コンビニはいまや利用したことがない人はいないというほど生活に欠かせないものになっています。一方で、目に見えるお店の様子からはコンビニの仕事の内容はイメージしづらいものです。
今回は、コンビニの仕事内容を直営店、FC(フランチャイズ)店などのコンビニの業態別に詳しく解説していきます。
コンビニ業界の仕事内容は本社とFC(フランチャイズ)でまったく違う
コンビニで働くというと、レジや品出しなどの店頭業務をイメージしやすいと思います。しかし、一口にコンビニといってもセブンイレブンやローソンなどの本社採用なのか、直営店なのか、本社からブランドを借りているFC(フランチャイズ)店による採用なのかによって仕事内容はまったく変わってきます。
コンビニの仕組みを理解して、コンビニの志望動機につなげていきましょう。なお、コンビニの志望動機に迷っている方は以下の記事を併せてチェックしてみるといいでしょう。
FC(フランチャイズ店)
FC(フランチャイズ)とは本社からブランドとなっている名前を借りて運営するビジネスモデルです。FC(フランチャイズ)契約をした店舗は本社へ一定の契約金を支払う代わりに、本社から運営ノウハウと各種販売促進のツールが提供されます。
したがって、FC(フランチャイズ)店で正社員として働く場合には本社による制約が強く、自由な内容で仕事ができるとは限りません。
待遇もFC(フランチャイズ)店を経営しているオーナー次第となります。
本社系列企業
ファミリーマートやローソンなどの本社の系列で採用された場合には、仕事の内容は千差万別となります。
たとえば、ローソンでは上流の事業部でさえ、リテール事業部、コンプライアンス部、システム部と14の部署に分かれています。そこからさらに下方へ組織構成が分岐していきますので最下流では100を超える部門に分かれています。
その中には、店長として店舗運営を任されることもあれば、地域の複数店舗のマネジメントをする仕事もあります。
総務や経理といった一般的な企業と同じバックオフィスでの業務もありますが、コンビニ業界で働く場合には、そのような事務的な仕事をイメージしないほうが良いでしょう。
コンビニ本社系列の仕事内容は?
私達が日常で目にする大手のコンビニを経営する企業の組織図は非常に多くの部門部署を持って複雑なものになっていますが、おおまかな仕事の内容は以下のようになります。
物流
コンビニ本社系列企業で採用されて物流に関わる部署に配属されると、主な業務は各店舗へ商品として出荷する商品選定や新商品の企画、販売計画などの計画的な仕事をすることになります。
魅力的な商品企画や戦略的販売計画の立案など、仕事の内容はクリエィティブでやりがいのあるものになるでしょう。
販売・店舗運営
販売・店舗運営の仕事をする場合、FC(フランチャイズ)ではない直営店の店舗に常駐して店長として業務を行うこともあります。品出しやレジ打ちなどアルバイトと同じ内容の仕事をすることも多いので、派手な仕事ではありませんが、販売の最前線へ立つ重要な仕事です。ここで経験を積んでからエリアマネージャーやアドバイザーなどへ異動することもあります。
販売促進
販売促進の仕事の主な内容は、一定の地域にある複数の店舗を対象としたコンサルティングや経営アドバイスなどを行うものです。一般的にエリアマネージャーやスーパーバイザーなどの名称が使われます。地域にもよりますが、20~30の店舗を同時に担当することもあるので、ひとつひとつの店舗にしっかりと目を配ってアドバイスするマメさが要求される仕事です。
また、さらに上流の販売促進では、テレビCMなどのメディアコンテンツを用いた販売戦略なども仕事の内容に含まれます。
店舗開発
店舗開発は集客の見込める地域の調査や、具体的な出店計画、地権者との交渉など多岐にわたる内容の仕事を行います。すでにある加盟店と商圏が被らないように検討したり、加盟店希望者と交渉したりと、頭だけではなく実際に足も使っていく仕事なので泥臭いイメージもありますが、新しい店舗が開店したときの充実感はひとしおでしょう。
FC(フランチャイズ)コンビニの仕事内容は?
コンビニ本社採用に比べてFC(フランチャイズ)店の仕事内容は、より現場に近いオペレーションを担うものになります。24時間営業のコンビニの仕事の内容はイメージ通りハードなところもありますが、それだけに実務能力が身につけられる仕事でもあります。
販売業務
FC(フランチャイズ)店の販売業務の多くはアルバイトが行いますが、正社員として販売に専従することもありあます。また、店長だったとしてもアルバイトの確保が難しいときや人件費をおさえたいときなどは店頭に立って販売の仕事をしなければなりません。
ご承知の通り、コンビニは店内にイートインスペースを儲けたり、カフェとしてのポジショニングをとったりと様々な経営戦略をとって変化し続けています。
そのような戦略を考えるのは本社の仕事ですが、現場のFC(フランチャイズ)店は常に新しいオペレーションを学び続ける必要があります。
単純な小売・販売の仕事を繰り返していけばいいものではないというところが、この仕事の難しいところです。
経営
FC(フランチャイズ)店の経営は基本的にはオーナーが行いますが、日々の資金管理や販促などの権限は店長に委ねられる場合も多いものです。
オーナーは月次の売上だけを管理していることも多く、実質的な経営は店長任せということもあります。中には店長から一般性職員に商品発注を任せるケースもあり、権限委譲の実態は店舗によって大きく異なります。
また、本部への売上の報告や、目標売上未達の場合の報告と対策など、ノルマがあるのも特徴です。
非常に責任の大きい仕事ですが、大企業のノウハウに基づいてひとつの店舗をマネジメントできるのは貴重な経験でもあります。
アルバイトシフト管理
一般企業でいうところの人事に当たるアルバイトの採用やシフト管理などもFC(フランチャイズ)店の仕事では重要な位置を占めます。24時間営業のコンビニではとくにアルバイトの確保と教育は重要な仕事です。
人件費をおさえるために、オーナーではなく雇われた店長が昼夜を問わず店頭に立っているコンビニも多いものですが、そのような無理なオペレーションで店長が働かなければいけない状況はあまり経営状況が良くない店舗と考えて良いでしょう。
クレーム対応
接客が主要な仕事になるFC(フランチャイズ)店のコンビニでは、お客からのクレーム対応はアルバイトではなく正規職員や店長の仕事になります。アルバイトしかお店にいない深夜の時間帯にクレームが発生した場合でも社員が対応しなければならないですし、休日であっても同様です。
このように、昼夜を問わず発生するクレーム対応の仕事は決して楽しいものではありませんが、クレームは顧客満足度を高めるための貴重な部門でもあります。
店舗によってはお客様が自由にお店への要望や意見を伝えられるノートなどを用意していることもあります。
そのような店舗はお店を常に良くしていこうという意欲と余裕のある良い店舗と考えられます。
まとめ
コンビニ業界はマネジメントに近い立場として本社採用で働くのか、FC(フランチャイズ)店の独自採用で働くのかによって、仕事の内容が大きく変わります。本社採用で大企業のブランドを使って大きな仕事に携わるか、FC(フランチャイズ)店で経営感覚を磨き独立を目指すのか、自分がどのようなキャリアを望むのかをよく考えて、自分にあった働き方を選択しましょう。
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