不動産コンサルタントとは、不動産の扱いに困っている依頼者に的確なアドバイスを行うコンサルティング業務を行う職種です。今後、就活で不動産コンサルタントを目指したいと考えているなら、この記事で不動産コンサルタントについて詳しく学びましょう。
不動産コンサルタント(コンサルティング)とは?
不動産コンサルタントとは、不動産に関わる取引についてのアドバイスやサポートを行う職業です。
不動産の売買や管理、運用は税金や法律などが複雑に絡み合っているので、不動産コンサルタントが持つ十分な知識が無いと依頼者が損してしまう場合があります。
不動産コンサルタントはそういった事態を避けるため、不動産の所有者や運用者を守るという目的で生まれたのです。
今回はそんな不動産コンサルタントという仕事について、仕事の内容やなり方、やりがいなどを解説します。
不動産コンサルタント(コンサルティング)とはどんな仕事なのか
そもそも、不動産コンサルタントの詳しい仕事内容とはなんなのでしょうか。
不動産コンサルタントのディテールを明確にするために、不動産コンサルタントの業務内容や1日の流れ、やりがい、収入などを調査しました。
不動産コンサルタント(コンサルティング)の仕事・業務内容
不動産コンサルタントの仕事は一言で言えば「不動産に関わる取引のサポート業務」です。
不動産の購入や売却を始め、投資や管理方法など不動産に関する様々な悩み、課題について担当コンサルタントとしてアドバイスやサポートを行い顧客の希望通りに不動産を扱えるように努めます。
不動産コンサルタントの業務は主に、不動産の購入を検討している人の疑問や不安を専門家の立場で聞いて解決策を提示したり、依頼者が相続した後に持て余している不動産について有意義な活用方法を提案したり、そういった補佐的業務が中心となります。
しかし不動産コンサルタントの仕事はそれ以外にも、取引時の契約についてチェックする、融資担当者との交渉の代理人となるなど業務内容は非常に多岐に渡ります。
不動産コンサルタントはまさに不動産関連のプロフェッショナル的存在なのです。
不動産コンサルタント(コンサルティング)の1日
顧客の不動産を管理する不動産コンサルタントの1日はデスクワークと面談が大部分を占めています。
出社時間は9:00〜10:00頃が多く、午前中はメールの返信や事務作業、打ち合わせなどをまとめて行います。
お昼休みの後は、自身がコンサルタントとして担当している物件への訪問や顧客との面談などあらかじめ決まっている予定をこなしていきます。
外回りが終わったら会社に戻り、コンサルタントを行った面談の報告書を書いたり、翌日の業務の整理を行ったりして退社となります。
不動産コンサルタント(コンサルティング)のなり方
不動産コンサルタントになるには、不動産会社での実務が欠かせません。
不動産に対して、売買や運用についての知識を学びスキルが身に付いたら不動産コンサルタントとしての活動を開始できます。
不動産コンサルタントには国家資格などは無いので、不動産コンサルタントを名乗ることに制限はありません。
自分が「不動産コンサルタントである」といってしまえば不動産コンサルタントとしての活動は行えますが、ただ名乗るだけでは顧客の信頼は得られないでしょう。
そこで、自身の不動産コンサルタントとしてのスキルを証明するために「不動産コンサルティングマスター」の資格習得が推奨されています。
この資格は「不動産コンサルティング技能試験」に合格することと、不動産関連の実務業務5年の経験を経たうえで公益財団法人に登録することで獲得できます。
この資格を持っていることが不動産コンサルタントのスタートラインと言えるでしょう。
不動産コンサルタント(コンサルティング)の活躍の場ややりがい
不動産コンサルタントのやりがいは「問題を解決する達成感」です。
不動産を所有する依頼者は不利益無く運用したいという希望や、不動産の扱いがわからないと言う悩みを持っています。
それらの問題に依頼者と一緒に取り組み、解決することでコンサルタントとして大きな達成感を味わえるでしょう。
また、不動産コンサルタントが活躍するのは依頼者側の立った時です。
不動産の問題は長期間を要するものも多く、依頼者と長い間タッグを組んで取り組んだ案件が成功すれば達成感だけではなく、一人の不動産コンサルタントとして信頼を得るという喜びも感じられるでしょう。
そんな不動産コンサルタントの活躍の場は不動産業界の多岐に渡ります。
不動産取引には企画から実際に購入するまで、そして売却、相続など星の数ほど「重要な場面」があり、それぞれに専門知識が必要な問題があります。
さらに、顧客の属性はそれぞれが微妙に異なり、一つとして同じものはない状況に合わせた対応をしていかなければなりません。
不動産コンサルタントとして活躍し強いやりがいを感じたいなら、不動産全般の知識を深めながらより深く掘り下げられる自分のコンサルタントとしての得意分野を定めていくことをおすすめします。
不動産コンサルタント(コンサルティング)の年収はどれくらい?
不動産コンサルタントの年収は平均600〜700万円程度です。
国税庁のデータをもとに調査したところ、20代〜30代の平均年収は350〜500万円程度、40代以上のミドル、アッパー層になると500〜700万円程度の平均年収となっています。
また、不動産コンサルタントとして業績を積んでいけば「独立」という選択肢も現れます。
フリーの不動産コンサルタントとして活躍したり自身の会社を設立したりすることで年収1,000万円以上を達成している人も存在します。
不動産コンサルタント(コンサルティング)の志望動機は?
不動産コンサルタントとは職業は不動産関連に対しての実務が全くない状態では就けない職業です。
実際にコンサルタント業を始めるには十分な不動産知識や「宅地建物取引士」などの資格取得が求められるので、まずは不動産業界に就職して知識を蓄えるというキャリアマップを構築する人が多いでしょう。
そのため、不動産コンサルタントを志望する人の多くは志望動機に「自身のキャリアアップのため」という理由を掲げます。
不動産コンサルタントを志す人は自分のキャリアマップを明確に形成している人が多いのです。
また、不動産コンサルタントは依頼者や問題に対して能動的なアクションや積極的な姿勢が求められる仕事でもあります。
そのことから、不動産コンサルタントの志望動機では「やりがいのある仕事をしたい」といった意欲的な動機が好まれる傾向もあります。
不動産コンサルタント(コンサルティング)に向いている人は?
不動産コンサルタントに向いている人は、依頼者の気持ちに寄り添える人です。
不動産という大きな財産を所有している人には「騙されたらどうしよう」という不安がつきものです。
そんな依頼者から不動産コンサルタントとしてのサポートを任されるには、「この人だからお願いしたい」と思ってもらえるような信頼を得る必要があります。
そのためにはコンサルタントとしての豊富な知識や実績だけではなく、依頼者の気持ちに寄り添った真摯な対応が大切なのです。
さらに、仕事に対して前向きで意欲的なタイプも不動産コンサルタントに向いています。
コンサルタントは依頼者が持ち込んだ案件や課題について、解決策や活用方法を提示していかなければなりません。
相手の意見を待つ受け身なタイプよりも、相手の話を聞きながらも自分の意見を積極的に発信するタイプの方がコンサルタント業との相性が良いでしょう。
不動産コンサルタント(コンサルティング)の今後は?
今、不動産を所有する人が持つ問題は多様化しています。
かつては一部の投資家だけが行っていた不動産投資も、低金利政策によって門戸が広がり様々な人がチャレンジするようになりました。
また、高齢化社会が進むにつれて遊休不動産の管理問題や相続問題も増えています。
不動産の専門的な悩みが増えていく将来、確実な知識とスキルを持った不動産コンサルタントの存在は重要です。
大型案件だけではなく、不動産業界を幅広く見渡しコンサルタント案件を探すことで活躍の場を広げられるでしょう。
不動産コンサルタント(コンサルティング)の新卒おすすめランキング5選!
最後に、不動産コンサルタントの中でも新卒就活生におすすめな企業を5つ紹介します。
それぞれ、会社の特徴と独自に調査した平均年収をまとめたので今後の選択肢に取り入れてください。
会社名 | 株式会社シー・エフ・ネッツ | 丸紅都市開発株式会社 | 株式会社アップゲート | 株式会社オレンジハウス | 株式会社明和不動産 |
年収 | 約600~700万円 | 約500~700万円 | 約500〜600万円 | 約350~600万円 | 約500~600万円 |
株式会社シー・エフ・ネッツ
株式会社シー・エフ・ネッツとは不動産コンサルタントと不動産情報サービスを展開するコンサルティング企業です。
2000年創業の比較的新しい会社ですが、不動産コンサルティング、売買やと賃貸の紹介や仲介、不動産投資など広い視野で不動産業界を見つめるまさに「不動産のプロ」が集まる企業です。
特に不動産投資に関しては、セミナーの開催やYoutube動画の配信を積極的に行い顧客の理解を深める活動に取り組んでいるので、不動産コンサルタントの中でも投資や資産運用を学んでいきたいと考えている就活生におすすめです。
会社名 | 株式会社シー・エフ・ネッツ |
年収 | 約600~700万円 |
丸紅都市開発株式会社
丸紅都市開発株式会社とは開発推進事業、住宅推進事業、流通事業、そして契約コンサルティング事業という4つの不動産事業を展開する企業です。
1983年創業の歴史ある企業で、不動産事業における企画や開発はもちろん、販売や投資・事業までオールラウンドに請け負う丸紅都市開発株式会社では、不動産の企画が持ち上がってから実際に販売されるまでを一貫して自社で請け負えるため顧客との深い繋がりを感じられるでしょう。
特に、独立事業になっている契約コンサルティング事業では、契約管理や引き渡し、住宅ローンなどのセンシティブな課題に顧客とともに取り組んでいくため信頼を得るという不動産コンサルタントの喜びも一層強く得られます。
会社名 | 丸紅都市開発株式会社 |
年収 | 約500~700万円 |
株式会社アップ・ゲート
株式会社アップ・ゲートとは新築・中古を問わず様々な不動産を扱う総合不動産会社です。2001年の創立から戸建てやマンション、土地などの売買から投資・運用まで手広く取り扱いノウハウを蓄積してきました。
そんな株式会社アップ・ゲートは不動産コンサルタントとなって業界で活躍するにはうってつけの企業です。不動産全般の業務を取扱っている株式会社アップ・ゲートでコンサルティングに求められる不動産業界の知識を幅広く学び、将来に活かしましょう。
会社名 | 株式会社アップ・ゲート |
年収 | 約500〜600万円 |
株式会社オレンジハウス
株式会社オレンジハウスとは独自のデータベースを用いて資産形成や住まいのサポート業務を行う不動産コンサルティング企業です。
スタッフが持つ高いコンサルタントスキルはもちろん、マーケティング力やグッドデザイン賞受賞の経歴を持つデザインスキルなどを活用し、顧客の多様なスキルに対応できるコンサルティングを提唱しています。
そんな株式会社オレンジハウスに入社するスタッフには、業界未経験者が多いという特徴があります。
株式会社オレンジハウスでは徹底したOJTによる早期育成プログラムを導入しており、1年後には現場で活躍できる知識や経験が得られる環境を整えています。
「私服通勤が採用されている」「休日や出社時間がフレキシブル」など、自由で柔軟な社風は不動産業界の中でも新しく、その独自の姿勢から今後の成長も期待できるでしょう。
会社名 | 株式会社オレンジハウス |
年収 | 平均350~600万円 |
株式会社明和不動産
株式会社明和不動産とは1981年に創業した不動産コンサルティング、仲介、管理業務をメインに扱う企業です。
2016年には「未来(Mirai)に向かって住まい(Live)を発展させていく」という理念で「MIVIVE(ミリーヴ)グループ」として持ち株会社を設立、事業領域を大きく再編成し、直接住まいに関わる不動産だけではなく、暮らしを快適にするデジタル通信や保険といった事業への展開も積極的に行っています。
そんな株式会社明和不動産の特徴は若手が活躍できる社風です。
在籍年数や年齢ではなく実力や能力が評価されるため20代、30代の若い役員や管理職も多数在籍し日々活躍の場を広げています。
若いうちに不動産コンサルタントとして活躍したい、というタイプにはピッタリの会社でしょう。
会社名 | 株式会社明和不動産 |
年収 | 約500~600万円 |
不動産コンサルタント(コンサルティング)は実力を付けられる仕事!
不動産コンサルタントはただ不動産を取扱って売買に携わればなれる、という仕事ではありません。
顧客は「不動産についての問題を解決してほしい」という気持ちをもってコンサルティングを希望します。
そんな彼らに安心感を与え、抱えている問題を一緒に解決していくスキルがなければ不動産コンサルタントとして成功することは難しいでしょう。
逆に言えば、不動産業界のあらゆる場所に潜む課題や問題を解決していく過程では、高い不動産関連の知識とコンサルティングスキルを身に着けられます。
不動産コンサルタントを目指すのなら、まずは不動産会社で業界の知識を学びコンサルティングの実績を増やして、キャリアアップを目指しましょう。
目の前の仕事に真摯に取り組めば不動産コンサルタントとして成功する道が開けてくるはずです。
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