就活活動の面接では、相反する質問もされます。たとえば、「長所」と「短所」。これはわかりやすい正反対の言葉です。「自己PR」を聞いて、そのあとに続けて「短所」を問う場面もあります。しかし、慌てる必要は全くありません。こちらも正反対のことを聞いています。「自己PR」は自分のアピールする点、それに対して「短所」、やはり正反対ですが、冷静に対処すればよいのです。
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1.「自己PR」と「長所」の違いを理解して「短所」を考え、面接で答える
「自己PR」「長所」「短所」はそれぞれ就職活動では、鉄板の質問です。まずは、これらを整理しておきましょう。特に「自己PR」と「長所」は微妙に異なります。「短所」の意味は間違えようがありませんが、しばしば「自己PR」や「長所」と対で聞かれることもあります。面接では、「自己PR」と「長所」の違いを理解して「短所」を考えましょう。言葉の整理をして、面接官の質問の意図を汲み、適切な回答を心がけてください。
①「自己PR」とは何か?
「自己PR」は相手、つまり企業を意識したアピールにつなげていく必要性があります。企業にはそれぞれ、業界のカラー、仕事や職種に求める人材や適性があります。もちろん、企業におもねる必要はありません。自己理解を進めた結果、あなたの引き出しにマッチする結合点があれば、その引き出しを開けましょう。企業はあなたの特性と自社のマッチングを意識しています。
②「長所」とは何か?
「長所」は企業のことは関係ありません。あなたの性格や気質などの優れた部分です。純粋にあなたの良いところです。特に気質は「生まれ持ったもの」ですから、変えようがありません。ただし、人事採用担当者や面接官、つまり他人は見た目であなたの「長所」はわかりません。必ず、裏付ける根拠を示す必要があります。
③「短所」とは何か?
「短所」は当たり前ですが、「長所」の反対です。つまり、あなたの性格や気質などの劣った部分です。純粋にあなたの悪いところです。言葉で表現すると、少し重たいですね。言い換えると、欠点やウィークポイントくらいが、柔らかい表現になります。就職活動で答える「短所」ですから、改善のための努力ができるものや、工夫することで乗り越えられる可能性があるものがベターです。
2.面接で答える「自己PR」と「短所」のポイント
①面接での「自己PR」のポイント
面接では、アピールの場だと思って話過ぎる学生が必ずいます。アウトプットが得意な学生ほどその傾向が強くなります。話過ぎには注意しましょう。人事採用担当者や面接官はあなた以外とも面接をたくさんします。一人よがりの「自己PR」になることは避けたいところです。以下、ポイントを3点あげました。
- 指定がない限り1分以上話さない
面接官が指定しない限り、1分以内で話してください。これは自分が面接官になれば、すぐにわかります。冗長は絶対に避けましょう。最近、ビジネス書のベストセラーで「1分で話せ」という本があります。気になる方は、是非読んでみてください。
- 話の組み立てに注意する
自分が何を話しているかわからないということは、面接官はなおさらわかりません。話す内容は事前に組み立てておきます。もちろん、丸暗記はする必要ありません。しかしながら、準備もなく、自己理解も進めず丸腰で挑むのはいただけません。これは、就職活動に限ったことでもありません。
- 結論から具体的な話へ
話の着地点、この場合は「自己PR」ですから、企業にアピールすべき結論を真っ先に明らかにします。着地点がはっきりしていれば、まず迷走することはありません。結論を話して、根拠となるエピソードを話しましょう。時間的に余裕があれば、学びや得たことも盛り込みましょう。話が長くなれば、最後の部分は削ってもかまいません。なぜならば、興味があれば、面接官から絶対聞いてくるからです。
【自己PR例文】
「(結論)私の自己PRは客観性を担保して、冷静な判断を下せることです。(根拠)小学校から15年以上、野球を続けています。身体は大きくありませんが、小中学校時代は、守備やバントなどの小技が得意でした。試合では主に2番ショートでチームに貢献してきました。しかし、高校からは、部員が増えて、スポーツ推薦で強豪チームからの選手が半数を占めました。途中で退部も頭を過りました。そんなとき、監督からの一言が、今の自分を形成しています。『マネージャー任せたい』その言葉に私は悲観しません。むしろ、渡りに船でした。選手としては限界を感じていたからです。マネージャーとして、野球を客観的に見ることを学びました。相手チームのクセや選手のときには気づかなかった視点も身に付きました。大学では野球サークルで、監督の役目も任され、常に冷静な采配で試合や選手起用を心がけられています。」
②面接での「短所」のポイント
企業は何もあなたの「短所」、欠点を責めたいわけではありません。人間には大なり小なり、誰にでも「短所」があるからです。人事採用担当者や面接官は、あなたが「短所」をどのように認識しているかを知りたいのです。「自己PR」と「長所」について理解が進んだと思います。最後にここでは、「短所」のポイントを4つあげました。
- 「短所」に対しての「客観的な判断」
自己理解、自己分析が出来ているか知りたいところです。
- 「短所との向き合い方」
短所をどのように認識しているのか知りたいところです。
- 「克服に向けた努力」
「短所」をそのまま、「短所」として放置してないか知りたいところです。成長意欲が測れます。
- 「致命的な短所」ではないか
仕事に支障がある「短所」は避けましょう。遅刻魔、約束が守れない、また言葉選びも重要です。同じことを示していても、言葉一つでイメージが異なります。注意してください。
【短所の例文】
「(結論)私の短所は、計画性が乏しいことです。性格的に思い立ったら、すぐに行動に移してしまいます。(根拠)大学のゼミの討論会では、リーダーに立候補して、決勝大会まで進みました。しかしながら、私の行動力が裏目に出て、最終的に敗退しました。リーダーに立候補して、チームを鼓舞して、牽引してきたものの、計画性に難があったことは否めません。メンバーは10名おり、役割分担は行いましたが、計画性の詰めが甘かったと思っています。本番までの期限と準備の配分を見誤りました。本番を想定した練習不足が敗因です。行動力も大切ですが、計画性をもって、プロジェクトを遂行する俯瞰力を鍛えたいと思っています。現在は、後輩が増えてきたので、ノートに個々の状況を分析して、計画がスムーズになる努力をしています。逆算して物事を考えることを意識しています。」
【NGな短所の回答例】
「私の自己PRは~です。一方、短所はありません。」
短所のない人間はいません。もし自分には見当たらないと思う学生は、自己理解を進めたり、他人にあなたの欠点をしてきもらいましょう。
のまとめ
就職活動の面接では、「自己PR」と「短所」はまず聞かれる質問だと思っておいた方がよいでしょう。企業は「自己PR」ではあなたのアピールポイントと企業のマッチング、つまり貢献できる人材かを見極めます。一方、「短所」では、あなた自身が自分としっかり向き合っているか、さらにマイナス面をいかに克服する姿勢や態度を知りたいのです。克服まではしていなくてかまいません。克服していれば、それはもはや「短所」ではないからです。
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