人によっては就活の鬼門である、グループディスカッション(GD)。一度コツをつかめばスムーズに通過できるのですが、苦手意識がある人も多いのも事実です。今回は、グループディスカッション(GD)が初めての人にもそうでない人にも、「選考通過できるマル秘テクニック」をお教えしたいと思います。いまいち正しいこなし方が分からなくても大丈夫。これを読めば、どんな人でもグループディスカッション(GD)マスターになれるはずです。
対策の前に…グループディスカッションで求められていることとは?
チームワークや協調性
そもそも、グループディスカッション(GD)ではどんな部分が見られているのでしょうか。グループに分かれて話し合いをするという本質からも分かるように、チームワークがきちんと取れるかどうかをまずチェックされます。
個人プレーの面接とは違って、他の人と上手く力を合わせていくのがグループディスカッション(GD)。仕事においても、自分一人で行える業務はそうありません。社会人に、協調性は必須です。書類選考や面接ではわからない部分を見抜くために、グループディスカッション(GD)を行っているということを忘れずにいてください。
柔軟な発想力
グループディスカッション(GD)では、「コンビニの売り上げを伸ばすために何をするか?」や「町のゴミ被害を減らすための有効な対策は?」など、発想力を試される議題でディスカッションが行われることが多いです。ここで面白い意見を出せると、採用担当者の記憶にも深く刻み付けられます。
仕事をするうえで、あまり他の人が思いつかないユニークなアイディアを出してくれる人材は、とても貴重とされます。世界を変えるのは、物珍しいアイディアなのです。柔軟な発想力を持った学生を発掘するのも、グループディスカッション(GD)の大事な目的です。
気配りができるかどうか
円滑なコミュニケーションを取るためには、相手の気持ちを思いやった行動ができなければなりません。グループディスカッション(GD)は、参加するメンバー全員で一つの目標を達成するゲームのようなものです。誰か一人をのけ者にしてしまったら、メンバー全員が落とされることも覚悟しなければなりません。
就活も、就活以外の場でも、困っている人がいたら助けるのが人間として当然のこと。心に余裕をもって、周りに適切な気配りをすることもお忘れなく!
時事的知識の有無
中には、現在話題になっている社会問題をテーマにして議論を展開する、といった内容もあります。職種によっては、毎日きちんと勉強をして時事的知識や社会情勢を掴んでおくことが求められる場合も大いにあります。よって、学生の時点で必要な知識を備えていたら、採用担当者に「おっ?」と思われること間違いなし。普段から新聞などを読み、勉強する習慣を付けておくことをおすすめします。
グループディスカッション対策①基本マナー
大きい声が出せるように練習
グループディスカッション(GD)は、基本的に5~10人くらいの人数で話し合いをします。話す声が小さいと、採用担当者も声が聞き取れなくて困ってしまいます。他のメンバーも、相手の声が聞こえないとなかなかコミュニケーションが取れなくて困惑してしまうかもしれません。
最低限の準備として、聞き取りやすい大きな声が出せるように練習しておきましょう。面接準備としても役に立ちます。
普段のクセが出ないようにする
ペンを指で回したり、ついつい頬杖をついたりなど。毎日やっている普段のクセは、グループディスカッション(GD)中もあなたを襲ってきます。少しでも気を抜くと、やってしまいがちです。でも、あくまでグループディスカッション(GD)は選考中。姿勢や仕草まで採用担当者にチェックされています。
「やる気がない」「気持ちが入っていない」と思われないようにするために、普段のクセが出ないように気を付けましょう。
敬語を使えるようにしておく
グループディスカッション(GD)を始めてみると、ついついタメ口を使ってしまうことがあります。議論が盛り上がってくると、気を許してしまいがちですよね。でも、やっぱり選考中は敬語を使っておいた方が無難です。「グループディスカッション、遊ぶために来てるの?」と思われないように、相手への敬意を示しながら発言してください。
後片付けまで気を抜かない
ディスカッションの結果を発表するために、ホワイトボードなどを使うことも多いです。選考が全部終わった場合、使用した備品を最後に片付けなければなりません。そんな時、片づけを人に任せて自分では何もしない人がいます。しかし意外と、後片付けの様子をチェックしている企業もいるのです。
もしチェックされなかったとしても、人間として後片付けは責任を持ってきちんと行うのが筋ではないでしょうか。誰が見ていても見ていなくても、気を抜かずに頑張りましょう。
グループディスカッション対策②コミュニケーション能力
相手の話を聞く姿勢を身に付ける
グループディスカッションで御法度なのは、自分の意見だけを主張して相手の話を聞かないことです。「ディスカッション」であり、スピーチではないのです。もし他の人の意見が自分の意見とは違っていても、そこには自分が考えつきもしなかった視点が隠されていることもあります。
それは、仕事の上でも同じです。様々な意見を尊重した先に、みんなが納得いく結論が導き出されます。まずは、みんなの意見を聞いて自分の視野を広めようとすること。それが必須条件です。
批判するなら相手を尊重する
もちろん、議論を進めていく上で「この意見には賛同できない」ということもあるでしょう。その場合は、頭ごなしに相手を否定しないことが大事です。「そんなこと無理だ」「どうしてそんなことを考えるの?」など、相手の気持ちを考えずに発した言葉は、その人の心をずっと傷つけてしまいます。
相手を尊重して、「その意見もとても良いと思いますが、◯◯な部分で不安点が残ると感じます。代わりにこのような例はどうでしょうか?」など、代替案を示すなどして直接的な否定を避けるように工夫しましょう。
自分ばかり目立とうとしない
中には、グループディスカッション(GD)は「目立った者が勝つ」と勘違いしている人がいます。でも、決してそんなことはありません。むしろ、悪目立ちした人はコミュニケーション力がないと判断されて落とされる傾向にあります。
変に目立つことなく、周りの空気を読みながら適切な発言ができることが選考通過の条件です。「目立つ」ことは、まず頭の中から消しておいた方が良いようです。
常に笑顔
グループディスカッション(GD)、もちろんメンバー全員が緊張しています。不安なのは、あなただけではないのです。そんな時に一緒に議論するメンバーが無表情だったり、怖い顔をしていたら恐縮してしまいますよね。緊張をほぐし合うためにも常に笑顔でいて、楽しくグループディスカッション(GD)が終えられるようにしてみてください。きっといい結果が付いてくるはずです!
グループディスカッション対策③実践能力
自分にはどの役割が合っているか自己分析する
グループディスカッション(GD)には、いくつかの役割分担があります。
- リーダー:議論全体をまとめる
- タイムキーパー:制限時間内に終えられるよう時間配分を管理する
- 書記:出た意見を文章にしてまとめる
- それ以外:積極的に意見を出し、議論を盛り上げる
上記のように大きく4つに分けられ、自分に合った役割を選んでディスカッションに挑むことが求められます。普段から人の前に立ってまとめ役をすることが多い人は、リーダー役。あまり人前で意見を出すことに慣れていないなら、タイムキーパーや書記を選んだほうがボロが出ないでしょう。自己分析をして、自分の魅力が一番出せる役割を選んでみてください。
自己分析がまだ終わっていないという方は以下の記事を参考にして自己分析をしてみましょう。
話せていない人がいないか周りを見る
ディスカッションを進めていくと、たまに自分の意見が何も言えない人が出てきます。性格上、それは仕方ないこと。でも、だからといって話せていない人を放置しておくと、あなたの評価も落ちてしまう可能性があります。
全員の意見を反映させるのがディスカッションの前提条件ですから、話せていない人がいたら助け舟を出してあげるのが一番良い方法です。「メンバー全員で合格」を果たすためにも、よく周りを見て随時ヘルプを出してあげることが必要です。
「上手い意見」ではなく「空気を読んだ意見」を述べる
議論をするなら、採用担当者がアッと驚くようなうまい意見を出さないと意味がないと思っている人がいますが、それは間違いです。確かにユニークな意見が出せたら高評価ですが、そればかりを気にしていて何も話せなかったら元も子もありません。
議論の流れを読んだ適切な意見が出せたら、それが一番良いのです。あまり考えすぎずに、自分の意見をひとつでも話せるように頑張りましょう!
適宜議論を修正する
議論が白熱すると、テーマが横道にそれてしまうことがあります。それを修正できると、採用担当者からの評価が一気に上がります。それまであまり上手にアピールできなくても、最後の一発逆転ができる可能性も大ありです。
「それも間違いはないと思いますが、少し本題からそれているのではないでしょうか?」と意見が言えたら、それは「周りをきちんと見ている証拠」。意見が上手く言えなかった時は、最後の一手で狙ってみてください。
グループディスカッション対策Q&A
自分に合った役割が見つからない
自己分析をしてもなかなか自分の役割が分からないなら、まず「意見を出す」ことに尽力してみてください。慣れない特殊な役割に挑戦してみるよりも、意見を出す練習をしているとこれからの面接などでも役に立ちます。
グループディスカッション(GD)の空気に慣れてきてから、他の役割にチャレンジしてみることをおすすめします。意外と、自分には向いていないと思った役割の方がやりやすい場合もありますよ。
また、以下の記事でどんな人が、どの役割に合っているのかご紹介しています。
シャイで自分の意見が言えない
なかなかグループディスカッション(GD)で発言できない人は、無理に自分の意見を言おうとしなくても大丈夫です。口下手でシャイな人は、そのぶん相手の様子を観察することに長けている場合が多いです。タイムキーパーや書記として議論を担えば、十分自分の魅力をアピールすることは可能なのです。
無理に周りと合わせて自分の魅力を潰してしまうよりも、自分にしかない特徴が伝えられる方が絶対に選考に有利です。逆転の発想で、コンプレックスをアピールポイントに変えてみてください。
事前に練習をしておきたい
グループディスカッション(GD)は、面接と違って自分一人で対策準備するのが難しいことが難点です。でも、安心してください。大学のキャリアセンターでは、多くの場合グループディスカッション(GD)講座を開いています。無料で自分のスキルを試すことができますし、授業の空き時間を有効活用できるのでとてもおすすめです。回数を重ねれば自信もつきますし、いいことばかりです。
それだけでは足りないと感じたら、外部で開講しているグループディスカッション(GD)セミナーに参加するのもおすすめします。就活サイトを頻繁にチェックして、練習場の確保をしておきましょう。
何回受けても選考に通過できない
グループディスカッション(GD)が苦手な人は、どんな対策をしてもなかなか通過できない場合が多いです。そういう人は、グループディスカッション(GD)がない企業だけを受けるのも一つの手です。大企業の場合は足切りが必要なため、グループディスカッション(GD)を通過しなければ内定にこぎつかせることは難しいです。でも、中小企業やベンチャー企業なら、グループディスカッション(GD)が最初から選考に含まれていないことも多いのです。
努力して自分の弱みを克服することも大切ですが、効率よく内定を取るためには諦めも必要。「絶対に入社したい!」という企業が特にない場合は、書類選考や筆記試験、面接だけで内定が取れる企業を探してみてください。そこに、運命の企業が隠れているかもしれませんよ。
また、苦手意識を克服することで選考を突破できるようになりましょう。以下の記事で苦手意識の克服法をご紹介しています。
おわりに
さて、いかがだったでしょうか。グループディスカッション(GD)は、人によって得意不得意が分かれます。そのぶん、一度コツを掴めばやり方が分かる人も多いです。最初は苦手意識があっても、やっていくうちに「楽しい!」と思えるようになるのもポイントです。
ただがむしゃらに受けるのではなく、効率の良いやり方を学んで実践することが内定ゲットには必要不可欠。みなさんが、無事に選考通過できることを祈っています!
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