「自己PR」で「忍耐力」のある学生には朗報です。厚生労働省の調査によれば、新卒の3年離職率は、概ね3割で推移しています。産業によってバラツキはありますが、全体ではこのような結果です。新入社員の3割が3年後には、会社を去っている事実があります。企業は一旦、採用した学生を育てて利益に貢献してもらいはずです。たった3年で辞められては困ることでしょう。企業は粘り強く働く忍耐力のある学生が欲しいと思っているはずです。

働くとは、あなたが労働力を提供して、その対価が支払われるということです。多かれ少なかれ、社会では理不尽なことや思い通りにいかないことがあります。そんなときに、「忍耐力」があれば、乗り越えられるかもしれません。企業はあなたに期待することでしょう。今、企業が求めている人材のタイプとしては、「忍耐力」は武器になるかもしれません。

そもそも「忍耐力」とは何か?

「忍耐力」は「自己PR」でも武器になります。

企業の中でも、世代間ギャップがあります。「今日の常識は明日の非常識」かもしれません。たとえば、スポーツの世界では、昔は「うさぎ跳びは筋力を鍛える」や「水分補給は根性なし」などが流布されていました。今ではどうでしょう。スポーツの世界でそんなことをさせる指導者はいません。まさに「今日の常識は明日の非常識」です。

つまり、育った世代によって、考え方は違って当然です。「ゆとり世代」も別にそのときの教育がそうであっただけで、当該学生に非はありません。そのような社会で育っているだけの話です。しかしながら、ステレオタイプの上司や同僚であれば、「今の若者は」となってしまいます。そこを逆手にとって、「忍耐力」が「自己PR」であれば、人事採用担当者の期待値は上がるかもしれません

「忍耐力」とは、忍び耐える力、「我慢強い」とか「粘り強い」とも言い換えることができます。ただし、厳密には「根気」はずっと続けていく力に重点が置かれていますが、「忍耐力」は、耐える、我慢することに重点が置かれています。耐えるや我慢が前面に出てしまうと、受け身の感じが強いようです。一昔前の日本の社会のようです。表現の工夫をしておいた方が無難です。言葉は便利だからこそ、人を翻弄します。マイナスにならない自分なりの表現に変換すると良いでしょう。

1「忍耐力」はなぜ評価されるのか?

冒頭で見てきたとおり、「忍耐力」はストレスに強く、簡単に離職しないイメージを抱かせます。「忍耐力」は離職防止という側面もありますが、それ以外にも評価ポイントはあります。「忍耐力」があるということは、粘り強く頑張れるわけです。つまり、求める人材像が「逆境に強い」「困難に負けない」「根性がある」などであれば、どうでしょう?おそらく、その学生に興味を抱きます。入社後から長期に渡って活躍するイメージを持たせることができれば、評価ポイントは高くなるでしょう。

2「忍耐力」を自己PRへ

「忍耐力」の定義を理解したところで、次は「自己PR」へと展開させなければなりません。「自己PR」では、あなた自身のことをアピールする場ですから、ただ単に我慢強いというだけでは、マイナスに作用することもあります。なぜならば、仕事では、物事をはっきり伝えなければならない場面も多いからです。耐え忍ぶだけでは、やり過ごせないこともあります。

「忍耐力」を「自己PR」へと導くためには、耐え忍んだ先に、壁を乗り越えたり、困難を打破した力を伝える必要性があります

自己PRを伝える際のポイントについては以下の記事で詳しくご紹介しています。こちらの記事も参考にしてみてください。

失敗しない「忍耐力」を「自己PR」として伝えるコツ

「忍耐力」という骨組をどう構造化して、相手に伝えるかが肝心です。今は真っ白なキャンバスと同じ状態です。このキャンバスにあなたの「忍耐力」をどのような下書きをして、デザインしていくかが重要になってきます。ここでは、失敗しない絵を描くために、「自己PR」のテーマを「忍耐力」にした場合の構造を確認していきます。以下は、構造化における主要な要素5点です。参考にしてください。

1結論

就活では、もはやお決まりです。結論をまず提示します。スピーチなどでは、冒頭(オープニング)から主要部(本論)、結論という構造をもちます。一方、就活の場面では、結論ありきで考えましょう。面接でも結論を提示することは大切です。

2言葉の言い換え(キャッチフレーズ、キーフレーズも有効)

この点は「忍耐力」を「自己PR」にする場合には、特に注意しても良いかもしれません。「私は忍耐力には自信があります」と書いてはいけないというルールはありませんが、言葉のイメージとしては、どこか精神論的な気がします。精神論が悪いわけではありませんが、予防線を張る意味でも、言い換えた方が無難でしょう。

3「忍耐力」を発揮した経験

就活では、根拠が必ず必要になります。ここは、一番外してはならないポイントです。「忍耐力」ということなので、「どのように大変だったのか」を具体的にエピソードを交えて説明しましょう。くわえて、「忍耐力」を発揮して「どのように乗り越えた」かも書きましょう。さらに、企業との関連性も意識しながら、話を展開できれば、力強いアピールにつながります。

4結果、得たもの、学びなど

「忍耐力」を発揮して、困難を乗り越えた結果、何を得たのか?何を学んだかも大切なポイントです。過程が重要ですが、結果からの学びも欠かせません。

就活では、定番ですが、失敗から得たことを重視します。学生の成長を知りたいからです。その意味においても、失敗からの工夫、克服、結果を絡めるとなお良いでしょう。

5仕事への活かし方

最後に「忍耐力」やエピソードからの学びを、どのように仕事に活かせるか、につなげられるとなお良いでしょう。文字数の制限などにより、書ききれない場合もありますが、どこかでは求められます。どこでも通用する文章ではなく、できれば、その企業と関連させながら、仕事に活かせるような書き方を目指しましょう。早晩、「なぜこの企業ではなければいけない理由」は必要になってきます。

「忍耐力」を「自己PR」にする際の注意点

「忍耐力」を主題に「自己PR」を作成する際に、勘違いしないよう注意しなければならない点があります。以下は陥りやすい注意点です。「自己PR」で「忍耐力」を武器にする場合は、下記の点を意識しながら作成しましょう。

1我慢した期間が重要ではない

就活では、「数字で示せ」と言われます。数字は客観性がありますので、よく言われることです。それはそうですが、「忍耐力」の場合は、耐えた期間や我慢した期間が重要な訳ではありません言うまでもなく、採用を判断する場所ですから、「忍耐力」を起点にあなたの人柄を知りたいだけです。そこから、どのように頑張り、なぜ耐え忍び、その結果どのような人間性かを探ります。

2逆効果にならないために

前述したように「忍耐力」を「自己PR」にすると、マイナスに捉えかねません。2-②で言葉の言い換えについて説明しましたが、逆効果にならないために下記の言い換え表を参考にしてください。最終的には、あなたの根拠となるエピソードにしっくりくる表現を用いましょう

  • 諦めずに結果が出るまで取り組む
  • 粘り強く取り組む
  • しぶとく根気強く取り組む
  • 耐久力があり諦めない
  • 最後までやり抜く
  • 辛抱強く頑張れる
  • 我慢強く継続して取り組む
  • 逆境にも耐えて困難に屈しない

自己PR「忍耐力」を例文からイメージする

アルバイト編

「私の武器は最後まで粘り強く取り組めることです。ファーストフード店でアルバイトをしております。3年間続けていますが、途中辞めようと思ったことは何度もあります。しかし、そのたびに高校時代の吹奏楽部での経験が私を鼓舞します。吹奏楽部は体育会のような厳しい環境でした。そこで私はパートリーダーを担っていました。同期や後輩には、真面目に練習に出席するタイプもいれば、不真面目でやる気のない生徒もしました。私は練習に積極的ではない生徒にヒアリングを行いました。すると、意外なことが判明したのです。一見すると、やる気のない生徒も実はちょっとしたきっかけでつまづいているだけだったりします。根気よく一人一人と向き合って、個人が抱えている悩みを洗い出しました。徐々にそういった生徒も課題が解決することで、積極性を持ち始めました。粘り強く取り組んだ成果です。アルバイトでは、4年間やり抜くことを目標にしていました。悩みはすぐに相談して、報告連絡を徹底することで、最後まで続けることができました。目標を持って、取り組むことは、それを乗り越える糧になります。そのことをアルバイトでは学びました。貴社では、目に見えない商品を提供するため、最初は大変だと思っております。しかし、決して結果が出るまで諦めません。」(541文字)

部活・サークル編

「私は最後までやり抜く力があります。辛くても一歩一歩着実に前に進み、目標を達成してきました。親の勧めで剣道を小学生の頃から続けています。中学・高校までは部活動でした。大学では、剣道サークルに所属しています。剣道部がなかったので、サークルを選びました。当初は、サークルの生温い練習に中学高校とのギャップに悩みました。部活とサークルなので、練習内容や参加者のモチベーションは全く異なります。中には初心者のような学生もいます。そこで腐らずに、練習に精進するにはどうすればいいのか考えました。私は近くの警察署で剣道の稽古をしている情報を得ました。そこで、さっそく入会して練習に励みました。一方、サークルでは、今までの実績を買われて、初心者を教える立場を任されています。真剣に剣道に取り組める場所と初心者のためにサークルに貢献できる場所ができ、学生生活に張りが生まれました。最初は、嫌だったサークルも頼られる喜びを知ることができました。また、教えることの難しさも知りました。相手によって工夫しなければ、なかなか先には進みません。タイプが違うからです。強く言う場面と少し押さえて指導する場面があるという緩急が身に付けられました。貴社では、若いうちから責任のある立場を任されると聞いております。剣道で培った辛抱強さを活かして仕事を行っていきたいです。」(567字)

ゼミ編

「私の強みは辛抱強く頑張れるところです。大学では、認知心理学のゼミに所属しています。3年生からは卒論に向けて、質的調査を量的調査を行わなければなりません。質的調査では、アンケート用紙を作成して、対象者に配布して答えてもらいます。私は4人のグループでアンケートを作成しました。アンケートを設計する際には、指導教員のアドバイスもありますが、自分たちで考えなければならないことがほとんどです。役割分担を明確にして、アンケートは完成しましたが、実際に配布してみると、答えてくれる対象者集めに苦労しました。質的調査では、さらに苦労しました。インタビューをしなければならないからです。忙しい中で、協力してくれる方を探すのに苦労しました。アンケートでは、回答者に時間を取らせない方法を考えて、再度設計しなおし、インタビュー項目も精査しました。辛抱強く、精度の高い内容のものが完成し、あとは、協力者を足で稼ぎました。母数を増やすには、根気よく協力者を探すしかありません。試行錯誤したアンケート内容やインタビュー項目の成果もあり、調査は無事に完了しました。あとは、卒論を仕上げる段階です。ゼミでは諦めずに、課題を発見して粘り強く取り組むことを学びました。貴社では、課題発見能力が求められるとお聞きしています。大学のゼミで培った力を活かして貴社に貢献していきたいです。」(573字)

【例文からイメージ】「自己PR」で「忍耐力」を伝えたいあなたへのまとめ

「ストレス耐性」「ストレスコントロール力」は社会で求められる力です。それには「忍耐力」が欠かせません。学生時代までと異なり、社会人となり企業で働くとなれば、様々なタイプの人間と付き合っていくことになります。そこには根気や忍耐が必要になってくる場面もあるでしょう。仕事をする上では、「ストレス耐性」があるかないかは重要です。その「ストレス耐性」を支えるのが「忍耐力」に他なりません。

「自己PR」であなたの「忍耐力」をアピールするために、理解して効率よく伝える工夫をしてください。「忍耐力」は泥臭く聞こえるかもしれませんが、今話題の人工知能にはない人間の特性です「千日の稽古をもって鍛となし、万日の稽古をもって錬となす」宮本武蔵も、努力で結果を出すためには、「忍耐力」を持って続けることだと説いています。

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