金融業界といえば、就活生に人気な業界の1つですよね。特に銀行や保険などの企業は、毎年学生の就職ランキング上位を占めてます。採用人数が多く、高給与・安定など良いイメージを抱いている人も少なくないでしょう。ただ、金融業界といっても、業種や職種は様々であり、企業によって特徴も異なっています。就職活動を有利に進めていくためには、それらの定義や違いをしっかり把握しておくことが大切です。今回は、そんな金融業界の実態と就職活動に役立つ情報をまとめてみました。
研究の前に。そもそも金融業界とは?
金融業界とは
そもそも「金融」とは何なのでしょうか。金融とは、広義に「経済活動の一環として、お金が社会の中を回ること」を意味しています。よって、社会に存在するお金をうまく循環させて、経済を維持していくのに貢献しているのがこの金融業界なのです。
金融業界の業績推移と特徴
金融業界は、過去10年の間成長傾向が続いていましたが、その中でも2007年ごろから2010年ごろには若干の減少傾向が見られました。その後は段々と業績も回復し、現在の成長性はほぼ横ばいの状態で進んでいます。金融業界は様々な分野に分けられますが、中でも銀行・証券・ローン・消費者金融などの分野の収益は減少傾向にあります。反対に、損害保険やクレジットカードなどの収益は増加傾向にあります。金融業界は、社会情勢や金融政策に大きく左右される業界であり、同じ業界内であってもその分野によって影響の受け方が異なる事が多々あります。
更に金融業界の業界規模は、60兆円ほどで他の業界と比較して経済規模が大きいです。更に、その内約25兆円分を銀行が占めており、やはり金融業界といえば銀行というイメージが1番強いでしょう。平均年収は693万円であり、これも他の業界と比べてやや高い年収となっています。また、中でもテレビCMで見たことがあるような知名度の高い企業は、更に高い年収だといえます。企業単位で言えば、年収1000万を超える会社も少なくはありません。勤続年数は、企業によってばらつきはあるものの平均で19年です。最高で33年、最低で16年と業界全体で高い傾向があります。分野によっても異なりますが、基本的には継続年数も長く離職率の低い傾向にあります。
①【金融業界研究】金融業界の4つの柱
金融業界は、主に以下の4つに分類する事ができます。
- 銀行
- 証券
- 生命保険
- 損害保険
就職活動で金融業界を受ける場合、面接において必ずと言っていいほど聞かれる質問があります。「なぜ金融業界の中でも証券なの?」「生命保険と損害保険の違いは?」「なぜ証券ではなく銀行志望なの?」といった違いを問われる質問です。これは、就活生が業界内でのビジネスモデルや業務内容の違いをきちんと理解した上で、企業を受けに来ているか確認するための質問です。これらの質問に答えられるように明確にしておきましょう。
①銀行
個人や企業から預金を集めて、それを企業や個人に融資する金融機関のことです。銀行の大きな特徴は、預金を集める機能があるという所です。いわゆる間接金融による仲介機関の役割をしています。間接金融とは、貸す側(個人や企業)が銀行を通して借りる側(国や企業)に間接的にお金を融通することを指します。これに対して直接金融というものもありますが、直接金融は、貸す側(個人・企業)が借りる側(国や企業)に直接お金を融通する事を指しています。
また、営業基盤の違いから、メガバンク・地方銀行・信用金庫などに分けられています。
②証券
上記で説明した通り銀行は間接金融でありますが、証券会社は直接金融を行っています。主な業務内容は以下の4つです。
〇ブローカー業務
株式の売買の仲介をする。株式を売りたい、解体という人の注文を受け付け、証券取引所に伝える。
〇セリング業務
証券の募集や売り出しを取り扱い、新たに発行される証券などを多くの投資家に買い入れてもらえるように勧誘する。
〇ディーラー業務
一般の投資家と同じように、証券会社が自分のお金と判断で有価証券を売買する。
〇アンダーライター業務
企業が株式や債券を発行する際に、発行会社の代わりに有価証券を引き受ける。
③生命保険
その名の通り、人に関する保険を扱っています。加入者から長期間にわたり定期的に保険料を受け取り、加入者が死亡等してしまった際に、その家族に保険金として支払う金融機関の事です。預かった保険料を保険金として支払うだけではなく、長期的に運用し、その収益を得て資産を増やしていく機関投資家という面もあります。
④損害保険
こちらは、モノに関する保険を扱います。生命保険と違うところは、一定額の保険金が支払われるのではなく、損害額により保険金の支払いが変わる「実損払方式」が採用されている点です。金融業界の中でも、銀行に次いで人気のある分野です。特にエリア総合職は「総合職で働きたいけど転勤はいや!」という女の子に人気である傾向があると思います。しかしながら、損害保険のエリア総合職は、多くが代理店営業であり顧客と直接向き合うことはほとんどないため、その点は確認が必要です。
②【金融業界研究】金融業界の就職活動の傾向と対策
金融業界の社風・雰囲気について
この業界は、お金を取り扱うという事もあり、業界全体として見ると堅実でまじめな社風の会社が多いです。また、上下関係がしっかりしているという特徴もあります。法人営業を担当する総合職は、ハードワークでノルマが厳しい所が多いため、体力・精神力共に自信のある方が多いです。よって体育会系の人が多く採用されるという傾向もあります。ですが、総合職だからと言って厳しいノルマが課せられる会社が全てではなく、職種や支店、周りの人間関係などで変わってくるのは確かです。なので、気になった企業はOBOG訪問などして、社風や働き方などについて、詳しく情報収集することをお勧めします。
情報収集する際に大切になってくるものが、何と言っても業界研究と企業研究です。以下の記事でやり方とその重要性について詳しくご紹介しています。参考にしてみてください。
金融業界の面接について
また、面接での対策ですが、金融業界での面接では「あなたの人柄を問う質問」が非常に多いです。つまりは、自己分析がしっかりできていないといけません。例えば、「あなたの長所」について聞かれた場合、一言二言で表面上はOKの答えを準備している人では、深く突っ込まれてしまうでしょう。ある有名な損保会社では、小学校から現在までのあなたの行動に対して「なぜそれをしたのか?」「あなたはその時どう感じてどう行動したのか?」などの質問を逐一されます。
またとあるメガバンクでは、個人面接の回数が10回を越え、毎回担当の面接官が変わり、毎回面接官があなたの人柄を◎、〇、△で評価するといった話もあります。面接の仕方や質問は変わる可能性もあるので上記の形が絶対ではありませんが、人柄・自己分析がしっかりできているかどうかが重視されているのは間違いないでしょう。加えて、金融業界の中でもなぜ銀行なのか?なぜ生保ではなく損保なのか?といった質問にしっかり答えられるかどうか、数ある銀行の中で御行に入りたいという熱意を伝えられるかどうかがポイントになってきます。
金融業界では他の業界と比べて、自己分析が特に選考通過の鍵を握ります。金融業界を受けようとしている方は早い段階で自己分析を始めるようにしましょう。自己分析のやり方がまだわからない、といった方は以下の記事も併せて参考にしてみてください。
③金融業界研究のまとめ
いかがでしたか?一口に金融業界といっても、銀行・証券・生命保険・損害保険と分野が分かれており、更に細かく分けることもできます。業界研究をしっかりして、自分にあった職種を見つけて就職活動をしていきましょう!
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