就職活動が始まると、自己PR作成や面接の練習などに追われます。そんな日々の中で、手が回らないことが多いのが企業研究です。志望する業界・業種は調べても、企業の一つ一つは深く調べずに選考に臨む学生も珍しくありません。
しかし、企業研究を怠ることは選考で不利になるだけでなく内定後のキャリアにも悪影響を及ぼします。本記事では
- 企業研究を重視すべき理由
- 企業研究を効率よく行う方法
について詳しく解説していきます。企業研究でお悩みの方はぜひご覧ください。
1.企業研究の方法が就活で重要な理由
企業研究で得られるのは、「この会社じゃないとダメな理由」です。
学生は「○○の業界で働きたい」、「○○の職種で働きたい」ということは考えても、「この会社じゃないとダメ」という強い思いは持っていない場合が多いのが現状です。しかし、企業からすれば「自分の会社じゃないとダメ」という学生を最も採用したいのです。このギャップに気付いた人間が就活を制すると言えます。企業研究には、他にも以下のようなメリットがあります。
1-1効率よく応募企業を見つける
企業研究を怠らずに行えば、効率よく志望企業を見つけることができます。「毎日多くの会社に応募するのに企業研究なんてする暇がない」という意見もありますが、冷静に考えてみてください。
①特に調べもせず何十社も適当にエントリーシートを送る
②企業研究をしっかり行った十社にのみエントリシートを送る
両者ではどちらが真に効率的でしょうか?
前者は「内定が欲しい」という思いで動いているのに対し、後者は「この会社で働きたい」という思いで動いています。人事担当がどちらを面接に招待するかと問われれば、間違いなく後者でしょう。応募企業を絞る分学生側も戦略が立てやすいはずです。企業研究をしっかり行えば、広く浅くではなく、狭く深い就活が行えます。
1-2ミスマッチを防ぐ
企業研究をしっかりと行えば、入社後のミスマッチに苦しむ可能性が低くなります。現在入社した学生の3割が3年以内にやめると言われていますが、その大きな理由が理想と現実のギャップからくるミスマッチです。ミスマッチには「思っていたのと違う業務をやらされた」、「労働条件がきつかった」など様々なものがありますが、これは企業研究をしっかり行えば回避できたはずの失敗です。
企業研究をしっかりと行えば、せっかくの新卒カードをミスマッチで浪費することもなくなります。業務の実態を隠そうとする企業も見破ることが可能です。ミスマッチで消耗しないため、自分のよりよいキャリアのために企業研究はしっかり行いましょう。
1-3自己PR作りに役立つ
企業研究を深く行えば、面接官の心に響く自己PRを作ることもできます。
①深く企業のことを知らずに自己PRを作る
②会社のビジネスモデルや理念、これまでの歴史や採用したい人材の人物像をしっかり把握したうえで自己PRを作る
のではどちらがより良いか言うまでもないでしょう。
自己PRは、志望する企業ごとに変えていくのが理想です。そのためには企業のことをしっかり調べる必要がありますが、それが出来ず同じ内容を使いまわしている学生もたくさんいるのが現状です。企業研究をしっかり行い、自分だけのオリジナル自己PRを作りましょう。
2.企業研究を効率よく行う手順
次に、企業研究の手順を詳しく解説していきます。企業の研究の手順と書くと
①求人票を見る
②企業のホームページを見る
などが挙げられますが、重要なのは「何を見たらいいのか」ではなく「何を知るべきか」です。企業を深く知るためのポイントを押さえないと、どんな資料を見てもその場限りで終わってしまうでしょう。選考で活用できる情報をいかに得るかがポイントです。
2-1企業のビジネスモデルを調べる
まず調べるべきは、企業のビジネスモデルすなわち「何で稼いでいるか」です。「○○を売っている会社」レベルではなく、「最終的にどこで収益を得ているのか」「主力商品は何か」「今力を入れている事業は何か」など深い内容まで掘り下げていきましょう。法人に商品を販売するBtoB、個人に商品を販売するBtoCなど「どのような顧客に商品を販売しているか」も重要です。
ビジネスモデルをしっかり調べれば、その企業が自分の目指している仕事と一致しているかがはっきりと理解できるようになります。ビジネスモデルは学生はおろか成人の転職者もはっきりと把握していない場合が多く、「それうちの会社じゃなくていいよね」といって落とされる志望者は数多くいます。まずはビジネスモデルを知り、自分の希望と合致しているかを知りましょう。
2-2 企業が業界の中でどの立ち位置にいるか調べる
企業にはトップクラス、中堅、新興、零細など様々な立ち位置があります。業界での立ち位置によって企業が求める学生も変わるので、企業の立ち位置はしっかり把握しましょう。大企業で安定したキャリアを築きたいのに、零細企業の選考を受けに行ってもうまくいきません。企業の立ち位置を調べれば、選考で取るべき戦術や作るべき自己PRも分かるようになります。
立ち位置を調べるには、まず企業の規模を知る必要があります。売り上げや資本金を調べるのはもちろんですが、業界の規模は多種多様なのでそれだけで判断するのは危険です。業界全体の規模を把握し、トップクラスの企業の売り上げと比べてみましょう。
次に、「企業のキャラクター」をうまくつかみましょう。人間と一言で言ってもその性質は多種多様なのと同じで、企業にも様々な性質があります。安定した取引先をもつ黒字企業、新技術の開発に熱心なベンチャー企業、他を圧倒する資本力を持つ大企業と挙げればキリがありません。企業のキャラクターを知り、自分の性格や趣向と合致するかを調べましょう。
業界地図なども使うことで、より他の同業他社との違いが明確になります。
2-3企業で働くことで、自分の希望するキャリアが実現できるか調べる
ビジネスモデルや立ち位置を把握すれば、自分のキャリアがどの企業で実現できるかを調べる事ができます。企業によっては若手社員の実像をホームページなどで紹介しているところもあるので、それらをもとに判断しましょう。もし希望と合致する企業であれば、働く際のイメージも浮かびやすいので、選考でも自分の考えをはっきりと述べることができるでしょう。
3.企業研究で抑えるべきツールと、それらを使いこなす方法
最後に、企業研究で使用するべきツールの使い方を紹介します。上で述べた手順を意識して使用すれば、大きな成果を挙げることができるでしょう。ただし、ツール自体は多くの学生が利用しているのでそれだけでは差別化は難しいです。ただ使用するだけでなく、選考で有利に立てるように活用することを目指しましょう。
3-1企業のホームぺージ
企業研究においてホームページ調査は基本中の基本です。業態・資本金・従業員数・事業戦略・人事制度・社風・福利厚生など多くの情報を得られます。ただ見るだけでなく、ある程度内容を暗記しておけば面接で役に立ちます。
ホームページの情報を最大限活用するなら、「ホームページを見て思った疑問」などを質問できるように準備すると効果的です。福利厚生や給料面より、会社の理念や経営方針に関する質問ならなおいいでしょう。面接官側は「志望するならホームページは隅々まで見て当然」という姿勢でいるため、しっかり下調べしたうえでの質問なら歓迎されます。
また、企業のホームページ以外にも、就活では様々なインターネットサイトを活用することができます。役立つインターネットサイトについて以下の記事にまとめてありますので参考にしてみてください。
3-2説明会
説明会も企業研究で抑えるべきツールの一つです。説明会で語られるのは企業が学生に最もアピールしたい情報なので、それを知ることは選考を進めるうえで重要です。
しかし、説明会の機会を活用するなら「説明会で語られるような内容」は事前に網羅するほうが良いでしょう。説明会で「休日は何日ですか」「福利厚生はありますか」とホームページを見ればすぐわかるような質問をするのは得策でありません。説明会でも選考は行われていると考え、事前に調べた情報を踏まえて質問ができればアピールができます。
説明会に参加する意義については以下の記事を参考にしてみてください。
3-3就活サイトのページ
意外に見落としがちなのが就活サイトのページです。応募を検討している企業がリクナビやマイナビなど、就活サイトにページを載せていたら必ずチェックしましょう。
ちょっと見ただけではホームページと大差ないように見えますが、ホームページが「会社に興味がある方全般に情報を提供する場所」なのに対し、就活サイトのページは「選考を検討する学生に情報を提供するサイト」なのがポイントです。
就活サイトのページを活用するなら、ホームページと就活サイトで内容の違うところをチェックするといいでしょう。内容の違うところが学生に真にアピールしたいポイントだからです。そのポイントを選考で活用すれば内定にぐっと近づきます。
3-4OB・OG訪問
他の学生と徹底的に差別化したいなら、OB・OG訪問がおすすめです。説明会や求人票では得られない生の情報を聞くことが可能となります。ただし、しっかりと準備しないと型通りの質問で終わってしまうので注意が必要です。
OB・OG訪問を活用するなら、直接聞くことでしか聞けない会社の裏の裏を知ることが大切です。むろん簡単には話してはくれませんので、聞き出せるような話し方なども研究する必要があります。
OB・OG訪問の詳しいやり方や参加するメリットなどは以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
4.まとめ
いかがでしたか?企業研究は忙しい就職活動の中で見落とされがちですが、しっかり行わなければ選考だけでなく今後のキャリアにも悪影響を与えてしまいます。企業研究をしっかりと行い、自分の思い描くキャリアを達成できる企業に入社しましょう!
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