建設コンサルタントに興味がある人は、まず素晴らしい志望動機を作らなければなりません。エントリーシートから採用担当者にあなたの印象をぶつけまくって、一気に内定を近づけさせましょう。でも、就活を始めたばかりの人は、なかなか建設コンサルタントについてよく分かっていない人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな人たちのために建設コンサルタントの志望動機に関する情報をまとめてみました。建設コンサルの業界説明からはじまり、実際に気を付けなければならないポイント、お手本例文やダメ例文までご紹介します。これなら、どんな人でも素晴らしい志望動機が書けるようになるはずです。建設コンサルを目指している人はもちろん、今はそこまで志望度が高くない人も、物は試しに見ていってくださいね。
・志望動機の前に…建設コンサルタントってどんな仕事?
実際に志望動機を執筆する前に、まずは建設コンサルタントという仕事の実態について見ていきましょう。ハマる人はとことんハマる、奥深いお仕事ですよ。
–建設物を建てる前に調査等をする
建設コンサルタントとは、橋や道路、ダムなどをはじめとする建造物を建てる前に事前調査を行い、施工者をサポートしていくのが仕事です。社会資本の整備を司る、人気職の一つです。建造物は、適当に見繕った計画のもとでは計画を進められません。国民・市民の生活を安全に保つためにも、調査を専門的に行うのが建設コンサルタントなのです。
具体的な調査内容は、その建造物を建てる予定場所の地質や地盤などの各種測量です。この調査がなければ、大きな災害が起こった時に市民が被害を受けてしまうかもしれません。
–事業計画を立てる
もちろん建設コンサルタントの仕事は、事前調査だけではありません。その調査結果をもとにして施工者と密接なコミュニケーションを取り、安心安全な事業計画を立てるのも大事な仕事です。持ち前の専門知識を参考にしながら、より無駄が少ない計画を立てられるかどうかがカギです。
もしも専門の目から見て直すべきポイントがあったら指摘し、計画案をより良いものにしていくのが建設コンサルタントという仕事の醍醐味でもあります。
–まちづくりに関われる
まちづくりに関連した仕事がしたいという人は多いのではないでしょうか。建設コンサルタントは、まさしくまちづくりのプロフェッショナル。自分が担当した事業計画を元に社会資本が整われていくのは、表現しがたい喜びがあります。
また、まちをつくっていくということは、そこに住む人々の生活を支えているということでもあります。市民が安全な生活を営むために、自分の知識や能力をフル動員させて施工主をサポートしていくので、正義のヒーローのような感覚になる人もたくさんいます。なんといっても地図に残る形でものをつくっていくので、やりがいのある仕事です。
–長期間のプロジェクトを遂行する
他の事業計画に比べて、とにかく規模が大きいのが建設コンサルタントの仕事です。ひとつ橋やダムを建造するのには、年単位という長期間のプロジェクトが必要になります。そのため、根気よく仕事を続けられる人でなければ向いていない仕事でもあります。
また、関わっている関係者の人数も桁違いに多いです。もちろん、動いているお金もかなり大きいので、社会人初心者の人には少し大変かもしれません。やりがいがある仕事なのに違いはありませんが、覚悟は必要不可欠だということです。
–規模・責任が大きい
先ほども述べた通り、建設コンサルタントの仕事はなんといっても大規模です。もしも調査にミスが見つかったり、計画に不備があったりしたら、受ける被害の規模も計り知れません。他の仕事とは比べ物にならないほど、責任が重くのしかかってくる仕事だということです。
よって、責任やストレスに弱かったり、精神的に不安定だったりする人には、あまりおすすめできないかもしれません。ただ、そのぶんプロジェクトを遂行した時の喜びはたまりません。自分の仕事を最後までやりきれる心の強い人に、ぜひ目指してほしい仕事であります。
・建設コンサルタントの志望動機で大切なポイントまとめ
ここからは、建設コンサルタントの志望動機で、どんな部分に気を付けて書かなければならないかについてまとめていきます。まだ志望動機に慣れていない人も、これを読めばコツが何となくつかめるはずです!
–社会貢献したい気持ちを熱く語る
社会資本である建造物を建てるという仕事は、社会貢献以外の何物でもありません。社会貢献したい気持ちを前面に押し出さなければ、「どうして建設コンサルタントに興味を持ったのか?」という軸となる部分がグラついてしまいます。
逆に、社会貢献に全く興味がないのに建設コンサルタントを志望したとしたら…採用担当者を人一倍引きつける理由を考えなければならなくなります。実際に発生した災害や事故の名前を出しながら、「こういった災害を食い止めるためにも、自分の仕事を社会貢献につなげたいと思った」と説明すれば、誰でも納得できる志望動機が書けるはずです。
–きっかけは具体的に
社会貢献への関心以外に、志望動機には「建設コンサルタントを志望した明確な動機」が求められます。中身を充実させるためには、とにかく具体的な体験談を書かなければなりません。もしも何かの災害で被害を受けた経験があるならそれを話題にするのもいいですし、ボランティアへの参加も良いテーマとなります。
志望動機は、採用担当者の想像力をわきたたせたものの勝ちです。建設コンサルタントを志望したきっかけは、採用担当者が一番聞きたいポイントですから、手は抜けません。あいまいな表現では、伝わるものも伝わりません。なるべく細部まで自分の体験談を述べて、どんな経験をしたのかを詳しく説明してください。
–その企業を選んだ明確な理由も
建設コンサルタントとひとくちに言っても、その中にはたくさんの企業があります。よって、「どうしてその企業を選んだのか?」という観点にも触れなければなりません。そうでなければ、「別に、うちじゃなくてもいいよね?」と言われておしまいです。
業界研究と一緒に企業研究をきちんと行って、その企業が独自に展開している事業や個性的な特徴を調べあげなければなりません。そうすれば、「なんでもいいから内定が欲しい」というイメージがつかなくなるので、採用担当者からの印象も爆上がりです!より熱意がある学生を採用したいのは、どの企業も同じ。企業の情報をすみずみまで調べあげて、死角を完璧にゼロにしましょう。
–論理的に考えられる能力
建設コンサルタントという職業に求められるスキルの一つに、論理的思考能力があります。調査内容や現在の環境データをもとにして、「どうすれば一番効果的な計画が立てられるのか?」と論理的に考えて計画を立てなければなりません。そのスキルがアピールできるような経験談を、志望動機にも入れられるとGOODです。
ゼミや卒論の内容を使えば、計画的に調査を進められ、そのデータからより正解に近い結果を導き出すことが出来る!とアピールできるのではないでしょうか。
–マーケティング能力
コンサルタントという職業上、自分が考えた事業計画を施工主に「適切に売り込む」能力が求められます。これはつまり、マーケティング能力につながってきます。どんな売り込み方をすれば、相手が納得してくれるか?それには、頭を使いながら文章を考えて、コミュニケーションを取るしかありません。
このスキルを志望動機でアピールするには、ゼミやサークルなどでマーケティング能力・コミュニケーション能力を鍛えるイベントがあったら、それを使えばいいでしょう。
・建設コンサルタントの志望動機おすすめ例文
具体的なポイントを総ざらいしたあとは、建設コンサルタントの志望動機の例文を見ていきましょう。これらの例文を参考にしながら、自分の文章を作っていってくださいね。
➀
私が御社を志望した理由は、「交通量が少ない地域の社会資本を支える仕事ができるから」です。御社は他の企業と比べて、交通的に人の流れや物流が盛んではない地域の事業計画を多く担当していて、結果を出しています。
そもそも私が建設コンサルタントに興味を持った理由は、自分の故郷である◯◯県のようないわゆる田舎と呼ばれる地域にも、安心して生活ができるように仕事をしてくれている建設コンサルタントの存在があるとインターンで知ったからです。
普通に生活しているとなかなか気づけない部分ですが、社会資本は市民の安全な生活に欠かせないものです。どんな地域に住んでいる人でも、その社会資本が整えられている安心が必要です。よって私は御社に入社し、日本各地で地域格差を生じさせないための運動に力を入れていきたいと考えています。
この志望動機の良いところは、まず企業の志望理由と建設コンサルタントに興味を持った理由をストレートに述べている単純明快さです。まわりくどい言い方をしていないので、エントリーシートをサクサク読み進めたい採用担当者にも優しいです。
また、入社後どんなことに力を入れていきたいかに触れているところも良いですね。社会人になってからの自分のイメージを既に持っているのは、とても大切なこと。熱意がある学生に内定を出しやすい傾向になる職種なので、アピールできるポイントは遠慮なく入れていきましょう。
②
御社の志望理由は、「とことん話し合い、納得のいく計画作り」という言葉に詰められています。御社の説明会やパンフレットに触れるたびに目にするこの言葉に、私は感銘を受けました。
建設コンサルタントは、施工主様の要望をしっかり汲み取らなければなりません。私が建設コンサルタントを志した理由は、そんな密接なコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めていく仕事内容に興味を持ったからです。
どの企業よりも「話し合って、計画を作っていく大切さ」を重視している御社に入社してプロジェクトを担当するようになれば、自分のやりたいことが達成できると考えました。
まずわかりやすくてシンプルな言葉で、志望理由を述べたのが素晴らしいです。そこから建設コンサルタントを目指した理由に繋げるのも上手ですし、読んでいて不自然ではありません。
今まで説明会に参加したり関連資料を取り寄せたこともアピールして、入社意欲の高さを見せつけているのもポイントです。何百枚ものエントリーシートの中から自分を印象づけるには、採用担当者の心を引きつけるポイントを複数個用意しておくことが大切ですから、出し惜しみはダメですよ!
・建設コンサルタントの志望動機失敗例文
それでは最後に、絶対に真似してはいけない建設コンサルタントの志望動機をご紹介します。間違っても、このような志望動機は書いてはいけません!気を付けてくださいね。
私が御社を志望した理由は、依頼主とコミュニケーションをとりながら一つのプロジェクトを進めていく、仕事のおもしろさに惹かれたからです。私は学生時代、生徒会や学生運営サークルに所属して、たくさんの人々をまとめてイベントなどを進めるのが好きでした。よって、社会人になってからもそういった楽しさを味わいたいと思い、建設コンサルタントになりたいと考えました。
コンサルタントという仕事は非常に責任があります。自分の計画や指導によって、プロジェクトそのものの進行が変わってしまう場合もあります。でも、非常に活動規模の大きい御社なら、のびのびと成長して仕事を覚えられると思います。よろしくお願いいたします。
この志望動機の特にダメな部分は、「コンサルタント」という仕事そのものの志望理由は述べられていますが、「建設コンサルタント」の志望理由が一切語られていないことです。こんな志望動機を聞かせられても、「それなら他のコンサルに入ったらどう?」と言われておしまいでしょう。それに、「学生時代に感じた楽しみをまた味わいたい」を志望動機にするのは難しいものがあります。いつまでも学生気分が抜けていない印象ですし、仕事への熱意が見えません。
また、その企業の特徴として「活動規模が大きい」というのはかなり無理があります。もっと企業研究を深く詳しく行い、「具体的に、どんな分野が強いのか?」「最近は、どんな事業に力を入れてきているのか?」について説明できるようにしておかなければなりません。
建設コンサルタントは、日本の職業の中でも中り人気が高い職業です。そして毎年大人数が採用される仕事でもないので、とにかく倍率が高いのです。そんな倍率を潜り抜けるには、適当にまとめた志望動機では絶対に太刀打ちできません。「こんなもんでいいか」という気持ちは全部捨てて、非の打ちどころがないような文章が書けるように努力してくださいね。
・おわりに
さて、いかがだったでしょうか。建設コンサルタントとして入社するためには、エントリーシートの志望動機の時点で本腰を入れて執筆しなければならないということがお分かりいただけたら幸いです。ただでさえ人気が高いコンサルタント。その中でも特にやりがいのある建設コンサルタントは、綿密に準備を進めて対策する必要があります。
就活初心者は少しビビってしまうかもしれませんが、今回ご紹介したような情報をきっちり文章に反映させることができれば、まったく問題はありません。コツさえ掴んでしまえばあとは楽なので、とにかく練習あるのみです。最初は上手に書けないのが当たり前。練習すれば、内定もぐっと近づくはずです。
建設コンサルタントになりたいと強く思っているのなら、その熱意を文章に込めてください。頑張って書いた分だけ、その気持ちはきっと届きやすくなります。志望通りの企業から内定がもらえるように、頑張ってくださいね!
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