就活セクハラを受けたらどうすればいい?対処法と予防法を解説!

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就活生に、立場の違いを利用して性的な嫌がらせをする「就活セクハラ」についての現状を紹介します。もし就活セクハラの被害者になってしまったときの対処法や防衛方法も、あわせて解説します。

就活でセクハラされることもある

就活時に起こる性的な嫌がらせ、「就活セクハラ」について解説します。

実態を把握し、自分が被害者にならないための防衛手段や、もし就活セクハラを受けてしまったときの対処法を頭に入れておきましょう。

就活セクハラとは?

就活セクハラとは、どんなときに、どんな人から受ける嫌がらせなのかを紹介します。

セクハラの被害者といえば女性を思い浮かべがちですが、実は男性の被害者も多いです。

就活生が全員、セクハラの被害者になる可能性があります。

他人事ではないので、注意していきましょう。

  • 就活セクハラの概要
  • 被害は女子就活生だけとは限らない

就活セクハラの概要

ハラスメントは、「嫌がらせ」です。

セクシャルハラスメントは、性的な嫌がらせになります。

就活セクハラは、採用者やOBなどの立場が上の人間が、就活生にセクハラ発言・セクハラ的行為を行うことです。

セクハラ発言の一例では、「うちの会社は独身の人が多いから安心だね」「その胸のサイズじゃ制服はちきれちゃうでしょ」など、結婚や肉体に関わる侮辱的な発言が挙げられます。

セクハラ的行為の一例では、「手や胸を触られた」「待ち合わせ場所から自宅に連れて行かれた」などが挙げられます。

過激なものになると、「脱いだらきみの採用が有利になるよう口添えしてあげる」「受かりたかったら性器を触って」など、採用者としての立場を利用して肉体関係を迫る事例もあります。

その言動がどんな軽い気持ちや悪ノリで行われようと、「悪気があったわけじゃない」「冗談だよ、本気にしないでね」と後だしされようと、嫌がらせは完全な悪意です。

就活セクハラの被害者は、悪意にさらされて恐怖や屈辱を感じます。

人によってはセクハラを受けたことで心が傷つき、就活をやめることになったり、夢を諦めることになってします。

また、「セクハラ発言をされたりボディタッチがあっただけで、無理矢理服を脱がされたとかじゃないんでしょ」と就活セクハラを軽視している人間が多いことも、問題視されています。

就活生にセクハラ発言をする時点でおかしく、ボディタッチは就職活動に必要ありません。

就活セクハラへの認識の甘さが、新たな被害者を産み続けていることも意識しておきましょう。

自分が運よく就活セクハラを受けずに済んでも、友人や兄弟・姉妹が被害者になったり、後に自分が加害者になる可能性もあります。

もし、被害者が周りにいたとき、就活セクハラを軽視した発言がないようにしましょう。

自分が数年後に加害者にならないようにも、気をつけていきましょう。

ちなみに、就活生が企業関係者に「肉体関係をもつから採用を有利に進めてくれませんか」と積極的に働きかけるのもセクハラです。

被害は女子就活生だけとは限らない


就活セクハラは、女性だけが受ける嫌がらせではありません。

男性へのセクハラも存在します。

男性の就活生に対し、パートナーの有無や性行為の経験を聞き出すような就活セクハラがあります。

どこで?誰にされる?就活セクハラの実態

どんな人からどんな状況で就活セクハラを受けるのか、実例をもとに5つにわけてまとめました。

  • OB・OG訪問で知り合った社員に誘われる
  • 説明会で知り合った社員から連絡が来る
  • 面接中に不適切な質問をされる
  • ボディタッチをされる
  • 卑猥な画像が動画を見せられる

OB・OG訪問で知り合った社員に誘われる

OB・OG訪問で知り合った社員から連絡が来て、食事のあとにホテルや自宅に誘われる、という就活セクハラがあります。

このような就活セクハラは非常に多く、大きな被害にもなりやすいです。

待ち合わせ場所を直接自宅に選んでいる場合や、駅から遠い場所での待ち合わせは、要注意となります。

お酒の席に誘われて、アルハラとセクハラを受けた被害者もいます。

説明会で知り合った社員から連絡が来る


説明会で知り合った社員から連絡が来て行ってみたら、就活の話ではなく「性行為をすれば有利になるよう働きかけてあげる」という取引の話だった、という就活セクハラがあります。

昼間の食事のあとに、ホテルや自宅へ連れ込もうとした実例も少なくありません。

直接会いたい、と些細な内容でも就活生を呼び出すことも頻発しています。

面接中に不適切な質問をされる


面接中に、「付き合ってる人いる?」「結婚願望はある?」などの不適切な質問がされたというハラスメントの被害もあります。

面接中の不適切な質問は、男女ともに被害者が多い就活セクハラです。

「少し個人的な事を聞いただけで就活セクハラと騒ぐなんて」と相手や時代の所為する人もいますが、個人的な質問を面接の場で行う必要はありません。

また、就活生が回答する必要もありません。

ボディタッチをされる


就活生の手や肩を故意に触る就活セクハラもあります。

肩とか少し触られたくらいで、などと軽視する人もいますが、そもそも就活にボディタッチは不要です。

就活生の体を故意に触るのは大問題で、おかしいことです。

過激な場合は、胸や足、性器を触るような就活セクハラも実例があります。

卑猥な画像が動画を見せられる


連絡先を交換した相手から卑猥な画像や動画が送られてきた、という被害もあります。

卑猥な画像や動画を送りつけることも、紛れもない就活セクハラです。

就活セクハラをされた時の対処法

就活セクハラは、ほぼ100%加害者に非があります。

就活生が採用者に笑顔いっぱいで感じが良いのは、懐いていたり好意があったりするのではなく、内定が欲しいからです。

就活生が「誘うような言動をした」「相手に勘違いさせた」せいでは、絶対にありません。

それを踏まえて、就活セクハラの被害者になってしまった場合の対処法の一例を、紹介します。

  • セクハラな質問には答えない
  • 同じ企業の別の社員に報告する
  • 録音や画面をスクショして証拠を残す
  • 選択肢の視野を広げることも大切

セクハラな質問には答えない

もし就活でセクハラ的な質問があった場合は、答えないことも対処法の一つです。

素直に答えてしまうと、さらなるセクハラ的な質問が続いてしまう可能性があります。

相手は冗談や軽口などのコミュニケーションとして、無自覚にセクハラ的な質問している場合もあります。

嫌がらせに感じる不適切な質問は、早めに回答を拒否しましょう。

明確に拒否すると角が立つかも、悪い評価をされるかも、と心配でセクハラ質問に回答してしまいそうな人は、そっと質問を流す一言を考えておきましょう。

質問の流し方の一例としては、「就活/採用に直接関係のない質問だと考えますので、回答を控えさせていただきます」「他に重要な質問はございませんか?」などが例として挙げられます。

同じ企業の別の社員に報告する

就活セクハラを受けたら、企業の別の社員に「このような質問をされたのですが、御社の採用基準に関わりますか?」「入社を有利に進めるために性行為を迫られたのですが、そのような採用方式が本当にあるのでしょうか?」と確認することも対処法の一つです。

真っ当な企業なら就活セクハラを問題視しているため、何らかの対応をしてくれます。

ただし、事実確認と称して録音やスクショの有無を確認したり、証拠の提出を迫られたりする場合、企業が就活セクハラを隠ぺいしようとしている可能性もあるので、見極めることも重要になります。

録音や画面をスクショして証拠を残す

あらゆる「嫌がらせ行為」には、録音や録画、メールやメッセージ画面のスクショなど、記録を残すことに絶大な効果があります。

無理のない範囲で、記録を手元に残しておきましょう。

誰かへ相談したり、企業へ報告したり、後々の対応への繋ぎがスムーズに行いやすくなります。

選択肢の視野を広げることも大切

就活セクハラを受けた企業や業界内で本当に働きたいか、再考してみましょう。

自分の望む仕事ができる場所は、本当にその会社だけなのでしょうか。

「他に良い会社はあるのではないかと考えても、もう時間が無かいから、就活セクハラを受けた会社に決める」と腹をくくれるのもすばらしい覚悟ですが、もう一年間を就活に費やして、就職先を吟味することも選択肢のひとつです。

業界内で働けなくても、その業界をサポートする側の職業に回ろう、など選択肢の幅を広げるのも良い考えです。

選択肢を多く持つのは、夢を諦めたことにはなりません。

また、「採用する側」と「就活生」は立場が違うだけで、人間としては対等です。

企業側が見ているように、就活生も企業を見ています。

就活生は、「あの会社はセクハラするよ」「あの会社は終電後も電気が点いてて人がたくさんいるよ」など企業の実態について連絡を取り合っていることもあります。

就活時の自己防衛手段のひとつとしても、第二のセクハラ被害者を出さないためにも、それらの情報ネットワークを活用するのもいいでしょう。

自分の身を守る就活セクハラを防ぐ方法

就活セクハラから身を守るための方法を、3つ紹介します。自分の身を守る手段は、覚えておいて損がありません。

状況によっては「個室」や「飲酒」から逃れられないことの方が多いと思いますが、場所や時間帯を少し意識するだけでも、その後の対応につなげ易いです。

就活セクハラは手段が巧妙化しています。

「こっちが警戒していると、察して手を出してこなかった」という例もあるため、どのような場所や時間帯が比較的安全かだけでも、頭に入れておきましょう。

  • 日中や人の多い場所を選ぶ
  • 飲酒の可能性があるお店は断る
  • 個室を避ける

日中や人の多い場所を選ぶ

就活セクハラには、一対一の場になったら「体を触られた」「卑猥な言葉をかけられた」などの事例があります。

就活セクハラから身を守るためには、一対一になってしまう状況は避けましょう。

また、夜中の待ち合わせ時間はできる限り避けましょう。

巧妙な手口の場合は、昼間に待ち合わせをした後に夜まで就活生を帰さず、飲みの席や自宅などへ誘ってセクハラをすることもあります。

昼間の待ち合わせの場合でも、夜になる前に逃げられるようにしておくと良いでしょう。

最寄り駅の場所がわからなくなる場所へは、なるべく行かないようにしましょう。

飲酒の可能性があるお店は断る

お酒の席でも、就活セクハラを受ける危険があります。

「酒を強く勧められて断れず、酔いつぶれたところで散々な目にあわされた」という、アルハラも兼ねた就活セクハラも実例があります。

就職活動自体に飲酒は不要です。

誘われたから絶対に行かなきゃいけない、ということもありません。

飲酒の可能性がある場所へ誘われても、心配であれば「お酒抜きで落ち着いて話したいです」「就活中は禁酒してます」などと断るのも、ひとつの手段です。

個室を避ける


カラオケルームや自宅などの個室に誘い込み、就活セクハラをする事例もあります。

個室は第三者の目がないので、セクハラをしやすい状況になっています。

就活セクハラから身を守るためには、個室を避けることも重要です。

就活セクハラは企業側に大きな責任がある

「採用する側」と「就活生」の人権は対等です。

どうやら「採用する側には圧倒的な優位性がある」と勘違いしている人がいるようですが、就活セクハラはほぼ100%加害者側に非があります。

「自己防衛ができていなかったから悪い」「誘って来たのが悪い」「勘違いさせる言動が悪い」と被害者が侮蔑されることは、あってはなりません。

就活生が笑顔で感じ良く振る舞うのは好意のためでなく、スムーズな内定を得るためです。

「勘違い」したのは加害者で、「悪い」のも加害者です。

また、セクハラの許される雰囲気というのは幻想であり、そんな場所や機会はありません。

セクハラの許される雰囲気や場所が無いのに、「個室についてきたらオッケーサイン」「酔っていたし、お酒の場だからしかたない」は筋が通りません。

内定を得たいという就活生の心につけ込むセクハラも許されません。

「冗談だった」「本気にすると思わなかった」という、後出しによる責任逃れもできません。

どんな状況でも、民事・刑事責任の追及が可能になります。

就活セクハラで悩んだらまずは誰かに相談


就活生に対し「企業とのやり取りを外部に漏らさないで」という所もありますが、「犯罪行為」に守秘義務はありません。

また、就活セクハラを学校側に報告した際「変なうわさを立てられたら、今後うちの学校の出身者が企業に採用してもらえなくなるから、後輩のためにも大事にしないで欲しい」といわれて黙る必要もありません。

これから大事にするのではなく、「大事」はすでに起こっています。

誰かに相談して味方を増やし、被害者の悲鳴を大きくしていきましょう。

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