砂浜に打ち上げられた「難民の子供」の写真に駆り立てられ、世界一周に飛び立った天野さん。

しかし、現地のゴミ山でボランティア、バックパックで感じたのは「現地の人は必ずしも不幸ではない」ということでした。

想像していた貧困とは別の現状を目の当たりした天野さんが、それでも国際協力のために成し遂げたいミッションと、豊富な経験を内定に結びつけるコツとは?

自分は「旅、自由、そしてカメラ」

伊藤
丸紅に内定おめでとうございます。早速ですが、天野さんを一言で表すとどうなりますか?

天野
名前の通り「太一」です(笑)

伊藤
なるほど!(笑) どんな意味が込められているんですか?

天野さんが撮影したケニアの写真

▶︎天野さんが撮影した写真(ケニア・キベラスラム)

天野
色んなことに挑戦しながら、太くまっすぐ突き進んでいく、って意味。あとは3文字だから覚えやすい(笑) 親と話してて、「あんたその通りに育ってるじゃない」って言われたんだよね。それがめちゃくちゃ嬉しくて。

伊藤
太く真っ直ぐ!いいですね。色んな要素が合わさって、太くなっているといったイメージですか?

天野
どうでしょう、実際、カメラ、旅、海外、バックパックとか趣味が多くて。

伊藤
本当に多趣味ですね。

天野
見切り発車でとりあえずなんでもやってしまうのが好きなんです。動かないと何もわからないから。

伊藤
見切り発車、共感できます!大学3年間は何をしていたんですか?

天野
3年間はずっと学園祭の実行委員をしていました。装飾チームで看板作りをしていて。あとは広報部でビラの推敲をしたりなんかもしていましたね。
丸紅内定者の天野太一さん

【天野太一】早稲田大学法学部5年・丸紅株式会社内定

ナオトインティライミに憧れて

伊藤
そうなんですね。旅やカメラはいつから好きだったんですか?

天野
3年生の時ナオトインティライミさんの本を読んだことがきっかけでした。

伊藤
それはどんな本なのでしょうか?

天野
彼が一度デビューして、うつ状態になった後に、ワールドツアーという夢を追いかけて世界一周した時の経験が書かれてる本なんです。

伊藤
ナオトインティライミさんにもそんな過去が・・・

天野
彼が音楽やサッカー、現地語を覚えたりノリを合わせたり、ぬるっと現地の人の間に入っていくのがなんとも魅力的で。そんな風になれたら人生めちゃくちゃ充実するなって思って、自分も絶対海外行くって決めて。

伊藤

ナオトインティライミさんに憧れたんですね。

ただの傍観者は嫌だ

天野
あともう1つ、シリア難民のアランくんの写真を見たことも大きかった。トルコの浜辺に打ち上げられているんです。

伊藤
どのような状況でしょうか・・・?

天野
アランくんとその家族はシリア難民で、トルコからギリシャに渡る際に船が難破してしまって。お父さん以外の家族全員が亡くなったんです。

伊藤
それで世界に目が向いたんですか?

天野
写真を見て、社会を切り取って伝えるジャーナリストの仕事の重要性を感じたんです。でもまずは現場行かないと、と思って。カメラマンは目の前の人が倒れてても助けるんじゃなくて写真を撮るのが仕事じゃないですか。でも俺は、そこに手を差し伸べたいって思った。

伊藤
傍観者ではなく助ける側でありたいと思ったんですね。

天野
そうです。それで大学4年生から休学届けを出したんです。それで最初の5ヶ月はフィリピンでボランティアをしていました。それで残りの7ヶ月で世界一周をしました。
天野さんが撮影したフィリピン・バジャウの子供達

▶︎天野さんが撮影したフィリピン・バジャウの子供達の写真

伊藤
これが初めての海外生活ですよね。それが就職に対する向き合い方に繋がっていったんですか?

天野
仕事をどうしようか大学3年生の時に考え始めて、その時にキーになったのが「国際協力」だったんです。

ゴミ山で5ヶ月ボランティア

伊藤
それで海外に飛んだんですね。バックパックの経験を詳しく教えて下さい。

天野
休学して大学3年生の2月に日本を出て5ヶ月間フィリピンでボランティアをしました。

伊藤
どんなボランティアをしたんですか?

天野
フィリピンにはゴミ山がたくさんあるんです。そのゴミを拾って生計を立てる人がたくさんいるんですが、その人たちの支援ですね。

伊藤
ゴミで生計を?

天野
そうです。例えば英語でその人たちに向けて授業をしたり、学生を日本から呼んでスタディーツアーをしたり。

伊藤
色々なことをされたんですね。

天野
後はフェアトレードもしましたね。向こうのゴミで使えそうなものをリサイクルしてカバンやポーチを作って、帰国してからは日本のアースデーで売りました。

伊藤

目の前の人を救いたいという思いが実現されていますね。

ゴミ山でも現地の人は明るかった

伊藤
ボランティアが自分の求めていたものだったんでしょうか?

天野
それは違います。だから結局就活をすることにしたんです。

伊藤
えっ?そうだったんですか?

天野
フィリピン人ってとても前向きで、夢もしっかり持てているし。それで家族のこともとても誇らしく思っているんです。だから日本人が何をできるんだろうって思ったんです。
フィリピンのボランティア中に撮った写真

▶︎ボランティア中に撮った一枚

伊藤
思っていたより元気だったんですか?

天野
考えていたのとは全然違って。もちろん貧しいし支援は必要だけど、日本人として何をやるべきか全くわからなくて。

伊藤
自分に何ができるか考えたんですね。

天野
休学をした時は、単純に最前線で仕事をすることが世界の問題の解決に繋がると思っていました。でも実際に仕事をしてみて、仕組みの方を大きく作った方が自分には合ってるかなと思ったんです。
ヨルダンの子供たち

▶︎ヨルダンの子供たち

就活で考えるべき5つのポイント

伊藤
世界一周やボランティアなどの経験を面接ではどのようにアピールしたんでしょうか。

天野
基本的には「天野太一です。学生時代3年間学園祭実行委員に打ち込んで、休学して1年海外に行ってました。」ぐらいにしか言ってなかったですね。

伊藤
まず軽く触れる程度にアピールをしていたんですね。

天野
話すエピソードが多すぎるんですけど、5つのポイントにそって考えをまとめていました。

伊藤
その5つを教えてください!

5つのポイントと自分の回答

天野

結論から言うと、5つのポイントはこれですね。

就活で考えるべき5つのポイント
①何をしたいのか
②なぜやりたいのか
③なぜこの業界(総合商社)か
④なぜこの会社なのか
⑤自分を採用すべき理由

伊藤
なるほど!それぞれの項目で、天野さんが具体的に話したエピソードも教えていただけますか?

天野
①何をしたいのか
例えば自分だったら、色んな国にあるその地域の課題を、お金が回る仕組みを作って解決したいって言っていましたね。
②なぜやりたいのか
色んな問題を目にしてきたけど手を差し伸べられなかった。だからビジネスという手段が必要だと。
③なぜこの業界(総合商社)か
総合商社はビジネスチャンスに食いついて、事業投資などボランティアではできないスケールでその場に入っていける、自分の持ってる問題意識をもとに行動を起こせる場所だと思いましたと。
④なぜこの会社なのか
丸紅は、会社を自分のビジョン達成の手段と考えている人が多い印象がありました。
⑤自分を採用すべき理由
自分のやりたいことは一緒に、課題解決という夢を叶えることですと。夢を叶える上でいろんな人の夢を聞き取ってコミュニケーション取っていかなきゃいけないから、自分のコミュニケーション能力が活かせると思いますって。

初対面の中国人の方とも一瞬で打ち解け道案内をする天野さん▶︎初対面の中国人の方とも一瞬で打ち解け道案内をする天野さん

伊藤
5つのポイントにスッキリまとまっていて分かりやすい!すごく勉強になります...!

天野
この5つがどの角度からも答えられて且つ全部繋がってると、どこの企業でも納得して面接を受けることができます。

丸紅と自分の未来が重なった

伊藤
上記のような理由で今の内定先を選んだんですね。

天野
自分のやりたい未来に丸紅が合致してると思いましたね。あとは人です。

伊藤
事業内容と人で決めたんですね。

天野
自分が関心のある、例えば農業や電力などの分野に強い丸紅だなと。人は、10人以上丸紅の社員に会って、社員の人が会社を自分の目標の実現のために使っている印象が個人的にあって。

伊藤
人で決めるのは不確定要素すぎて・・・それでもいいんですか?

天野
自分も悩んだけど、職場は自分の生活に密着するから、判断軸に自分の肌感覚を置いてもいいと思いましたね。

伊藤
OBOG訪問を重ねる中で見えてきた社員の人柄がポイントになったんですね。

OBOG訪問は仮説検証の場

伊藤
5大商社の違いを理解するにはOBOG訪問が欠かせないですよね。イマイチ仕方がわからないのですが・・・

天野
まず前提として、そもそも自分が納得した人生を送るためにOBOG訪問が必要なんです。どんな人と働きたいか、どんな仕事をしたいか、どんなインパクトを出したいのか考える上で必要ってことですね。その上で、自分の進みたい選択肢について理解を深めるため、ということでもあります。
丸紅内定者の天野太一さん

伊藤

なるほど!

①自分が納得した人生を送る
②そのために進みたい選択肢について理解する

と言うのがOBOG訪問の目的なんですね。

天野
そうですね。なので、「内定を得るため、会社を自分の言葉で表して面接を有利に進めるため」のものではない、ってことは理解してもらえると嬉しいですね。

伊藤
分かりました。実際にOBOG訪問に行く時、コツのようなものはあるんですか?

天野
OBOG訪問は簡単に言うと「仮説を立てて現場に行って持ち帰って自分の言葉に落とし込む」の繰り返しです。

伊藤
そのステップを詳しく教えて下さい!

天野
流れとしては、まず抽象的に仮説を立てます。ホームページとか就活サイトで企業が押し出してるカラーを自分の言葉じゃなくてもいいからまとめておくんです。
OBOG訪問のコツをまとめてくださる天野さん

▶︎OBOG訪問のコツをまとめてくださる天野さん

伊藤
伊藤忠だったら野武士集団、三方よし、丸紅なら世界のトッププレイヤーとの競争に勝ち抜け、チャレンジャー精神、とかでいいんですか?

天野
そうそう。次に、OBOG訪問をして個別の体験を聞いて、自分の気に入った言葉や、社員の行動をピックアップしてメモします。例えば丸紅ならチャレンジャー精神がどこに現れてるかを質問したりして。

伊藤
具体的にどんな事をメモしていたんでしょうか?

天野
例えば「『会社は自分が生涯かけて成し遂げたいことをするための手段』って言ってる社員がいたり、『2年目からサウジに1ヶ月』『中東の支店を作るときに、1人で土地手配からスタッフ集め、電話を引くところまでやった』社員がいたりした。」という事ですね。

伊藤
まずは大まかな情報のインプット、そして個別の具体的なエピソードを引き出すんですね。

天野
最後に、家帰ってノートを出して、メモした事を抽象的にまとめます。例えば、
先ほど言ったようなことから、「チャレンジャー精神」など自分がイメージした会社と、実際の社員を照らし合わせて、その会社が本当に自分に合うかどうか確かめられるんです。
丸紅内定者の天野太一さん

伊藤
最終的に自分の言葉に落とし込めましたね!!すごいです。

天野
そうすると、これが自分にとっての丸紅らしさになるんです。例えば面接でも、

面接官
あなたにとって、丸紅らしさとは何ですか?

 

就活生
会社を手段にして、自分の意志を持って行動している方々が多いと思いました。

 

面接官
なぜそう思うのですか?

 

就活生
OBOG訪問をしていて、「目標のために、この会社を選んだ」というエピソードを聞きました。またOBOG訪問を通して、学生に何かを得てほしいという姿勢を強く感じました。

天野
というように話せるんですね。

伊藤
なるほど、総合商社の面接で一番難しいと言っても過言ではない質問ですが、それに自分の言葉で答えられるようになるということですね。

天野
そうですね。OBOG訪問の意義はこの仮説検証にあると思います。
OBOG訪問の仮説検証サイクルの図

▶︎調べて仮説を立てる→話を聞きにいく→自分の言葉に置き換える、のサイクルの図

伊藤

自分の言葉で面接でも話せるようになるから、より面接官を納得させられそうですね。

①抽象的に仮説を立てる
②OBOG訪問をして個別の具体的体験を聞く
③メモした具体的体験を抽象的にまとめる
④その会社らしさが見える

伊藤
のステップ、忘れないようにします!

「見切り発車」の行動力が評価された

伊藤
では具体的に、天野さんのどこを評価されて内定になったんでしょうか。

天野
個人的に思うのはガンガンやって行くところかな。心の「自分のコンパス」に沿っていて、かつ「他者貢献」ができるなら見切り発車で動いていくところがあって。

伊藤
「自分のコンパスと他者貢献」に従ってとにかく行動されているんですね。いつもそうなんですか?

天野
たとえば春学期終わってすぐに長野のレタス農家でバイトしてたんだけど、それも一瞬で行くって決めましたね。
丸紅内定者の天野太一さん

伊藤
決断が早いですね!!

天野
あとPeace Field Japanっていうイスラエル・パレスチナの中学生とのワークキャンプや、福島へのスタディーツアー、大隈塾、とりあえず全部やるっていう。

伊藤
やっていることが多いですよね!

天野
とにかく動かないとわからないって思ってるので!

動きながら考えよう

伊藤
見切り発車でどんどん前に進んでいく生き方、とても素敵だと思います。

天野
目的を持ったり、考え込むのは大切だけど実際に動いてやってみないと分からないんです。考えている間に動けている人はどんどん先に行ってるし。考えているだけでは一定以上先には行けないので。

伊藤
いい考えですね。

天野
だからこそ一定以上のラインに達するためには実際に現地に行って経験したり、自分の目で見るということが必要なんです。迷っている間にチャンスは逃げていっちゃうから、逃げる前に掴み取らないと。それで人生は充実しますね。

伊藤
考えている間に周りは動いていますもんね。

天野
自分がいいアイディアだと考えているものは他の1000人も考えている。そして実際にやっている人は3人はいると考えています。だからスピーディーに動かないとそのアイディアは取られてしまう。
ヒマラヤ山脈のカルダン村のファームステイでお世話になったお父さんとの写真

▶︎ヒマラヤ山脈のカルダン村の、ファームステイでお世話になったお父さんと帰り間際に。

伊藤
社会はそのスピード感で動いてますもんね。

就活は迫るものじゃなくて追うもの

伊藤
では最後に後輩に「学生生活をやり残さないために」アドバイスをいただけますか?

天野
就活は迫ってくるものじゃなくて自分から動くものっていう考え方で動いていって欲しいですかね。逆に、なんで自分の人生を左右するのに、適当に就職先を決められるのかな?とも思っていて。

伊藤
なるほど・・・!

天野
自分がやりたいことと、やりたいことのハードルを天秤にかけた時にどっちを選ぶのかっていう話で。嫌だったら就活しなくていいし、大学院でも、旅でも、ゲストハウスをつくってもいい。もしやりたいことを選びたいなら自分から動いてほしいです。

伊藤
ハードルを超えてでもチャレンジすることに意味がありますよね。

天野
ですね。大学1,2年生はどんどん体を動かして、自分が何に楽しさを覚えるのかを考えてほしいですね。
イランの砂漠

▶︎イランの砂漠にて

伊藤
動きながら何が楽しいのか考えるということですよね。天野さん、今日はありがとうございました!
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