エントリーシートで使うべき適切な敬語や表現方法とは?

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エントリーシートを書く際に気になることと言えば、敬語ではないでしょうか。丁寧な敬語か、それとも端的な断定形か。どちらを使うかどうかで迷うのは就活生あるあるですし、どんな敬語を使えばいいのか困ってしまう人が毎年続出します。

そんな人たちのために今回は、エントリーシートで敬語を正しく為の情報を集めてみました。敬語を使う際のメリットとデメリット、具体的な敬語の用法、そしていざという時に使えるQAまで付けました。まだ知識がなくても、この記事を読めばどんな人でも素晴らしいエントリーシートが書けるようになるはずです。騙されたと思って、まずは読んでみてくださいね。

・エントリーシートを敬語で書いた時のメリット

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まず、エントリーシートを敬語で書いたらどんな良いことがあるのでしょうか。敬語で書いた時の代表的なメリットをご紹介します。

–丁寧さアピール

なんといっても、敬語は丁寧な印象を与えられます。尊敬語・謙譲語・丁寧語と分かれているだけあって、言葉の表現をひとつ選ぶにしても時間がかかります。かかった時間のぶんだけ、丁寧で心のこもった文章を書くことが出来るのです。

雑で適当に書かれた文章を読みたいと考える人は少ないですが、一生懸命考えて丁寧に書いた文章は人の心を打ちます。特にエントリーシートは誠意を見せることが大事なので、敬語を使うことは非常に効果的なのです。

–敬意を示せる

敬語はその名の通り、相手へ敬意を見せることができます。実は就活の選考で大事なのは、この「敬意」。企業という一つの組織に入れてもらうための選考ですから、互いに敬意を持ってコミュニケーションを取る必要があります。

敬意がなければ採用担当者のご機嫌も損ねてしまうでしょうし、面接での会話も上手く進まないかもしれません。でも文章から敬意がにじみ出れば、どんなトラブルが起きても相手のことを許せるでしょう。円滑に選考を進めるためにも、敬語はなくてはならないものです。

–自分の気持ちが伝わりやすい

「~だ。」「~である。」などの断定形に比べて、敬語は自分の気持ちが伝わりやすいと言われています。日本人は普段から、断定形よりも敬語を使うことの方が多いからです。普段使い慣れている表現の方が、自分の気持ちを映しやすいのは当然のことでしょう。

文章表現が変わっただけでなんとなくペンが進まなくなってしまう人は、敬語に変えただけでスルスル文章が書けるようになるかもしれません。文章を書くのが苦手な人には、ぜひぜひ敬語をおすすめします。

–文字数を稼げる

断定形に比べて、敬語は文章が長くなりがちです。なかなか最低文字数を埋めることが出来ない人は、敬語を使って文字数のかさましを狙ってみるのも一つの手です。「~です。」「~ます。」をはじめとして、敬語はとにかく文字数が多くなります。「~おります。」「~ございます。」など、もっと文字数が多くなる表現もたくさん存在します。

あと数文字で文字数に達するのに、なかなか文章が思いつかない!という時も、敬語なら心配いりません。自然に文字数を増やして、違和感なくエントリーシートのボリュームを倍増させましょう。

–悪目立ちしない

一般的にエントリーシートの文章表現は、敬語が多いようです。断定形を使う就活生もいますが、やっぱり敬語の方が親しみがあるようです。よって、他の就活生の中で悪目立ちしないということです。

就活は目立ったもの勝ちだと言いますが、それは「良い目立ち方」の場合です。悪目立ちしても、選考中の高評価には繋がりません。自分の魅力を正しいタイミングで伝えるためにも、悪目立ちしない敬語表現を選ぶことは、それだけで価値があるのです。

・エントリーシートを敬語で書いた時のデメリット

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それではここからは、敬語を選択した時の悪い部分です。敬語の悪い部分も知っておけば、これから多角的な視点でエントリーシートを執筆出来ますよね!

–硬くなりすぎる

敬語を使い過ぎると、どうしても文章が硬くなってしまいます。相手への敬意を示すということは、相手との距離を遠ざけるということですから、当然のことではあります。

ガチガチに固めた文章も悪くありませんが、就活の選考では、「リラックスすること」も大事。自分の魅力を過不足なく伝えるには、過剰に硬くなってしまうことは避けたいところです。「やりすぎかな?」というレベルを見極めて、ほどよい敬語の使い方を学ぶことが求められます。

–文字数が多くなる

文字数が稼げるということは、逆に言えば文字数が必要以上に多くなってしまうということです。文字数制限が少なめのエントリーシートだと、そのぶん自己アピールができなくなってしまう恐れがあります。せっかくなら、使えるスペースは全部使って自分の魅力を伝えたいですよね。

丁寧さをアピールできる敬語だからこそ、文章が冗長になり長文化してしまうデメリットを理解しないと、いざという時に損をしてしまうということです。

–敬語表現を間違えた時の印象が悪い

みなさんご存知の通り、敬語はとにかく難しいです。「~です。」「~ます。」の丁寧語だけならカンタンですが、表現の形式が完全に変化する尊敬語や謙譲語になると、その形式を新たに覚え直さなければなりません。

だからこそ、間違った敬語表現を使ってしまう場合もあります。印象アップを狙って敬語を使ったのに、そのせいで印象が悪くなってしまったら…元も子もありませんよね。やるなら完璧な敬語を使わなければならない、というプレッシャーもデメリットの一つに数えられるでしょう。

–曖昧な印象になる

「~だ!」「~である。」と自分の意見を強くアピールできる断定形と比べると、敬語はやや曖昧な印象を受けます。優柔不断さが垣間見えますし、自己主張力があまりない人材だと認識されるかもしれません。

わかりやすいように、実際に比較してみましょう。

・私は、部活で培った忍耐力を、御社で活かしたいと考えている。

・私は、部活で培った忍耐力を、御社で活かしていきたいと考えております。

前者の断定形の方が、より忍耐力がある人材に見えてきませんか?後者の敬語は丁寧ですが、「本当にそうなの?」と疑ってしまいます。

–読みにくくなる

敬語は使う文字数が多いため、必然的に文章が長くなります。そして、結果的に読みにくさが増してしまいます。同じような文末表現や口調が多いので、ずっと読んでいると何が言いたいのか分からなくなってしまう恐れがあるのです。

それを防ぐために一番大事なのは、文章の中身を充実させるということです。読みにくいと感じさせてしまうのは、肝心のエントリーシートの中身が薄いから。しっかり中身があれば、少し冗長な文章でも問題なく読み進めることができます。

・エントリーシートの敬語で使いやすい敬語表現

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ここからは、エントリーシートで使いやすい敬語表現を5つ集めたのでご紹介します。敬語の使い方に自信がない人も、これを付けるだけで見栄えの良いエントリーシートが書けるようになるはずです。

–~です、~ます

これはテッパンですが、文末を「~です」「~ます」に変えるだけで敬語になります。うまい使い方が分からなくても、とりあえず丁寧語だけでもマスターしておけば安心です。ただ文末表現を変えればいいだけなので、敬語の表記ミスを心配する必要もありません。

いまさら?と思うかもしれませんが、エントリーシートは基本のキから敬語を振り返ってみることが大事です。小学校ではじめて敬語を学んだ時を思い出して、一から基本的な敬語の使い方を覚え直しましょう。

–いただく

「いただく」は、非常に使い道が豊富な敬語です。分類としては、尊敬語に当たります。もちろんそのまま「◯◯先生から本をいただく」と「物品などをもらう」意味でも使えますが、他の用法もあります。

たとえば、「◯◯先生から演奏方法を教えていただく」。動詞にくっつけるだけで、相手への敬意を示すことができます。学校や課外活動でお世話になった人のエピソードなどで使えます。難しい尊敬語を覚えるのが億劫なら、ひとまずこれを動詞につけましょう。

–いたす

「いたす」は、自分をへりくだって表現することで相手への敬意を示す、謙譲語のひとつです。「する」が謙譲語になった形です。志望動機やこれからの目標で自分が取り組んでいきたい内容を話す時に使うことをおすすめします。

具体的に言うと、「入社後は、御社で語学力を生かしながら目の前の仕事に尽力いたします。」や「御社の魅力がさらに世の中に広がるように、営業職を希望いたします。」などが挙げられるでしょう。自分の行為を敬語で表現したい時に役立つ言葉なので、覚えておきましょう。

–うかがう

「うかがう」は謙譲語の一種です。「行く」が謙譲語になった形です。日常生活ではあまり使わない人の方が多いと思いますが、実は意外と使える敬語の一つなのです。「以前耳にした情報を紹介する」という場面で、特に役に立ちます。

たとえば、「説明会で御社はこれから◯◯に力を入れていくとうかがったため、私の語学力を生かして業績に貢献していきたいと考えています。」など。「~とお聞きしたので…」でも問題はありませんが、「うかがう」の方がより丁寧さを出すことができます。

ただしここで気を付けなければならないのは、「うかがわせていただく」「おうかがいした」はマナー違反だということ。これらはすべて二重敬語のため、エントリーシートにふさわしくありません。「うかがう」だけで十分敬語の役割を果たしているので、余計なものは足さなくて大丈夫です。

–される

「される」は、「する」の尊敬語です。「いただく」と同じように、先生や先輩、親など目上の人のエピソードを紹介する時に使ってください。また、企業について述べる時にも使えます。

具体的に言うと、「御社が数十年継続されている◯◯というスローガンに感銘を受けて、入社意欲が増しました」など。「いただく」とセットで使い方を覚えておくと、間違った敬語を使わずに済みます。頻出する尊敬語と謙譲語を覚えておけば、もう怖いものはありませんよ!

・エントリーシートの敬語Q&A

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それでは最後に、エントリーシートの敬語に関する質問とその答えをまとめてみました。これでどんな人も、敬語マスターになれるはずです!

–正しい使い方ができているか不安

何回敬語の使い方を勉強しても、「この使い方で本当に合っているのだろうか?」と心配になるのは当然のことです。そんな時に役立つのが、キャリアセンターです。キャリアセンターの職員さんにエントリーシートを添削してもらえば、不適切な敬語表現を指摘してもらえます。

それと同時にエントリーシートそのもののアドバイスもしてもらえるので、一石二鳥ですよね。自分一人で悩んでも仕方がないので、第三者に見てもらうのが一番効果的な方法です。

–もし変な敬語を使ったら不合格になる?

しっかり添削&アドバイスしてもらえればそんな心配はいりませんが、不適切な敬語を使ったとしても即座に不採用になることはありません。「あまり文章が得意な子ではないんだな」「あまり丁寧さがないな」と思われて印象が下がる恐れはありますが、不採用の理由になることはないでしょう。

とはいっても印象アップできるところは全部アップしておいた方がいいので、完璧な敬語が使えるようにしっかり努力してくださいね。

–企業によって敬語か断定形を使い分けてもOK?

これはもちろんOKです。先輩たちの過去のエントリーシートを見て、どちらかに比重が置かれているならそれを参考にするのもアリです。採用担当者の好みが関係している場合もありますし、使い分けられるならどんどん企業の好みを意識して選別してみてください。

使い分けたからと言って内定ゲット率が高くなるわけではありませんが、心の余裕にはつながります。緊張感も、少しは減らせるかもしれません。企業研究の一種として、取り組んでみましょう!

–敬語を使わない方がいい場合ってある?

これは、「自己主張力を求めている企業」を受ける場合です。主に若いベンチャー企業に多いのですが、自分からどんどん行動するようなアグレッシブな人材を求めている企業には、エントリーシートの文章も敬語より断定形を選ぶ方がいいでしょう。

この場合も断定形を使ったからといって、内定確実になるわけではありませんが、何もしないよりはましです。企業へのモチベーションを上げるためにも、小さな工夫を加えてみるのをおすすめしますよ。

–敬語と断定形を混ぜて使うのはダメ?

これはダメです。敬語を使うなら全部敬語を、断定形なら全部断定形を使ってください。もしも表現をごちゃまぜにしてしまったら、読むのがとても大変です。

考えてみてください。「私は、御社の説明会に参加して感銘を受けた。自社の技術で世界をより良くしようという心意気は、非常に魅力的です。私は御社の社員として、責任を持って自社の技術を世界に広げていきたいと考えている。」ごちゃ混ぜになった文章は、想像以上に読みづらいのです。採用担当者の気持ちを考えて、読みやすさを意識したエントリーシートを書けるようになりましょう。

・おわりに

さて、いかがだったでしょうか。エントリーシートの敬語は、誰もが頭を悩ませる難関ポイントです。敬語と聞くと一瞬怯んでしまうかもしれませんが、しっかり大事な部分を理解できたらなにも問題ありません。

今回ご紹介した情報を全部消化できれば、どんな人でも敬語を完璧に使いこなしたパーフェクトなエントリーシートを書けるようになるはずです。第一志望の企業からスムーズに内定をもらうために、ひとつひとつ確実に難関ポイントを倒していってくださいね!応援しています。

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