就活においてESの重要性を理解していますか?ESは内定を出す権限のある人事部長や役員・社長などが必ず見るものです。
そんなESでは高評価を得るためには他の学生と差をつける必要があります。今回はESの頻出テーマNO1の「学生時代に一番力をいれたこと」いわゆる「ガクチカ(学生時代頑張ったこと)」について解説していきたいと思います。
「学生時代に頑張ったことがない」人は、ガクチカの評価ポイントを知らないだけ
ESの頻出テーマNO.1となった「学生時代に頑張ったことは何か」。「大学時代は遊んでばかりで特に頑張ったことが見当たらない」とか、「サークルやアルバイトをやっていたけど特に力を入れて頑張ったわけではない」などという理由からガクチカで書く内容がないという就活生が多くいます。
そんな就活生に共通するのは「なぜ企業がガクチカ(学生時代頑張ったこと)を聞くのか?」ということが理解できていないというケースがほとんどです。つまりここを理解している就活生はガクチカがないなんて言わないのです。
では企業が求めている答えは何か?ズバリ「成果に至るまでのプロセスに妥当性があるか」ということと「その成果やプロセスが入社後に活躍できる要素となるか」の2点です。
このポイントを押えることで「ガクチカ=成果の大きさ」だけではないということがわかると思います。したがって、日常的なありきたりのネタでも全く問題ないのです。
ポイント①ガクチカは実績ではない
「自分にはガクチカ(学生時代頑張ったこと)がないから」と考えている人の特徴として、ガクチカの評価ポイントは実績だと誤解していることが挙げられます。実はガクチカ(学生時代頑張ったこと)の評価ポイントは実績ではないのです。
多くの就活生は、華やかな結果や実績がガクチカでは求められていると勘違いしています。しかし、人事が最も評価しているのは実績までの過程です。当時どんな状況に置かれていて、何が起きて、それをどう取り組んでいったのかが一番聞きたいポイントなのです。
ポイント②役職や人と違った経験を述べる必要はない
ガクチカでは特別な経験を述べる必要はありません。企業は珍しい経験をしてきた人間が欲しいわけではありません。企業は苦難に立ち向かえる人間が欲しいのです。そして困難に立ち向かえる人間かどうかの指標になるのがガクチカにおける「過程」の部分なのです。
就活直前になると実績作りのために様々な経験を積もうとする学生がいます。例えば、「海外インターンシップに参加した」や「サークルの副代表に就任した」などです。もちろん、こうした経験は大切ですし普段体験できない経験を積むことは自己成長にも繋がります。しかし、わざわざ就活のためだけに実績づくりをする必要はありません。
部活動・サークルの経験や学校での勉学に関する経験、アルバイト経験に関するものなど、基本的にはどんな経験でも問題ありません。大事なのは、経験でどんな挫折を味わいそこからどう立ち直って実績につなげることができたのかです。
こうした役職や珍しい経験を積もうとする人は、自己分析が不十分な傾向があります。まだ自己分析をしていない人は必ずやるようにし、既に自己分析を終えながらもガクチカが見つからないという人は、自己分析のやり方についてもう一度復習してみましょう。
自己分析のやり方については以下の記事を参考にしてみてください!
ポイント③ガクチカは自己PRでもない
学生時代頑張ったことがないと悩んでいる就活生の特徴として、自己PRと混合してしまっていることが挙げられます。上記でも説明したように、ガクチカ(学生時代頑張ったこと)とは自身の経験からどんな挫折を味わいそこからどう立ち直り結果を残したかを問うものです。一方で自己PRとは自身の性格についてと、その性格が今までの意思決定にどう影響してきたのかを問うものです。ガクチカ(学生時代頑張ったこと)と自己PRを混合してしまうと、人事からの高評価は得られませんので気をつけるようにしましょう。
ガクチカと自己PRの違いについては以下の記事で詳細にご紹介していますので参考にしてください。
「ガクチカ=すごい経験」ではない!ありきたりなネタでも最高評価を得る方法
ガクチカがない人がまず最初にやるべきこと
「うんうん、なるほど。ガクチカ(学生時代頑張ったこと)の評価ポイントはわかった。成果までのプロセスや入社後の活躍などを書けば良い事もわかった。だけどやっぱりネタが見当たらない。」
そんな就活生の方は、最近1年間で取り組んだものをキーワードで洗い出してみて下さい。
趣味でも良いし、学業でも良いし、私生活の何気ない内容でも構いません。漠然と考えていても答えは出ません。まずはキーワードから使えそうなガクチカを3つくらい出して上記で述べたような方法で書いてみましょう。
実際に書き、それに肉付けしていくことで評価されるガクチカが書けるようになります。
また、就活までに時間のある人は普段の生活からガクチカ(学生時代頑張ったこと)を意識した行動を心がけてみるのもいいでしょう。
「PREP法」を意識して作ろう
ガクチカで最高評価を得るには企業の求めている内容をいかに論理的に書けているかということです。評価のポイントは既述の通りです。
そのために「PREP法」を意識して書くと論理的な構成が出来ます。
R・・・Reason 理由
E・・・example 具体例
P・・・Point 結論(まとめ)
頭文字を取って「PREP法」です。
結論を書く→その理由を書く→根拠となる具体例を書く→まとめる
という構成で書く事で読み手に伝わりやすく論理的な構成で文章を書く事ができます。
人柄もアピールしよう
なかには、「1年間海外留学をして海外企業でインターンをして●●を身に付けました」などという経験値でとびぬけている就活生もいますが、割合としてはごく少数です。このように凄い経験をした人はガクチカを経験値で乗り切る事も出来るのも事実です。しかし、大多数の就活生はそんな経験はしていません。
そこで、とびぬけたガクチカがなくても高評価を得る方法があります。それはガクチカからあなたの人柄をアピールすることです。
例えば、「大学祭の実行委員会で協賛広告を集めるために努力した」というようなネタで書いた場合に2つを比較してみましょう。
2つを比べてどう思いますか。B君の方は人柄が伝わってきますよね。同じテーマでも書き方次第でここまで差がつくのです。いうまでもなくB君の評価は上がります。
学業やサークル・部活も頑張ったことがない人のガクチカはどうする?
自分の所属学部・学科の内容を掘り下げる
大学に所属しているなら、何かしらの学部や学科に所属していることでしょう。たとえ在学中に本気で勉強をしていなかったとしても、話題の種はいくらか持っているはずです。頭の隅に眠っている授業の記憶やゼミの思い出を掘り出してくれば、人前に出せるレベルのガクチカはきっと書けます。何もない場所で、1からガクチカをひねり出すよりはよっぽど効率的だと考えられます。
また、同じ学部の友達に出来上がったガクチカを見せて、模擬面接をしてもらうのもおすすめです。同じような勉強をしてきた友達なら、何か抜けがあったらすぐに気づいてくれるはず!学部の先生なども上手に使って、「頑張って勉強してきた学生像」を自分で演出できるように情報収集に精を出してみてください。
趣味や特技の話を広げる
日本中を探してみると、サークルや部活にも入らず、アルバイトもせずに自分の趣味・特技に学生時代を捧げてきた人もたくさんいます。そういう人のまねをしてみるのも一つの手です。スポーツや音楽でも、ジャンルは何でもいいです。自分が好きだと思うことをひとつ選び、それを極めてきたことをアピールすれば問題ありません。ガクチカアピールと一緒に、一つのことをやり抜くガッツがあることを主張できます。
ただ一つ気を付けなければならないのは、ここで嘘をついてはいけないということです。趣味・特技をガクチカでアピールするという時点で、かなりアブノーマルなことをしています。それなのにそこで嘘をついていることがバレてしまったら、もう手の施しようがありません。どんな突っ込まれ方をしても大丈夫なように、しっかり覚悟を持って臨んでください!
今から新しくアルバイトを始める
サークルや部活を今から新しく始めるのは難しいですが、アルバイトなら誰でもいつからでも始められます。よりリアルなガクチカを書くために、今からアルバイトを始めるのも十分考えられる方法です。今までやったことがないジャンルのアルバイトにチャレンジしてみるのも、就活の気分転換になるのでおすすめです。
大昔の記憶を引っ張りだしたり、まるっきし嘘をついたりするよりも、現在進行形でやっているアルバイトの方が記憶も鮮明ですし、面接で自信を持って話すことが出来るはずです。また、ただでさえお金がないのが就活生。ガクチカを作りながらお金を稼げますし、新しい人脈を広げることも可能です。まさに、一石三鳥といえます。社会経験はあるに越したことないので、迷っているのならやってみるべきですよ。
先輩にどんなガクチカを書いていたか聞いてみる
それでもまだガクチカ作りに困っている人は、ぜひ現役の社会人に相談することをオススメします!過去に就活をしてきて内定を取った先輩たちが、実際にどのようなガクチカを伝えていたのかを知ることで、作り方のポイントを知ることができます。
メンターズというサービスを使えば、社会人がマンツーマンでガクチカ作りから内定まで手厚くサポートしてくれますよ!
NGなガクチカのネタや作り方の注意点
上記でガクチカは基本的にどんな経験でも問題ないと説明しましたが、最低限のマナーは存在します。これからガクチカを作る人は、ここで紹介するNGネタや、避けるべきガクチカの作り方のポイントを踏まえた上で取り掛かるようにしましょう。
娯楽に関する内容はNG
ガクチカ(学生時代頑張ったこと)においては娯楽に関する内容は避けるようにしましょう。具体的には、ゲームやマンガ、ギャンブルなどのことです。多くの企業では、娯楽に関するガクチカは仕事と結びつきにくく、人事があなたが入社した時のイメージを抱くことができません。
また、娯楽はあくまでも娯楽です。娯楽を学生時代に頑張ったこととして挙げると「学生時代遊んでしか来なかった人間」と評価されかねません。また、娯楽以外にも恋愛なども避けるべきでしょう。「学生時代は真面目な事に真剣に取り組んできたんだな」と思ってもらえるような題材を選ぶようにしましょう。
自己PRと同じ題材はNG
ガクチカと自己PRを同じものだと捉え、内容を同じ又は似た様なものにしてしまう就活生が時々いますが、NGです。ガクチカと自己PRは別物ですから、混合しないように気をつけてください。ガクチカは「経験した内容」を記述するもので自己PRは「強みに関する内容」を記述するものです。違いを明確にしましょう。ただし、ガクチカ(学生時代頑張ったこと)の「経験から獲得した強み」と自己PRの「強み」については一致しても問題はありません。
「ガクチカは見つかったが自己PRが見つからない」という人は、以下の記事を参考にしてみましょう。
第三者を批判する内容はNG
ガクチカでは誰かを批判するような内容は避けるようにしましょう。他にも、第三者と自分を比較するような内容もNGです。ガクチカに批判的な内容を盛り込んでしまうと、人事に「会社に入っても他人を批判しそうだな」などとマイナス評価を下されかねません。
やってしまいがちなのは、ガクチカの苦労した内容を記述する時に、第三者を批判してしまうことです。どうしても批判的な表現を盛り込みたい時には、できる限りオブラートに包むようにしましょう。ただし基本的には、第三者を批判することはNGだと認識しておきましょう。また政治や宗教などを批判することも当然NGですので覚えておきましょう。
大学受験は多くの就活生が経験している
覚えていて欲しいのは、大学受験は取り立ててガクチカのネタにする事をオススメしません。というのも、受験は多くの大学生が当たり前のように経験した事だからです。
もちろん中には、成果として自分の実力より高い偏差値の大学に入ることができた!(要は受験勉強を頑張った…)という方もいるでしょう。
「関東で言えば、早稲田大学や慶応大学。関西であれば、同志社大学や立命館大学に入学したことがすごい!」と、思う学生もいるかもしれませんが(実際よく頑張ったとは思うのですが…)、東大や京大と比較されると、その頑張りも小さく見えてしまいます。
そして、実際に東大生や京大生はガクチカ(学生時代頑張ったこと)で大学受験を頑張ったなんて言いません。こういった理由から大学受験の話は書かない方が良いのです。
アルバイトは周りとの差別化が難しい
アルバイトについては、差がつきにくいという点からオススメしません。ガクチカをアルバイトで書く学生の多くが、プロセスの中で「工夫した」話を書いてきます。しかし、社会で揉まれた人事からすると「それってすぐ出来ることだよね」と思われてしまう事が多々あります。
例えば、スタッフ間のコミュニケーションが悪くミスが良く起こるので、「週1回のミーティングの開催を提案しました」みたいな話です。つまりアルバイトネタでは多くの学生が工夫した話を書いてくるので他の就活生と差をつけにくいのです。そういった観点から避けたいのです。
また入社後に活かせるかという観点からも大手企業、特にコンサルや総合商社では人を巻き込んでどんどん新しいビジネスをしていく人材が求められます。そういった人を求めている業界では人の下で働いているアルバイトの経験から、自分の魅力を企業に伝えるのは難しいのです。
ただ、例外的にB to Cの企業であれば書いても良い場合もあります。それはアルバイトの内容が入社後の仕事と結びつきやすい場合です。例えば接客のアルバイトをしていて、接客業を受ける場合などはアルバイトの経験が活かせるからOKという訳です。ケースバイケース、受ける企業によってアルバイト経験をアピールするかどうかを決めましょう。
もし、アルバイトをガクチカに使うのであればポイントを知っておく必要があります。アルバイト経験をガクチカに活かす方法は以下の記事を参考にしてみてください。
どうしてもガクチカが書けない場合、ウソをつくのはアリ?
「ウソをついているから落とす」ことはしない
ストレートに言うと、嘘をついても大丈夫です。なぜなら、採用担当者はあなたが言ったガクチカが真実であろうと嘘であろうと、そこまで重要視しないからです。面接は、たくさんの学生から何人かを選び抜くために便宜的に行っているにすぎません。
もっといえば、「採用する理由を見つけるために質問している」ということ。それで得た答えが真実であろうと嘘であろうと、採用担当者にとってはそこまで関係ないと言っていいでしょう。
ウソをつくのが下手な人は避けた方がいい
そうはいっても、普段から嘘をつくのが苦手だったり、嘘をついたことがない人は避けておいた方がベターかもしれません。ウソでも問題ないとは言いましたが、それはあくまで「まるで真実のように語ることが出来たら」の場合です。
あまりに嘘をつくのが下手で、誰が見ても「この子は嘘をついているな…」とバレてしまったらそれは失敗です。「嘘をつくような学生を採用する」ことは、採用担当者にとって汚点だからです。だからこそ、ガクチカで嘘をつくなら自分の嘘に自信がある人だけにしましょう!
全部ウソで固めるのはおすすめしない
「嘘をつく」にせよ、何から何まで嘘で塗り固めるのはやめておいた方がいいでしょう。エントリーシート通過くらいまでなら問題なく進むかもしれませんが、面接で嘘を突っ込まれると会話を続けることができなくなるかもしれません。
つく嘘の程度は、あくまで「話を盛る」「少しオーバーに表現する」くらいです。やったこともない海外留学やボランティアをガクチカに書いてしまったら、専門的な内容を追加質問された時に困ってしまいます。
触り程度だけでも自分で一度経験したことや、続けてはいたけれど断念したことなどを使ってみるとうまく表現しやすいのでおすすめです。
最悪の場合、内定取り消しもある
何から何まで嘘をついたら、最悪のケースになるとせっかくもらった内定が取り消されることがあります。嘘をつく行為自体は見逃してもらえますが、「嘘がバレる」ことになってしまうと企業側も行動せざるを得ません。選考中にバレて通過を見送られたり、圧迫面接に切り替わるのも大変ですが…やはり内定取り消しになるともう笑い話では済ませません。
絶対にバレないような嘘や、バレても問題がなさそうな嘘だけを選別して使うことをおすすめします。目先のことにとらわれ過ぎて、自分の将来が見えなくなってしまわないように気を付けてくださいね。
ウソをつくよりも喋り方などで工夫を
嘘をつかなければならないくらい自分のガクチカに自信が持てないなら、内容を盛るだけではなく喋り方にも工夫をしてみてください。意外と人間は、「話している内容」よりも、「話している人そのもの」に意識が向くものです。
もっといえば、就活のガクチカなんて大多数の人が似たような内容を書いてきます。嘘をついても付かなくても、そこは変わりありません。その中で決め手になるのは、喋り方や立ち振る舞い方から見えるその人の人間性です。
嘘をついて見栄えの良いガクチカを書けたから安心!とホッとしてしまうよりも、嘘をつかないありのままの自分を自信たっぷりに・大きな声で・はっきりと話すことに意識を向けた方が、選考通過率が高くなるでしょう。周りから見た自分がどんな人間に見えるかを考えて、行動してみてくださいね。
まとめ
このようにガクチカ(学生時代頑張ったこと)とは成果の大きさで勝負するのではなく、成果に至るまでのプロセスにあなたの人柄が見えるように構成していく事が重要なのです。このような視点で取り組むとガクチカがないという事はないはずです。つまり成果へのプロセスが入社後の活躍に結び付くような内容であればテーマは何でも良いのです。(一部例外はありますが…)
ESは提出期限が重なります。いかに短時間で中身の濃いESを書けるかが就活本番では求められます。例えば1社のESに4時間かかる人と2時間で書ける人では提出できるESに2倍の差がつきます。平均一人30社エントリーすると言われている今の就活背景を考えると早めに対策をしておくことをオススメします。
◼︎ガクチカ(学生時代頑張ったこと)の情報をもっと知りたい方にオススメの、就活Hack厳選ノウハウ記事はこちら
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