面接では、長所の他に「短所」も問われます。面接で「短所」を「心配性」と答えようと思っているあなた!ちょっと待ってください。企業の質問の意図を正しく理解してからでも遅くはありません。「短所」といっても恐れる必要はありません。「短所」を切り口にあなたの人柄、人間性を知りたいだけだからです。あなたの「短所」である「心配性」について、面接で適切に伝えるための、ポイントや注意点を伝授します。
1.「短所」での「心配性」を面接で魅力的に伝えるポイント
長所と「短所」は表裏一体、伝え方次第で、失敗することだってあります。あなた自身が「短所」をどのように捉えて、どのようなことを考えて、どう行動してきたか分析する必要があるでしょう。ここでは、「短所」での「心配性」を面接で魅力的に伝えるポイントを指南していきます。伝える際のポイントを押さえている場合とそうではない場合で、相手に伝わる印象は大きく異なります。
①「心配性」の意味を考える
そもそも「心配性」とはどういう意味なのかを、自らが理解していないと始まりません。「心配性」とは、辞書を引けば「ささいなことまで気にかけて心配する性質」です。「心配性」と「心配症」では全く意味が異なります。「心配症」になると行き過ぎた場合です。その点を間違えないようにしてください。さて、どのようにあなたの「心配性」な短所を伝えればいいのでしょうか?「心配性」を「短所」とするならば、まずはこの言葉の意味をしっかり胸に刻み「心配症」との区別をはっきりさせておきましょう。
②「心配性」は仕事で求められる?
仕事において「心配性」な性格はどのような影響があるのでしょうか?面接で「短所」を「心配性」とした場合、どのようイメージを抱きますか?採用には意図があります。仕事には対価、つまり賃金が発生します。「短所」であれば、「短所」を乗り越えて仕事に活かせたり、仕事につなげられるかを確認します。意味もなく、ただ単に「短所」を聞くことはありません。
「心配性」なことは仕事で求められるのでしょうか?仕事では、失敗が許されない場面も必要になってきます。心配性な人間は準備に余念がないかもしれません。計画性があるかもしれません。これは決してマイナスではありません。ただし、「心配性」が先立つと、チャレンジ精神がない、挑戦する気持ちが薄いと捉えられます。特に若いうちは、チャレンジスピリットが大切です。失敗しても挑戦することで学ぶことも多いからです。
③「心配性」の言い換え
「心配性」をそのまま短所に使っても差し支えませんが、裏付けるエピソードと合わない言葉であれば、言い換えを考えてみましょう。また、「短所」が仕事に影響しないか確認します。言葉一つ、伝え方一つで、印象を左右します。面接官も人間です。行動経済学の見地に立てば、人間は論理的思考ではなく、感情で動いているといえます。人間の心理的特性、行動原理は変えようがありません。脳科学や認知バイアスから見ても、人間の判断に影響を及ぼすプラス効果とマイナス効果があるは周知の事実です。
言葉やエピソードが与える特徴や固定観念によって、聞く側に与える印象は変わってきます。「フレーミング効果」など、同じ言葉でも、聞き手の見方(フレーミング)が変わることは有名です。それらを逆手にとって、乗り切りましょう。
【心配性の言い換え】
・緊張しやすい
・深く考えてしまう
・ミスを恐れてしまう
・計画が細かい
・準備が整わないと踏み出せない
・慎重になってしまう
④あなたの「心配性」の裏付けは?
面接で短所を「心配性」としたのであれば、それを裏付ける具体的なエピソードが必要になってきます。自己理解を深めて、自分の短所を認識し、どう向き合い、どのように改善するための努力をしているか考えましょう。克服している必要はありません。克服していれば、もはや短所ではないからです。
2.面接で短所を「心配性」にする場合の注意点
面接官は意味のない質問はしません。質問の意図を理解して、あなたの言葉で、短所を伝えてください。短所であれば、客観的に自分が見えているか、苦手な部分をどのように乗り越えるか、などです。また、言葉の影響力を侮ってはいけません。面接で短所を「心配性」にする場合に注意しながら伝えなければなりません。まさに心配して準備しましょう。慎重に話す内容を組み立ててください。
①ネガティブな印象を与えるワードは控えましょう
いくら短所だといっても、言葉は重いものです。言葉は力なり、です。面接は短時間・短期間で、人を判断します。なるべくなら、面接ではネガティブな印象を与えるワードは控えましょう。言い換えをする際は、配慮が必要です。「心配性」とわざわざ言う必要性はないですし、特に「心配性」は言葉のネガティブイメージが強いので、言い換えを進めます。
くわえて、根拠となるエピソードもネガティブ過ぎるようなものは避けましょう。基本的に根拠となるエピソードは、ストーリーを組み立てて話します。ネガティブな印象がぬぐえないストーリーになってしまうと、イメージが定着してしまいます。結論とともに、エピソードもネガティブ過ぎるものは避けましょう。
②業界、職種、企業に影響がないように「心配性」を伝える
「心配性」と同義で使われる言葉としては、いろいろありますが、「心配性な面があるため、準備に時間がかかってしまうことです」と言えばどうでしょうか?「心配性」であれば、何だか神経質そうですが、「心配性な面があるため、準備に時間がかかってしまうことです」だと大分相手に与える印象は異なることがわかりますね。計画性はあるのかな?ミスが少ないのかな?
業界や職種、企業によっては、採用に影響が出る言葉もあります。たとえば、求める人材像が、挑戦心を掲げている場合、「心配性」が先立つと、面接する側が躊躇することもあるかもしれません。
「心配性」ということは、なかなか前に進めないのではないかと勘繰ります。もちろん、それを自覚して、どのような行動を取ってきたか伝えることは大切です。しかしながら、言葉を言い換えた方が無難でしょう。言葉が独り歩きしてしまうことが怖いからです。ときには「心配性」と直接言わなくても、本質は伝えられます。
3.「心配性」を面接で短所として伝える【例文】
- ポイント
・結論から述べます。
・短所は正直に書きましょう。(ただし、言葉遣いには注意)
・短所を自覚していることを書きましょう。
・課題や克服に向けた対処法などを盛り込みましょう。
・組み立てた文章を深堀されたときに答えられる準備をしておきましょう
【例文】
「私の短所は、心配性な面があるところです。そのため、ミスを恐れて、準備に時間を要してしまいます。大学の飲食店のアルバイトでは、焼肉屋で働いています。チェーン店で食べ放題のため、回転率が求められます。迅速な対応をしないとお店が円滑に回りません。一方で、食材を扱うので、食中毒にも気を配らなければなりません。店長からは、細心の注意を払いながら、バランスをとって、スピード感も持つように指摘されました。最初は戸惑い、失敗を繰り返しましたが、店長やアルバイトの先輩のアドバイスで視野が広がりました。視野が広がると、気持ちにも余裕ができてきました。心配性な部分は正確なのでなかなか変えられませんが、計画性を持ちながら、スピード感を意識しています。失敗を恐れない勇気も必要だと学びました。」
ちょっと待って!面接で短所を「心配性」と答えようと思っているあなたへのまとめ
面接は生き物です。その場の雰囲気や相性などがあります。短所をよく言おうという意識が働き過ぎて、マイナスになることもあります。「心配性」は面接で答える短所としては直接的なイメージが強いワードです。実際、人事担当者は「心配性」という答えに敏感になることもあります。やはり、それを支える裏付けとともに改善点を伝えることが重要になってきます。自己分析した結果、短所が「心配性」ならそれでかまいません。性格はそうそう変わらないからです。伝え方、そのあとのフォローを忘れなければいいのです。
今後、ますます就活は多様化します。マニュアル的過ぎる安易な方法では、乗り切れません。基礎や基本的な部分は押さえながら、自ら考えることを怠らなければ、良い結果をもたらす可能性は高まることでしょう。
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