エントリーシート(ES)や履歴書の「同上」の正しい用例と注意点

履歴書

エントリーシート(ES)や履歴書を記入する際に、目にする「同上」という文字があります。「同上」とは、読んで字のごとく、「上に同じ」という意味です。同様の意味で使用されるものに「〃」もあります。こちらの方が、学生には馴染みがあるかもしれません。しかしながら、エントリーシート(ES)や履歴書での使用は相応しくありません。ここでは、エントリーシート(ES)や履歴書などの書類上での「同上」の正しい使い方を覚えておきましょう。

1.エントリーシート(ES)や履歴書で「同上」を使う場面

Pexels / Pixabay

エントリーシート(ES)や履歴書では、現住所の下に帰省先を記入させることもあります。大学生ですから、実家暮らしとは限りません。一人暮らしですと、夏休みや冬休みに実家に帰ることも多いのではないでしょうか。そのため、現住所と帰省先住所の欄があります。この場合、現住所が実家であれば、わざわざ同じ住所を書くのは無駄になります。その際に「同上」と記入するのです。その他にも、電話番号やメールアドレスなどもあります。

 

①住所

 

住所などの明らかに同じ内容で、記載事項も長い項目であれば、「同上」を使用するのがベターです。

 

記入例Ⅰ

現住所 〒〇〇〇‐〇〇〇〇

     東京都世田谷区世田谷〇丁目〇番〇号

帰省先住所

     同 上

 

記入例Ⅱ 「※現住所と異なる場合のみ記入」と記載があれば記入しません。

現住所 〒〇〇〇‐〇〇〇〇

     東京都世田谷区世田谷〇丁目〇番〇号

帰省先住所

                       ※現住所と異なる場合のみ記入

 

②電話番号 

 

 最近は、家庭でも固定電話をもたないことも少なくありません。携帯電話だけしか持っていないのであれば、下記のように「同上」を使用してください。ただし、緊急連絡先の場合は、「同上」は避けましょう。自分の携帯電話番号以外で、連絡が取れる電話番号を書いてください。卒業旅行に行っていたため、重要な連絡が届かなかったという笑い話にもならないケースもあります。 

 

電話番号    080‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇
携帯電話番号  同上

 

③メールアドレス

 

 現代社会では、パソコン、スマートフォンなど複数のメールアドレスのアカウントを使用していることも少なくありません。そのため、余程事情がない限りメールアドレスには「同上」と記載しない方が無難です。

2.エントリーシート(ES)や履歴書で「同上」を【避けたい】場面

「同上」は同じことを記入する必要がないので、便利な文字です。しかしながら、住所や電話番号、メールアドレス以外では使用を避けたいところです。特に「学歴」など重要な部分は、省略せずに、正式に書きましょう。附属中学校、附属高等学校、附属大学でも「同上」は使用しないことを意識してください。いくら同じ学校名でも、読み手は手抜きをしていると思います。実際、エントリーシート(ES)や履歴書を何枚も同時に見る場合に、「同上の使い方」や「手抜きに感じてしまう」書類を目にすると、良い印象は受けません。学生側は、知らないだけということでも、読み手にとっては常識であり違和感を抱きます。

もちろん、細かいことを気にしない人事部の人もいます。しかしながら、正式なことを知っていて絶対に損はしません。また、マイナス要素を極力排除するのは、就職活動の鉄則です。

 

①学歴記入例(正)

 

〇〇附属中学校 卒業
〇〇附属高等学校 入学
〇〇附属高等学校 卒業
〇〇大学✖✖学部△△学科 入学
〇〇大学✖✖学部△△学科 卒業見込み

 

②学歴記入例(誤)

 

〇〇附属中学校 卒業
同上 高等学校 入学
同上      卒業
同上 大学✖✖学部△△学科 入学
同上            卒業見込み

 

3.エントリーシート(ES)や履歴書で「同上」における注意点

congerdesign / Pixabay

エントリーシート(ES)や履歴書の書式は企業によって千差万別です。企業側で作成していれば、多種多様のものが存在します。中にはどのように書けばよいかわからない場合もあるかもしれません。ここでは、注意しなければいけない点を確認します。

 

①フリガナは不要

住所の項目にフリガナを記入することもあります。住所には、読み方がいろいろあるからです。「同上」の場合は、「ドウジョウ」とフリガナを書く必要はありません。

 

②「同上」ではなく、「同左」もある

エントリーシート(ES)や履歴書の種類によっては、現住所と帰省欄が上下ではなく、左右になっていることも、たまにあります。その場合は、「同左」と記載すれば問題ありません。ちなみに「同下」は使用しません。読み辛いですよね?同様に「同右」もほとんど使いません。

 

③使用頻度に注意する

何でもかんでも「同上」が使えるからといって、「同上」を乱発するのは見栄えもよくありません。例え、同じ内容でも、同じ内容を書いてもかまいません。(注意書きがあれば、それに従ってください)過ぎたるは猶及ばざるが如しということです。

 

4.エントリーシート(ES)や履歴書で「同上」を使用する際のポイント

TeroVesalainen / Pixabay

最後にエントリーシート(ES)や履歴書で「同上」を使用する際のポイントをまとめました。「同上」は効果的に使用すれば、時間の節約にもなります。正しい使い方のポイントをマスターして、巧みに使い分けてください。

 

①「同上」も元である上記の内容はしっかりと書く

そもそも、上記の内容が間違っていれば、「同上」の内容も違ってきます。前提である、上記の内容を丁寧に書かなければ、「上記の内容」と「同上」の両方の内容が破綻してしまいます。

 

②「〃」をつい使用してしまわない

「同上」と同じ意味として、普段「〃」を使う人はいます。普段使うのはかまいませんが、正式な書類では使用を避けましょう。エントリーシート(ES)や履歴書にも「〃」を書いてくる学生もいます。使用した学生に手抜きの意識がはなかったとしても、読み手はそうは考えません。「手を抜いたな」と思われるのが関の山です。

 

③「同上」は中央か?左端か?

「同上」を書く位置ですが、普通は「枠の左端」に書きます。「〃」は中央に書くことが多いようですが、通常、「同上」は左端です。中には、「中央に書く」と指示しているサイトもありますが、人間の視線は左から右へと流れていきます。左に書くことをオススメします。もっとも、枠内のバランスや見栄えが中央の方がいいのであれば、中央でもかまいません。実際、多くのサイトでは左端を推奨していますが、中央を支持しているものも中にはあります。

結局、情況に合わせた記載ができるかどうかの方が重要なのかもしれません。

 

エントリーシート(ES)や履歴書の「同上」の正しい用例のまとめ

エントリーシート(ES)や履歴書で「同上」を使用せずに書くとどうなるでしょうか?読み手にとっては、簡便な方が良いでしょう。また、注意書きがあれば、それに従えば問題ありません。ただし、仮に全部省略せずに書いてもそれだけで落とされることはまずありません。

あくまでも注意書きがなければ、「同上」は使用したい人が使用すればいいのです。それだけで大きなマイナスになる致命的なものではありません。

「同上」を使うことで、余白が生まれ、見やすいエントリーシート(ES)や履歴書になることもあります。自己PRや志望動機は、しっかり字数を埋めますので、住所くらいは同上で書くと効果的かもしれません。就活生の負担を減らし、かつキレイで読みやすいエントリーシート(ES)や履歴書になれば最高ではないでしょうか。

コメント

Copied title and URL