エントリーシート(ES)は、就活の序盤において提出することが多くなっています。人気企業になれば、10,000通以上の応募もあります。以前は、紙での提出が主流でしたが、最近では、WEBでの提出も増えてきました。今回の記事から人事の心を掴むために読ませる技術、心を動かすエントリーシートの書き方をマスターしてください。
1.エントリーシートの書き方のポイントは?
エントリーシートは書類選考や面接で使用されます。ここでは、エントリーシートの書き方のポイントについて、解説します。そのためには、エントリーシートとは何かという本質を把握することが近道です。エントリーシートの意図や形式、質問内容を知ることで、エントリーシートの書き方のポイントを押さえて、戦略的に仕上げましょう。
①エントリーシート提出の意図を知ろう!
書類選考でも面接でも、その選考を行う意図が必ずあります。企業も時間やコストなど、多大な労力をかけて、採用活動に当たっています。エントリーシートを提出させる主な目的は、学生を絞り込むことです。特に応募者が殺到する企業では、学生を序盤である程度、絞り込む必要性があるのです。
②よくあるエントリーシートの形式を知ろう!
エントリーシートの形式は、企業によって変わってきます。まずは、紙かWEBのどちらかで提出することになります。形式は、大きく分けると、履歴書タイプ・設問タイプ・自由書式タイプなどがあります。
③よくあるエントリーシートの質問を知ろう!
定番の質問は「自己PR」、「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」、「志望動機」の3つとなります。履歴書と重複するような設問が多いのが特徴です。その他に、よく出題される質問には以下のようなものがあります。下記の質問は、本格的に就活を行っていれば、一度くらいは目にする機会があるでしょう。
- 今までの人生や学生時代の中での挫折や困難、壁にぶち当たった経験
- 学業と学業以外で頑張ってきたこと
- 学生時代頑張ったことを2つ(3つの場合も稀にあり)
- 就活の軸は何か
- 5年後、10年後のキャリアビジョン
- 将来、当社で実現したい夢や目標
事前によくある質問内容を知っておくことは肝心です。自己分析や自己理解をすすめていく上で、それらを意識しながら考えることができるので、効率的でかつ横道にそれることなく、真っ直ぐ進むことができます。
2.エントリーシートの書き方の注意点
エントリーシートを書く上で、いくつか注意しておきたい点があります。
①エントリーシートを書く前に
基本的な注意点を示す前に、頭に入れておきたいことがあります。それは、100%通過するエントリーシートはないという事実です。客観性が担保されたテストであれば、可能かもしれませんが、いくら採用方針があったとしても、書類や面接などには主観的なものが混じって当然だからです。全ての難関大学に合格する人間はいても、全ての企業(高倍率の企業を含めて)に内定を得ることはありえません。
だからといって、何も対策しないで選考に臨むわけではありません。「自分を知り」、「相手を知る」ことで、選考突破の確率は確実に上げることができます。
②読まれない、通過しないエントリーシートとは?
雑に書いたエントリーシートは、すぐにわかります。たとえ、字が上手くなくても、丁寧に書くことはできます。不思議なもので、何百枚、何千枚とエントリーシートを見ている側からすれば、初見でもエントリーシートに気持ちが込められているか、適当に書いたのか何となく感じます。全員通過する、もしくは通過する人数が多い企業のエントリーシートならいざ知らず、ある程度ふるいにかけられる場合は、準備が欠かせません。
それでも、通過しないエントリーシートはあるかもしれませんが、全力を出して書いたエントリーシートであれば、後悔はしても、達成感は残ります。ミスマッチと割り切って、次に活かせばいいのです。
③やってはいけないエントリーシートの書き方
マイナスになることは、おすすめしません。細かいことを気にしない企業があったとしても、ルールを無視したり、常識を守れないことでプラスになることはないからです。
何度か読み返すことで防げる。仮に一箇所誤字脱字があっても、見逃してもらえることもあるが、あまりに多すぎると間違いなく読み手は意欲をそがれ、落とされる確率が高くなる。
通常は書き直す。下書きを欠かさない。
消える可能性がある。
④空欄は避ける。
余白が多いと、手を抜いたように感じる。
⑤設問に対して答えが対応していない。
適当に書いた場合や逆に思いが溢れすぎた場合に、生じやすい。questionに対して、answerを提示するのは、基本中の基本。
誤字・脱字を防ぐ方法や、間違えてしまった際の修正方法については以下の記事で詳しくご紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
④エントリーシートを書いたあとに注意すべき点
エントリーシートでも何でも、書きっぱなしが一番よくありません。エントリーシートを1枚書き上げるには、けっこうな時間がかかります。エントリーシートが完成したら、書き上げたことに満足せずに、必ず推敲しましょう。できれば、最終的には、コピーやプリントアウトをして、チェックしてください。人間は文章などを透過性(ディスプレイ)のある媒体で見るときと、反射光(紙)で見るときで脳の働きに差が出ます。
紙の方が、脳の情報処理の効率は上がると言われています。最終確認は、一度紙に出力してから行いましょう。
3.読まれるエントリーシートの書き方
エントリーシートの提出状況にもよりますが、多くのエントリーシートを読む人事担当者であれば、何百枚、場合によっては千枚以上目を通します。仕事であり、企業の今後やその人自身の評価にもつながります。とはいえ、全部隅から隅まで読むかと言えば、時間的な制約もあり、物理的には難しいことの方が多いでしょう。読む側もその辺はポイントを押さえています。
①読み手を意識したエントリーシートとは?
通過人数が多いエントリーシートであれば、基本を押さえて書いておけば、余程のことがない限り落とされないでしょう。面接で掘り下げて話せる準備をしておきましょう。一方で、選考通過率が低い企業の選考突破するためにはポイントが2つあります。
1つはテストがセットの場合です。テストの点数は瞬時に数値化可能です。WEBテストなど試験で落ちない対策をしておくことです。
もう1つは、エントリーシートに関わります。「この学生に会いたいと思える」エントリーシートに仕上がっているか。そのためには、企業のことをよく知ることに尽きます。ベクトルの違うエントリーシートは、ミスマッチを防ぐためにふるい落とされますので、通過率は下がります。
②エントリーシートの書き方のコツ
エントリーシートを書く上での簡単なコツです。難しいことではありませんので、頭に入れておきたいとところです。下記の内容は、面接の際にも応用できます。
言いたいことは絞って、欲張らないこと。
読み手は学生のことを全く知らない。一文が長いと、頭に入って来ない。
質問に対する落としどころを真っ先にに提示する。
④書く材料を集める。
自己分析や自己理解が進んでいないとそもそも書けない。引き出しは多ければ多いほど、色々な企業に対応できる。
③エントリーシートを読んでもらう技術
多くのエントリーシートを読む場合、似たような文章や内容が盛りだくさんです。仕事とはいえ、読む方も辟易します。エントリーシートを読んでもらうには、とにかく具体的なエピソードを盛り込んで、読み手を引き込むことです。心理学に「ナラティブ・アプローチ」というものがあります。「ナラティブ」とは、「物語」です。たとえ、やってきたこと「アルバイト」、「ゼミ」、「部活・サークル」などがかぶっても、その中身は人それぞれです。
人は他人の具体的な物語に興味を持ちます。自分と他者は別の人間だからです。興味を持ってもらうための工夫を常に意識しましょう。
なかでも、就活生がエントリーシートに必ずと言っていいほど盛り込む「アルバイト」。上記で説明したように、アルバイトは多くの就活生が書く分、人事は飽き飽きしています。では、アルバイト経験を人事に読んでもらうためにはどう言った工夫が必要なのでしょう。どうすれば勝てるエントリーシートを書くことができるのでしょう。こうした疑問に以下の記事でお答えしています。ぜひ参考にしてみてください。
4.エントリーシートの書き方はもちろん、郵送は理解できてる?
ここまでエントリーシートの書き方や注意点についてご紹介して来ましたが、エントリーシートは書いて終わりではありません。企業にそのエントリーシートを郵送するまでがエントリーシート作成の一連の作業です。郵送の仕方についてはしっかりと理解できていますか?
せっかく時間をかけて作成したエントリーシートも郵送方法に手違いがあっては勿体無いですし、最悪の場合選考を受けることができなくなってしまいます。それだけ大切なエントリーシートの郵送方法。以下の記事で詳しくご紹介しています。郵送する場合は必ずこちらの記事を一読してからにしてくださいね!
5.まとめ
エントリーシートの書き方は、ポイントや注意すべき点、コツを押さえて、書き上げてください。ノープランで書いて、内定を得る学生もいますが、普通に考えれば、企業にとって採用は投資ですから、企業側は、真剣に向き合ってくれた学生に入社してほしいと考えています。学生側も同様です。自分の人生としっかり向き合った結果、巡り会えた企業に入社した方が、長い目で見た場合、最善策ではないでしょうか。
内定がゴールではありません。入社して、いかに自分の力を最大限発揮して、よりよいキャリア(人生を含めた)を築くかが最も大切なことなのです。
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