半導体業界を志望している人は、志望動機に苦しんでいるのではないでしょうか。ニッチな業界ではあありますが人気も特に高いため、適当に書いた志望動機では内定をもぎ取ることは難しいでしょう。何が何でも半導体業界に就職したい人は、志望動機から本気を出して執筆しなければなりません。
ということで今回は、半導体業界の志望動機を書く上で必要なことをまとめてみました。業界に関する基礎知識から具体的な執筆ポイント、お手本例文やダメ例文まで必要なポイントは全部まとめました!これで、どんな就活初心者でも魅力的な志望動機が書けるようになるはずです。ぜひ見てみてくださいね!
・志望動機の前に…半導体産業って、どんな業界?
まずは、半導体業界そのものの情報を見ていきましょう。業界の知識がなければ、どんなに有能な学生でも書類選考を通過することは難しいです。絶対必要な基礎知識ですから、チェック必須です!
–専門性の高い業界
主に半導体は、パソコンなどの電子機器の中に部品として使われている物質です。この半導体の生産・販売を行っているのが半導体業界に属する企業となります。
半導体と言われても、文系や、専門外の理系の人はいまいち意味がよく分からないかもしれませんね。そのとおり、半導体業界は、かなり専門性が高い業界です。でも、そのぶん極めると楽しくて仕方ない業界の一つでもあります。知る人ぞ知るニッチな業界ですが、やりがいがある業界でもあります。
–「半導体」って何?
半導体とは、具体的に言うとゲルマニウムやシリコン、カーボンなどのことを指します。電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間地点にある物質のことを言います。光を当てたり不純物を含ませることによって電気を通しやすくなる(電気抵抗率が変化する)という特徴があるので、それを利用して様々な製品・部品に使用されている物質です。
スマートフォンや家電製品などの電子機器はもちろんのこと、電車の制御やインフラ整備にも使われています。現在の人間の暮らしを司る、とても大切な物質なのです。
–変化が著しい
半導体業界はもちろんのこと、電子部品を扱う業界は基本的に環境が著しく変化していきます。新しい物質が発明されたり、電子機器の技術がどんどん進歩していったり…。一瞬一瞬ごとに変化していく環境にきちんとついていって、新しいアイディアを常に出し続けることが出来る人材を、企業側は求めています。
凝り固まった古い考えでは、最新技術を生み出すことは出来ません。半導体業界は、チャレンジし続けるスキルを持った人間だけが輝ける職場でもあります。
–世界的には拡大している
半導体業界は、世界的に見ると事業範囲をどんどん拡大しています。日本人の生活に欠かせない物質は、世界中の人々の生活にも欠かせない物質だということです。スマートフォンは今現在驚くほどのスピードで普及が進んでいますし、これからも需要はさらに拡大していくことでしょう。
世界的に需要が見込まれている商材を扱うということは、これからのグローバル化が期待できるということです。規模の大きい仕事、世界中の人と繋がれるような仕事がしたいと思っている人にはぜひおすすめしたい業界なのです。
–代表的なメーカーは…
半導体業界の企業は基本的に、メーカーと商社に大きく分かれています。ここでは、代表的なメーカーをいくつか紹介します。まずは、東芝やSONY。半導体業界と聞いて、まず名前が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。大きなブランド力をもってして、世界的に半導体の提供を行っています。
また、一般的に知名度がなくても、業界シェアが高い企業が多く存在するのも半導体業界の特徴です。東京エレクトロン株式会社やローム株式会社は、半導体業界では有名な企業です。技術を持った実力ある企業がたくさん存在するので、一度じっくり業界研究に励んでみるといいでしょう。
・半導体産業の志望動機で大切なポイント
それではここからは、半導体業界の志望動機を書く上で大事にするべきポイントをまとめてみました。志望動機を書き慣れていない人は、ここから学んでいくと書きやすいかもしれません。
–変化に対応できる人材である
先ほども述べた通り、半導体業界はとにかく変化が激しい業界です。その変化に乗りきれないと企業そのものが潰れてしまうほど、厳しい業界でもあります。だからこそ志望動機には、「変化にすぐ対応できます!」「時代の流れをいち早く読んで行動できます!」という自己アピールが必要不可欠です。
企業側としても、より使える人材が欲しいのは当たり前のこと。ライバル企業と張り合えるアピールポイントを増やすためにも、みずみずしくて新しい、時代の変化に対応したアイディアを出せる人材を求めています。
–やる気、ガッツ
入社に対する意欲、熱意、やる気も前面に押し出すべきです。なぜなら、半導体業界のような成長著しい業界は、自分からグイグイ行動していくようなガツガツした貪欲さが必要だからです。また、勤続年数がそこまで長くないことで知られているのもこの業界。なるべく長い期間勤め上げる覚悟を志望動機で表せば、採用担当者にも気持ちが伝わりやすいのではないでしょうか。
部活やサークル、ゼミ、学業などなど…自分が学生時代を通して頑張ったと言える経験を使って、自分の心に宿るやる気を存分にアピールしてください。
–半導体産業を選んだ理由
これは当たり前のことに思えるかもしれませんが、自分が半導体業界を選んだ理由をきちんと説明しなければなりません。ただ電子部品に関わる仕事がしたいだけなら、別に半導体業界じゃなくてもいいはずです。半導体業界じゃなければダメな理由を志望動機の時点で主張しなければ、面接でコテンパンにダメ出しされておしまいです。
どうして半導体業界を選んだのか…実際に自分が興味を持ったきっかけなどを例に出してみて、採用担当者の想像力をかきたてるような文章を書いてみるといいでしょう。
–その中でもこの企業を選んだ理由
半導体業界を選んだ理由はもちろんですが、その業界の中にも数え切れないほどの企業が存在します。どうして自分は、その中からこの企業を選んで入社したいと考えたのか?それも志望動機でしっかり説明してください。
説明会やパンフレットなど、企業を知ったきっかけ・ここで力を試したいと思ったきっかけを例を出しながらわかりやすく説明しましょう。何百人もの志望動機を見ている採用担当者に、「私の熱意は本物です!」と熱く語ってください。
–なるべく具体的に
これはどの業界の志望動機にも言えることですが、志望動機は具体的に書かなければなりません。自分自身に自信がないとあいまいな文章になってしまいがちですが、これだと「適当に書いた志望動機」感が強くなってしまいます。文章を読んだり聞いたりしただけでそのイメージがすぐに頭に浮かんでくるような、わかりやすい説明を心がけましょう。
具体的な書き方が分からないという人は、「5W1H」を意識してみましょう。誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どうやって行ったのか…。これにひとつひとつ答えていくだけで、内容が濃い志望動機が完成します。ぜひやってみてくださいね。
・半導体産業の志望動機お手本例文
それではここからは、半導体業界の志望動機を実際に書いてみましょう。このまま企業に出しても大丈夫なくらい、模範的なお手本例文集をご紹介します。書き方が分からなくても、これを読めばなんとなくのコツがつかめてくることでしょう。
私が御社を志望した理由は、「半導体業界で社会インフラを支える仕事がしたい」からです。御社が他社と異なる特徴は、電子機器だけにとどまらず、銀行のATMなどに技術を使い、人々の生活がより過ごしやすくなるために努力している点が挙げられます。最近は電車の抑制にも分野を広げていて、さらに多くの人の生活を支える仕事ができると感じました。
私が就活の軸として考えているのは、「社会インフラの整備に関わりたい」ということです。私の父は電話回線を扱う仕事をしていたため、幼い頃から社会インフラを整えてくれる仕事にあこがれを持っていました。
そして、もともと大学のゼミで扱っていて興味があった半導体業界で就職したいという気持ちもあり、この希望を満たしてくれる企業は御社しかないと考えました。社会インフラ+半導体業界を満たしてくれる企業は数少ないですし、その中でも説明会で得た情報によると「これからさらに社会インフラの整備に力を入れていく」とのことだったので、志望させて頂きました。
御社に入社した暁には、得意な外国語を活かして、グローバル化に力を入れていきたいと思っています。世界中に御社の技術を更に広めるために、自分ができることをひとつずつ見つけて頑張っていきたいと考えています。
この志望動機の良いところは、「その企業を選んだ理由」と「半導体業界を選んだ理由」が非常に分かりやすい構成で述べられている点です。社会インフラの整備という特徴をピックアップして、他の企業じゃだめな理由がストレートに述べられていていいですね。
自分の父の仕事にあこがれを持っていた…という志望理由も、面接で話が弾みそうでGOODです。就活は、採用担当者と話を弾ませて良い印象を持ってもらったものの勝ちです。印象の残りやすいエピソードをどんどん挿入していきましょう。
また、最後に「自分は入社したあとにどんな社会人になりたいか。どんな仕事に打ち込んでいきたいか」にまで言及しているのもポイントです。せっかく採用する新人。どうせなら、未来に明るい期待を持っている学生を採用したいと考えるはずです。できるできないは別として、やりたいと考えている夢や目標を大胆に語ってみましょう。
・半導体産業の志望動機ダメ例文
それでは最後に、絶対に真似してはいけないダメ例文をご紹介します。どんなに書く内容に困ったとしても、これを参考にして書いてはいけません。反面教師にして、より良い志望動機が書けるように頑張ってみてくださいね。
➀
私が御社を志望した理由は、電子機器の発展に力を入れていきたいからです。現在日本が世界にアピールできる技術の一つが、精密な電子機器の基盤や部品を生産する産業です。日本人ならではの微細な技術は、世界に広げるべき技術だと私は考えます。特に、パソコンやスマートフォンの需要は世界中を見てもどんどん広がっているため、ビジネスチャンスにもなると思います。
私がなぜ電子機器の発展にこんなに興味を持ったかと言うと、高校時代にものづくり部に所属し、さまざまな製品の分解や改良に精を出していたからです。今世界中で需要が高まっている製品の部品の多くが日本で生産されていることを知り、この技術開発に関わっていきたいと強く思ったことがきっかけです。
大学進学後も現在の学部・学科でより専門的な知識を得て、この気持ちは日に日に増していきました。御社に入社したら、世界に貢献できるような素晴らしい部品をたくさん開発して、世界に御社の技術を更に広めていきたいです。
この志望動機の悪い点は、「半導体業界を選んだ理由」も「この企業を選んだ理由」も一切語られず、電子機器業界に興味を持った理由しか語られていないことです。これでは、おそらく書類選考も通らないでしょう。ただ電子機器に関わりたいだけなら、半導体業界を選ばなくても問題ないはずです。
②
私が御社を志望した理由は、説明会に参加して御社の社風に感銘を受けたからです。「日本の技術を世界に広め、世界中の人を幸せにする。」このキャッチコピーを聞いて、私は御社の一員となって世界中の人に電子機器の便利さを伝えていきたいと考えました。
御社が生産する◯◯が使用されている◯◯社の◯◯という商品は、通信機器の中でもトップを争う性能の良さで人気です。この商品の魅力がもっと世界に広まれば、幸せになれる人が何倍も増えることでしょう。
「日本の技術を世界に広め、世界中の人を幸せにする。」この言葉の素晴らしさを更に広めるために、私は御社で自分の力を試していきたいです。
この志望動機は、「この企業が生産している部品を使った他社の商品を褒めている」だけで、その企業に入りたい理由にはなっていないため、ダメ例文となります。キャッチコピーや社風がきっかけで入社したいと思ったという動機は良いですが、これだと意味が上手く伝わりません。
この構成のまま執筆するなら、他社の商品を褒めるのではなく、その部品そのものを褒めるようにしましょう。そうすれば、「それなら、他社の選考を受けに行ったら?」と言われなくて済みます。未来の希望を語るのはけっこうですが、それはあくまできちんとした志望動機が完成してからの話です。根幹をしっかりと作り上げることをまず考えてください。
・おわりに
さて、いかがだったでしょうか。半導体業界は、それを専門に学びたいと考えている学生にとって人気が集中する業界です。自分の印象を強く覚えさせないと、書類選考通過後もあまりいい結果は期待できないかもしれません。だからこそ、志望動機の時点で完璧なものを用意しなければならないのです。その大切さがお分かりいただけたら、こちらとしても嬉しい限りです。
最初はしっかり書けるか不安でしょうが、コツさえつかめば誰でも素晴らしい志望動機が書けるようになるはずです。大事なポイントに絞って見ていけば、いまいちわからない志望動機の書き方も何となくわかってくることでしょう。
志望通りの企業から無事に内定をゲットして、キラキラした社会人になるためにも、まずは完璧な志望動機が書けるように頑張ってみてくださいね。皆さんの健闘をお祈りしています!
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