IT業界を目指す就活生が多い一方で「今後、IT業界にはこれまで通りの成長見込みがあるのかな?」と不安視する方も多いようです。たしかに良い点ばかりを見て就活をしていては、いざ就職したときにこれまで見えなかったリスクに足を救われてしまう…という可能性もあるでしょう。そこで本記事ではIT業界で今後トレンドとなるであろう事業や求められるスキルについて、2020年最新版の情報をお届けしていきます。また、他にもIT業界の売り手・買い手市場傾向についても解説をするため、就活生として不利なのか有利なのかという不安点も払拭できるでしょう。それでは早速見ていきます。
IT業界は売り手市場
さて、まずは「IT業界が売り手市場なのか、買い手市場なのか」という疑問にお答えしていきます。結論から言うと、現在IT業界は売り手市場であり、就活生にとって非常に有利な傾向となっていると判断できます。2019年10月におこなわれた「doda転職求人倍率レポート」によると、IT・通信技術系の有効求人倍率が7.85倍となっており、これは1人あたり7.8社程度の就職先があるということなのです。ちなみに同レポートによると、一部職種ごとの有効求人倍率ランキングは以下のようになっています。
2.サービス :3.03倍
3.メディカル :2.39倍
4.メーカー :2.05倍
5.メディア :2.01倍
6.金融 :1.96倍
上記を見ても分かる通り、IT・通信の有効求人倍率は圧倒的に高いことがわかります。有効求人倍率第2位のサービス業で約3倍となっているため、ダブルスコアで求人倍率が高いのがIT業界なのです。
IT業界 今後のトレンド4事業
IT業界が、圧倒的に売り手市場・就職生に有利な業界であるということが上記の説明で分かっていただけたはずです。ただしIT業界というのは進歩が非常に早く、ついこの間まで最新技術であったモノが、数ヶ月後には陳腐化しているということは往々にしてあり得ることなのです。そのため、2020年現在のトレンドを押さえた上で就職に望まなければ、選考の際に時代やトレンドに沿った受け答えができないようになってしまうというリスクがあります。そこで、こちらでは2020年において今後トレンドとなる4つの事業について紹介していきます。今後のトレンド4事業は以下の通りです。
・AI
・メガクラウド
・デジタルトランスフォーメーション
各トレンドについて詳しく見ていきましょう。
5G
1つ目に紹介するIT業界で今後トレンドとなる事業は「5G」です。5Gといえば日本においては最近になって話題となっているトレンドではありますが、海外においては2019年段階で4.5G/5Gが存在していました。日本においても2020年に一般向けで5G回線が導入されることとなっており、まさに海外に追いつけ追い越せで、今後日本のIT業界における市場で主流となるべき存在なのです。
5Gはこれまで存在した4Gと比べても回線速度が劇的に加速しており、その技術を活用した医療・自動運転・製造などありとあらゆる技術が発展することが予測されます。こういった最新技術に対して知見のある人材を、発展的なIT企業であれば欲すると考えることは間違いありません。また、5G市場へ参画する予定がない企業であったとしても、IT業界のトレンドとして知っておくべき知識なのです。
AI
2つ目に紹介するIT業界で今後トレンドとなる事業は「AI」です。AIについては、先述の5Gと比べるとすでに世の中に波及している技術であると言ってもよいでしょう。ただし、AI技術の発展というのはまさにこの2020年目覚ましいものとなると考えられており、LINE社が「2020年はAI実用化の年」と宣言しているなど、大企業からの注目度も高いものです。
IT業界に参入するのであれば「AIとは?」「AIを使ってどんなことができるのか?」「AIスキルは持っているか?」などといった、最低限のAIに関する教養を持ち合わせていることは必須です。
メガクラウド
3つ目に紹介するIT業界で今後トレンドとなる事業は「メガクラウド」です。メガクラウドというのは、たとえばAmazon社提供のAWSやGoogle社提供のGoogle Cloud Platformなどといったような、オンライン上のクラウドプラットフォームです。アメリカ合衆国・Ciscoのレポートによると、現在ワールドデータセンターに関連した膨大なデータのうち、80%以上がメガクラウドに収容されているとのことで、今後さらにハードウェアとしてのストレージにデータ収容をするのではなく、オンラインストレージへデータを保管・管理する人は増えていくでしょう。クラウドサービス市場売上は2015年から2019年を比較しても5倍以上の伸び代があり、参入しがいのある事業であると言えるのです。
デジタルトランスフォーメーション
4つ目に紹介するIT業界で今後トレンドとなる事業は「デジタルトランスフォーメーション」です。これは「DX」という略語でも知られている言葉です。意味としては、最新のデジタル技術によって人類の生活を向上するという意味。つまり、これまで紹介した5G、AI、メガクラウドも広義によればデジタルトランスフォーメーションと言えるのです。
では、なぜ2020年デジタルトランスフォーメーションが注目されているのかというと、人々の生活にデジタル技術が身近になるというコンセプト「IoT(Internet of Things)」が注目されているからです。様々なモノにインターネット同期機能を実装し、生活をより便利にしようというIT業界の傾向が、デジタルトランスフォーメーションへの注目度を高めていると言えるでしょう。
IT業界の今後求められるスキル
最後にIT業界において今後求められるスキルとして、以下の3点を解説します。
・トレンドに関心を持つ知的好奇心
・ブロックチェーン技術などセキュリティ面への知識
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自己研鑽力
1つ目に挙げるIT業界において今後求められるスキルは「自己研鑽力」です。もしIT業界に入る際プログラマーやエンジニア枠ではなかったとしても、一定のIT知識を身に付ける必要はあるものです。そういった際に空き時間を使って自己研鑽ができるかどうか、常に向上心を持って仕事に取り組めるかどうかは非常に重要な要素なのです。
トレンドに関心を持つ知的好奇心
2つ目に挙げるIT業界において今後求められるスキルは「トレンドに関心を持つ知的好奇心」です。先述の通り、IT業界というのは最新技術や新たな知識が陳腐化するのが非常に早い業界だと言えます。そのため常に知的好奇心を活かし、最先端分野を探求するスタンスを持つ必要があるのです。
ブロックチェーン技術などセキュリティ面への知識
3つ目に挙げるIT業界において今後求められるスキルは「ブロックチェーン技術などセキュリティ面への知識」です。今回は最新トレンド事業をご紹介しましたが、ビットコインなどに代表されるブロックチェーンのようなセキュリティに関する知識も必要となるでしょう。大量の情報を扱うIT業界だからこそ、ITへのリテラシーを持たなければなりません。
まとめ
本記事ではIT業界で今後トレンドとなるであろう事業や求められるスキルについて、2020年最新版の情報をお届けしていきました。今後のトレンドとして「5G」「メガクラウド」「デジタルトランスフォーメーション」などが、最新技術に関わる上では欠かせない知識になってくるであろうことは間違いないでしょう。
また、他にもIT業界の売り手・買い手市場傾向についても解説しました。結果として市場規模の成長を続けるIT業界は常に人材を求めており、売り手市場であると判断することができます。ただし、IT業界を目指す人も増えているため、差別化を図れるスキルが必須です。本コラムで紹介した「今後求められるスキル」を参考に、今後のIT業界で活躍できるよう自己研鑽に励んでいきましょう!
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