企業研究には、たくさんの方法があります。やればやっただけ知識が付いてくるので、すぐに結果が出るのも嬉しい企業研究。でも、そこで得た知識やデータを調べっぱなしにしていませんか?企業研究は、自分でデータをまとめてこそ完成します。わかりやすく可視化することで、自分の理解度を高めることもできるのです。
今回は、ノートを使って企業研究のデータをまとめる方法をご紹介します。誰でもできる簡単な方法で、企業研究の最後の仕上げを自分らしく頑張ってみましょう!
企業研究をノートでまとめるやり方が人気。その理由は?
志望動機や自己PRが書きやすくなる
せっかく調べたデータをとっちらかった状態で放置してしまうと、いざES対策などでデータを使おうとしたときに役に立ちません。各企業ごとにポイントがまとめてある自分だけの参考書があれば、適切な志望動機や自己PRをスラスラと書くことが出来ます。
志望動機などは、一つのものを使い回しできるわけではありません。企業や業界ごとに求められている新入社員像は違ってきます。それを考察しやすくするためにも、ノートで分かりやすくまとめるのは必須です。
ミスマッチを減らせる
苦労して入った企業も「なんか合わないなあ…」と感じて、すぐに辞めてしまう若い社員が多いですよね。「求めている人物像」と「自分のパーソナリティ」がわかりやすくまとめてあると、こうしたミスマッチに事前に気付くことが可能です。
せっかくなら、自分にピッタリの企業に早いうちから出会っておきたいもの。後で味わうつらさや大変さを減らすためにも、ノート作りは大切なのです。特にOB・OG訪問で質問して得た情報をノートにメモっておくとミスマッチを防ぐことができます。OBOG訪問での質問やミスマッチについて、詳しくは以下の記事でご紹介していますので参考にしてみてください。
今までの企業研究データが一目でわかる
1冊のノートに今まで調べたデータが全部詰まっているので、「あの企業についてもう一度おさらいしておきたいな」と思った時も役立ちます。パソコンでまとめておくのも良いですが、それだと全体の総量が分かりにくいです。
ですがノートなら、一目瞭然!手でペラペラページをめくるだけで、だいたいの概論はつかめてきます。わかりやすさはダントツトップです。また企業研究と併せて業界研究も行っておくとよりわかりやすくなります。業界研究のやり方は以下の記事を参考にしてみてください!
持ち運びOK!いつでも準備できる
パソコンのデータよりも、持ち運びがしやすい点も魅力です。ノートなら説明会の場でも何の心配もなく机の上に出しておけますし、「書きたい!」「見返したい!」と思った時にすぐにデータを見られるのでストレスが減ります。
企業研究のデータは、やっぱり実践あってこそ。ただまとめただけなら意味がありません。就活本番の現場で、バリバリ使い倒してこそデータに価値が生まれます!
手書きで作るから、頭に残りやすくなる
ノートは、基本的に手書きで書くことをおすすめします。なぜなら、「ただ打っただけ」のパソコンのタイピングよりも頭に残りやすくなるからです。手書きなら自分の好きな筆記用具やカラーペンを使うこともできますし、何なら絵や写真を自由に使って自分らしいページを作ることも可能です。
ついついページをめくってしまいたくなる魅力的なノートを作れば、就活自体のモチベーションも上がってくるはず。作っている時間がリフレッシュタイムにもなります。趣味嗜好をこらして、友達に自慢したくなるようなノートを作ってみましょう!
企業ごとの比較が楽チンになる
「企業研究は、各企業ごとに比較しないと意味がない」と聞いたことはありませんか?これは、本当です。でも、企業を横に並べて比較するのはなかなか難しいものです。
そんな不満を解決するのがこのノート。企業ごとに同じ重要事項がまとめてあるので、ページとページを比較するだけで企業比較が簡単にできてしまいます!
なかなか比較が上手いようにいかない…。と悩んでいる人は、ぜひノート作りを試してほしいです。
企業研究のやり方ノートに企業研究を記載する前にすべきこと
企業研究で、いきなりノートに書き始めるやり方は、得策ではありません。準備やストレッチもせずに練習試合に臨むようなものです。本番の選考を試合に例えるならば、企業研究は練習試合です。本番の試合で発揮できる力を培うために、段階を踏む必要があります。「企業研究のやり方」でも順を追って、確実なステップを踏みましょう。
効率的な企業研究のやり方には、大きく二つの準備が必要になります。
①業界研究
まずは、企業単位で研究をするためには、大枠を知らなければなりません。一つ一つの木々を見る前に、森全体を見る必要があります。すなわち、業界研究をしっかりしておきましょう。なぜ、業界研究を先にしておく必要があるのか。今の就活は、各業界の特徴や動向を踏まえておかなければ、あっという間に取り残されてしまうからです。たとえば、金融業界に目を向けてみると。一目瞭然です。今の常識は、未来の非常識という言葉があります。社会変化や業界全体を眺めて、自分なりの判断を下すことが大切な世の中なのです。そのためには、大きな視野を持って、企業研究につなげていきましょう。
業界研究のやり方については以下の記事を参考にしてください。
②自己分析
自分の特性を知った上で、企業研究は進めていきましょう。ミスマッチを防ぐことにもつながりますし、自分の特徴を捉えることで、志望する業界や企業が定まります。照準が定まることで、的確に狙いをつけることができます。選考において、企業はコンピテンシー、すなわち学生の特性をつぶさに観察し、見極めようと必死です。同じ業界でも、企業によって、社風や求める人物像は異なります。まずは、自分自身の特性を知り、個々の企業の特徴を捉えて、企業研究を行うことで、最適なマッチングをはかりましょう。
自己分析については以下の記事を参照にしてください。
ノートで企業研究を進めるやり方をレクチャー!
1ページ1企業で進める
基本的には、1ページに1つの企業データをまとめるスタイルをおすすめします。これは、後で見返した時にテンプレートを統一させておく必要があるからです。企業比較をする際も、ページが企業ごとにばらばらだったら比較しづらくなってしまいます。
書きたいことがたくさん出て来ても、それを全部載せてしまうと1ページでは収まらなくなってしまいます。ですから、情報を取捨選択する必要があります。そこで、「必要なデータだけを選りすぐる」という就活スキルも身につくのです。
基礎知識・将来のビジョン・社員の傾向などをまとめる
ノートを書き始める際に、「共通してまとめるポイント」をまず決めておくとこれからの執筆が楽になります。ここでは、ES作成で役立つ基本テンプレートを紹介します。
- 企業の基礎知識…代表者、所在地、連絡先など
- 経営理念
- 事業内容
- 労働条件
- 給与
- 将来性
- 社員の印象
これらがまとめてあれば、企業の大まかな印象を捉えることができます。テンプレートを埋めていくにつれて、「ここ書きづらいなあ…」と感じることがあったら、それはそこの調査がまだ足りていないということ。あるいは、その企業の弱点とも言えます。同じテンプレートを共通して使うことで、企業研究を進めるうえでの細かな変化にも気づけるのでオススメですよ。
自分の就活の軸に合わせて注目ポイントを書く
自分の就活の軸に合わせた独自のポイントをテンプレートにプラスすると、もっとノートを自分らしくアレンジできます。国際的な企業に興味があるなら海外進出に関するポイント。結婚・育児をきちんとこなしながら働きたいという人は、該当する体制が整っているかというポイント。
どんなポイントをピックアップするかは人それぞれです。ここできちんと自分と向き合うかどうかで、ミスマッチの危険性を遠ざけることができます。
選考スケジュールも書いておくとGOOD
企業データをまとめておくのは当然ですが、スケジュール帳代わりにノートを使うという方法もあります。企業ごとに、
- 書類提出締め切り日
- 選考内容・選考日
- 内定予定日
などを書いておくと、これからその企業を受けようか?と考える時にとても役立ちます。普通のスケジュール帳でもいいかもしれませんが、それだと同じ日に選考が被っている企業の有無などに気付きにくくなってしまいますよね。
こうして各企業の選考スケジュールを改めてまとめておけば、学校やアルバイトなどの予定も立てやすくなります。
最新情報を書くように注意する
意外と多いのが、間違って古い情報をノートに書いてしまうということです。インターネットで企業について調べていると、「出てきたデータが去年のものだった」というのも珍しくありません。
でも、企業は一年ごとに進化しています。間違えて古い情報を使ってES作成や面接対策に取りかかってしまうと、ずれた内容・考えで選考に臨むことになってしまうかもしれません。データをまとめる前に、「本当にその情報は最新情報なのか?」「ガセデータではないか?」と一度考えてみてください。
①企業の正確な基本情報をチェックする
社名や企業理念などです。企業のホームページの「会社概要」を確認してください。特に社名は注意が必要です。通称名のように、一般的に呼ばれている名称の方が有名だったり、社名が変更している場合などもあります。
②企業の募集要項をチェックする
該当する卒業年度の募集要項をチェックしましょう。企業によっては、募集している職種が年度によって異なることもあります。また、ほとんどの会社では、求める人物像が記載されています。自分と企業の接点を見つけられるかが重要です。
③企業が公開している数字をチェックする
従業員数や平均年収、離職率や売上高など、企業が公開している数字はたくさんあります。企業によって公開している内容にも差がありますので、ホームページや資料だけでは知りたい情報がわからないこともあるでしょう。その場合には、説明会で質問するなどして情報収集するようにしましょう。
ワンランク上の企業研究のやり方
①有価証券報告書や日本経済新聞などで情報を見つける
企業のホームページや会社説明会では、なかなか出てこない情報が載っています。上場企業や有名企業は多くの学生が受けますので、こういったところで、少しでも他の学生と差別化をはかりたいところです。
②業界新聞や業界専門誌、経済誌などを活用する
ほとんどの業界には業界新聞や業界専門誌があります。大学の図書館や最寄りの公共図書館で閲覧できるケースが多いでしょう。インターネットで、一部閲覧できる紙面もあります。業界の外郭団体のホームページなども参考になります。
③OBOG訪問
基本的に採用活動では、企業は良い部分を全面的にアピールします。中には、マイナス面も伝えることもありますが、学生に知ってもらって、受けてもらわなければ始まりません。特に学生の売り手市場の現在は、企業は優秀な人材の確保に必死になるので、なおさらです。OBOG訪問では、ありのままの企業の実態を知ることができます。生の情報収集に努めましょう。
ノート作りで困った時はこうする!企業研究のやり方Q&A
ノートがそろそろ終わりそう…。2冊目を作るべき?
企業研究が進むにつれて、まとめたページもドンドン増えてきてしまいますよね。もしかしたら、ノートが1冊終わってしまうくらい書き進める人もいるかもしれません。でも、ノートを複数冊に分けるのは、企業研究ノートのタブーなのです。
なぜなら、ノートの冊数が増えてくると持ち運びがしづらくなるからです。ただでさえ荷物が重い就活生。ドンドン企業研究ノートが増えてくると、モチベーションを下げてしまう可能性もあります。企業研究は、持続性が大事。続けなければ意味がないのです。
持ち運びのストレスを減らすためにも、ノートはコンパクトな方が良い…そこでオススメするのが、ルーズリーフをファイルに差し込んで使用するやり方です。これならどんなに企業数が増えてもファイル自体を増やす必要はなくなりますし、昔書いた企業に情報を追加したい場合も難なく行えます。
また、ファイリング形式なら、その日に使う企業のページだけ厳選して持ち運ぶことも可能です。まったく関わりのない業界のページは家に置いておけば、無駄な荷物が減らせるので楽チンです!業界ごとに順番の並び替えもできますし、刻一刻と状況が変わっていく就活生にとって、ルーズリーフ+ファイルというスタイルはかなりお役立ちなのです。
企業研究のノートの具体的な取り方について迷ってしまいますよね。以下の記事では企業研究ノートの具体的な書き方が載っています。参考にしてみてください!
字が汚くて、綺麗にまとめられない
ノートを書いてみたいけれど、綺麗にまとめる自信がないという人がいます。単刀直入に言うと、綺麗にまとめる必要はありません。「ノートをきれいに書く」が目的になってしまうと、肝心の内容がスッカスカになってしまう危険性があるからです。
これは普通の勉強のノート作りでも言えることですが綺麗で見やすいノートが完成すると、そこで満足してしまいがちです。しっかり分析が進んでいないのに、「こんなに綺麗ならいいか!」と、ついついやった気になってしまうのです。それでは本末転倒ですよね。
企業研究ノートで大切なのは、「後で見返して、しっかり情報を復習できるか」「選考が終わった時に、フィードバックできるか」ということ。本来の目的を忘れないようにしましょう。
ノートを作る時間が取れなくなってきた…
とにかく忙しい就活生。ノートを作る時間も取れなくなってしまう場合もあるでしょう。その場合も、なるべく「ノート作りを途中でやめる」という選択はとらないようにしてほしいです。企業研究は、就活の土台となる大切なセクションです。どんなに忙しくても、ここをおろそかにしてしまうと肝心の選考対策が無価値になってしまう可能性もあります。
それでもなかなか時間が取れない場合は、取り上げるポイントを減らす方法をオススメします。「これだけは絶対に譲れない!」というポイントに絞ってみたら、意外と書きやすくなります。様々な工夫を凝らして、就活が終わるまで企業研究ノートを描き続けることが出来たら、自分の自信にも繋がるはずですよ。
使う筆記用具は何がおすすめ?
書き直しができる鉛筆やシャーペンをおすすめします。ボールペンで書き始める人もいますが、就活のデータや状況は毎日のように変わってきます。日が経つにつれて、過去に書いたデータの修正をすることも求められます。そのためにはやはり、好きなだけ書き直しができる筆記用具が使いやすいと思われます。
また、もしも筆記ミスをしたときにいちいち修正ペンや修正テープを使うのは時間の無駄です。なるべく時間を節約するためにも、鉛筆やシャーペンを使いましょう。ただ、それは文字部分だけの話。絵を描きたい場合は、好きにカラーペンなどを使ってもらっても構いませんよ。
書く情報を選別できなくて、ダラダラ書いてしまう
書きたいことがありすぎて、ついつい文章を羅列してダラダラ書いてしまう…というのもノート作りあるあるです。でも、これは一番アウト。何のためにデータをまとめているか?と言うと、大切な部分だけを選別して分かりやすくするためです。ただダラダラと書いてしまっては、書写と変わりありません。
それを避けるためには、「文章で書くのをやめる」というのも一つの手です。「将来性◯」や「必→国際的な人材」など、端的な文章や単語を組み合わせることで、文章を使わずとも分かりやすいデータまとめが可能になります。
文章をかみ砕くというスキルは、実は面接の時にも役立ちます。相手にとって分かりやすい話とは、大事な部分だけを選りすぐった内容です。こうして文章表現を鍛えることで、「相手に伝わりやすく話す」という就活必須スキルもゲットすることが出来るのです。
おわりに
いかがだったでしょうか。企業研究のデータをどうまとめればいいのかいまいちわからなかった人も、これで悩みが解決したのではないでしょうか。一度始めてみると、意外と楽しいノート作り。毎日のルーティンワークにもなりますし、息抜きにも使えます。
また、友達と一緒に作るのもおすすめです。ペンも進みますし、相手の就活状況も分かるのでいいことばかりです。「楽しく就活ができる」という部分は、とても大事ですよね。
何にせよ、「データをまとめる」ことが就活でどれだけ大切なのかを分かっていただけたら幸いです。頑張って行った企業研究を最大限に生かすためにも、素晴らしいノートを作ってみてくださいね。応援しています!
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