動機はバレてしまいますし、本心で思っていないことを話して採用されても後から苦しくなるのは自分自身です。
就活サイトや参考書を参考にするのはもちろん悪いことではありません。その中には、自分が本当に共感できる例文も載っていることもあるかもしれません。もしそうであったとしても、丸暗記するのではなく、自分なりの言葉にして一度書き直してみましょう。その過程で、さらなる自分の意見を入れたり、逆に自分の考えとは少し違うな、という部分を抜いたりして、自分の言葉に直していけば、同じような内容でも自分なりの表現になるものです。
あきらかに使いまわしているな、という志望動機
ほとんどの就活生が、就職活動の中で同業の会社を複数社受けることになります。そんなときにやってしまいたくなるのが、「志望動機の使いまわし」です。特にメーカーでは、ライバル会社同士が本当に似たような理念を掲げていることも多く、一社一社違いを探すのは時間もかかるし、大変なことです。
就活中、面接で聞かれる内容は志望動機だけではありませんし、たくさんの会社を受けている人は受けるすべての会社に関して深く調べ上げることは難しいかもしれません。志望業種だから、ついでに受けるか、くらいの気持ちで受けている会社なら、使いまわすのも必ずしも間違いとは言いませんが、志望度の高い会社は必ずしっかり企業研究して、他社で話した内容をまるきり使いまわすことはやめましょう。面接の前日には必ず少しでも時間をとって、話す内容について考えましょう。面接当日、待ち時間のカフェで慌てて考えることがないように・・・。
一貫して言える大切なことは、「自分の言葉」で、その「業界に向けた言葉」ではなく「一会社に向けた言葉」で伝えることです。数を稼いでいる人にとっては難しいことかもしれませんが、就活は数がすべてでは決してありませんよ。最終的に選ぶのは、一社です。
【就活に必須!志望動機のポイント③】面接で志望動機を伝えるために絶対に必要な「企業研究」
ここまで何度も触れてきた「企業研究」。就活生のみなさんは、嫌というほど耳にする言葉ですよね。ここでは面接に臨む前に必須の企業研究について、具体的なやり方を紹介していきます。
企業のホームページやCMを見る
まずは誰でも、いつでも、どこでもできることから。本格的に就活を始めていないひとでも、いつでもできるのがこのインターネットを使った企業研究です。これだけではなかなか会社の雰囲気など細かいことまで読み取るのは難しいですが、基本情報を押さえるにはもってこいです。メーカーであればどんな商品があるのか、サービス系の会社であればどのようなサービスがあるのか。その会社のホームページを見れば、サービスの内容に関してはすべて把握することができます。
また、CMがある会社は動画サイトなどでCMを見るのもおすすめです。CMにはその会社の思いが込められているので、何本かCMを見ると、何を大切にしている会社なのか、なんとなく感じ取ることができます。
実際に商品やサービスを見る、使う
これも比較的気軽な気持ちで出来る企業研究です。
わかりやすいので、食品会社で例を挙げます。食品会社では、商品を実際に食べることも立派な企業研究です。同じような他社の商品と食べ比べをしたり、ほかの食べ物との食べ合わせを考えてみたり。ただ、これは業界によっては難しいこともあります。例えば同じメーカーでも、電子機器などの高価な商品を扱っている会社では、企業研究のためだけに実際に買うなんてことできませんよね。そういった場合は、実際に使っている人を探して感想を聞くだけでも参考になります。メーカーではなくサービス業界でも同様です。
これがなかなか適応できないのが、BtoBのメーカーです。BtoBとはBusiness to Businessの略で、先ほどでてきたBtoCとは異なり、企業向けの商品を開発している会社のことです。つまり、その会社が作っているものを私たちが直接、出来上がったままの状態で目にすることは普段は無いということです。また、BtoBの会社は一般に、ブランドで売り出すのではなくその性能で売り出していることが多く、ひとつの会社の製品を多くの会社が使用しているため、同業他社との比較も難しいです(そもそも同業他社の数自体BtoCに比べると少ないですが)。
しかしもちろん、その会社が作っている素材を使っている商品を目にすることはできますので、どんな最終製品となって世に送り出されているのか知っておくことはBtoB企業研究として必須です。
1dayでも良いので、インターンシップに参加する
インターネットはとても便利ですが、ホームページやCMは企業がお客様向けに発信しているものなので、良い面しか見ることができないし、具体的な業務内容まではわかりません。企業研究という面だけからみれば、1dayでも良いのでインターンに参加するのがおすすめです。時間に余裕がある人はぜひ、1週間やそれ以上の長期のインターンに参加しましょう。インターンというと大げさな感じがするかもしれませんが、最近では1dayインターンを実施している会社が増えてきています。
1dayインターンは、多くの場合選考がエントリーシートだけで面接がありませんので、地方に住んでいる就活生の皆さんにもおすすめです。実際に面接が無いかどうかは、企業によりますのでしっかり確認して申し込んでくださいね。
インターンに参加すると、第一に、社員さんに会うことができます。これは大きなメリットです。社員さんの雰囲気、休憩中と業務中の様子の違いなど、行かなければわからないことがたくさん知れます。できれば何日か参加して判断するのが望ましいですが、ざっくりした雰囲気は1dayでも十分、感じ取ることができます。
会社説明会に行く
会社説明会は、何もその企業に絶対エントリーする!と決めてから行かなければならないものではありません。合同説明会が増えている中、個別の説明会は敷居が高いと思っていませんか?個別の説明会だって、雰囲気を知るためなど、気軽な気持ちで参加してもちろんOKです。
「就活生に会社を説明する」という目的で行われるので、企業によっては良い面しか見せてくれないこともあるかもしれませんが、インターンと同様、社員さんに会うことができる貴重な機会です。説明会に参加している社員さんだけで全体を決めつけてしまうのは危険ですが、なんとなくこんな雰囲気なのかな?という掴みの部分を感じるには十分です。また、その会社が一番大切にしていることは実際に社員さんが何度も口にすることが多いです。その方針に共感できるかどうかは、自分がその会社を志望するかどうかを判断する大きな材料となります。
いかがでしたか?企業研究といっても、簡単に、手軽に始められることもたくさんあります。就活が気にはなっているけど、まだ始めるまでは・・・と思っているみなさんも、少しずつ企業研究を始めてみてください。
【就活に必須!志望動機のポイント④】面接で志望動機を伝えるときのポイントまとめ
最後に、「伝わる」志望動機の話し方についてです。志望動機で面接官が知りたいのは何といっても就活生の「熱意」や「本気度」。志望動機は、その会社に入社したい!という気持ちを込めることが何よりも大切です。だからといって、ただその会社への愛を語っても仕方ありません。その会社のどこに共感して、どんなことに自分が貢献できると思ったのかを伝える必要があります。流れとしては、
- どのようなところに惹かれ、志望しているのか、それはなぜか
- 自分と会社との共通点(考え方など精神的な面で)
- ②を補強するエピソード(何かにチャレンジした経験など)
- 入社できたらどう頑張りたいか、何がしたいか
を大きな流れとして考えてみましょう。③は、エピソードといっても何分も長々と話すのではなく、こんなこともしました、と簡潔にしましょう。あくまでも質問は「志望動機」だということを忘れずに。
また、どんなに言いたいことがはっきり決まっていても、一度文字に起こすことをお勧めします。頭が整理されて記憶にも残るので、手書きがおすすめです。時間がなければパソコンでもかまいません。一度文章にすることで、日本語がなんとなく変な部分や、伝わりにくいかな?という部分が見えてきます。
また、そうやって考えて書いているうちに自然と頭に入ってきて、面接本番でスムーズに言葉にすることができます。あまり練習しすぎると、緊張で真っ白になったときに困るので、一度書き起こして考えてみるくらいにとどめて、しっかりと自分の言葉で伝えるためにも、丸暗記の練習はしないようにしましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。この記事を読んで、就活を始めた、または就活前のみなさんの志望動機のイメージが少しでも具体的になっていれば幸いです。「自分の言葉」で誠実に話せば、必ず面接官に伝わる志望動機を話すことができます。がんばってください!
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