エントリーシートに御社と書くのは間違い?貴社との違いとは?

ES

希望する会社のエントリーシートに「御社」と書くのは間違いなのでしょうか。

「貴社」との違いはどのようなものなのでしょうか。

うっかりエントリーシートに「御社」と書いてしまうと採用選考に落ちてしまうものなのでしょうか。

就活では、分からないことばかりで不安になることも多々あるのも無理はありません。

今回の記事では「御社」と「貴社」の違いや、「貴社」以外の企業に対する敬称表現の例をご説明していきます。

使い分けのルール自体は非常に簡単なものです。

しっかりとルールを理解して迷いなくエントリーシートが作成できるようになりましょう。

エントリーシートには御社と書くのはNG?

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エントリーシートに「御社」と書くのは間違いではありませんが、適切ではありません。
結論からいうと、「貴社」と書いておけば間違いありません。

しかし、なぜ「御社」が不適切なのか、その理由は知っておいて損はないでしょう。

エントリーシートでは貴社と書くのが正解

エントリーシートでは「貴社」と書くのが正解です。

後に述べるように、対象の企業の業態によって「貴」につづく表現は変わってきますが、一般的な事業会社では特別な事情がないかぎり「貴社」と書けば間違いありません。

「御社」と「貴社」の違いは口頭表現か文章表現かの違いです。

口頭では「御社」、文章では「貴社」と覚えておくとよいでしょう。

御社も間違いではない

前項でご説明したように、文書であるエントリーシートには「御社」ではなく「貴社」と書くのが一般的です。

しかし、なぜこのように口頭と文書で異なる単語が使われるようになったのでしょうか。

 

そもそも「御社」という言葉が使われたのは最近のことで、本来、企業に対する敬称は「貴社」とされてきました。
しかし、「貴社」(きしゃ)という言葉の響きは、「汽車」や「帰社」など同音異義語が多くあるため、誤解を招きやすいという側面がありました。

そこで、企業に対する口頭での尊称表現として「御社」が使われるようになったという経緯があるのです。

ただ、エントリーシートでは「貴社」と表現することがすでに慣例となっています。
文書のうえで「御社」と書くのは誤りではなくとも、不適切ではあります。

エントリーシートに御社と書いてしまうと落ちる?

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使うべき敬称が「貴社」のところ、うっかり「御社」としたままエントリーシートを提出してしまった。

このようなミスで選考に落ちてしまう可能性は低いと考えてよいでしょう。

ここでは、その理由をご説明いたします。

人事担当者はそこまで気にしていない

エントリーシートに「御社」と書いたこと「だけ」で採用選考に落ちることはありません。
しかし、慣例にのっとった文書作成ができていないということでマイナス評価となることは避けられません。

とはいえ、多くの人事担当者は「御社」と「貴社」の使い分けにそこまでの注意をはらってはいません。

エントリーシートで重要なのは内容です。
書類上のわずかなミスで不採用となるようであれば、見直すべきは言葉の使い方ではなくエントリーシートの内容です。

実務上、別の呼びかたをすることもある

ビジネスマナーは固定的な部分もありますが、時代や状況よってある程度は変化するものでもあります。

「御社」や「貴社」の使い分けに関しても、実際に働くひとたちの間でそこまで厳密なルールが適用されているわけでもありません。

たとえば、学校法人や医療機関などは本来「御校」や「御院」と呼ぶべきですが、実務上は「御社」と表現されることも珍しくありません。

エントリーシートで使われる「貴社」以外の尊称

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前項で少し触れましたが、「貴社」「御社」は相手方の業種によって単語が変化します。

官公庁

国の各省庁や市役所、県庁などの官公庁をはじめとした行政機関を相手にした場合は「貴社」は使われません。

各省庁は「貴庁」や「貴省」、市役所は「貴所」と書かれます。

実務上は行政機関をまとめて「貴庁」と書く場合もあります。

あまり聞き慣れない単語ばかりですが、これを「貴社」とまとめるのはやめておいたほうがよいでしょう。

公務員については、形式の決まった書類作成が大切な仕事となる関係上、エントリーシート(応募書類)で「貴社」と表現するのは大きなマイナスになる可能性があります。

金融機関

銀行の場合は「貴行」、信用金庫は「貴庫」または「貴金庫」、信用組合は「貴組合」となります。

しかし、実務上、これらの言葉が使われないことも多くあります。

銀行からのお知らせなどを確認すると分かりますが、通常、銀行はあまり自分たちのことを「弊行」とは呼ばず「弊社」と自称しています。

この傾向は銀行にかかわらず、学校法人やその他の法人でも同様です。

「貴行」や「貴校」などの言葉は、かなりあらたまった場でのみ使われるものだと心得ておきましょう。

学校法人

ひとくくりに「貴校」と使われることが多い学校法人ですが、ひとくちに学校法人といっても学園やカレッジ、幼稚園など様々な種類があります。

そのため、法人名が「◯◯学園」の場合には「貴学園」、幼稚園などは「貴園」と使い分けることもできます。

しかし、ひとつの法人が複数の学校を運営している場合などは、学校名で敬称を考えると誤った形容を使うことになりかねません。

この場合、いずれの学校も運営主体は法人格であることから、「貴法人」としておくと無難です。

医療機関

医療機関についても学校法人と同じくいろいろなケースが考えられます。

1法人1医療機関であれば「貴院」としておけば問題ありません。

複数の医療機関を運営している1つの法人を相手にする場合には、「貴院」は正確な表現になっていません。

この場合には運営主体にあわせた敬称を使いましょう。

たとえば、運営主体が医療法人ならば「貴法人」、組合ならば「貴組合」としておけば問題ないでしょう。

その他、財団法人など

財団法人や機構、協会などの敬称は官公庁の場合に似ています。

「貴財団」、「貴機構」、「貴協会」と頭に「貴」をつければよいだけです。
「〇〇センター」や「〇〇局」についても同様です。

「貴センター」「貴局」と書けば失礼に当たりません。

また、このような表現は、法人格を持たない組織を相手にするときに参考になります。

法人格がある場合には「貴法人」とすればよいところ、後援会やサークルなど、民法上で「権利能力なき社団」と呼ばれる組織相手には「貴法人」は不適切です。

この場合には「貴後援会」や「貴サークル」としておけば問題ないでしょう。

まとめ

エントリーシートに御社と書くのは誤りではありませんが不適切です。

口頭では「御社」、文書のうえでは「貴社」と使い分けるのが現在の慣例です。

一般的な会社相手には「貴社」と書いておけば間違いありません。

しかし、相手方の業種によっては、運営実態に即した敬称が必要となります。

はじめは使い分けが面倒と思えるかもしれませんが、覚えてしまえば間違うこともありません。

組織の敬称にかぎらず、学生にとってビジネスマナーを調べると耳慣れない言葉も多くあることと思います。

ひとつの決まりごとと割り切って型を作ってしまうまでが大変かもしれません。

それでも、型ができてしまえばなにも難しいことはありません。

恥ずかしがらずに、慣れるまで積極的に繰り返し使いつづけていきましょう。

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