PwCあらた有限責任監査法人に内定した川副君は、公認会計士試験合格者。彼は、「会計士を目指す人たちには、会計以外のことにも興味を持ってほしい」と語ります。あえて様々な環境に飛び込み、とにかく自分の可能性を広げることを大切にされた彼は、何を思い、会計士になることを決意したのでしょうか。
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交友関係を広げた大学時代
古川真喜
今日はインタビュー宜しくお願いいします!
川副隼
宜しくお願いいたします!
古川真喜
公認会計士にインタビューするのは初めてです(笑)。まずは大学時代特に力を入れていたことは何ですか?
川副隼
一つ挙げるとなると難しいのですが、あえて言うなら会計士の勉強とは全然関係ないところで交友関係を広げることは意識していました。
古川真喜
なぜそれを意識していたのですか?
川副隼
大学時代は公認会計士試験の勉強をしていたのですが、公認会計士試験を受けている人は、その勉強しかしてない人、或いは会計士予備校周辺から交友を広げない人が多いです。自分は視野が狭まらないように、チャンスを広げるためにも、他の分野でも頑張ってみようと思っていました。
古川真喜
実際、会計の勉強以外にはどんなことをされていたのですか?
川副隼
最初は予備校代を稼ぐため塾でチューターをしていて、その後は税理士法人で働きました。会計の中の税務を実体験してみたかったのです。そのあとは、会計業界とは対極な風土の企業に行ってみようと思い、友人の紹介で某大手R社でアルバイトをさせていただきました。
古川真喜
本当に様々なことをやってらっしゃいますね(笑)。
川副隼
そうですね。某R社でのアルバイトをやっている際に色々縁があって、そのままそこでインターンをさせてもらえることになりました。ここが一番仕事面では自分に大きな影響を与えたと思います。
古川真喜
仕事面以外には私生活で意識していた事とかあります?
川副隼
下町の居酒屋やレストランに繰り出したり、友人や先輩と勉強会やパーティーに出席したりと、「知らない人と会って、仲良くなる」ことは意識していました。
古川真喜
ステキな趣味ですね!お店での出会いって例えばどんなものがあるんですか?
川副隼
例えば、常連の定年退職したおじさんと隣の席になって、喋ったら慶應の先輩で(笑)。その他、普段学校では出会うことのない業界の方々と仲良くさせていただく機会もあって本当に面白い出会いがたくさんありました。
公認会計士を目指して
古川真喜
とても面白いですね。今度は会計士のお話が聞きたいのですが、まずは勉強を始められた時のことを聞かせてください。
川副隼
勉強を本格的に始めたのは1年生の三田祭が終わった12月頃ですね。会計士を目指すようになったきっかけは、大学でビジネスの数字に関するスキルを身に付けたいと思ったことです。
古川真喜
なぜビジネスの数字に関するスキルを身に付けたいと思ったのですか?
川副隼
金融業界で働く叔父さんとよく喋る機会があって、プロフェッショナルとして働く叔父さんに憧れていました。それもあって、いつか自分の好きな数字に関する仕事で自由気ままに独立して働きたいなと思ったんです。
古川真喜
では、実際の試験勉強の様子を教えてください。
川副隼
最終的な合格までには本格的に勉強を開始してから約1年半かかりました。勉強時間は平均すると1日5時間くらいかと思います。
古川真喜
勉強を続けていくモチベーションはどこにあったのでしょうか?
川副隼
世の中の会計的なニュースの意味がわかるようになったことや趣味の株式投資に勉強が活きてきたことなどがやりがいになっていました。また、やりたいことが定まってきたのも勉強へのモチベーションに繋がりました。
周りの人の助けになりたい
古川真喜
やりたいこととは何ですか?
川副隼
「得意分野で周りの人たちの助けになりたい」ということです。大学の友人や仲良くしている大人の方から会計的相談を受けることが出てきて、それに対してまだまだ会計士の卵の身ではありますが、自分なりの答えを返すことで感謝をされることが増えてきました。
古川真喜
やりたいことが定まってきたのは素晴らしいことですね。
川副隼
そうですよね。それと、後輩、先輩、同期と周りに起業する方々が多かったことも自分のやりたいことを定めることに繋がりました。
古川真喜
起業する方々が多いってすごいですね(笑)。
川副隼
ビジネスのアイディアをたくさん持っていても、お金の管理や戦略など数字が関わることが上手ではない人を見かけることが多く、そういう人たちの助けに間接的にでもなれたらいいなとも思うようになりました。
古川真喜
素敵ですね!では、会計士試験合格後の就活のお話を聞きしてもよろしいですか。
一味違った会計士合格後の彼の就活
川副隼
8月の論文試験が終わった後、会計系の就活イベントに9月から行って、いろいろな会社を見つつ決めていきます。基本的には普通の就活と一緒ですね。
古川真喜
一般就活だと合同説明会に行って、そこから個別の企業を見ていくという感じですけど、それと似た感じだったと。
川副隼
そうですね。私は監査法人だけでなく事業会社やコンサル、アドバイザリーなどいろいろ検討しました。そのため、会計系特有の就活に加えて、一般就活の方と同じ説明会に行ったり、知り合いの先輩で事業会社やコンサル、アドバイザリー等に就職している方のお話を聞かせていただいたりして情報を集めました。
古川真喜
結局、監査法人にしたわけですよね。なぜだったのでしょうか?
川副隼
2つあります。1つ目は監査法人なら配属リスクや転勤のリスクが少ないということです。2つ目は、監査法人や税理士法人などのプロフェッショナルファームで専門家として基礎のスキルを身に付けることで、将来の夢である独立に活かせると思ったからです。
監査法人で働いてみて
古川真喜
監査法人では、学生をやりながら働く機会を得られると聞きました。実際働いてみてどうでした?
川副隼
1年目からクライアント先の部長級の方と名刺交換させていただいて、実際にお話をする、しかもきちんとビジネスのお話をさせて頂けるのは得難い経験でした。また、会社の全体像を見ることができ、様々な会社を担当するので、あるべき内部統制や業務フローを学ぶことができています。
古川真喜
監査法人ならではですね。
川副隼
そうですよね。逆に悪いところで言うと、隣の芝が青く見えることですね(笑)。
古川真喜
どういうことでしょうか?
川副隼
監査というのは必要な仕事ではあるけれど、憎まれ役にもなります。そんな中で、コンサルティングファームや外資系投資銀行など、クライアントの利益に直接貢献することが可能なお仕事が羨ましく見えることもあります(笑)。
古川真喜
方向性の違いから羨ましく見えてしまう職業もあるということですね。では、監査法人の中でPwCあらたを選んだのはなぜだったのでしょうか?
PwCあらた有限責任監査法人の魅力
川副隼
2つ理由があります。働く環境と海外インターンの存在です。PwCあらたにはやりたいことをやらせていただける環境、そしてそれを主張することのできる風通しのよさがあります。
古川真喜
海外インターンというのはどういうことですか?
川副隼
学生アルバイトとして入社して、選考に合格し、海外オフィスに行く機会をもてました。海外で働くというと「年次がかなり上にならないと」というイメージを持つ人が多いと思いますが、僕はPwCあらた米国法人ダラス事務所に行き、海外チームと一緒に仕事をさせてもらいました。
古川真喜
それは素晴らしい経験になりましたよね。
川副隼
非常に得難い経験をさせて頂きました。短期間のインターンでしたが、ここでの出来事は自分に大きな影響を与えてくれたと思っています。この海外インターンがあることは、PwCあらたを選ぶ上で、大きな決め手でした。
古川真喜
一般就活でもどこも似たり寄ったりだよなと思うことありますから、そういう特殊なものがあると決め手になりやすいですね。
川副隼
そうですよね。まとめると、一番はやりたいことをやらせていただける環境があること。さらに言えば、そういう向上心を持っている人が多いということです。加えて、先ほど話した海外インターンですね。あのインターンは非常に良かったです!
某大手R社での新規事業インターン
古川真喜
わかりました。今度は話が変わるのですが、会計士以外の話をお聞きしたいです。特に某R社のインターンのお話を聞きたいのですが、まずいつ始められたのですか?
川副隼
インターンの前にアルバイトとして入っていました。アルバイトを始めたのは3年の初めで、インターンはその冬くらいから始めました。実は公認会計士試験が終わってからなんです。
古川真喜
実際インターンではどんなことをしていらしたんですか?
川副隼
端的に言うと、新規事業の試験運用とアップデートですね。新規事業の案は、社内から出てきたもので、その試験運用をお手伝いしていました。例えば実際にサービスを提供することで感じたことからサービスの課題を見つけ、その打開策を考え実行していきます。
古川真喜
予算とかも会社がつけてくれてサービスを実際に世の中に提供するところまでやるわけですよね。
川副隼
そうですね。疑似的な起業をお手伝いさせていただいた感じです。
古川真喜
なかなか学生では出来ない経験ですよね。すごいです。
川副隼
周りや上司が非常に優秀で、会計の勉強だけではできなかった経験ができました。そして、大企業の力を痛感しました。資金力があり、エンジニアがいて、優秀なプロジェクトマネージャーがいる。そういった資源や人材を自社で賄いながら、新しいサービスを世に生み出せる大企業の強みを感じました。
古川真喜
何か働く中で価値観が変わることはありませんでしたか?
川副隼
今までは自分は人を支える側だとずっと思ってその勉強をしていましたが、率先して自分で動いて事業を作っていくことも楽しいと思いました。新しく事業を作ることはこんなに面白くて、同時に大変なんだということを学べてとても良かったです。
監査の道と事業の道の間で揺れた心
古川真喜
その頃は監査法人に行くことに決まっていたと思うんですけど、事業会社に浮気してそっちに行きたくなったりしませんでした?
川副隼
正直なりましたね(笑)。乗り換えるチャンスもあったのですが、自分の中で考えてみた時、この感情は一過性のものだと思いました。
古川真喜
今の「楽しい」という感情に流されている気がしたということですかね?
川副隼
そうですね。今は楽しいって思っていましたが、将来的にはどう思うかわからないですし、自分がプロフェッショナルファーム以外の会社に入ったとして、その先の独立というビジョンを描けませんでした。
古川真喜
でも事業会社出身で起業する人は多いですし、その道に行く手もあったのではないですか?
川副隼
その道も考えました。しかし、まずは専門家として大成したいという思いがありまして、そこを目指すのであれば、事業会社ではないかなと考えました。
古川真喜
将来のビジョンからの逆算ならば、事業会社は違うなとなったわけですか。
川副隼
そうですね。会計士としての基礎が一番欲しかったです。監査の一連の流れを一通り回し、ビジネスを理解して会社の数字を一通り把握するということは少なくとも必要だと思っています。将来的には友人と会計以外の面白いことをしながら、会計事務所みたいなものを開いてやりたいことをかなえていきたいと思っています。
古川真喜
そこまで将来のことを考えられているのは本当にすごいと思います。
川副隼
まだまだですけどね(笑)。これからも驕らず、目標に向かって一生懸命努力していきたいと思います。
後輩へのメッセージ
古川真喜
では最後に、会計士受験生や会計士を目指す人に向けてメッセージをお願いします。
川副隼
自分もまだ学生なので、偉そうなことは言えませんが、とにかく「自分の世界を広げていってほしい」と思います。
古川真喜
川副さん自身は色々な経験をした上で、人生の最初の選択肢として監査の道を選ばれましたもんね。
川副隼
受験生の時から、興味を持ったことがあったら飛び込んでみたり、遊びを悪と思わずに色々出かけてみるといいと思います。更に会計士合格者になると、会える人の幅も広がります。
古川真喜
会える人の幅というのはどういうことでしょうか?
川副隼
普段だったら見向きもされない、一大学生にしか過ぎない自分が、社会で様々な立場を築いている先輩と関わる機会を持つことができるようになります。そうしたチャンスをたくさん生かして、様々な世界に触れて、自分の価値観を広げてほしいと思います。
古川真喜
素晴らしいですね。とても興味深いお話でした。本日はありがとうございました。
川副隼
ありがとうございました。
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