就活の要である自己PRの例文があったら参考にできるのに、と悩んでいる就活生に朗報です。
ESや面接で必ず聞かせる質問。「あなたの強みはなんですか?」みなさんはこの質問にどのように答えているでしょうか。その場で考えてなんとなく答える人もたくさんいるのではないでしょうか?
また、すでに面接を経験した人の中には、今の自己PRでいいのかと不安に感じている人もいるでしょう。
この記事では、自己PRのポイントと例文をご紹介します。ぜひ履歴書を書くときや、面接を受けるときの参考にしてみてください。
履歴書の自己PRの書き方とポイント
例文をご紹介する前に、自己PRのポイントをご説明します。
同じ内容を伝える場合でも、構成がめちゃくちゃだったり、他の人との差別化がうまくできていないと高く評価してもらえません。せっかく考えた文章を、伝え方一つで台無しにしてしまってはもったいないですよね。ポイントを抑えて、自分を最大限アピールできる文章をつくりましょう。
①結論から伝える
自己PRを聞かれたときは、一言目で「私は〇〇な人間です」と結論から伝えましょう。
エピソードや具体例から伝える人がいますが、相手が聞いていることはPRポイントです。最初にエピソードから伝えてしまうと「結局何がいいたいの?」と相手を困らせ、最悪の場合「質問されていることがわからない人」と判断されてしまいます。伝え方によって評価を下げないためにも、「まずは結論、それから裏付けとなるエピソード」という順番を意識して伝えましょう。
②構成を意識して
自己PRをするときは伝え方を意識しましょう。同じ内容でも、伝え方によって相手の理解度がぐんと変わります。
一般的な自己PRの構成はこちらです。
②その裏付けとなるエピソード
- 課題はなんだったのか
- そこで自分はどう考え、何をしたのか
- その結果、何がどう変わったのか
③エピソードは具体的に!
構成(2)で書くエピソードですが、具体的であればあるほど良いです。
例えば、次の文章を見てみましょう。
私には責任感があります。それを発揮したのは、大学でテニスサークルの部長に選ばれたときです。「部長に選ばれたから…」と、チームを引っ張ったり、メンバーとのコミュニケーションを今まで以上に活発に行ないました。貴社に入社しても、この責任感を持って様々なプロジェクトに携わっていきたいと考えます。
あなたはこの文章を読んで、この人のことをどう思ったでしょう?
確かに部長に選ばれたことは評価すべき点ですが、部長に選ばれて具体的に何をやったのかがわかりません。また、結果が書いていないことも残念なポイントです。
しかし、こうしてみるとどうでしょう。
私には自分の仕事を最後まで全うする力があります。それを発揮したのは、大学でテニスサークルの部長に選ばれたときです。
サークルでは、惰性的な練習と、メンバー間のコミュニケーション不足が問題となっており、大会では3年連続圏外となっていました。私は、部長に選ばれた責任から、目標を「次の大会でベスト8に入賞すること」と決め、そのために練習内容の見直しと、コミュニケーションの促進を測りました。具体的には、チーム全体で弱いところと強いところを認識する時間を取り、弱いと感じている部分に練習の8割の時間を割くように変更しました。また、メンバー間のコミュニケーション促進のためには、毎回の練習後にみんなで一人一人にフィードバックする時間を儲けることで、チームメンバー全員が全員と話す機会をつくりました。結果として、半年間の練習を通して、目標であるベスト8に入賞することができ、チーム全員で達成感を味わうことができました。
貴社に入社しても、自分の仕事に対して責任感を持ち、自分から率先して問題に取り組んでいこうと考えています。
- 課題は何だったのか
- それに対して何をしたのか
- その結果どうなったのか
というエピソードがはっきりわかる文章になりました。
エピソードが具体的だと、その人の人物像がイメージしやすく、入社後の活躍も想像することができます。数字などのデータを用いて、なるべく具体的に表現しましょう。
自己アピールを聞くのは企業の人事です。初めて会う人にも、しっかりと伝えたいことが伝わる文章を心がけましょう。
【例文とポイント①】論理的の自己PR
私の強みは、論理的に行動できる力です。
私は大学3年次に人材系の会社でインターンをしていました。マーケティングの部署で、オフラインイベントを企画するチームに所属していました。
月に2回、30人くらいの学生を集めてイベントを行なっていたのですが、毎回応募人数が10人程度で、実際の参加者は5,6人でした。これは、毎回同じような内容のイベントを開催し、イベントごとに振り返りを行なっていないことが問題であると私は考えました。そのため、上司にお願いしてイベント参加者のデータを見せてもらい属性を分析したり、毎回のイベント後にアンケートを実施したりしました。3回ほどイベントを開催すると、ある程度イベントに参加する人のニーズが把握できたので、それ以降のイベントはそのニーズにあった内容で開催しました。結果として、改善後10回目に行なったイベントでは募集枠40人のところ、55人の申し込みがあり、当日は40席満席の状態になりました。この経験から、数字をもとに論理的に考えることの重要性を学びました。
貴社に入社しても、一つ一つの数字を大事にし、数字から論理的に次の施策を考えて貢献したいと考えています。
ポイントは「具体的」に説明すること
「論理的」であることの裏付けとして、たくさん数字を用いて具体的に説明しているところがグッドポイントです。
また、インターンで結果を出したという事実も評価できるでしょう。インターンでは、実際に社会人に混じって日々のタスクをこなします。つまり、最も社会人に近い経験だと言えるでしょう。そのため、インターンでどのように行動したかは、企業に入ったらどのように行動するかを最もイメージさせるエピソードです。インターンで結果を出せている場合、「この人は入社しても結果を出せる人だろう」と思ってもらいやすくなるのです。
しかし、最近ではインターン経験がある学生が多くなってきていますから、ただ「インターンをやっていました」だけではなく、実際に結果を出したエピソードを伝えるようにしましょう。
【例文とポイント②】責任感の自己PR
私は、妥協せず最後までやり抜くことができます。
その能力を最も発揮したのが、大学で所属していたテニスサークルでの活動です。
私はメンバーに推薦され、3年の春から部長になりました。そのサークルでは過去5年間大会で結果を残すことができずにいましたが、その結果に対して誰も悔しいという表情は見せず、練習内容も全く変わらない状態でした。そこで私が部長に所属してからは、「大会で3位以内に入る」という目標をメンバー全員で確認し、練習内容を全て見直しました。具体的には最も課題となっていた基礎トレーニングの強化を行いました。もともとテニス経験者が多いことから難しいスキルの練習はたくさん取り入れていましたが、基礎トレーニングは蔑ろになりがちでした。そのため本番の試合では、前半ではリードしていても後半で体力がなくなり相手に点を取られることが多かったのです。
練習の内容を見直してからは、基礎トレーニングの時間に練習時間の1/2を割り当て、体力を向上させることを第一優先に行いました。その結果、目標には届きませんでしたが、大会で5年ぶりにベスト4に入賞することができました。
社会人になっても、責任感を持って最後まで自分の役割を全うし、チームに貢献したいと考えています。
ポイントは「過程」を説明すること
ただ「責任感」があるのでは、他の多くの学生の中に埋もれてしまいます。それを防ぐために、この文章では「責任感」ではなく「最後までやり抜く力」と表現しています。最後の文章でしか「責任感」という言葉は使われていませんが、この人は責任感がある人であることが十分伝わる文章になっています。
任せられた仕事を最後まで進める「責任感」は当たり前。どうやって進めたかや、その過程で出くわした困難にどう立ち向かったのかを書くようにしましょう。
【例文とポイント③】協調性の自己PR
私は、チームに必要なことを考え、全体にとって最適な解に向かって行動できる人間です。
その強みを最も発揮したのは、カフェでアルバイトをしていた時です。
1日のうち、朝・昼・夜の3つの時間帯にシフトが別れていたのですが、朝の時間帯より昼、昼の時間帯より夜のシフトの仕事量が多く、閉店してから1時間以上も作業を続けないと仕事が終わらない状態でした。そのため、みんな朝のシフトに入りたがり夜のシフトに人がいないこと、そして夜のシフトに入った人が朝のシフトに入った人をうらやむようになりメンバー間に不破を招いていることが課題でした。この原因は、シフト間でコミュニケーションがうまくとれておらず、朝やったことを昼もやってしまうなど作業の重複があることだと私は考えていました。そのため、私はタスク管理表を作成し、店長にお願いして休憩室に置いてもらうことにしました。そして、シフトに入ったらタスク管理表を見て、終わっていない仕事から取り掛かるようにメンバー全員に呼びかけました。その結果、重複した作業の時間がなくなり、夜のシフトが以前より40分も早く終わるようになりました。また、メンバーの作業の量が平等に近づき、メンバー間の仲が改善されていきました。
貴社に入社しても、チームの状況をよく見て、全体にとって最適な解に向かって行動していきたいと考えています。
ポイントは「働く姿」を説明すること
アピールポイントである「協調性」を、この文章では「チームに必要なことを考え、全体にとって最適な解に向かって行動する」と書いています。
ESや面接で「協調性」をアピールする人は多いため、そのままアピールしても多くの受験者の中に埋もれてしまいます。また、「協調性」と言っても、「周りと軋轢を生じない人」なのか「誰かと誰かをうまくつなげることができる人」なのか「周りの状況を見て自分の役割を考える人」なのかなど、たくさんの解釈ができてしまいます。
その中で自分はどのような協調性を発揮できる人間なのかを明確に表現していきましょう。人によって解釈の仕方が違うものや捉え方がたくさんありそうな表現は避け、自分が伝えたいことと面接官に伝わっていることが出来るだけ近い状態をつくりましょう。
まとめ
自己PRをするときのポイントと例文をご紹介しました。
いざ面接官を前にすると緊張してしまいますので、日頃から、話す時は結論から話すようにしてみたり、構成を意識して話したりするのもおすすめです。
しっかりとポイントを抑えて、最大限自分をアピールしていきましょう。
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