「コンサルティングファームって何?」
「事業会社とはどのような違いがあるの?」
就活を始めてコンサルタントという職業に興味を持ち始めた方は、コンサルティングファームという言葉に疑問を持ったり、事業会社との違いが分からなかったりする経験をお持ちではないでしょうか。
確かに「会社の話をしているのになぜ『ファーム』なのか」という点は、字面だけでいうと分かりにくい表現になっていると言えます。また、事業会社とも表面的に似ている部分があるため、コンサルティングファームと事業会社の違いが分かりづらいことがあるでしょう。
そこで今回の記事ではコンサルティングファームとは何かについて詳しくご説明をしていきつつ、コンサルティングファームの具体的な仕事やコンサルタントに適している人材、コンサルティングファームと事業会社との違いなどについて解説します。
コンサルティングに興味を持ちつつ、コンサルティングファームや事業会社との違いについてハッキリと把握できていないという方は、ぜひ一読してみてくださいね。
コンサルティングファームとは
コンサルティングファームの具体的な仕事を知る前に、まずはどのような会社が「コンサルティングファームと呼ばれているのか」について見ていきましょう。
いわゆるコンサルティングファームと呼ばれる会社には以下のようなものがあります。
- マッキンゼー&カンパニー
- A.T.カーニー
- ボストンコンサルティンググループ
- ベイン&カンパニー
- デロイトトーマツコンサルティング
- アクセンチュア
- PwCコンサルティング
- 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング
なぜ、コンサルティングファームが生まれたのかということについて知ることによって、コンサルティングファームの特性について理解を深めることができるはずです。
この世界にはたくさんのコンサルティングファームがありますが、その数が急上昇したのが1973年のオイルショックでした。オイルショックは単純に石油の価格を暴騰させるだけではなく、各社の業績に悪い意味で大きな影響を与えます。
次々と会社が倒産していく中で「1点に集中して突破する」という経営方針をコンサルティングファームであるBCGが打ち出しました。その後、リーマンショックやIT改革など、産業の発展や景気の悪化の際に、その状況から会社を守るための戦略を出す仕事としてコンサルティングファームは生まれたのです。
つまりコンサルティングファームとは、企業の課題を解決するための会社であると考えてよいでしょう。
コンサルティングファームの具体的な仕事
「コンサルティングファームとは、企業の課題を解決するための会社」ということを先ほど述べましたが、コンサルティングファームの中でもいくつかの区分けがあります。
- 戦略系コンサルティングファーム
- 総合系コンサルティングファーム
- ITコンサルティングファーム
- シンクタンク系コンサルティングファーム
- 組織人事系コンサルティングファーム
- 財務アドバイザリー系コンサルティングファーム
- ヘルスケア系コンサルティングファーム
他にも挙げ出すときりがないほどに、コンサルティングファームの区分けは複雑なものなのです。基本的には顧客である企業の課題を解決するという仕事なのですが、その顧客によってコンサルティングを行う内容は大きく異なります。
以下に代表的なコンサルティングファームについてご紹介していきましょう。
戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームは外資系企業や規模大きな企業を相手にして、経営戦略などに関するコンサルティングを行う会社です。
代表的な戦略系コンサルティングファームとして「マッキンゼー・アンド・カンパニー」や「ボストン コンサルティング グループ」などを挙げることができます。
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは総合という名前がつくだけあって、企業の事業立案から仕組み作り、会社全体に関わるサービスなどについてのコンサルティングを行う会社です。
代表的な総合系コンサルティングファームに「デロイトトーマツコンサルティング」や「アビームコンサルティング」を挙げることができます。
ITコンサルティングファーム
ITコンサルティングファームはITに関する事業戦略の提案やアドバイスなどを行うコンサルティング会社です。
代表的なITコンサルティングファームに「ケンブリッジテクノロジーパートナーズ」や「フューチャーアーキテクト」などを挙げることができます。
コンサルタントに適している人材
次にコンサルタントに適している人材についてご紹介をしていきましょう。ざっと挙げると以下のような特性を持っている方はコンサルタントに適しているということができます。
- 連帯感を持ってチームやクライアントとともに働きたいと考えている
- 自ら学び、自己投資をどんどんしていきたいと考えている
- プロジェクトに失敗した際に失敗を分析して次に活かせることができる
- 世の中の流れをうまく捉えることや、常に情報の収集にいとまがない
- 難しい課題であっても攻めの姿勢で挑戦することができる
上記のコンサルタントに適している人材の条件について見た際にわかることは「チームワークを保って働くことができる」「たいへんな仕事でも積極的に取り組んでいける」という条件を抽出することができますね。
ハードルは高いですが、その分やりがいや給与の面でのリターンが大きな業界のため、上記の条件に適っているという方はコンサルティングファームで楽しく働けるのではないでしょうか。
コンサルティングファームと事業会社の違い
コンサルティングファームの中で言われる「事業会社」という言葉は、世間一般で言われている意味とは少し異なっているようです。コンサルティングファームにおける事業会社は主体的に事業を行なっている企業や自社がコンサルティングを行う顧客という言葉を意味しています。
この2つの会社の違いはさらにあります。事業会社の場合、プロジェクトは数年単位のものが多く、人事としても固定的な印象があります。また、業界の雰囲気として保守的な人材が多く集まっていると言われています。
一方でコンサルティングファームではプロジェクトが1ヶ月単位で進行していくため、人事が非常に流動的となっており、またリベラルな人材が集まっていると言われています。
コンサルティングファームから事業会社への転職をする、またその逆のパターンも割と多いようですが、上記の違いによって最初は戸惑う人が多いとのこと。2つの業界に優劣をつけることはできないため、どちらにも興味があるのであれば、自分にあった雰囲気の業界を選ぶことをおすすめします。
まとめ
今回の記事ではコンサルティングファームとは何かについて詳しくご説明をしていきつつ、コンサルティングファームの具体的な仕事やコンサルティングファームに適している人材、コンサルティングファームと事業会社との違いなどについて解説してきました。
この記事の後半にも書きましたが、コンサルティングファームは非常に流動的な業界となっているため、革新的かつ、仕事に熱心に取り組める人材が多く集まる業界です。そのような業界に身を置きたいという方にはとてもおすすめの会社だと言えるでしょう。
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