面接でまったく緊張しない人は多くないでしょう。
しかし、いざ面接官から自分の短所を聞かれた時に、ただ「緊張しやすい性格です」と回答するのは誤りです。
ここでは、面接で短所として緊張しやすい性格を挙げる時の適切な伝え方と、緊張しやすい性格の改善方法について解説します。
また、末尾では、緊張しやすい性格を面接で短所として伝える際の具体的な例文も掲載しています。
面接で、緊張しやすい性格を短所として挙げても問題ない?
面接では、かなりの頻度で「あなたの短所はどういったところですか」という質問がなされます。
しかし、正直に自分の緊張しやすい性格を応えても問題はないのでしょうか。
正直に答えることが大前提
緊張しやすい性格を自分の短所として回答することは全く問題ありません。
ここで「緊張しやすい」という実際の自分の性格を偽って答えたとしても、つまらないウソは面接官には通じません。
緊張でこわばった表情のまま「とくに短所はありません」と答える姿に説得力があるでしょうか。
仮に緊張をうまく隠して別の回答をしたとしても、百戦錬磨の経験を持つであろう面接官にウソがばれないとは限りません。
面接では、ある程度自分をよく見せるための表現上の工夫は許されます。
しかし、完全なウソが許されるというわけではありません。
ただし、ネガティブな発言はNG
正直に、緊張しやすい性格であるということを述べるのは問題ありませんが、その点について無闇に後ろ向きな表現をするのは控えましょう。
自らの短所についてあまりにも悲観的な考え方をしている人は、自分に自信がなく実際の業務に支障をきたすのではないかと面接官に評価されかねません。
第三者の視点も取り入れた、客観的な意見として自分の短所を捉えましょう。
むりやりなポジティブ変換はしないほうがマシ
面接テクニックとして、短所をポジティブな表現に言い換えて強みをアピールするという手法はありえます。
しかし、あまりにも力技に頼った言い換え表現は逆効果です。
たとえば、「緊張しやすい性格ゆえに、油断して物事を失敗するということがありません」と言い換えたとして、果たして説得力があるでしょうか。
おそらく、油断して失敗せずとも緊張しすぎて失敗してきたのだろうなと思われるだけでしょう。
では、過度な言い換え表現なしに、どのようにして「短所はどのようなところですか」という質問に対して回答すればよいのでしょうか。
緊張しやすい短所を克服する努力をしていることを伝える
自分の短所は短所として客観的に把握しつつ、それを改善しようと努力をしている旨を伝えましょう。
社会に出て働くと、常に問題解決に取り組むことになります。
そこでは現状認識と問題の発見、対策の実施、フィードバックといった手順を繰り返すことが要求されます。
学生時代からこのようなサイクルを意識していることは、高く評価されることでしょう。
ちなみに、このような問題解決サイクルはPDCA(Plan,Do,Check,Action)あるいはデミング・サイクルとして、社員研修などで教育されることが少なくありません。
緊張しやすい性格が短所だから、そもそも面接で緊張しないのは無理?
自分の短所が緊張しやすい性格であると自覚しているとしても、面接で緊張しないことを諦める必要はありません。
短所は短所として認めつつも、改善努力を積み重ねましょう。
面接は慣れが第一
身も蓋もない話ですが、面接には場馴れが必要というのは逃れようのない事実です。
生まれつきよほど肝の座った人でない限り、今後の進路に大きく影響する場である面接ではじめからリラックスできることはありません。
しかし、人は何事にも慣れるという性質があります。
どれほど重大な場面であったとしても、場数を踏むことで過度な緊張感を感じることはなくなります。
就活を初めて間もない頃は、うまくやろうなどと構えずに、失敗しても当たり前という心構えで臨みましょう。
緊張する理由をつきとめる
失敗しても構わないという心構えは大切ですが、失敗から学ばないのでは成長できません。
自分が強い緊張感を覚えた場では、なぜそれほどまでの緊張感にとらわれてしまったのかを分析しましょう。
これは面接に限りません。
ゼミの発表や、初対面の人とのコミュニケーションなど色々な経験から理由を突き止めましょう。
1対多の場面に弱いのか、面識のない人とのやり取りに恐怖を感じるのか、目上の人が苦手なのか、あるいはそれらが複合しているのか、冷静に分析しましょう。
また、緊張感を感じる場面が思い出せない場合は、逆の側面から考えることも有効です。
自分がリラックスしてコミュニケーションできる場、人、状況などを分析してみると良いでしょう。
場の状況をコントロールするのは簡単ではありませんが、それでも自分がリラックスできる環境に近づける努力はできるはずです。
理由が分かれば対策できる
自分が緊張する理由が分かれば、あとは対策をねって解決に当たれば良いだけです。
目上の人に対して苦手意識があるのであれば、年長者の多いグループに飛び込んで見る。1対多の場面で緊張するのであれば、色々な場面であえて発表者として手を挙げてみる。
なにも大切な面接の場を練習台としなくとも、対策は無数に考えられます。
一度では対策の効果が出ることは少ないでしょうが、繰り返し練習することで、いつしか緊張感が和らいでくるはずです。
面接に限って緊張するのは短所ではない
ここまで、面接で短所を聞かれた場合に緊張しやすい性格を挙げる前提で適切な回答をする方法をご説明してきました。
しかし、人生を左右する可能性のある大切な面接の場で緊張するのは当たり前です。
一度や二度の面接で緊張したからと言って、自分の短所が緊張しやすい性格であると判断するのは早計に過ぎます。
もし、自分が緊張するのが面接だけである場合には、ただ場数が足りていないだけかもしれません。
簡単に緊張しやすい性格を短所と決めつけず、今一度しっかりとした自己分析を行いましょう。
以下の記事では誰でも簡単に自分の性格がわかる、自己分析診断ツールをご紹介しています。
自己分析をしたことがない、もしくは自己分析のやり方に悩んでいる人はこちらを参考にしてみてください。
面接で、緊張しやすい性格を短所として述べる例文
ここまでの説明をもとに、緊張しやすい性格を自分の短所として回答する例文をご紹介します。
私の短所は緊張しやすい性質であるということです。恥ずかしながら、実はいま現在も緊張してうまく話せないのではと不安を感じています。私自身、今まであまり人前で自分の考えを話す機会がなかったことが原因という自覚はあります。そこで、現在は就職活動中の友人たちと定期的に状況報告会をするなど、自ら発信する機会を作り、緊張しやすい性格を改善していこうと努めております。(178文字)
この例文では、自分の緊張しやすい性格を認めつつも具体的に改善していこうと努力していることを伝えています。
例文としてはやや冗長に見えますが、実際に面接の場で言葉にすると、それほど冗長な言い回しにはなりません。
まとめ
面接の場でされた「あなたの短所を教えてください」という質問に、緊張しやすい性格を答えることは問題ありません。
しかし、ネガティブな表現で自己肯定感の低さを面接官に示してしまうのはご法度です。
自分の短所は客観的に認めつつ、具体的な改善のための努力をしていることを伝えましょう。
また、どれだけ対策を練ろうと、場数を踏まなければリラックスして面接に望むのは困難です。
ある程度の失敗は必要と割り切って経験を積み、過度な緊張感に悩まされないようになりましょう。
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