迷わず書ける!エントリーシートの「得意科目」

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エントリーシート(ES)の「得意科目」は頻出する項目ではありません。日本型の雇用システムの特徴で、学業よりも人物面を重視する採用が行われるからです。大学生の本分である「学業を重視しましょう」という提言はこれまでも幾度となされてきましたが、なかなか定着しないのが現状です。しかしながら、たまにエントリーシート(ES)で「得意科目」など学業面を問う設問も出てきます。だからこそ、急に聞かれた際に、書くこと、話すことに悩んでしまう学生も多いようです。

ここでは、エントリーシート(ES)の「得意科目」欄を迷わずに書くためには、どうしたらよいのか指南したいと思います。

なぜエントリーシートの「得意科目」がある?

エントリーシート(ES)の設問の王道は「自己PR」や「学生時代に頑張ったこと」、「志望動機」でしょう。そのため、学生の準備もそちらに向かいます。合理的な判断です。しかしながら、文理問わず学業面も問われることもあります。

では、王道の質問ではないけれど、なぜエントリシートには「得意科目」欄があるのでしょうか?結局、学業面からも、掘り下げることで、その学生の考え方や人物像、特性は見えるということです。

ただし、採用側も「法律が得意!」、「地理が得意!」など、単純に「得意科目」が知りたいわけではありません。「得意科目」を聞くのは、手段であって、目的ではありません。例えば、以下のようなことを掘り下げて、人物像を知りたいのです。

  • なぜその科目が得意なのか?
  • 得意科目のどのようなところに興味を持っているのか?
  • 得意科目を仕事に活かせると思うか?
  • 得意科目とは、逆に不得意な科目はあるか?

「得意科目」を起点に、様々な学業を通した質問をすることで、のような人物か知ることが目的なのです。そのため、学生は理由を含めて、しっかり自分の言葉で答えられる準備をしておきましょう。

以下のような学業ガクチカに繋がる得意科目を準備しておくとなお良しです。

エントリーシートの「得意科目」には何を書く?

では、エントリーシート(ES)の「得意科目」には、何を書けばいいのでしょう?迷ってしまいがちな学生の特徴は、自分の専攻に関連した「得意科目」じゃなきゃダメだという思い込みが強いことです。

確率的には、「得意科目」が専攻に関連した場合が多いかもしれませんが、そうではない学生もいます。たまたま、法律を学んでいる、たまたま文学部に受かったら勉強している、あるいは目的意識を持って経営を学んでいるが、経済の方が面白いと感じてしまったなどです。

結論としては、額面通り、正直に「得意科目」を書けばいいのです。専攻関連でも、専攻関連以外でも、自分が自信を持って答えられる「得意科目」を書いてください。

1エントリシートの「得意科目」学部共通

「得意科目」の項目のスペースにもよりますが、科目名以外に、「理由」、「関心」、「興味」、「評価」、「示唆」などのキーワードを頭に入れながら、文章として完成させましょう。仮に、エントリシートには「得意科目」を記入する欄しかない場合は、面接で聞かれた際に、答えられるように準備しておきましょう。

2エントリシートの「得意科目」文系学生

文系の場合は、総合職や一般職での採用が一般的ですから、理系に比べて専門性を掘り下げて、聞かれるケースはあまりありません。受けている企業で、活躍している人物像がイメージできればいいと思います。

ケースとしては、多くはありませんが、経理職やマーケティング関連の部署など狙い撃ちの場合もあります。その際は、対応したことを記入した方が無難でしょう。(経理職募集での例:得意科目は会計学)

3エントリシートの「得意科目」理系学生

理系の場合は、「得意科目」欄に関して、文系と毛色が違います。総合職を受ける場合は、別ですが、専門職や研究職であれば、受けている企業との関連性も意識しながら記入しましょう。

研究テーマを書くことが自然でしょう。もちろん、人物像も探ることもできますが、文系とは異なり、特化した分野のことを突き詰めたものになることが多くなります。

4注意点

得意と好きの違い
得意科目がないという理由で、安易に好きな科目を書くと、成績の評価と整合性が取れません。成績に高低がないのであれば、仕方がありませんが、得意ということは、成績が良いということになります。好きでも成績が奮わなければ、得意とはいえませんので、採用側としては色々と突っ込みどころがあります。
得意の背景や理由
本番の選考では、正直なところ学業のことを掘り下げる場面は少ないのが現状です。ただし、採用する企業の数だけ、採用担当者も様々なタイプがいます。得意科目に対して、説得力のある背景や理由を必ず準備しておきましょう。聞かれること、掘り下げることの確率が低くても、答えられる準備を怠ると思わぬところで足元をすくわれかねません。
「得意科目」が専攻関連以外の場合
立場が逆だったら、なぜ専攻科目以外のものを書いたか聞きたくありませんか?専攻以外を書くことは問題ありませんが、相手にある程度納得してもらえる理由が必要になります。あえて、圧迫してくる場合もありますが、冷静に対処してください。「得意科目」が簡単に社会で通用するほどあまくはありません。しかしながら、わざと聞いてくることもありますので、どのように対処するかが大事です。

エントリーシートに書ける「得意科目」がない!

今は大学生の数も増えています。様々な学部学科があり、様々な理由で大学に進学します。目的意識のある学生もいれば、途中で目的を見失ったり、学業は単位だけ取れば、よしとしている学生もいることでしょう。そもそも、成績優秀者が必ずしも入社難易度の高い企業に入れるわけではありませんむしろ、学業以外のことを掘り下げることの方が多いでしょうから、それもやむなしです。

そういった学生の場合、エントリシートに書ける「得意科目」がないと思ってしまいます。以下に対処法と注意点をまとめてみました。

1対処法

自分の専攻にこだわり過ぎている場合はどうする?
理由が明快であれば、専攻以外の科目を書きましょう。(例えば、スポーツ推薦で入学しているため専攻に思い入れがないなら、体育で体を動かすことが一番楽しかった科目を書くのもありです)
学業以外に頑張ったことがあるんだけど?
「得意科目」を「興味のある科目」に変換してみましょう。なぜ、興味があるか、面白かった点などを答えられればよいのです。留学して英語を身につけた人はそのことを書いても良いかもしれません。

2注意点

自信がないからということで、エントリーシート(ES)の「得意科目」欄に何も書かないことは避けましょうまた、どの科目もあまり変わらないから、とりあえず何か書いておくことも避けてください。

採用担当者は、科目の中身が知りたいわけではありませんが、話している学生の目や態度で熱度を感じないと興味・関心が薄れます。少なくとも、どんな授業で、どんなところが興味深かったのか語れる程度の科目を書きましょう。

のまとめ

なぜエントリーシート(ES)の項目に「得意科目」があるのかの理由から、何を書いたらいいのか、書くことがない場合について、解説してきました。結局、文系でも理系でも、企業は「得意科目」から掘り下げることで、学生の特性を知りたいだけです恐れることはありません。他の質問内容と本質は変わらないのです。本質を捉えて、「一文惜しみの百知らず」に陥らないように注意してください。

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