就活うつとは、就活をしているときのプレッシャーや不安感でストレスを感じ発病するうつ病です。
このうつ病は就活中だけでは無くその後の人生にも関わるので、就活でうつ病になりやすい人の特徴や予防・解消法を事前にチェックしましょう。
就活うつとは?原因と症状を解説
就活を始めてから体調が優れない、就活のことを考えると憂鬱になる、そんな症状に覚えはありませんか?
それはもしかしたら「就活うつ」かもしれません。
就活うつとは、就活が原因で起こるうつ病を指す言葉です。
就活では内定獲得に対する焦りや不安、面接やテストのプレッシャーなど様々な要因でストレスが溜まります。
その精神的負担が起因となって、うつ病になってしまうのです。
就活によって起きるうつ病は就活が終わりストレスから解放されれば快方に向かう場合が多いのですが、うつ病の症状が出ているのに放置して無理したり、就活の期間が長引いたりするとさらに重いうつ病に進行する恐れがあります。
今回、就活によって起こるうつ病に関する情報を調査したので自分の状況と向き合って、心あたりがある人は早めの対処でうつ病の重症化を防ぎましょう。
就活うつチェックリスト
- 眠れない日が続いている
- 十分に眠っても朝起きられない
- 小さなことでイライラしやすい
- 過食または拒食気味だ
- 面接の日にお腹の不調が出る
- 疲れやすいと感じる
- 集中力が続かない
- 決断力が鈍くなった
- 身体がだるく感じるようになった
- 首や肩のコリが溜まっている
- 原因不明の頭痛が起こる
- 原因不明の動悸や吐き気が起こる
- 眠りすぎてしまう/日中強い睡魔を感じる
- 食事量が急激に増減した
- 食事が美味しく感じなくなった
- 落ち着きがなくなったと感じる
- プライベートでも楽しいと思わない
- 自分はダメな人間だと感じる
- 突然涙が出てくる
- 意味もなく悲しくなる時がある
- 気分が落ち込んで気が晴れない
- 「死にたい」と思う時がある
- 何があっても自分が悪いと感じる
- 自分は価値がない存在だと思う
- 人生が楽しいと思えない
- 最近「嬉しい」「楽しい」と思わなくなった
- 就活以外のことでも意欲的になれない
- 不安感や焦燥感が消えない
このチェックリストは就活時のうつ病や一般的なうつ病で起こりやすい「うつ病特有の症状」をまとめたものです。
今の自分の状況と照らし合わせて、いくつ当てはまるか数を数えてみましょう。
28問中10~14問以上当てはまった人は就活が原因のうつ病になっている可能性があります。
その場合は自己判断せず、すぐにうつ病に詳しい専門医を訪ねて適切な処置を受けましょう。
就活うつになりやすいタイプの特徴
- 完璧主義な人
- 真面目すぎる人
- 学力に自信がある人
- 自分は優れている意識がある人
- 大きな挫折・失敗を経験していない人
- 失敗すると自分を責めてしまう人
- 人と比べてしまう人
- 人付き合いが得意でない人
- 競争にプレッシャーを感じる人
- 就職しなければならないと強く思っている人
まず、「真面目すぎる人」や「完璧主義な人」は就活でうつ病になりやすいタイプです。
何事にも全力で取り組んで、すべてをパーフェクトにしたいと言う意識があるので、就活というやることが多い状況では「全てに100%の力で取り組まなければ」と自分にプレッシャーをかけすぎてしまうのです。
過度なプレッシャーは精神を圧迫し、うつ病を招きやすくなります。
さらに、このようなタイプの人はできないことがあったり完璧にこなせなかったりすると「努力が足りなかった」「怠けてしまった」と自分自身に失望し落ち込みやすい傾向にあります。
真面目すぎるあまり自分に強いプレッシャーかけ続け、完璧にできないことで落ち込み、さらにミスを重ね自分を責めるという就活中の堂々巡りによってうつ病になりやすいのです。
次に、「自分の学力に自信がある人」や「自分が優れているという意識がある人」も就活時にうつ病を発病しやすいタイプです。
自分に自信がある人はうつ病になるイメージがあまりありませんが、ここでのポイントは「自信の理由が学業である」ということです。
就活において学力はとても重要ですが、それだけで評価されるわけではありません。
企業側は面接時の対応力やコミュニケーションスキル、意欲や企業への情熱などを含めた総合的な評価で採用者を決定します。
中には、学力はそこまで高くなくてもその他の才能で内定を獲得する学生も多いでしょう。
学力に自信がある人や自分が優秀だと感じている人はそういった相手に内定を取られたり、周囲の自分より学力が低い人が内定を獲得したりすると「なぜ自分が選ばれないのか」と悩んでしまいます。
優秀な人なら優秀な人ほど、潜在意識の中で不満が蓄積されていくでしょう。
そういった不安や不満、周囲に差をつけられることへの焦りもうつ病を引き起こすきっかけとなります。
「人生で大きな挫折や失敗をしていない人」も就活によるうつ病が発病する危険が高いタイプです。
人は失敗することで改善策を学び、挫折するごとに強くなる生き物です。
部活動や習い事、学校の授業などで失敗や挫折を味わっていれば就活の時にも「失敗しても次に活かそう」「挫折しても落ち込みすぎないようにしよう」と頭を切り替えられます。
しかし、今までに失敗や挫折の経験が無い人は、就活という人生の中でも特に重要な局面での失敗や挫折に過剰な焦りや失望を感じてしまいます。
そして、挫折からの立ち上がり方や失敗の活かし方を今までの人生で学んでいないので、どんどん落ち込んでうつ病に陥ってしまうのです。
失敗や挫折を経験している人の中でも「自分のせいだと過剰に自身を責めてしまうタイプ」も就活によるうつ病に注意しましょう。
自分を責めすぎると、辛い気持ちの逃げ場所を無くしてしまいうつ病を長引かせてしまいます。
「人付き合いが苦手な人」も就活時にうつ病になりやすいタイプです。
就活では説明会や面接、OB訪問などでたくさんの人と関わります。
人付き合いが苦手な人は今まで体験したことがない「初対面の人とたくさん会話する」という状況についていけず、就活自体に嫌な気持ちを持ってうつ病になってしまう傾向があるのです。
さらに、就活は他の応募者との競争です。
たった数名分の内定を何十人、何百人が取り合う椅子取りゲームのようなものなので、「競争が苦手な人」や人と自分を比べてしまう人」にとっては非常に憂鬱な状況でうつ病になりやすいでしょう。
競争に負けるたびに落ち込んで「自分と内定者の何が違うのだろう」と思い悩んでしまうと、いつまでも鬱々とした気持ちが続いて就活自体に滞りが起きてしまいます。
「就職しなければならないと強く思っている人」も実は就活によるうつ病に注意しなければなりません。
就職に対して意欲的なのはいいことですが、会社に所属して働くのが当然でその他の生き方は有り得ない、という意識が強すぎると内定が取れないことに焦りすぎてプレッシャーを感じうつ病に陥ってしまいます。
就職しなければならないという強迫観念と思うように就職が決まらない焦燥感で板挟みになって、ストレスを強く溜め込んでしまうのです。
いくつかのうつ病になりやすい人の特徴を説明しましたが、実際これらの特徴は誰でも少なからず当てはまるでしょう。
大切なのは就活が原因のうつ病にならないように、うつ病になりやすい性質と向き合い意識改革に取り組むことです。
うつ病のリスクを常に考え、適度なストレス解消や前向きな考え方を取り入れていけばうつ病にならずに就活を乗り切れるでしょう。
就活うつにならないための予防法
就活によるうつ病は就活をしている人なら誰でも発病する可能性があります。
人生のターニングポイントに大変な思いをしないように、就活時にうつ病を発病しないための予防法を学んで日々の生活に取り入れましょう。
「自分は強いから大丈夫」と思っている人ほど無理をしすぎて発見が遅れ、うつ病の症状が重くなりがちです。
少しでも就活にストレスを感じたら、本格的なうつ病になる前に早めに予防しましょう。
ストレスを感じたらすぐに発散する
就活によるうつ病の要望方法1つめは「ストレスをすぐに発散する」です。
ストレスを内側に溜め込まずすぐに発散するのはうつ病の発病や症状の進行を防ぐのにとても効果的な方法です。
ちょっとしたことでイライラする、憂鬱になるなどの症状がストレスのサインです。
普段と違う気持ちになったり身体的な変化が現れたりしたらなるべく早めにストレス解消しましょう。
ストレスの発散方法は人によって様々です。例えば、自分が好きなことを思いっきり楽しんだり、友人と食事に行ったり、スパや日帰り温泉などでゆっくりするのもおすすめです。
終わった後に「スッキリした」と思えるような自分なりのストレス解消方法を探しましょう。
就活のことから離れる時間を取る
就活によるうつ病の予防方法2つ目は「就活から離れる時間を取る」です。
就活中はついつい、1日のほとんど就活のことを考えて過ごしてしまう人も多いでしょう。
しかし、それでは精神が解放される時間がなく、ストレスやプレッシャーがどんどん蓄積されてしまいます。
夜寝ている時は考えていない、という人もいますが日中思い詰めていることは夜寝ていても脳内に残って知らないうちに脳にストレスを与えています。
就活で煮詰まった時には、思い切って「就活のことを一切考えない時間」を作りましょう。数日おき、数時間でも構いません。
就活のことを考えないと決めた時間は、面接や応募など就活に直接関わること以外の自己啓発や資格取得の勉強、企業の情報収集なども避けてください。
自分が就活生であることを忘れて、とにかく気楽に過ごすのです。
その時一緒にストレス解消できることをするのもオススメです。
生活リズムを整える
就活によるうつ病の予防方法3つ目は「生活リズムを整える」です。
就活のストレスやプレッシャーを避けるといっても、就活をしている間はどうしても少なからず精神的なダメージを受けるものです。
かといって、就活を辞めてしまうのも難しいでしょう。
そこで、体内で神経伝達物質「セロトニン」の分泌を促進することでストレスやプレッシャーを受けても就活がキツくてもうつ病になりにくい精神を作りましょう。
セロトニンとは、精神安定効果や安心感を強める効果があるホルモンです。
その効果は大きく、うつ病で処方される精神剤にもセロトニンに似た分子構造が活用されています。
そんなセロトニンの分泌を活発化させれば、精神がストレスに強くなり就活が原因のうつ病にもなりにくくなるでしょう。
なた、セロトニンには脳の活動を活発化したり、頭の回転を速くする効果もあります。
就活のストレスで起こるうつ病だけではなく、就活自体にも良い効果が期待できるでしょう。
セロトニンは体内で自然に生まれるホルモンですが、「朝日を浴びる」「食事のサイクルを整える」といった行動で分泌量を高められます。
つまり、規則正しい生活こそが強い精神を作り就活によるうつ病を予防する対策なのです。
就活中は早寝早起きやバランスが取れた食事を心がけて、セロトニン効果を充分に活用しましょう。
適度な運動をする
就活によるうつ病の予防方法4つ目は「適度な運動をする」です。
運動で身体を動かすと、ストレスが解消されるのですっきりした気持ちで就活に向き直れます。
身体を動かして気持ち良いからというのはもちろん、血行が良くなることで脳への血流が増加し、溜まっていた疲労を癒す力が高まるからです。
運動の中でも特に就活によるうつ病に効果的なのがウォーキングやランニングなどのリズム運動です。
人の身体は一定のリズムを刻む運動を続けるとストレス解消に効果があるセロトニンの分泌を高める仕組みになっています。
運動する時間が取れないという時は、普段電車やバスに乗るタイミングで歩いたり、エレベーターではなく階段を使ったりするだけでも効果を得られるのでちょっとした時に意識して身体を動かしましょう。
就活うつになってしまった場合の解消方法
最後に、就活が原因でうつ病になってしまった時の上手な解消方法をお伝えします。
就活で精神的に疲れたりうつ病になったりするのはけして弱いというわけではありません。
誰でも一生懸命取り組んでいたことで辛い思いをすれば気分が憂鬱になるものです。
大切なのは就活が原因でうつ病になってしまっても早期発見、早期対処でうつを悪化させないことです。
うつ病が重症化するとその後の人生にも様々な影響をもたらします。
就活によってうつ病になったら、以下の方法で早めに対策しましょう。
病院を受診する
うつ病は自己判断で治療すると逆に悪くなる恐れがあります。
就活時にうつ病になったら精神科医や専門医のいる病院で受診を受けて、適切な治療を行いましょう。
病院は相性も大事なので、一軒目で「話が合わなそうだ」と感じたら何軒か受診するセカンドオピニオンを行ってください。
安心して自分の状態を共有でき、治療方針に納得できる自分のかかりつけ医を探せばうつ病の治療もスムーズにすすみます。
また、医師の診断によっては精神状態を落ち着かせるための薬を処方されることもあります。
この薬は一定期間服用することで効果が現れるので、自己判断で服用をやめるようなことはせず担当医と相談して決めてください。
カウンセラーに相談する
就活によるうつ病に悩む人の中には、「病院に行くのは怖い」「病気と診断されるのが嫌だ」と感じる人も少なくありません。
その場合は、カウンセラーに相談するという方法もオススメです。
カウンセラーは話を聞いた上でその時どうしたらいいのか、どんな解消方法を取り入れたらいいのかをアドバイスしてくれます。
また、悩みや不安に寄り添ってくれるので「誰かに弱音を吐きたいけれど周りに話せる人がいない」という場合にも最適です。
大学によってはカウンセリングセンターが作られていることも多いので、自身が通う学校に就活によるうつ病の相談ができそうな機関がないか調べてみましょう。
親や友人に話す
親や友人など、身近で信頼できる相手に状況を話すというのも就活で起こったうつ病の効果的な解消方法です。
就活が原因のうつ病に限らず、うつ病が悪化しやすい理由の一つに、悩みや不安感を自分一人で抱え込みすぎてしまうというものがあります。
うつ病になると「周りはちゃんとできているのに自分だけできていない」という劣等感を強く覚え、それによって自分の辛いという気持ちや憂鬱感を表に出せなくなってしまうのです。
また、責任感が強く真面目な人ほど「他の人も就活で辛い思いをしているのだから自分だけ弱音は吐けない」と思い込んでしまいがちです。
けれど、鬱々とした気持ちを表に出すのは決して悪いことではありません。
自分自身が明確に辛さを理解していなくても、身近な人に話すという行為ではっきりと「自分はうつ病になっている」と自覚することもできるでしょう。
就活が原因のうつ病になってしまった時には、内側に溜まっている辛さや苦しさを吐き出して、心を軽くするように心がけましょう。
ただし、うつ病について話す相手はよく吟味して下さい。
うつ病が発病している時は過度な叱咤激励は逆に精神状況を追い詰めてしまう恐れがあります。
よく「うつ病の人に頑張れと言ってはいけない」といわれますが、善意からの励ましでも焦りや自己嫌悪を強めやすくなってしまうからなのです。
なので、例え相手に悪意がなく、元気になってほしいという表現だとしても場合によっては就活によるうつ病の症状を進行させてしまうでしょう。
相談する時には自分の精神状況を分析して、ただ話を聞いてほしいだけなのか、前向きに励ましてほしいのかを自分自身に問いかけてから相手を探しましょう。
もし親や友人と話して余計に落ち込んでしまったら「この人とは考え方が違うようだ」と切り替える気持ちも忘れずにいてください
その上で、色々な人と話をすれば就活によるうつ病を解消する糸口が見つかるでしょう。
就活を休む
何をしても気が紛れない時や、どんどんうつ病の症状が悪化している時はいっそ思い切って就活を休んでみましょう。
改めていいますが、就職うつは就活によって感じるストレスが原因で起こるうつ病です。
リフレッシュしても治療を続けても改善しない場合には、うつ病がかなり進行していると考えて下さい。
そのまま無理して就活を続けていてもどんどん精神が病んでしまうでしょう。
就活時に発病したうつ病を抱えて就活を終わらせ社会人になったとしても、うつ病自体が解消されなければ些細なことでもうつ病の症状が起こる可能性があります。
せっかく辛い思いをして入社しても精神的に出勤できなくなったり、途中で辞めなければならなくなったりしたら全ての努力が水の泡です。
今は働き方も多様化し、フリーランス活動や起業、フリーターで自身に合った仕事を探すなど選択肢はたくさんあります。
また、中には卒業してからも勉強したいと思って院に進む人や、別の学校に入り直す人もいるでしょう。
若い頃しかできないからと全国を旅するアクティブな人もいます。
学校を卒業した後の道は就職への一本道ではありません。
就職はあくまで、無数に伸びる可能性の道の一つでしかないのです。
「絶対に新卒で就職しなければならない」という固定観念を捨てて就活を休んでみたら思いもよらない自分の進む道が見つかるかもしれません。
もちとん、しばらく休んだ後に「やっぱり就職したい」と思ったらその時に就活を再開しても全く遅くありません。
まずは視野を広く持つことを忘れずに楽な気持ちで過ごせるようになりましょう。
自分のメンタルとしっかり向き合って就活をしよう!
就活は社会に羽ばたくための第一歩です。
今までとは全く違う環境や評価に晒されるため、たくさんの辛いことや失敗、挫折を経験するでしょう。
就活で味わうストレス、プレッシャーから自分の心を守るには常に自分の気持ちと向き合って無理させないという意識が必要です。
就活に対して「嫌だな」という気持ちが芽生えたら、それが一過性のものなのか、それとも持続的に感じているのかを振り返りましょう。
もし持続的に気持ちが落ち込んだり、辛い気持ちが強くなっていくなら就活によってうつ病が発病した疑いがあります。
就活によるうつ病を軽度なうちに解消できるように、できる限りのメンタルケアを行いましょう。
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